山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

八ヶ岳(上)

7月14~16日の3連休は八ヶ岳を変則的に縦走した。
もともとは飯豊連峰を縦走するつもりだったが、天候不順により断念。
天気予報で、唯一傘マークが付いていなかった長野県を選んだのだが、結果的には1勝2敗といったところ。
初日の蓼科、双子はガス。2日目の大岳、北横、三ツ岳、雨池はいずれも雨、縞枯も茶臼もガスだった。3日目は車で南に移動。権現はガスだったが、編笠、西岳は見事に晴れた。

八ヶ岳は昨秋、赤岳、阿弥陀、横岳、硫黄岳を縦走。今年2月に天狗と中山、丸山を登った。残るのは北の端と南の端だ。これを3日で歩くにはどうしたらいいか考えた。
結論は、車を使うことだった。
初日は、蓼科の登山口の駐車場に車を駐め、蓼科・双子を歩いて双子池ヒュッテに泊まる。翌日は大岳から雨池、縞枯、茶臼を縦走、麦草峠からバスで蓼科湖畔近くまで下り、そこでタクシーに乗り換え、蓼科の登山口まで戻って、車を回収。八ヶ岳を南に回り込んで、天女山駐車場に至り、ここで車中泊。3日目はここから権現、編笠、西岳と巡って、富士見高原に下り、ここにタクシーを呼んで、天女山に戻るという計画だ。
タクシー代に計15000円くらいかかる計算になるが、車中泊でやや相殺されるから、よしとした。
これで、八ヶ岳はほぼ制覇した形になる。我ながら完璧なプランである。フフフ。

14日朝5時半、勇んで所沢の自宅を出発した。
この日の予報は曇。ガスはある程度覚悟している。
でも、八王子あたりで青空が見え始め、おおっと1人声をあげたが、山梨に入ると再びどんより曇り空になってしまった。
八ヶ岳もほとんど雲の中で、編笠山の山腹がかろうじて見える程度だった。
8時半、蓼科山登山口に到着。駐車場にはすでに20台くらいの車が駐まっており、これから登ろうとする方々の姿もあった。
駐車場にはありがたいことにトイレがあり、これが洋式、ペーパー付きだったので、なおありがたかった。

目の前にある女ノ神茶屋をカメラに収めて、8:55出発。ここは標高1720mだが、このすぐ上までガスが下りていた。
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ここで初日のコースタイムを記しておく。
蓼科山登山口(8:55)~2113m地点(10:00)~山頂(11:25小屋で昼食など1時間)~将軍平(12:45)~前掛山(13:00)~大河原峠(14:00休憩25分)~双子山(14:50)~双子池(15:20)

最初はなだらかなササ原の道だが、雨の後なので、道はぬかるんでいる。
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ただ、雨や風がないのは助かる。
風が吹くと、木の葉にのっていた雨粒が落ちてくるからだ。
10分ほど歩くと急坂になり、これを10分ほど登るとまたなだらかになる。
9:40に再び急坂となり、ここから標高差160mを一気に登る。
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ごつごつした岩場が続き、かなり、きつい。
一息つける2113m地点には10時ジャスト着。
このあたりからは南八ヶ岳が一望できるとのことだが、完全なガスの中で何も見えない。
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すこし先の2156m地点で立ったまま休憩。行動食にパンを1個食べる。
しばらく、山腹の平らな低湿地を行くが
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いよいよ標高差320mを直登する心臓破りの坂だ。
ここで軍手をはく(←北海道弁)。軍手は遠慮なく汚れた岩や木に捕まれるし、汗や鼻を拭くにも便利だ。
2300mのあたりで一瞬ガスが切れ下界が見えたが、それっきりだった。
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このあたりで蓼科山に特徴的な縞枯れ現象を確認することができた。
読んで字のごとく、縞状に木々が枯れる現象で、原因はよく分からないらしい。
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ゆっくりとよたよた登ってきたつもりだが、この坂で2人を追い越した。

樹林帯を抜けると、岩石帯となり、大きな岩をぴょんぴょん渡りながら登ることになる。
ガスが出ているので、ペンキの目印と竹ざおの誘導がないと迷ってしまうだろう。
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道は右手、東方向にトラバースしていく。
風も強くなり、頂上が近いことは明らかだが、ガスで何も見えない。
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正面に小屋が見えてきたら、左に曲がって、すぐ先が頂上(2530m)。
時間は11:25。2時間半かかったので、コースタイム通りである。
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それにしても、頂上はだだっぴろい岩の原である。

案内板で、蓼科神社奥社や方位盤が近くにあることは分かるが、視界はせいぜい10m程度で、どこにあるのかさっぱり分からない。
人の声を頼りに進んで、奥社を発見。
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続いて、方位盤も見つけた。
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しかし、何も見えないのだから意味はない。

頂上に置きっぱなしにしたザックを回収して、蓼科山頂ヒュッテに向かう。
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寒いので、中で休ませてもらいたかったが、休憩料300円とあったので止めた。
500円のバッジを買ったので、それで何とかならないかと期待したが、ご主人がなんとなく冷たそうだったので、休ませてとは言い出せず、外のベンチで2個目のパンをかじった。
気温は14℃。だんだん風も強くなり、手がかじかんできたので、やはり中に入ることにした。それでも休憩料を払うのはいやだし、体を温めたかったから、うどん(700円)を注文。ついでに首を伸ばして、中も見学した。
そしたら、なんとピアノがあるではないか。
もう1人のおやじさんに聞いてみたら、この小屋は45年くらい前にできて、ピアノは後にヘリで運んだのだという。時々、音楽祭も開かれるのだそうだ。
こちらのおじさんは愛想がよかった。
ちなみに、小屋では聖子ちゃんの「ボーイの季節」がかかっていた。懐かしい。
さて、うどんで温まったので、12:25出発。

ここからは濡れた岩場をまっすぐ下ることになる。
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滑りやすいので慎重に下っていると暑くなってきたので、ゴアを脱ぐ。
登ってくる人もあえぎあえぎである。

またまたコースタイム通り20分で、将軍平の蓼科山荘前に到着。ここは白樺高原や天祥寺原を結ぶ十字路にもなっており、行き交う登山者が多い。
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小屋の写真だけ撮って、すぐ通過。
しばらく平らな道を進み、赤谷の分岐を左に行く。
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200mほどで前掛山(2354m)に達するはずだが、案の定、何の標識もない。
しばらく歩いて道が下り始めたので、証拠写真は撮れなかったものの、前掛山は踏破したと見なし、分岐へ戻って、大河原峠に向かう。
峠までは、最初ゆるやかな登りで、あとはうんざりするほど長い下り。
平らなところはぬかるので、丸太が敷いてあった。
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ただ、どれもかなり朽ちているので、平均台状態の歩行となった。
このあたりも縞枯れ現象があった。
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しばらく行くと、2380mの佐久市最高地点の標識があり
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ここからが下り。石の上を水がちょろちょろと流れているような道で、かえって滑らない。
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泥だらけの靴を洗ってくれるので、ちょうどいい。
それでも、疲れからか何度かスリップした。

14:00大河原峠着。2093m。
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ここは車で来られる2000m以上の峠ということで、学生時代も自転車で来ることを考えていた場所だが、結果的に当時は実現できなかった。
徒歩で上から来ることになるとは思わなかった。
こちらは雲がなく、佐久方面の下界を霞んではいたが見渡すことができた。
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峠に建つ大河原ヒュッテは鋭角の屋根が印象的。
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ヒュッテの売店・食堂部分に入ると、テレビが付けっぱなしだが、人はいない。
別に何かを買うつもりもないので、呼び出したりせず、店内を見物。
毎年、八ヶ岳開山祭を行うごとに発売しているバッジが並んでいた。
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隣の売店では、クワガタが売られていた。
ここで観光パンフレットをゲットして、14:25出発。
向かう双子山もガスの中だ。
少し登って振り返ると、ガスは左(南)から右(北)へものすごい勢いで流れているのが分かる。南からの湿った空気が、このガスを生んでいるのだろう。
これでは蓼科山は見えるわけがない。
それにしても峠を越えるとガスがすっと消えてしまうのが不思議だ。
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双子山へは20分の道のりだが、疲れているのかピッチが上がらない。
ササの丈も高くなり、後半は背の高さくらいにまでなった。
カメラに露が付かないよう、万歳状態で歩く。
途中、風力記号のような木があった。
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結局、頂上まで25分かかった。頂上は岩がごつごつした、わりと平らなところだ。
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相変わらずガスで何も見えないが、晴れていれば、さぞかしいい眺めなのだろう。
風が強いので、休まず通過。
将軍平から大河原峠まで誰にも会わなかった。峠から双子池までも誰にも会わないだろうと思っていたら、祠のある東のピークで2人連れのご婦人とすれ違う。
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この後は樹林帯の中の歩きやすい道を20分ほど下り
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午後3時20分、双子池ヒュッテに到着。なんとここは車の入れるところだった(関係者のみのようだが)。
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一瞬晴れ間が見え、明日への期待が高まる。

まずは受付。
小屋は老夫婦で経営しているようで、ご主人の方は横になってテレビを見ていた。
1泊2食7500円。ホームページでは6500円だったような記憶があるが。
部屋は池に面した「りんどう」。6畳間。
とにかくザックを置いて、双子池の雄池と雌池を散策する。
南にあるのが雄池。
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ここで池の水を汲んでいる人がいた。
テント泊の人のようで、「ここの水は飲めるんです。定期的に水質調査もしてるようですよ」と教えてくれた。私は、とりあえず止めておく。
背後には明日登る大岳が望めた。ガスはかかっていない。

雄池と雌池の間には大岳への登山口があり、そこにいくつかの石仏や神像?が安置されている。
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雄池と雌池は200mほどしか離れていない。
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雌池畔にはキャンプ場があり、かなりの数が張られていた。
ヒュッテの泊まり客がこの日、私を含め4人だったことを考えると、今はやはりキャンプブームなのかもしれない。
安く、しかも、個の空間が欲しいということなのだろう。
そのための荷物の重さや、炊事の手間はいとわないということだ。
若い人向きだなあ、やはり。

私も学生時代、テントを持って全国あちこちへ自転車旅行をしたので、テン泊のノウハウはあるつもりだが、さすがに自分でかつぐとなると、覚悟がいる。
一応持っているし、今のテントはほんとに軽いのだが、まだ使ったことがない。
おそらく、タイミングよく避難小屋がないようなルートを縦走する際に使用することになるだろう。

まあ、それはともかく、いずれも静かな静かな山の湖だった。

4時にヒュッテに戻り、5時半の夕食まで、部屋で休息。あすのコースを確認したり、パンフレットを見たり。お腹が空いていたので、お菓子を1袋食べてしまった。
ときおり、日が差して、部屋が明るくなる。
ここは盆地状になっており、あまりガスが入り込まないようだ。

夕食はここ恒例の野菜の天ぷらと豚汁。おかわりは自由。
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結構おいしかった。

同宿の4人が同じ方向(窓の外)を向いて、並んで食べる(そのように食事が並んでいた)。
「家族ゲームのようですね」と言ったが、誰も反応してくれなかった。みな若いからなあ。
1人は30歳くらいの男性。もともと関東の方だが、今は滋賀県に勤務しているという。
私と同じコースを歩いてきて、明日もほぼ同じコースを考えているようだ。
昨夜仕事が終わってから松本まで来て、ホテルに泊まり、けさ朝一番のバスで登山口まで来たのだとか。
学生のとき、部のツアーで同じコースを歩く予定だったが、そのとき先輩が飲み過ぎて倒れ、翌日の山行は中止。今回は8年前のリベンジということらしい。
もう2人は関西から来た山ガール。どこに行ったらいいか分からなくて、八ヶ岳になっちゃったんだとか。
そんな話を、それほど盛り上がらない感じでした後、ごちそうさま。

食堂に置いてあった雑誌を持って部屋に戻る。
それによると、ここのご主人は井出善生さん。御年75もしくは76で、八ヶ岳に数ある小屋の中でも最高齢のようだ。
確かにくたびれた印象だったが、室内には若かりし頃の写真や往年の小屋の写真が展示してあった。
井出さんは、子供の頃から山小屋経営が夢だったらしい。

7:30布団をしいてシュラフに入る。この日は個室だったので、よく眠れた。
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