山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

都心の山(5)

【2016年4月14日(木)】都心の山
芝給水所の銘板を見ると、ここは信濃小諸藩主牧野遠江守康済の屋敷跡地だという。
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あれれ、江戸切絵図には植村駿河守とあったのだが。
自分が見ている切絵図は嘉永三年(1850年)のものだから、その後廃藩置県(1874年)までの間に、牧野家の屋敷となったのだろうか。
ちなみに、植村家は大和高取藩主。駿河守を名乗ったのは9代家長と13代家保だけで、家保が藩主になったのは嘉永六年だから、こちらも微妙に食い違っている。
まあ、あまり深入りはしないでおこう。

この地に給水所ができたのは明治29年(1896年)。明治31年12月に淀橋浄水場からの水をここから給水した。
東京の近代水道の始まりとなった施設で、当時はレンガ造りだったという。
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「芝給水池」の銘がある。
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こちらは現在の芝給水所の門。
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中には当時の遺構がいくつか野外展示されている。
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左が水道管で、右は馬蹄型通路の断面である。

給水所の向かいには、幸稲荷神社が鎮座する。応永元年(1394年)の創建と伝わる。
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勧請当時は、岸之村の地名をとって岸之稲荷と呼ばれていたが、氏子の願望がことごとく叶ったので、これ幸い哉と、寛永元年(1624年)に今の名称に改められたという。

瘡護神社も兼ねているらしい。
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両方の扁額が掲げられている。
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境内に茅野天満宮と松野天満宮。いずれも聞いたことがない。
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御祠石の影向石。
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これに水を注いで祈願すれば、熱病や夜泣きがピタリと治まるという。

社務所は昭和レトロな建物だった。
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では、丸山に向かおう。
いくつかの寺院の横を通過していく。
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後者は切絵図に「金地院」として登場する。
芝給水所

東京タワーは眺めるだけ。
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「日本電波塔株式会社」が管理していることを初めて知る。
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ハイボール好きです。
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もう一度見上げる。
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道路を渡って、芝公園に入る。
すぐに観音堂。
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ここが、かつての観音山だ。
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手水鉢は「千住驛 坂田七兵衛」の奉納。
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芝公園も新緑がまぶしい。
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秋は紅葉の名所になりそうだ。
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江戸開府400年、芝公園開園130年を記念し、日本専門新聞協会が設置した電波時計「複眼的報道の塔」。
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観音山からはもみじの滝が流れ落ちている。
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これは水をポンプアップしているのだろう。
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ここにも気になる高まりがあるが、山の名前はなさそうだ。
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大きな石の橋を渡る。
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さらに信号を渡って、増上寺の裏から侵入する。
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増上寺が経営する明徳幼稚園。
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こんなのを写していると怪しい人だと思われそうだ。
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でも園児を撮りたいのではなく、増上寺の「最高地点」を探しているだけだ。

どうやら最高地点は、あれのようだ。
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これは昭和8年に建立された大納骨堂だった。
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本尊は高村光雲作の仏様をもとにした地蔵菩薩だそうだ。

堂内には有縁無縁のお骨が納められている。
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増上寺の参拝は省略して、まっすぐ南下し、プリンス芝公園に出る。
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正面はザ・プリンスパークタワー東京。
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振り返ると東京タワー。
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ツツジがあでやか。
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森のチャペルを回り込むと、いよいよ丸山への登り。
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標高16mの台地の上に築かれた前方後円墳(芝丸山古墳)なので、かなり高い。
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頂上は平らな広場になっている。標高は正確には分からない。
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後円部は江戸時代にかなり削平されてしまったようだ。

その頂上に伊能忠敬を顕彰する石碑「伊能忠敬測地遺功表」が立つ。
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伊能忠敬の測量のスタート地点がここに程近い高輪の大木戸だったことから、東京地学協会がこの地を選んで建立したらしい。

これは何のモニュメントだろう。
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後円部を後にして前方部に移動する。
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前方部には猛虎の像。
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実は戦後、衆議院議長を務めた政治家大野伴睦(1890~1964年)の句碑。
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「鐘がなる春のあけぼのゝ増上寺」
調理師会の名誉会長も務めていたため、調理師法施行5周年を記念して昭和38年に建立されたものだという。

芝丸山古墳は5世紀の築造とされる。
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日本考古学の先覚者坪井正五郎(1863~1913年)が明治25年(1892年)、欧州への留学から帰国する船の上から陸地を眺めた際、この小山の高さに不自然なものを感じた。
明治31年(1898年)に発掘調査を行ったところ、埴輪の破片などが出土し、古墳と判明した。
埋葬施設は削平されていたため、発見できなかった。
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前方部。
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後円部。
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全長106mというから、都内ではかなり大きい方だ。
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墳丘には円山随身稲荷大明神が祀られていた。
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ちなみに東南斜面には縄文時代後期とみられる貝層が残っており、丸山貝塚と呼ばれている。
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これにて、本日の縦走は終了。
あとは、地下鉄芝公園駅へ下山するだけだ。
途中、インド系の外国人に呼び止められ、丸山を背景に写真を撮ってくれと頼まれた。
これが古墳だと知っていて訪ねてきたのだろうか。
だとすればかなりのマニアだ。日本人ですら、ほとんど知られていないのに。

園内には、江戸時代に今の西新宿三丁目にあった「梅屋敷銀世界」の梅林がここに移植されたという。
当時、梅屋敷にあった石碑も移設されている。
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琉球の陳応昌の筆になるという。

「この木なんの木」のような木。
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庭園風の涸れ川を見学して
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芝公園駅に到着。
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ここにも外国人が多い。

考えてみれば、今日登った主要4つの山すべてに外国人の姿があった。
日本史を歩いて、外国人と出会う。
そんな意外な発見もある「山行」だった。

【行程】2016年4月14日
赤坂見附駅(11:25)~一点張(11:30昼食11:45)~日枝神社(11:52撮影12:03)~国会議事堂裏(12:19)~日比谷公園(12:37散策・撮影13:30)~南桜公園(13:41)~愛宕山(13:57撮影14:08)~放送博物館(14:10見学14:35)~西久保八幡神社(15:08撮影15:15)~芝給水所公園(15:25撮影15:32)~芝公園(15:40散策・撮影16:15)~芝公園駅(16:18)
※所要時間:4時間53分
※登った山:6座(星ノ山、ツツジ山、三笠山、愛宕山、観音山、丸山)
※歩行距離:10.0km
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