山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

2016大山(2)

【2016年3月26日(土)】大山
大山ケーブルのバス停からこま参道を経て、大山ケーブル駅まで登ってきた。
ここから先は山道となる。
昨年暮れには女坂を登ったので今回は男坂を行く。
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道は階段の途中で分岐している。
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左の女坂は大山寺(不動大明王)を経由して、阿夫利神社に行く道だ。
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この石段を登ったところに追分社(八意思兼社・やこころおもいかねしゃ)がある。
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祭神の思兼神は、天の岩戸に隠れた天照大神を誘い出すため、知恵を授けた神様である。
「八意」とは、多くの知恵という意味だそうだ。
ここで本日の安全登山を祈願する。

この社に向かって右に急勾配の階段がある。男坂の始まりだ。
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女坂も含め、ここから先はかつて女人禁制だった。

振り返ると、追分社の前にちょっとした平地がある。
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ここにはもともと元禄年間に建立された前不動堂があったという。

階段は最初のうちだけだろうと、高をくくっていたら、下社まで延々と続いた。
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「さすが男坂」と感じ入ったのだが、それより何より、これだけの石材を引き上げて、階段を組む労力に恐れ入った。信仰の力というものは畏敬に値する。
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間もなく「三町目」の標柱があったが、これは前不動堂からの標識だろうか。
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この先に、男坂三十三祠其ノ六「弁」という標識があった。
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礎石らしきものも残っている。
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標識の意味はよく分からないが、かつて男坂にはいくつもの堂社が置かれていたというから、その痕跡のことだろう。
全部で33か所あったうちの、下から数えて6番目ということか。
「弁」の文字は「弁天社」の略?
「新編相模国風土記稿」には、男坂に神明社、子権現社、秋葉社など26の堂社があったと記されているとのこと。
そのうちの一つなのだろうが、ちょっと標識が不親切だ。

かつて一般の参詣者は主に男坂を登ったらしい。
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しかし、安政元年(1854年)の大火で、前不動堂も含め、これらの堂社はことごとく焼失してしまったという。
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石の階段だけは、焼けずに残ったというわけだ。
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今はケーブルで登ってしまう人が大半だろうが、歩くとすれば大山寺のある女坂を選ぶ人が多いのではないか。
昨年暮れに女坂を歩いた時と比べると、やはり男坂を歩いている人は格段に少ない。

道は階段だけでなく、岩を削って、平らに普請している箇所もある。
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しかし、階段が途切れることはない。
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しかも段差が大きいので、かなりももの筋肉を使う。
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今度は「其ノ十六 愛」が出現。
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ここには愛染堂があったのだろうか。
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引き続き、びしびし登っていく。
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と言ってもペースはゆっくり。心拍数があまり上がらない程度に。
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途中にたまにはさまる緩斜面で、ひと息つける。
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この平坦面にも何かあったのではないだろうか。看板はないけれど。
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ただ、汗はさすがに出てくる。
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急斜面では石段が崩落したのか、金属製の階段が設置されていた。
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この階段を登ると、再び平坦面。
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樹種の異なる木が絡み合っている。
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こういうものには何か名前が付いていそうなものだが、男坂はそっけない。
女坂には「七不思議」とかいって、いろいろとアトラクションがあるのに。

それにしても、男坂の石段は容赦がない。
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大山というのは実は険しい山だったのだと、今さらながら気づく。
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考えてみたら、バス停の標高が約310m。
下社が約700mなので、男坂で標高差400m近く登らなければならない。
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ケーブルの音が聞こえてきたと思ったら、大山ケーブルの中間点・大山寺駅の真上だった。
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まだ半分か。追分社からここまで20分で来ているので、あと20分で下社に着く計算。
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コースタイムは35分になっている。私のペースは40分なので、かなり速い想定だ。
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だけど、ガンガン標高を稼げるので、あまり飽きない。
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ペースを守って、一歩一歩足を上げていく。
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標高600m付近で雪が現れた。
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先週登った茅ヶ岳(1704m)では1400m地点だったので、ちょっとびっくり。
その後、寒い日が続いたので、最近の雪なのだろう。

石段ばかりで見ている方は飽きてきたのではないでしょうか。
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もちろん、さっさと飛ばし読みしてもらって結構です。
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「其ノ三十一」は「学」。
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何があった場所なのか、さっぱり分からないので、気にせず進む。
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仁王門の階段の手前で休んでいた外人さんのグループを追い越した。
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この外人さんは、同じバスに乗っていた人で、大山ケーブルの手前の大山駅で下車した方々だ。
私がバス停近くで身支度をしている間にもう追い越して行って、追分社のところで彼らがストレッチをしている時に私が先行。
でも、写真を撮っている間に、また抜かれてしまったという、抜きつ抜かれつの関係なのだ。

仁王門前の石段はかなり精緻なまま残っている。
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中段には石垣も残っていた。
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かつての景観は「相中留恩略記」の「大山」などで知ることができるが、こんな山の中にこんな大伽藍が展開していたことに驚く。
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すべて灰燼に帰してしまったのは実に惜しい。
まあ、残っていたとしても廃仏毀釈で明治には大半が破却されてしまったのだろうけど。

階段を登り切ると仁王門の礎石があった。
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その奥には東屋が見えるが、ここがかつて大山を支配していた別当の住まい、八大坊上屋敷跡である。
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今は石仏が1体ひっそりとたたずんでいるだけ。
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何の遺構かは分からないが、コンクリートのようなので、八大坊とは関係ないかもしれない。
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ミツマタが風に揺れていた。
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ここには「万国忠霊塔」が立っている。
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建立者は神道系の新興宗教「七曜会」の創始者・溝上恵照(1892~1984年)。
世界各国でお国のために忠節を尽くして倒れた勇士の霊を慰めるための施設だそうだ。
建立は昭和33年。

歌碑には「仰ぎ見る富士の高嶺の雪よりも清くちりにしますらをの友」とある。
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歩き始めてから、ほぼ1時間。
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だんだん、いろんな大山講の記念碑が並ぶようになってきた。
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間もなく、女坂と合流。
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このあたり石碑に取り囲まれているようだ。
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平坦面があると、何かの遺構があったのではないかと気になるようになってきた。
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阿夫利神社は儲けているのだろうから、かつての堂社の場所に「○○跡」という標柱を立ててほしいなあと思う。伊勢原市教育委員会でもいいのでお願い致します。

女坂と合流すると一気に人口が増えた。
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右に行くと、二重滝、見晴台方面。
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さっきから我慢していたのだが、やっとたどり着いた。
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やはり昨日は食べ過ぎた。
しかし、ここでしばらく座っている間にすっかり体が冷えてしまった。

階段を登ると、下社は目の前。
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茶屋のおばちゃんに声を掛けられたので、寄っていく。
食料を買わないといけないし、本隊が来るまで待たないといけないからちょうどいい。
食料はおにぎり(300円)があったので、それを購入。まだ温かかった。
しかし、湯のみで出されたのは、冷たい水だった。
大山湧水なのかもしれないが、ここは熱いお茶が欲しかった。
寒いので雨具の上にダウンを着込む。
ほどなく、本隊が到着したようで、呼びに来てくれた。

(つづく)
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