山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

瑞牆山(中)

【2016年3月20日(日)】瑞牆山
水場のすぐ上が富士見平小屋。コースタイム通り、ほぼ50分で到着した。
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ここは金峰山(2599m)と瑞牆山(2230m)との分岐点に当たる。
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緩斜面が広くテン場になっていた。
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本来なら、ここから富士山が見えるはずなのだが、今回も残念賞。
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とりあえず100円払って、小用を済ませ、このベンチで休憩。
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同窓生に木工をやっている後輩がいて、彼女の作品を買ってきたばかりだったので、この日がデビュー戦。
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ポットのお湯でロイヤルミルクティーをいただく。美味。
材質は北海道のハンノキ。そんなに重くもなく、保温力もある。いい買い物をした。

この場所はちょうど南斜面なので、いい陽気。風もなくぽかぽかだ。
でも、こんな明るい雰囲気からは想像もできないような事件が今から33年前、ここで起こった。
事件の概略はこうだ(ウィキペディアなどより)。
昭和58年9月4日、東京都内のOL、Sさん(当時22歳)の家族から、娘が前日の3日早朝、瑞牆山に1人で登山に行ったきり、帰宅予定の4日夜になっても戻ってこないと警察に届け出があった。
山梨県警韮崎署が捜索したところ、同月19日、富士見平小屋から北東に2~300mほど離れた登山道下の山林でSさんの遺体を発見した。
韮崎署は他殺と事故の両面から捜査を開始。富士見平小屋の管理人T(当時50歳)に事情を聴いたところ、Tは「Sさんは3日午後4時頃に山小屋にきたが、5時頃呼びにきた若い男と一緒に出て行った」と答えた。
しかし、その後、この日に限って管理人が宿泊名簿をつけていないことが判明。当日夜、助けを求める女性の悲鳴を聞いたという登山者の証言や、以前この山小屋を利用した女性が管理人に襲われそうになったという情報も得た。
このため韮崎署は9月23日、Tに任意同行を求めて取り調べた結果、殺害を認めたため、同日逮捕した。
起訴状によると、Tは9月3日夜、同小屋に泊まった会社員Sさんが小屋の外に出たところを襲い、乱暴しようとした。しかしSさんに激しく抵抗されたため、襟首をつかんで今井さんの体を宙づり状態にして窒息死させた。Tは翌朝、犯行を隠そうとSさんの遺体を小屋から百数十メートル離れた山林内に運んで捨てた。

Tは両親と妻、娘の5人暮し。前年から、増富ラジウム温泉観光協会経営の同小屋で管理人を務めていた。性格は無口でおとなしいが、以前から山小屋で女性に悪戯したとの噂は絶えなかったらしい。地元では女性登山者に対して富士見平小屋には泊まらないように注意する人もいたのだとか。
Tは公判途中から「3人組の犯行だ」と否認に転じたが、裁判所には認められなかった。
被疑者は翌年10月の控訴審で、婦女暴行致死、遺体遺棄などの罪で1審より重い懲役13年(求刑同15年)の実刑判決を受け、服役。平成9年に出所している。
まだ生きているのだろうか。生きていたとしたら83歳だ。
こんなことがあるから、女性の単独行はとくに危険だと言われてしまうのである。
Tは山梨県山岳連盟所属のベテランだったそうだ。

その後、富士見平小屋がどうなったのかは、よく分からない。
2009年9月に管理人が不在になり、閉鎖されていたが、2011年に再開したという記事は出てくるので、事件後も別の管理人に代わって営業を続けていたのかもしれない。

それにしても、こんな事件のことなどもう全く知らない登山者がほとんどだろう。
ただ、富士見平小屋に泊まろうとして検索すると、この事件の話は必ず上の方に出てくる。
小屋に泊まることを検討する人は否応なく知ってしまう情報だ。
気味悪がって宿泊を取りやめる人もいるかもしれない。
風評被害はネット時代になった今の方が実は大きいのではないか。
そんなイメージを覆そうと、この小屋は必死に努力しているように見える。

小屋自体は古いが、玄関は明るい雰囲気にしつらえている。
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こんな明るいイメージの看板もあるし。
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食事のメニューも豊富で、人気も高いと聞く。
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山小屋初の地ビールも開発してしまった。
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ネットを見ると、「小屋番の方の態度が悪い」というログがやはり上の方に出ているが、負けずに頑張ってほしい。

というわけで、15分ほど休んで出発。
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ケルンを抜けて、尾根から沢へトラバース気味に下っていく。
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北斜面なので、路面にはアイスバーンがあちこちに出現。
しばらく我慢したが、転ぶ前にアイゼンを付けることにした。
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この先、ほとんど凍結していたので、早めに付けておいてよかった。
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個人的には、この時アイゼンを付けて歩ける喜びをひしひしと感じた。
骨折のせいで足首を覆うような登山靴が履けなくなり、ずっと雪道は避けてきたからだ。
骨を固定していた金具を1月に抜去してから、ようやく痛みがなくなり、靴が履けるようになった。
氷を噛むガリガリという音と感触が実に気持ちよかった。
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沢に近づくと、一気に高度を下げる。
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ここはアイゼンなしではとても歩けなかっただろう。
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みな危なげなく下り、天鳥川に出た。
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川面はまだ雪に覆われているが、その下はちゃんと水が流れている。
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無事に渡渉して、ちょっと登ると、目の前に巨大な桃太郎岩が現れた。
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その名の通り、桃がぱっくり割れているように見える。
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転落の衝撃で割れたのか、この位置で何かの衝撃、浸食によって割れたのか。
それにしても自然の力は想像を超えている。

この石が転がってしまわないよう、つっかえ棒がたくさん立てられていた(笑)
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さて、ここからが本番。谷の中の道を詰め上げていく。
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5分ほどで、階段状になった氷瀑が現れた。
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面白いのでピッケルを取り出し、この上を歩いてみることにした。
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アイゼンがよく刺さるので、ピッケルは必要ないくらいだった。
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気温が高くなり、このあたりはガリガリではなくザクザクという感触だった。
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しばらく急坂が続く。
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この谷にも巨石はふつうにある。
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日の当たる場所はすっかり雪も解けている。
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天気はほぼ快晴だ。
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この巨石は細い枝2本で支えられている。
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岩だらけ。
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飯森山(2116m)の左に金峰山が見えてきた。
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五丈石もくっきり。
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クサリ場出現。
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雪もザクザク。
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標高2000m付近で小休止。乾徳山の時に続きMさんからスアマの配給を受ける。
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さあ、鋸岩が見えてきた。と思ったら、その手前の岩だった。
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私も1本、つっかえてみた。
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いよいよ核心部。傾斜もかなりきつくなる。
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巨石も折り重なるようになってきた。
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健脚の女性陣。
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「小鋸岩」と名付けてみたが、それにしても大きい。
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そして、あれが頂上。まだ、もう少しあるなあ。
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足元にはつらら。
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巨岩の後ろにもう1本さらに大きい岩峰が見えてきた。
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岩の表面に薄く氷が張った岩場。
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クサリがあるけど、かなり怖い。
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次から次へと巨岩が現れる。
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これは本物の鋸岩。
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さあ、最後の登り。
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鋸岩とほぼ同じ高さまで来た。
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頂上のとなりにある岩壁。
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これが見えると、ようやく尾根に乗る。
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頂上の裏側(北側)に回り込んで、クサリ場をへつる。
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その次はロープ。
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そしてはしご。
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これを越えれば、頂上に躍り出る。
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前回と違って、晴れ渡っている。
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360度の大パノラマが待っていた。

(つづく)
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