禁足期間明けはどこに行こうかと入院中に検討して、嵐山&小仏峠に決めていた。
小仏峠を稜線歩きの通過点ではなく、峠として越えてみたかったのだ。
でもそれだけでは「登った山」を稼げないので、相模湖畔の嵐山(406m)を加えることにした。
小仏峠は旧甲州道中の峠道だが、ゆるやかで広い道が九十九折になっており、往年の街道の雰囲気を十分に堪能できた。
結果として20km近く歩かされたが、足にとくに違和感はなく、復活の旅としては充実したものだった。
近場なのでとくに早起きはせず、6時に起床。
自宅で朝食を済ませ、7:48新所沢発の電車に乗る。
東村山、国分寺、高尾で乗り換え、9:09相模湖駅に着いた。

高尾からは1駅だけホリデー快速富士山1号河口湖行きに乗った。

特急列車の車両なので混雑を予想したが、意外にすいていた。
やはりこの時期はシーズンオフのようだ。
駅でトイレに寄ろうとしたら、清掃中なのでNG。
9:15、とにかく歩き出す。

旧相模湖町(現相模原市)のカラーマンホール。

出発した途端、ザックを下ろして、ダウンを脱いだ。
もう、外はぽかぽか陽気。ウインドシェルに着替える。
実はまだお昼を買っていない。
国道に出て、コンビニはないかと左右を見渡したが、見当たらない。
困ったが、仕方ない。食料は調達しないまま登ることにした。
登って下りた頃がちょうどお昼だから何とかなるだろう。
(実は危なかったのだが)
国道を左折し、歩道橋を渡る。

登ると、正面にこれから登る嵐山が見える。

その逆方向には孫山(子孫山ノ頭、543m)。

背後に見えているのは何山だろうか。

ここでストレッチをしていなかったことを思い出し、階段の踊り場で膝の屈伸&アキレス腱。
ささっと済ませて階段を下りると、4人組のハイカーが信号を渡って、先に歩いていくのが見えた。彼らも嵐山だろうか。
国道20号を離れて、相模ダムに向かう道を下るのだが、湖岸の道に出るには随分遠回りになる。
ショートカットする歩道があればいいなあと思っていたら、ちゃんとあった。
ここが降り口。

相模ダムの堰堤を見ながら、相模湖大橋を渡る。

反対方向には石老山(702m)の山並みが見える。

長い嵐山洞門。

2003年10月の竣工だ。

歩道はこのような回廊になっており、ちょっとヨーロッパ気分。

右手には相模湖の桟橋が姿を現した。


相模湖大橋も振り返っておく。

孫山もだんだん山容がよく分かるようになってきた。また冬が来たら、あそこにも登ろう。

洞門から出たところが嵐山橋のバス停。

地形図ではここから左手に、林道が延び、登山道にぶつかることになっている。

「山と高原地図」のルート通りに歩くと、さがみ湖リゾート・プレジャーフォレストまで回りこんで、1時間以上余計に歩くことになるので、ここからショートカットを試みる。
しかし、道は必ずしもよくない。

このくらいなら、まだ大丈夫なのだが

とうとう激しいヤブになってしまい、突入を断念。引き返した。
完全な廃道になっていた。
「山と高原地図」のルート通りに歩くことにして嵐山橋を渡る。

この橋は西独ディヴィダーク社が特許をもつ片持梁なる工法で造ったわが国初のプレスとレスト・コンクリート(PC)橋だそうで、「かながわの橋100選」に選定されている。
PC橋とは、PC鋼材を使った、通常の鉄筋コンクリートよりも強度のある橋のこと。
土木は素人なので、ウィキの受け売りですが。
この先にもう1本左に入る舗装の道があったが、こちらには「私道につき侵入禁止」との表示があったので、素直に断念。
もう近道は諦めて、相模湖の風景を楽しみながら、のんびり歩く。



右奥に見えるのは権現山(1312m)。

釣り人たちが糸を垂れている。

ここでは、ヘラブナやブラックバス、わかさぎが釣れるらしい。
沿道には明暗を分けた喫茶店が2つ。


でも、滝見茶屋も苦戦しているのではないだろうか。
ここじゃお酒は出せないもんなあ。
民芸調の和食処「ねん坂の関」も廃業していた。


ここなら車の通行量は多いと思うが、ちょっと店が大きすぎたのだろうか。
調べてみたら、2011年5月末で閉店したそうだ。
相模湖駅から1時間近くかかってやっと、登山口への入口にたどりついたが、お昼だけでなく飲み物すら買っていないことに気づいた。
やばい。
プレジャーフォレストまで行けば自販機があるかもと思い、数分足を延ばす。

すると、ありがたいことに、ありました。
ここで、アクエリアスを1本ゲット。これで安心だ。
ちなみに、この施設は1972年に「相模湖ピクニックランド」として開園したが、2007年に富士急グループに事業譲渡。翌年、現在の名称に改めた。
ピクニックランドという名称に親しんでいただけに、今の名称はなかなか覚えられない。
もともとは、あの力道山がゴルフ場を作ろうと買収した土地だったそうだ。
さてさて登山開始。

嵐山頂上まで2.4kmとある。

梅もほころぶいい季節になった。


日当たりのいい丘を気持ちよく登っていく。

なぜ、この大木を切ってしまったのか。

間もなく左手に相模湖も見えてきた。

右手には、プレジャーフォレストの観覧車。

夜に中央道を戻ってくると、相模湖の向こうの山の上に光ってみえる大きな輪っかがこれだ。
その敷地との境界をすり抜ける。

この先は延々と山腹を巻いていく。


登山口から500mほど来たあたりで、小さな女の子2人を連れたパパに追いついた。


危なっかしいトラバース道もあったので、パパもハラハラだろう。十分気をつけて。
この先どんどん道が下っていく。
あれれ、道を間違えたかなとも思ったが、分岐があった記憶はない。
地図ロイドを確認しても大きくルートを離れているわけではないようなので、半信半疑ながら、そのまま進む。
すると、とうとうさっき歩いた湖岸の舗装道路まで見えてきてしまった。
これは、さすがにおかしいと思い、引き返そうとしたが、もうちょっとだけ粘ってみた。
すると道は次第に持ち直し、ようやく登りに転じた。
この道で間違いなかったのだ。危うく、こんなところで行ったり来たりを繰り返すところだった。
再び相模湖。

ぐいっと高度を上げて竹林の中を進むと、別荘のようなログハウスを発見。


ここがさっきの私道の行く先だったのだろうか。
やっと前方に嵐山の山頂が見えてきた。

ベンチがあったが休まず通過。

小さな沢を渡ると、頂上への急坂が始まる。


標高差は120mほどある。
無心で登り切り、尾根に出ると、小さなアップダウン。


アンテナが見えると、もう頂上だ。

鼠坂の登山口からちょうど1時間で到着。

標高は406m。

さすがに、ここでひと休みすることにした。
(つづく)
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