山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

美の山(上)

【2016年2月14日(日)】美の山
バレンタインデーの週末は春一番が吹く大荒れの天気との予報だった。
もともと禁足月間だし、どこにも出かける予定はなかったのだが、13日の土曜日が終日いい天気で何となく損した気分になり、未明に風雨が強かった14日も朝9時から日が差してくる回復ぶりで我慢できなくなった。
10時を過ぎた時に決断した。
どっか行こう。近場でどっかないか。
「山の高原地図」の「奥武蔵・秩父」を広げて、しばし思案。
禁を破って、美の山(587m)に行くことに決めた。
車で頂上まで行ける山なので、栃木の御亭山(こてやさん)のように車で登ってしまう選択肢もあったが、やはり歩きたい。
駅探で検索すると、15分後に家を出れば、登山口のある秩父鉄道和銅黒谷駅に12時過ぎ着く。
これなら車より早い。
帰りの風呂が近くにないことが懸案だったが、それは電車の中で検討することにして、急いで飛び出した。

小手指駅10:50発の飯能行きに飛び乗り、入間市で特急ちちぶ11号に乗り換え。
待ち合わせ時間が3分しかないのに、特急券売り場が入間市駅のホームにない!
焦ったが、車内で買うことにして、とにかく特急のホームへ急ぐ。
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座席はかなり空席があったので助かった。
高麗駅のあたりで車掌さんから特急券(420円)を購入。
西武秩父までずっと「山と高原地図」と突き合わせながら、車窓を眺めていた。
途中、どんより雲ってきたが、秩父に着く頃には再び晴れてきた。
11:48、西武秩父着。
御花畑発の電車は11:54なので、やや小走りで移動する。

改札口を入ったところで、ちょうど羽生行きが入線してきた。
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今日の秩父鉄道は空いている。やはり冬はシーズンオフなのか。
和銅黒谷駅には12:06に到着。
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ホームに巨大な和銅開珎のモニュメントがあった。
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ここまで車内で検討した結果、本日は和銅遺跡経由で美の山に登頂し、蓑山神社表参道を皆野駅へ下るコースを取ることにした。
風呂は皆野駅からかなり遠いが、秩父川端温泉「梵の湯」。
和銅鉱泉「ゆの宿 和どう」は部屋付きでないと日帰り入浴ができず、高いので断念した。

駅舎は木造平屋建てでレトロな雰囲気。
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運賃表もそれらしくしている。
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駅前がすぐ国道140号。正面に本日の目標、美の山が横たわる。
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まずは国道沿いのセブンイレブンで昼食と飲み物を調達。
本日のメニューは相変わらずのおにぎり2個。それと行動食にレーズンパターパン1袋。
おにぎりはすぐに開封、歩きながら2つとも食べてしまった。
それはともかく、やはり陽射しが暑い。
帽子を忘れてしまったのは失敗だった。

標識に従って右折するが、駅の手書き地図にあった道より1本手前の気がする。
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まあいいやと進んでしまい、そのせいで聖神社には立ち寄れなかった。

周辺には銅の採掘にからんだ古地名が残っていた。
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このあたりは「殿地」というとのこと。
採掘時の役人の屯所があった場所で、蔵人屋敷とか「どんじいり」とか呼ばれていたらしい。それの名残のようだ。

間もなく軽自動車しか入れないような道になる。
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少し標高が高くなるだけで、西に両神山(1723m)が姿を現した。
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左手には古い石碑や五輪塔が集められている場所も。
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小さな尾根を切通しで横切ると、露天掘りをしていた沢を祝山橋で渡る。
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この沢は「どうねんぼう」と呼ばれたらしい。
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鉱石の泥を洗い流した「銅洗堀」、鋳造した銅銭を洗い浄めた「銅銭掘」がなまったものだ。

坂は傾斜を増す。
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和銅遺跡への遊歩道には雪が結構残っていた。
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下界でこんなに残雪があるなら、北斜面の登山道はまだかなり積もっているかもしれない。
今日は暑いくらいだから雪解けは進むだろうがちょっと不安になる。
今日はチェーンアイゼンも持って来ていないのだ。

日向はきれいに解けていたけれど。
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遺跡に着く手前に、鳥の群れの鳴き声のようなものが聞こえてきた。
でも近づいてみると、なんとカエルだった。
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この暖かさで孵化したのかなと思ったが、いきなりカエルが卵から大人になるわけではないので、冬眠から覚めたということなのだろうか。
ものすごいにぎやかさで、池のようになった雪解け水の中をあちこちで活発に泳いでいた。

和銅遺跡には20年近く前の正月に、秩父神社への初詣の帰りに寄ったことがあるのだが、ここはどうも記憶とは違う。
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こんなに巨大なモニュメントを見た覚えもない。
前回行ったのは別の地点だったのだろうか。
「日本貨幣発祥の地」を名乗っているが、最古の貨幣は「富本銭」に譲ってしまったので、この呼称も本当は使いづらくなってしまったに違いない。

沢の対岸の崖が露天掘りの跡とのこと。
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和銅開珎について、ちょっとだけおさらいしておこう。
慶雲五年(708年)、武蔵国秩父郡から和銅(自然銅)が発見され、朝廷に献上された。
これを喜んだ女帝の元明天皇は年号を「和銅」と改め、和銅開珎を発行した。
歴史が苦手な人でも和銅開珎を知らない人はいないだろう。

聖神社は自然銅をご神体として和銅元年(708年)に創建された神社だそうだ。
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通り過ぎてしまって失敗だった。

閑話休題。廃車その1。
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車道を横切って、美の山への道を登る。
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遺跡のある谷の底で木々も生い茂っていたので肌寒いくらいだったが、谷から車道に出ると、日差しが燦々。ほんとに汗ばむほどだ。

両神山も全容がしっかり見えてきた。
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こちらは二子山(1166m)。
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背後には武甲山(1304m)。
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のどかな山里をしばし歩く。
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間もなく、本格的な登山道に入る。
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傾斜はかなりきつく、汗が流れてきたので、頭の保護のためタオルでほっかむりをする。
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1か月ぶりの登山ということもあり、ペースはスロー気味に抑えていたが、それでも時々息が上がった。
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ヒノキ林に入ると、日差しが避けられるので、ホッとする。
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山頂まであと0.4kmの道標のあたりで、再び疎林となった。
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登山道には雪がほとんどなかったが、日蔭にはそこそこ残っている。
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おお、やっと頂上近くの車道が見えてきた。
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さあ、あともう少し。
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午後1時20分すぎ、駅から1時間10分ほどで登頂した。
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コースタイムより20分も早い。
足首もほとんど違和感がなかった。順調な仕上がりだ。

頂上広場に出ると、目の前に大きな展望台があるので、早速登ってみた。
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山頂の標識がないのが残念だったが、眺望はすばらしい。
山座同定用の案内図があったのでありがたかった。
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方向表示盤もあったが、これは見づらい。
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まずは、東側の外秩父連山。
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右は登谷山(668m)。
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その右(南)は、皇鈴山(左、679m)と愛宕山(右、655m)。
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さらに右。粥新田(かいにだ)峠の放牧場。
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南東は大霧山(767m)方面だが、木々でよく見えない。
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南には、武甲山(右)。その左は、武川山(1052m)と二子山(883m)。
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南南西。秩父盆地と奥多摩の山々。
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南西。やや雲がかかっているが、奥秩父の主稜線。
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中央が甲武信ヶ岳(2475m)。
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西には両神山と二子山。
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二子山アップ。
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北西に城峯山(1038m)。
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すぐ下には、ベンチが並ぶ広場を見下ろせた。
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(つづく)

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