山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

のと鉄道能登線(下)

のと鉄道能登線廃線の旅を続ける。今日は5月19日。
松波駅を後にして、恋路海岸へ。ここは30年前に自転車で通ったところ。当時と同じ銅像があってうれしい。
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ただ、30年前の写真と比べてみると、新たにどぎつく緑色のペイントがなされているのと、後ろの弁天島の木々が成長しているところが違う。

恋路海岸の由来は、約700年も昔にさかのぼる。
木郎の里の助三郎と、多田の里の鍋乃は人目をしのんで、この浜で逢瀬を重ねていた。
暗い夜、助三郎の目標は、鍋乃がともすかすかな灯であった。
鍋乃に想いを寄せるもう一人の男源次は、助三郎をねたみ、灯をひそかに崖のはずれに移し、助三郎は崖から転落してしまった。
恋人が帰らぬ人となった鍋乃は悲しみのあまり、源次の求愛も袖にして、自らも海に身を投げてしまった。
そしていつしか、この浜は恋路海岸と呼ばれるようになったそうである。

この近くにある恋路駅は、隠れた観光名所になっている。
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ここはラブラブなカップルのほかに、恋に破れた人も訪ねてくるらしい。
こんな落書きがあった。
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平成13年、将弥さんを失った「俺」は彼女に許してもらえるまで走り続けると誓う。26歳。
しかし、腐ってしまった「俺」は3年後、再びここを訪れ、誓う。
もう一度走り続けると。
だが、さらに2年後。「力を与えてくれ」とすがりつく。
そして、翌年も「力を与えてくれ」と叫ぶのである。
4回訪ねたうち、2度は7月11日、残りの2度は3月24日。何かのアニバーサリーなのか? 彼女の誕生日とか、別れを告げられた日とか。
それにしても、6年間思い続ける精神力には感心します。
その後、5年間来ていないようだけど、新しい恋を見つけたのかな?
がんばれ~~~!

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恋路駅は仮停車場だったのが1988年に駅に昇格した関係もあり、待合室が他の駅と違って、しゃれている。

次の鵜島駅は恒例の駅。
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ただ、ホームはきれいに清掃され、待合室も開放されている。

南黒丸駅も同じパターン。
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この後は、奥能登きっての名所、見附島。別名、軍艦島。
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40代の皆さんには、松田聖子のポッキーのCMで初めて知ったという人も多いのではないか。風立ちぬの曲が流れ、聖子ちゃんが軍艦島と陸地を結ぶ、細い岩場をよろけなが歩いていた記憶がある。
帰宅後、一生懸命YouTubeで探したら、見つけることができた。
軍艦島のシーンは一瞬だった。あのCMは金沢とか加賀・能登のいろんなところを映していた。たぶん、当時、能登に行きたくなったのも、このCMの影響だったと思う。
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横から見ると確かに軍艦にも見えるが、正面から見ると顔である。
ここでソフトクリームを買って食べる。

最寄りの駅は鵜飼駅。
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ここはしっかり駅舎が残っていた。普段何かに使っているのかもしれないが、この日は鍵が掛かっていて入れなかった。
ホームではベンチが朽ちていた。
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この駅には「長い間ありがとう」の横断幕があったが、どうも能登線に対して地域住民は冷たいように思う。
存続運動はあったようだが、廃線になったら、それっきり。
年に交替で2回、草刈りをするだけでも、随分と違うと思うのだが。
これから、廃線の駅は観光資源になる。行政も少し考えてほしいと思う。

上戸駅は南黒丸駅と同様、開けた場所にある。
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こういう所にあると、荒れる一方ということは避けられるようだ。

対して、飯田駅。ここは珠洲市役所の最寄り駅で駅舎もあるのだが、ホームはちょっと奥まったところにあるので、ひどい有り様である。
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駅舎にはうっすらと「飯田駅」の文字が残っていた。
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珠洲駅は道の駅すずなり館に衣替えしていた。
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ホームと線路も一部保存されていたが、味気ない残し方である。
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鉄道への愛があまり感じられない。

次の正院駅で初めて、廃線を歩いている人に出くわした。
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「ここは何駅ですか?」と聞かれ、「正院駅です」と答えた。
ここも環境は上戸と似ており、ホームの雰囲気は明るい。
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駅舎の「正院駅」の文字は壊れて、ぱっとみ判読不能になっていた。

で、ようやく終点の蛸島駅である。国鉄能登線が珠洲を終着とせず、ここを終点に選んだのは、蛸島がかなり大きな港町だったからだろう。
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飯田や正院と同じタイプの駅である。
正面の自販機はスキンではない。蛸島の記念品を売っていたようだが、いつからか使用不能になっている。
廃線になってから、この敷地もしくは使用権利をのと鉄道から買った人がいたらしい。
しばらく商売をしていた痕跡はあるが、継続は断念したようだ。
向こうの方に動態保存していたという旧車両が見えた。
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レールはまだ残っている。
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この先にレールはない。のと鉄道になってから延伸の構想もあったらしいが実現されないまま廃止となってしまった。
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ここで、正院駅で会ったご夫妻とまた再会。廃線めぐりをしているのかと聞いたら、廃線になってから一度、このあたりに来たことがあり、懐かしいから再訪しているのだという。

さてもう2時前である。明るいうちにJR七尾線にも乗りたいが、それには七尾17:32発の電車に乗る必要がある。レンタカーを返す時間を考えると、夕方5時までには七尾に戻りたい。あと3時間ちょっと。
これでは、禄剛崎を回って奥能登を一周して、輪島線の廃線もたどるのはとても無理。
輪島線は諦めて、撮り残してある、のと鉄道七尾線の駅舎を撮影しながら七尾に向かうことにした。
だとすれば、少し余裕がある。駅前の食堂に入った。
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能登ではいろんな店が独自の「能登丼」を出している、ということをポスターで知っていたので、ここの能登丼は何ですか?と聞くと、アンコウ丼だという。
アンコウの唐揚げがのっているものだとか。揚げ物はあまり得意ではないのだが、アンコウは食べたことがない。興味本位で頼んでしまった。2100円。
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それほど脂っこくなく、まずまずだったが、やはり生魚の方がうまい。

腹いっぱいになったところで、内陸に整備されたスーパー農道的な道をすっ飛ばす。
残る七尾線の駅は、能登鹿島駅、西岸駅、能登中島駅の3つ。

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能登鹿島駅の桜は昭和7年開業の際に、地元住民が開業を祝して植えたものだそう。
駅舎は昭和63年に建て替えられたものだ。
桜をイメージしてピンクとしたのだろう。
ただ、個人的には昔の駅の方がよかった。絵が駅舎に飾られていた。
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この駅からは海がよく見える。
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これが「花咲くいろは」の舞台のモデルとなった西岸駅。
昭和7年開業当時のものだろう。
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中は「花咲くいろは」のポスターだらけ。
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眺めていたら、ラッピング車両が入線。
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乗客の下車風景もローカル線らしい。
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はい、もう一回サービス。
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昨夜、夕食を食べた「時葵」を通過。
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能登中島駅
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昨日、列車の中からみた郵便車も裏に回れば、廃線の駅のよう。
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笠師保駅は昨日も寄ったが、暗かったのでもう一度念のため訪ねた。
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さて、これで終了なのだが、少し時間にゆとりがあるので、遠回りして和倉温泉に寄ってみた。土曜日とあって、結構な賑わい。
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これは、加賀屋の威容である。

そして七尾に戻ってきた。七尾は、出身の長谷川等伯の生誕400年だかで盛り上がっていた。
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車を返却して、七尾17:32発金沢行き普通列車に乗り込む。
眠いのをこらえて、車窓を眺めつつ、金沢に19:07着。
すぐに19:18発敦賀行き普通に乗り換え。
20:19芦原温泉に到着。
駅前からタクシーに乗って、今夜の宿泊地、芦原温泉に向かう。

えちぜん鉄道あわら湯のまち駅前の「湯けむり横丁」の屋台でラーメンを食べる。
今夜も素泊まりなので。
宿は、民宿龍泉。着くなり、日帰り温泉施設の半額券と半額の現金250円を渡され、9時半までに行かないと入れてもらえないから、と送り出された。
この宿には温泉が引かれていないようだ。
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でも、女将さんはすごく感じのいい人で、気持ちよく休むことができた。
さて、あすも5時起き。しばらく温泉街を散策してから、福井県内の乗り鉄にいそしむ予定だ。

つづく
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コメント

あの見附島には聖子さん来てませんよ…(笑)

  • 2014/08/02(土) 10:32:08 |
  • URL |
  • くうんはん #-
  • [編集]

あれは

来れなかったので替え玉でしたね

  • 2014/11/15(土) 15:54:20 |
  • URL |
  • せいこ #mQop/nM.
  • [編集]

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