山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

両神山(上)

両神山に登りたい。ずっと、そう思ってきた。
せっかく、埼玉に住んでいるのだから。

両神山を登る場合、車で登山口の日向大谷に行き、頂上までピストンする人が多いだろう。これなら十分、日帰りが可能だ。
しかし、私はピストンが嫌いである。
あまり、物事にこだわりのない方だが、行列とピストンだけは嫌いである。できれば避けたい。
となると縦走することになる。
縦走なら、日向大谷~山頂~八丁峠~出合(中津川方面)というのが標準的なコースとなろう。
物理的にマイカーは使えないので、バスを利用することになるが、そうするとこの行程を6時間で歩かないといけない。到底無理だ。もちろんタクシーを呼ぶほど金持ちではない。
では、清滝小屋で1泊するとなると、初日は2時間しか歩かないことになる。
時間がもったいない。

ここで思考がストップして、しばらく棚上げになっていたのだが、いいことを思いついた。
両神山から東に延びる尾根の先端にある四阿屋(あずまや)山を午前中に登り、午後から両神山に向かえば、時間が有効に使える。
計画はこうだ。
10:17三峰口駅着。10:20発の小鹿野町営バスで四阿屋山の登山口のひとつ小森で下車。四阿屋山は3時間で登下山できる。道の駅「両神温泉薬師の湯」に午後2時までに下りてくれば、ここから徒歩10分ほどのところにある両神庁舎前バス停で、14:17発の日向大谷行きに乗れる。日向大谷には30分で到着。午後3時から登り始めて、5時には小屋に着ける。
翌日は、6時に出れば、どんなにゆっくり歩いても出合午後2時30分発のバスに間に合う。自宅には明るいうちに着ける計算だ。うひひ

というわけで、5月26日、比較的ゆっくり起きて、8:54所沢発の特急ちちぶ7号に乗車。この電車だと、秩父鉄道への乗り換えは御花畑駅まで歩くことなく、西武秩父駅で乗れる。
ただ、ハッと気づいた。秩父鉄道はSuicaが使えないんだった。
西武秩父で一旦下車するつもりだったので、ついついSuicaで乗ってしまった。
三峰口で精算をしなければいけない。
私のような人がたくさんいて、精算窓口が混み合うことは分かっている。
とっとと精算を済ませないと、3分の待ち合わせしかないバスが発車してしまいかねない。
それには、三峰口行きの電車の先頭車両の先頭座席に陣取り、三峰口に着いたら窓口までダッシュすることだ。
急いで、特急から秩父鉄道に乗り換え、所期の目的を達したのだが、あわてていたせいか、帽子を脱いだまま、特急に置き忘れてしまった。ああ、失敗。今日は暑くなりそうだから、随分焼けてしまうだろう。

結局、窓口は一番で通過、バスにも一番乗りだったのだが、他の多くのハイカーたちが精算を済ますのを運転手は待っていてくれた。
でも、そのハイカーたちは15人くらいのグループで、「まだ来るから待ってね、もう3人来るから」と頼んでいたから、待っていたのであって、私一人出遅れていたのだったら間違いなく待っていなかっただろう。

というのも、この運転手。かなり性格が悪い。
「発車します」とも「ご乗車ありがとうございます」とも、一切言わない。
以前、秩父御岳山に登った時も、このバスに乗ったが、たぶん同じ運転手だろう。
あの時もそうだった。
しかも、性格が悪いだけではない。
危ないのだ。乗客が乗り切っていない間に、エンジンをかけて脅かしたり、ドアが締め切らない状態のまま、走り出したりする。

小森で、礼も言わすに私は下りた。他のハイカーたちはおそらく薬師の湯から四阿屋山に登るのだろう。ここで下りたのは私だけだった。
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ここで、2日間のコースタイムを記しておく。
26日:10:45小森バス停~11:40展望休憩所(休憩5分)~12:10四阿屋山(昼食20分)~13:25道の駅(休憩20分)~14:10両神庁舎前=14:45日向大谷~15:25会所~17:00清滝小屋(泊)
27日:5:30清滝小屋~6:55両神山(休憩15分)~7:40東岳(休憩10分)~8:35西岳(休憩5分)~9:20八丁峠(休憩10分)~10:00上落合橋~10:30八丁隧道~10:55上落合橋~11:45赤沢橋(ニッチツ廃村見学30分)~12:55雁掛トンネル~(出合)~14:30相原橋

バス停のすぐ隣に、場違いな古い洋館があった。古いお医者さんの家かなと思ったら、「近藤酒店」とあった。店舗風の構えではないのだが。
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まもなくハイキングコースの入り口。気持ちのいい田園風景である。
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宝泉寺を右手に見て、山道へ分け入っていく。
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30分ほど登ると一旦、車道に出て、しばし車道歩き。
左手には、武甲山が「真横」から見える。
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こうして見ると、どれだけ武甲山が削られてしまったのか、よく分かる。
車道の行き止まりからは急な階段となり、その中腹に展望休憩所がある。水休憩をとった。ここからは武甲山のほか、大持山、小持山、丸山、堂平山、大霧山など、この春までに登った山々が一つの連なりのように見える。
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ちょっと感激する。
両神神社奥社を過ぎると
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クサリ場が出現、岩場もあるがそれほど危なくもない。
山頂直下はこんな感じ。
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奥社から10分で登頂。
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山頂は西側が開けていて、これから登る両神山が間近に見える。
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でも、まだ実感は湧かない。
むしろ、二子山の鋭さに驚く。あれにもいずれ登ることになるのだろうが、かなり厳しそうだ。
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山頂には小さな石祠があり、「大天狗 小天狗」と彫ってあった。建立は明治17年。
賽銭を数えてみると、258円あった。
ここで、昼食。おにぎり2個をいただいたところで、さっきのバスに同乗していた方々が次々にやってきた。狭い山頂が立錐の余地もないほどになったので退散。
休憩所近くまで来た道を戻り、その後は道の駅方面の道を行く。あくまでピストンは最小限にする。
途中の展望所からは両神村の集落が望めた。
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道の駅には午後1時半前に到着。時間的には余裕だ。
アイスモナカを買って、ベンチに座ると、おじさんが埼玉県の観光アンケートですと声をかけてきた。時間もあるし応じることにする。
「ここでお金をいくら使いましたか?」
「このアイスを買っただけ。120円です」
「お泊まりは?」
「山小屋に泊まります」
「おいくらですか?」
「無人小屋なので無料です。お金落とさなくてすいません」
といったやりとりをして、出発。
薬師の湯の名の由来となった法養寺薬師堂や両神神社を参拝し、10分ほどで両神庁舎前バス停に着く。
ストレッチをしながら5分ほど待つと、バスがやってきた。
乗客は私1人。こんな時間に山に向かう人はいないのだろう。
バスはどんどん山へ分け入っていくが、出原というところはそこそこ大きな集落で驚いた。
登山口の日向大谷には午後2時40分着。
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バス停周辺は駐車場になっていて、かなりの台数がある。相当の数の登山客が入っているのだろう。このうち、どれくらいが下山してくるだろうか。
小屋では静かに泊まりたいので、「みんな下りてしまえ~」と心の中で叫ぶ。

バス停のすぐ上に両神神社里宮がある。
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その隣が民宿両神山荘だ。
ここで両神山のバッヂが売っているようだ。
ちょうど下山してきた男性2人組みが「バッジ買ってく?」なんて話している。
「いや、いい」なんて会話を横目に、民宿へ行ったら、バッチが最後の1個だった。
(あぶね~)
500円払って、店を出ると入れ替わりにさっきの2人組みが入ってきて
「バッジください」という。(あれ、買わないんじゃなかったの?)
「今、売り切れちゃった。あの人で最後。次入るのは1か月後」などと民宿の人が言っている。(おいおい、ちょっと無神経だぜ。おれが悪者みたいじゃん。そういう時は、「ごめんなさ~い。なくなっちゃったの~」くらいにとどめておかないと。それに次の仕入れ時期を言われても、そんなに何度も来ないって)

とにかく、私は聞こえないふりをして、そそくさと逃げ出す。
さて、いよいよ本番だ。清滝小屋まではここから3.8km。
しばらくはしっかりと踏み固められた非常に歩きやすい道。勾配もそれほどきつくない。
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さすがに信仰の山だけあって、沿道には石像や石碑が多い。
最初に迎えてくれるのが、観蔵院霊神。
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意味はよく分からない。
あとは、○○童子といろんな童子の名を記した石碑。これが丁目表示のように連続する。
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風化して、中の詰め物が露出してしまった石膏像?もあった。
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産体尾根との分岐となる会所の先で沢を渡り、何度も渡り返す。
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天気も好く新緑が目に鮮やか。日陰なので涼しくさわやかだ。
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八海山という場所を過ぎると、道は沢を離れ、山腹をぐいぐい登っていく。
路傍には、こんな神像が何度か登場する。
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弘法の井戸まで来ると、小屋は間もなくだ。
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午後5時。2時間とちょっとで、清滝小屋に到着。ここまでは予定通りである。
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ここは先代の小屋が1989年に火災で焼失し、ログハウス風の現在の小屋が再建されたが、2008年7月から営業を休止している。
おそらく、登山口まで2時間という距離で、登山口には風呂のある民宿もあるから、おそらく営業が成り立つほど、客が入らないのだろう。
とは言っても閉鎖されているわけではなく、1階部分は登山者に開放されており、炊事場(水道)も自由に使える。無論、無料だ。
到着した日は、5月31日までの工期でトイレの新築工事が行われていた。
4日後に完成ということで、ほとんど出来上がっていた。

作業員の青年が、小屋の事務室の使用を許されていたようで、普段はシャッターが下ろされているこの部屋の扉が開いていた。
中には、冷蔵庫やテレビ、電子レンジなどの電化製品があった。電気が通っているのだろうか。
作業員はこの小屋で寝泊まりして、作業を続けているはずだが、時々は里に下りるのだろう(民宿両神山荘泊か)。この日は5時で仕事を切り上げ、シャッターを下ろして下山していった。通勤も大変である。いい給料になるに違いない。

さて、お腹が空いた。とにかく晩飯だ。
炊事場に行くと、すでに3人の家族連れが調理を始めていた。
お隣はそうめん(冷や麦?)。熱湯で乾麺をゆでて、それをタレに付けて食べていた。「麺が熱い」とか「タレがぬるい」とか文句を言いつつも楽しそうだった。
こちらはその脇で、静かにフリーズドライのカレーうどんと昼の残りのおにぎり一つ。
あっと言う間に食べ終わり、小屋に戻る。

つづきは次回。
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