山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

鎌倉アルプス

先週は思いの外忙しく、ブログが書けませんでした。
やっと、鎌倉アルプス(5月12日)の報告ができます。

この日、北鎌倉駅を下りたのは、もう11時を過ぎていた。でも、今日はそんなに歩くわけではない。余裕だ。
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駅前の通りには出ず、すぐ踏切を渡り、線路に沿って北側を歩く。
土曜日とあって、鎌倉はかなりの賑わいだ。
明月院への入り口を左に見て、間もなく鎌倉街道に合流。狭い歩道を高校生たちとすれ違いながら、しばらく歩くと、建長寺の西外門が正面に見える。
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これは昭和59年の再建だが、明の竹西筆と言われる「天下禅林」の扁額が掲げられている。建長寺がわが国初の禅宗専門道場であることを示している。
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西外門をくぐって、左手に総門。天明3年(1783)に京都の般舟三昧院の門として建立されたが、昭和18年に移築されたものだそうだ。
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扁額には「巨福山」。建長寺の正式名称は「巨福山建長興国禅寺」なので、その山号である。
山号は、ここの地名である「巨福呂(こぶくろ)」から採った。
ちなみに「建長」の寺号は建長5年(1253)に落慶したので、創建時の元号を採用したことになる。

総門の奥に、巨大な三門がある。国の重要文化財。安永4年(1775)建立の堂々たる重層門である。唐破風には後深草天皇宸筆と伝える「建長興国善寺」の額が見える。
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なんて、寺を見学しに来たのではない。拝観料を取られたので、ひと通り見ておかないと、というだけ。
でも、国宝の梵鐘(開基の北条時頼が発願し、開山の蘭渓道隆が銘文を撰した創建当時の数少ない遺品)と、国重文の仏殿(お江の名で知られる2代将軍秀忠の正室の霊廟として1628年に芝・増上寺に建立されたものを、1647年に移築)は見逃せない。

これらを確認したら、喧騒を避けて、奥へと入っていく。
その前にもう一つ寄り道。河村瑞軒の墓である。江戸時代に東回り航路、西回り航路を開いて、教科書にも載っている豪商だ。伊勢の人だったはずだが、なぜここに墓があるのか。
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どうやら、建長寺の裏に別荘があったという縁によるものらしい。

さて、もとの道に戻ると、しばらく階段が続く。
途中、天狗像がいくつも立つ場所に出るが、登り詰めたところが半僧坊大権現を祀るお堂である。
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半僧坊大権現は、明治期の建長寺中興の祖と言われる霄(あおぞら)貫道が明治23年に、静岡県の奥山方広寺の半僧坊権現を勧請し、建長寺の鎮守としたのが始まり。それほど歴史は古くないが、各地から信仰を集め、最盛期には講社数百、五万人以上の信者を数えたという。その盛況ぶりは、境内のあちこちに林立する石碑が物語っている。

さらに、ほんの少し登ったところが、建長寺の奥の院、勝上嶽(しょうじょうけん)の山頂(147m)である。展望台があり、鎌倉市街を一望のもとに望むことができるが、この日は曇っており、期待していた富士山は拝めなかった。
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さて、ここからが本格的なハイキングコースとなる。鎌倉アルプス本番である。
すれ違う人の服装も一気に観光客からハイカーへと変わる。
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ただ、さすが都会の中のオアシスだけあって、ちょっと木々が途切れると、こんな風景も見ることができる。横浜のランドマークタワーである。
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5分も歩かないうちに十王岩に出る。
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鎌倉時代に彫られたとみられる摩崖仏で、左から如意輪観音、地蔵、閻魔であると言われているが、風化が激しく判別はむずかしい。
もともとは、やぐらの奥壁だったが、側壁や天井が失われて、露出してしまったらしい。

このあたりからは若宮大路がまっすぐに由比ヶ浜まで延びているのがよく分かる。
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しばらく行くと、弘法大師の石像が見えてくる。ここが鷲峰山(じゅぶさん)の山頂(127m)にあたる。こんな低い山でも、名前を付いているおかげで、私のコレクションも増えていく。うひひ。

ここからすぐ、覚園寺への道とそのまま鎌倉アルプスを進む道の分岐あたりに、百八やぐらが展開している。108というが、実際は大小200近くあるらしい。
やぐらは鎌倉時代から室町時代前半にかけて、三浦半島や房総半島を中心に造られた武士や僧侶の墓所・供養所のことで、四角い洞窟状になっている。
とくに鎌倉の山中には多く、背に山を抱えた寺院にはたいてい、やぐらがある。
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ここのやぐらの特徴は、頭の欠けた石像が多いことだ。
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これらの像は明治30年代に、百八やぐらを「弘法大師八十八箇所霊場」として、八十八体の大師像を篤志家が安置したものだが、当時、この像の首を懐に入れて賭場に行くと、ツキがよいと信じられていたため、ことごとく首がはねられたとも言われている。

石像は後世のものだが、浮き彫りの五輪塔や五輪塔そのものは当時のものだ。
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ここには様々なタイプのやぐらがあり、まさにやぐらの博物館である。

くまなく見て行きたいところだが、お腹も空いてきた。茶屋まで急ごう。
ウグイスのさえずりを聞きながら、緑の中をずんずん行くと、左手にゴルフ場が見えてくる。そこは、鎌倉アルプスの最高峰、すなわち鎌倉市の最高地点、大平山(159m)である。
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かなり開けた場所で、大勢のハイカーがお弁当を広げていた。

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鎌倉市街の向こうに相模湾も望むことができる。

10分ほどで、峠の茶屋に到着。
ここは六国峠(158m)。「天園」と呼ばれている場所だ。時計を見ると、もう2時。
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すこし張り込んで、ミニ豚汁とおにぎりのセット600円、タケノコの天ぷら600円、それと缶ビールもいただいた。くーうまい。
のんびりと休憩したところで出発。
すこし下にある、もう一つの茶店、天園休憩所を右手に見て、下っていく。

下りの途中に貝吹地蔵があった。
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元弘3年(1333)、新田義貞軍に攻められ、総崩れとなった鎌倉勢。北条高時の首は敵に渡すまいと、主君の首の埋葬場所を探していた家臣が道に迷った時、一体の地蔵がホラ貝を吹いて現れ、導いてくれたという伝説に基づく。

さらに道は高度を下げ、下界に下りたところが瑞泉寺である。
急に天気がよくなってきた。
この寺は、多くの文学者に愛されたのか、たくさんの歌碑や句碑がある。
大宅壮一に久保田万太郎、吉野秀雄、山崎方代などなど。
それはともかく、緑の鮮やかな境内にいやされる。
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開山は夢窓疎石。仏殿背後にある庭園も礎石の作と伝えられる。
凝灰岩の山を削って、垂直な岩盤を出し、そこに洞窟をうがって、前には池をしつらえる。
独特の作庭で、一見、やぐらを転用したものかと思ってしまった。
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もうひとつ、この寺は花の寺でもあった。
2月には見事な黄梅が咲くらしい。写真でみると、驚くほど黄色い。これも梅なのか。
その時期にまた来てみたいが、混むんだろうなあ。
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さて、あとは帰途につくのみ。
駅に向かって歩き出すが、途中の史跡についつい立ち寄ってしまう。
永福寺跡から出てきた礎石たち。
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官幣中社鎌倉宮は鮮やかな紅白の鳥居。
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厄割石にかわらけをぶつけて割ると、厄が落ちるという。
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かわらけ1枚100円だが、もったいないので、もう割れている皿を拾って、ぶつけた。
こんなことをしたら、厄が逆に増えるかもしれないが。

頼朝の墓では、熱く接吻をしているカップルを目撃してしまった。
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誰も来ないと思っていたのだろうが、ここは観光地。しかも墓前である。
何も、こんなところでしなくてもいいでしょう。
私の気配に気づいて、あわてて離れたが、しっかり目撃しましたよ。

もう日も傾いてきた。バスに乗るつもりもあったが、結局、鎌倉駅まで歩いてしまった。
それにしても、帰宅を急ぐ観光客ですごい混雑。
とても、あれじゃあ電車で座れそうもない。
よし、鎌倉で飲んで行こう!
小町通りを戻ると、「生しらすあります」の看板に惹かれ、ろばた焼き「卯月」に突入。
後で調べたら人気店だったようで、まだ時間も早かったからか座ることができた。
カウンターで、あれこれと注文。升酒を散々飲んで、空いた電車に乗って、気持ちよく帰りました。

この翌週に北陸へ3日間の旅に出たのですが、次回は26~27日で歩いてきた両神山を報告します。
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