空木岳(2864m)山頂直下の駒峰ヒュッテに泊まっている。
4時頃、まわりがごぞごそし始めたので、我々も起きることにした。
トイレに出ると、外はまだ暗いが、月がちょうど空木岳の真上に上がっていた。幻想的だ。
南アルプスや御嶽山、八ヶ岳などのシルエットを撮影。
(甲斐駒&鋸岳)
(仙丈ヶ岳)
(白峰三山)
(御嶽山)
(八ヶ岳)
塩見岳(3052m)の左肩に富士山が顔を覗かせていた。
今日も素晴らしい天気になりそうだ。
1階に食材などを下ろして、自炊開始。
私の朝食はたぬきうどん。
(ス821)
今朝は私のガスストーブを使ったが、すぐにガス欠。
ほとんど空の缶を持って来てしまった。
O君のガスを借りる。面目ない。
朝食を済ませて、外に出ると、ちょうど日の出の時間。
八ヶ岳の右、かなり低いところから日が昇った。
手前は左が入笠山(1955m)、右が釜無山(2117m)か。
伊那谷は一面の雲海。その上に南アルプスがすべて見えた。
左から鋸岳(2685m)、甲斐駒(2967m)、仙丈ヶ岳(3033m)、北岳(3193m)、間ノ岳(3190m)。
塩見岳、荒川岳(3141m)、赤石岳(3120m)、聖岳(3013m)。
そのさらに南は、ちゃんと同定できない。
目を北から西に転じると、木曽駒(2956m)と木曽前岳(2826m)の鞍部に槍穂高。
こんなに密集して見えるのも、ほぼ南から見ている角度ゆえ。
しかも北アルプスはこれだけしか見えない。
ここは絶妙な場所なのだ。
熊沢岳(2778m)の向こうには乗鞍岳(3026m)。
空木岳山頂もモルゲンロートに染まった。
頂上で御来光を拝んだ人もかなりいたようだ。
御嶽山(3067m)も雲海に浮かんでいる。
絶景を満喫した。
さて部屋に戻って、パッキングを済ませ、トイレに並ぶ。前に1人なので2人分。
その時入っていた人が異様に長く、その間、facebookに投稿して、時間をつぶした。
我慢できるお腹の状態だったので助かった。
私はちゃちゃっと済ませ、5時半に出発。随分、明るくなった。
それでも、ちょっとO君を待たせてしまった。
駒峰ヒュッテと八ヶ岳。こんな角度になるとは意外だった。
登り始めて気づいたが、なんと白山(2702m)が見えてびっくり。
改めて乗鞍岳。
木曽駒と槍穂高。
まだ噴煙をあげる御嶽山。
空木岳の岩壁。
これから縦走する遥かなる稜線。
北アルプスもやっとその上に姿を現した。
穂高の左に覗いているのは、きちんとは同定できないが、双六岳(2860m)とか樅沢岳(2755m)あたりだろうか。
その左には笠ヶ岳(左、2898m)と抜戸岳(右、2813m)が続いている。
とにもかくにも、これで3度目の空木岳山頂。
空木平カールと南アルプス。
南駒ヶ岳(右、2841m)と仙涯嶺(左、2734m)。
南駒ヶ岳の頂上にすでに人がいるように見える。
直下の摺鉢窪避難小屋に泊まっていた人だろうか。
どっしりとした恵那山(2191m)。
影空木。
無名の山だが、何とか名前を付けたいので、仮に冠岳としておく。
赤椰山(2798m)。
美濃方面の山々。月もすっかり高くなった。
再び目を東に転じる。鋸岳(2685m)の向こうに見えるのは、北奥千丈岳(2601m)。
その左に金峰山(2599m)が見える。五丈石の突起がかすかに確認できる。
八ヶ岳の核心部。左から硫黄岳(2780m)、横岳(2829m)、赤岳(2899m)、権現岳(2715m)。
蓼科山(左、2530m)と北横岳(右、2480m)。
真の空木山頂。
まだ日が当たらない西斜面。
さあ、ひと通り360度の撮影を済ませたので、まずは木曽殿山荘を目指して下っていく。
今回の山頂滞在は5分もなかった。
アルプスは雪渓があってこそと思っていたが、緑一色もなかなか素晴らしいと再認識。
花崗岩の岩峰もあちこちに突き出ている。
木曽殿山荘のある木曽殿越までは一気に350m下る。
岩場やくさりの連続で、なかなかシビアだ。
ただ、この下りは中央アルプスの北の稜線を右手に、南の稜線を左手に見ながら歩ける贅沢な道でもある。
少し下って、空木岳山頂部を振り返る。
前に立ちはだかるこの岩峰は巻かずに越える。
これが、いわゆる第二ピークだったのだろうか。
第二ピークというのがあることを下ってから知ったが、歩いている限り、それらしき表示を見つけることはできなかった。
とにかく北の眺めはかっこよすぎる。
宝剣岳(右の尖塔、2931m)と木曽駒(左)もくっきり。
手前の稜線上には檜尾避難小屋の姿も見えた。
このあたりから、登って来る人と次々にすれ違う。
木曽殿山荘に泊まっていた方々だ。この日、第一の波である。
岩の殿堂を進む。
坂はどんどん急峻になっていく。
なかなか一筋縄ではいかない下りだ。
やっとひと息つける場所に出た。
でも、休まずに進む。
下り始めて、ちょうど30分で第一ピーク(2782m)に着いた。
ここで落ち着いて、背後を振り返る。
ここで多くの人が休憩していた。
ちょっとご婦人に聞いてみた。
やはり木曽殿山荘に宿泊されたんだそうで、昨夜は60人くらい泊まっていたという。
定員100人の宿なので、「じゃあ、そんなに混んでいませんでしたね」と言ったら、「いいえ、布団1枚に2人でしたよ」とのこと。
だったら、100人近く泊まっていたのかもしれない。
山荘からも御来光は拝めたという。
正面には相変わらず御嶽山の雄姿。
下をのぞき込むと、続々と登って来る。
そして初めて、木曽殿山荘の姿をとらえることができた。
ちなみに、木曽殿とは木曽義仲のことである。
あの峠を義仲が越えたという伝説があるようだ。
しばし下って、第一ピークを振り返る。
登って来る人もひっきりなし。いったい何人泊まっていたんだろうというくらい。
おそらくほぼ全員がこちらに向かっているのだろう。
(つづく)
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