山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

早池峰山(1)

【2015年7月4日(土)】早池峰山
ちょうど18時、早池峰山(1917m)登山の基地となる岳(たけ)集落奥の峰南荘に到着した。
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大迫(おおはさま)バスターミナル発のバスの終点である。

バスを下りると、宿のご主人らしき人が、玄関先でお客さんの対応をしていた。
それが済むと、すぐに食堂に案内された。
「今日は相部屋になってしまうんです。でも大きな部屋なので。他は3人だけです」
とのこと。
前日の予約の電話では「相部屋になるかもしれません」と言われ、思わず格好をつけて「構いません」と言ってしまったが、宿坊の方にすればいいとちょっと後悔していた。
「なるかも」だったので、ちょっとだけ期待していたが、だめだったか。
「いま、食堂で相部屋の方が食べてますが、挨拶しておきますか」
と言われたので、気持ちよく夜を過ごすためにも、そうする。
「こんにちは、今日はよろしくお願いします」。若輩者らしく元気に挨拶。
同室のグループは、60~70歳くらいの男性4人。1人はいびきがうるさいので隔離されるそうだ。常連なのだろうか。
それはともかく、私の膳が彼らに取り囲まれた真ん中にある。
(おいおい、ここで飯を食えってかい?)
と思ったが、とりあえず何も言わず、ザックを置きに部屋へ。

2階の奥の部屋だが20畳くらいあり、確かに広い。
他の大部屋も相部屋になっているようだ。
ただ、コンセントが2つしかなく、1つは先客が使っており、1つはすぐ横にもう布団が敷かれており使いづらい。
ご主人に他にコンセントがないか聞いてみると、とりあえず食堂のコンセントを使ってくれと言われたので、そうした。
夜中にまた食堂に行かないといけないのかなあ、面倒だなあと思ったが、あまり気にしないことにした。コンセントがあるだけマシだ。

食堂に戻ると、他のテーブルが空いたとのことで、ご主人が私の膳をそちらに移してくれた。助かった。
同室のグループはすでにかなり酒が入っており、ちょっと同席したくなかったのだ。
ご主人に「なんか飲みます?」と聞かれたが、膳を見て、あまりつまみになるようなおかずもなかったし、夜はパソコン作業をしたかったので、「いや、いいです」とお断りした。
すると、「お酒、飲まない? えらい」となぜか褒められた。商売にならないだろうに。

食事は地の特産品も何もない(鮎の塩焼きはあったが)、普通のメニュー。
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黙々と平らげて、宿帳と登山届を書く。
ごちそうさまの後、先に会計。
宿泊費7500円+携帯用トイレ400円+バッジ500円=8400円。

明るいうちにと思い、お風呂は後回しにして散歩に出かけた。
ご主人が他のお客さんに「早池峰神社まで歩いて3分だよ」と話していたのが聞こえてきたからだ。
宿のサンダルで出かける。
それにしても涼しい。気温は15℃くらいしかないのではないか。
ウインドシェルを着込んだ。
神社には正面の鳥居まで下らず、近道の東参道から入る。
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境内に入ると、なんとなく見覚えがあるような気がしてきた。
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1990年暮れに、全国の「富士山」の取材で遠野に来たことがある。
その時にタクシーで峠を越えて山奥の神社を訪ねた記憶があるが、それが早池峰神社だったのだろうか。
しかし、遠野からだとあまりに遠い。
(帰宅して確認してみると、取材したのは遠野小富士と呼ばれる六角牛山(1294m)だった。ということは、訪ねたのはたぶん山麓にある六神石神社だろう)

明日の安全登山を祈願。
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表参道を下りていく。
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左手に、岳妙泉寺の客殿跡があった。
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妙泉寺は早池峰山の別当寺として江戸時代には大伽藍が展開されていたとのことだが、明治の廃仏毀釈で堂宇のほとんどが破却されてしまったという。

これらがわずかに残る遺構。
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ここはかつて宿坊、旧高台坊か。
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正面の階段の参道は改修工事中で通行止めになっていたが、時間も時間、曜日も曜日なので関係者は誰もいない。
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「ごめんなさい」して通らせていただく。
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鳥居の外に出ると、宿坊が集中する岳集落の中心。
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かつては、7軒ほどあったようだが、今営業しているのは、大和坊、和泉坊、日向坊の3軒のみ。それぞれにお客さんが入っている様子だが、それほど混んでいる様子もない。
やはり、こちらにすればよかったかなあ。
同じ相部屋でも宿坊の方がよかったような気がする。
おれとしたことが、歴史ある宿坊を選ばず、峰南荘を選んでしまうとは。
宿坊は規模が小さいので、「満室」と言われて何軒も予約の電話をかけ直すのが面倒だったのだ。
だから思わず収容人員の多い方にしてしまったが、手間を惜しむべきではなかった。

一軒一軒撮影しながら峰南荘に向かう。
大和坊。ここは最近新築したらしく新しい。
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和泉坊。
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旧民武坊。
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日向坊。
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旧相模坊。
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日もとっぷりと暮れてしまった。
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なんと地面に蛇の死骸。
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本当は、明日の朝、岳駐車場バス停まで下りていく時に撮影するつもりだったが、先に済ませておけてよかった。
峰南荘の前にも早池峰山の登山口に行くシャトルバスは止まるのだが、宿のスタッフの話によると、バスは5時半の始発から6時半くらいまでの便が、かなり混んでいて、座れないことが多いという。
だったら、バスが出る岳駐車場までは歩いて10分ほどだから、早く起きて、そこから乗ろうと考えたわけだ。

早池峰岳神楽伝承館。もうとっくに閉館している。
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峰南荘の向かいにあるさわやかトイレを視察。
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そこで、ゆっくり用を足した。

宿に戻ると、ご主人が「ああ、帰ってきた、帰ってきた」と叫びながら近寄ってきて、「個室が空いたので移動してください。その方が落ち着くでしょ」と言う。
それはありがたい。
案内されたのは、浴室の向かいにある1階の「おだまき」。
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3畳ほどの狭い部屋だが、まったく不自由はない。
これで落ち着いて、荷造りやらパソコン作業ができる。
宿坊にすればよかったと言ったが、撤回しよう。
でも今度来るとしたら宿坊にしたい。

さて、やっとお風呂。
ここは温泉でも何でもない、ただの沸かし湯。
しかも、大勢のじいさんたちが入浴した後なので、すこぶる快適というわけにはいかなかったが、乗り鉄の長い旅の汗を流した。

部屋に戻って、過去の山行のブログを書く。
それはともかく、明日の行程がまだ定まらない。
土曜日に栗駒山(1626m)に登り、日曜に早池峰に登るという当初の計画では、2日目のスタートが遅いので、河原の坊から登って、小田越に下り、15:12発の盛岡行き直通バスに乗る選択肢しかなかった。でも、前夜に現地入りできたので、3時間ほどの余裕ができた。
その時間を利用して、早池峰山の南に相対する薬師岳(1645m)にも登ることにした(往復2時間半)のだが、薬師岳を先に登るか後にするか、河原の坊から登るか、小田越から登るか、迷っているのである。

オーソドックスなのは、「河原の坊~早池峰山~小田越~薬師岳~小田越」であろう。
しかし、「バス2台が満車で登山者を運ぶ。100人くらいになる」「河原の坊から登る人の方が多い」と聞いて、そんな行列の中で登りたくないと怖気づいたのだ。
それに薬師岳を後回しにすると、早池峰山を下りてきて、疲れてもう登る気が失せている可能性もある。
では薬師岳を先にするとどうなるか。
早池峰山登山開始が9時ごろになり、登山客の数も落ち着いている頃かもしれない。
でも、山頂に着くお昼頃にはガスが涌いているかもしれない。
河原の坊に下りてくることになるので、盛岡行きのバスに始発から乗れない。
1日歩いた後、盛岡まで1時間半も座れないのはきつい。
薬師岳下山後、あえて河原の坊まで車道を下って早池峰に登る手もあるが、わざわざバスが稼いでくれた標高差200mをドブに捨てるようなことになり躊躇する。
結局、決められないまま、4時40分に目覚ましをかけて、10時半ごろに就寝。
スウェットを持って来るのを忘れたので、明日の登山着を着て寝た。

【2015年7月5日(日)】早池峰山
目覚ましが鳴る前、4時ごろに目が覚めた。
カーテンを開けると、空は白々としており、満月が浮いている。
おお晴れてる。
それを確認して、しばし布団の中でうだうだした後、起き出して、リハビリやパッキングを済ませる。
朝食はおにぎりが玄関先に用意されていた。
いつ出発してもいいようにとの配慮なのだが、2個とも海苔なし、中身はともに梅干、おかずは漬物たった2枚という質素を通り越したものだった。
今時、山小屋でももっとマシである。
ウインナーと卵焼きくらいは付けてほしかった。

トイレを済ませ(出てよかった。あまり携帯用トイレは使いたくない)、早池峰山の花のガイドブック(1000円)を買って、5時10分に出発。
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昨日歩いた道を岳集落まで下りていく。
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あじさいが鮮やかだ。
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トリトマ(南アフリカ原産)もあでやか。
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駐車場にはバスが3台用意されていた。
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そのうちの1台にもう立っている人がいる。
なんと、ちょっと遅かったか。でも、100人とはおおげさな。30人くらいしかいない。
始発から立っているのもばかばかしいので、ここで乗るのは止めて、次の停留所である「岳」まで戻る。
ここには4人ほどが並んでおり、チケット売りのお兄さんから片道を買った。700円だった。

(つづく)
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