山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

三岐鉄道ほか

3月17~18日は乗り鉄をしに、三重・愛知に行った。
何回かに分けて、報告したい。

三重にしたのは、今まで全く意識したことのなかった三岐鉄道というのを見つけたから。
三重と岐阜から一文字ずつとったような名称だが、路線は三重県内にしかない。
いずれ路線を延長しようという野望があったのだろうか。
それは改めて調べてみることにして、とにかく出発。

※やはり岐阜の関ヶ原まで延伸する計画があったらしい。三岐線の終点・西藤原駅から関ヶ原まで直線距離で20km強程度。

仕事を終えて、東京21:10発ののぞみに乗り込む。ちょっと、宮脇俊三の気分だが、夜行列車じゃないのが完全に負けている。
この日は20年前にデビューした、最初ののぞみ300系、愛称「鉄仮面」が引退の日で、東京駅は乗り鉄や撮り鉄たちでごったがえしたようだが、この時間は静かなもの。
ただ、金曜の夜ということもあり、新横浜で自由席は立ちが出る状態。単身赴任の方々だろうか、わりと若いサラリーマンの姿が目立つ。
こちらは爆睡。名古屋まで、ほとんど寝ていた。

23:04発の近鉄急行で桑名に向かう。通勤客で満員だ。
まあ、桑名までは20分くらいなので我慢する。
もうぽつぽつと雨が落ちてきたようだ。残念だが、これは覚悟していたこと。
宿は桑名駅前の桑名グリーンホテル。当日予約で素泊まり5500円也。
もう12時近い。あすは5:20起きなので、風呂はパスしてさっさと寝てしまった。

目覚ましで起きると、まだ真っ暗。
三岐鉄道は5:48発の始発に乗るつもりだったが、この暗さでは、駅舎の写真は撮れない。仕方なくというか、助かったという感じで、目覚ましを5:50にセットし直して、もう30分寝た。
もう日は昇っている時間だが、厚くたれ込めた雲のため、暗い。
でも、撮れないほどでもないので、出発。

桑名駅は正面というものがない。駅名は駅舎の横に掲げられていた。
CIMG0336_convert_20120319184103.jpg

三岐鉄道北勢線(20.4km、13駅)の起点は西桑名駅。桑名駅の出口から200mほどしか離れていない。
ふつう、この程度なら、「三岐桑名駅」とか「桑名」を名乗っていいと思うのだが、奥ゆかしい。ただ、方角はどう考えても南。それに桑名駅の東口にあるので、東西にこだわるなら「東桑名」とすべきだが。昔、線路がもっと東に延びていて、そこに「三岐桑名駅」があったのだろうか。
CIMG0340_convert_20120319184155.jpg
※やはりあったようだ。北勢線(当時は北勢鉄道)が開業した1913年当時、西桑名駅は大山田駅(西桑名になったのは1931年)だった。翌年、大山田から東に700m延伸され、桑名町駅ができる。桑名町駅は1948年に桑名京橋駅に改称され、1961年に西桑名~桑名京橋間とともに廃止された。ただ、駅名の由来は桑名町の西にあるから、ということではなかった。開業時、大山田村に所在していたので大山田駅を名乗っていたものが、大山田村が1929年に町制を施行し、西桑名町となったので、31年に駅名もそのように変更されたとのことである。ちなみに西桑名町は1937年に合併して桑名市になっている。そうした経緯を知らない若い人は、なぜ「西桑名」なのだろうと不思議がっているかもしれない。今となっては駅名変更にもお金がかかるから、そう簡単につじつまを合わせることができないのだろう。品川駅の南にある「北品川駅」にも、それなりの事情があるが、不思議に思っている人は多いはずである。

1日フリー切符(1000円)を買って乗車する。
軌間は762mmのナローゲージ。車両の大きさは地下鉄大江戸線くらいのイメージである。
黄色い車体(下部に細くオレンジの帯あり)で4両編成。随分多い気がするが通学時間帯などは満員になるのだろうか。
CIMG0337_convert_20120319184241.jpg

6:18発は他に女性が2人いるだけだった。
私は誰も乗っていない先頭車両をしばらく独占する。

雨の中、電車はゴトンと走り出し、まもなく大きく右にカーブして、JR線と近鉄線をまたぐ。
最初の馬道駅で早速、列車交換。超ローカル線のようなイメージがあるが、電車は30分おきに規則正しく走っているのだ。
電車はしばらく住宅地の中を行く。沿線にはあちこちに梅の花が咲いている。
西別所、蓮花寺、在良(ありよし)、星川、七和と、どんどん山に向かっていくが、景色はほとんど変わらない。雨に煙って、遠望がきかないせいもあるのだが。

七和での列車交換は4分待ち。雨が電車の屋根に落ちる音と、運転席のワイパーの音だけが響く。静かだ。
穴太(あのう)でかなり年配の男性が乗ってきたが、いきなり座席に横になってしまった。
このあたりから、やっと畑地が目立つようになる。
東員(とういん)、大泉、楚原、麻生田(おうだ)と駅間距離が長くなる。
終点の阿下喜(あげき)には7:20に着いた。小さいが、結構しゃれた新しい駅である。
CIMG0367_convert_20120319184330.jpg

さて、ここからが問題。
車中、スマホで検索をかけて、タクシーを呼び出せるかどうか調べたが、どうやら難しいようだ。北勢線と三岐線は1~4㌔ほどの間をあけて、ほぼ並んで走っているので、阿下喜から最寄りの東藤原駅までは地図上では1㌔半程度。頑張って歩けば、7:49発の西藤原行きに乗れる。時間もタクシー代も節約できるし、歩くことにする。
幸い、雨もほとんど止んだ。

道もスマホのGPSで確認。非常に便利だ。
ただ、思ったより距離があるようで、途中から軽く走った。
で、渡るべき橋にたどり着いて愕然。落ちているのである。
最近、水害が各地で多いので、おそらく台風で増水した時に流されたのだろう。
CIMG0377_convert_20120319184427.jpg

GPSの地図では、細い線で示されていたので、たぶん歩行者専用もしくは二輪車までしか通れない道だろう、もしかしたら老朽化で通行止めになっているかもしれない、それなら強行突破すればいい、くらいのことは想像していたが、落ちているとは・・・
川は一級河川の員弁(いなべ)川で、とても飛び石状に渡れたりする水量ではない。
幸い500mくらい先にちゃんとした車道の橋が見える。
目指した7:49の電車は間に合わないが、次の8:22の電車は捕まえられそうだ。
30分の損となったが、やむを得まい。
安全策をとって、一つ手前の伊勢治田駅に向かったとしても同じ電車になったはずなので、損はしなかったと考えよう。

それにしても、このあたり大型トラック、ダンプカー、タンクローリーが多い。
川向こうの段丘の上には、太平洋セメントの工場があり、休日の早朝だというのに、煙突からもうもうと水蒸気をはき出している。
原因はこの工場だ。
CIMG0374_convert_20120319184532.jpg

この地域には、ほかにもセメント工場がある。近くで石灰岩がとれるのだろうか、こんなところになぜ鉄道があるのかと不思議だったが、たぶん、貨物用として開業したのだろう。

※やはり、背後にある藤原岳で産する石灰岩やセメントを運搬するのが目的で敷設されたようである。現在、藤原岳は山容が一変するくらいに削られており(雨のため見えなかったが)、秩父の武甲山のような状況になっているらしい。

予定より20分くらい遅れて東藤原駅に着くと、黒いセメント専用の貨車コタキが無数に常備されていた。
CIMG0383_convert_20120319184625.jpg

太平洋セメントは小野田セメントと秩父セメント、日本セメント(旧浅野セメント)が合併してできた会社だが、ここは小野田セメントだったようだ。駅前に小野田のネームが入った貨車が展示されている。

東藤原駅はローカル線らしい味わい深い駅だ。
CIMG0388_convert_20120402155957.jpg

壁にはセメント輸送に活躍した歴代の貨車たちの写真が掲げられていた。
ホームで待っていると、北勢線よりもオレンジ色の部分が広い車両が入ってきた。
CIMG0405_convert_20120319184719.jpg
乗ってみてびっくり。北勢線より二回りくらい幅が広いのだ。
おそらく東京の普通の私鉄と同じなのだろうけど、もっと広く感じるのは、さっきのが狭すぎたからか。
よく見ると、天井近くに「西武 所沢車両工場 昭和42年」のプレートが。
CIMG0431_convert_20120319184809.jpg
そう言われてよく見ると、窓の配置やドアの形など、確かに見慣れた西武線の電車によく見ている。正面の顔も古いタイプの西武線と同じだ(なんとか系とか分からなくてすいません)

2駅で三岐線終点の西藤原駅に着いた。
着いてみて、またびっくり。駅舎がSLの形をしている。
SLを模した駅舎は真岡鉄道の真岡駅が有名だが、ここのは真岡駅よりかなり小さい。
駅事務室・待合室が機関車で、トイレが客車である。
郵便局も機関車になっており、機関車が2台並んでいるように見える。
CIMG0422_convert_20120319184908.jpg

トイレに「登山者の方は泥をよく落として入ってください」という注意書きがあるのを見て、ここはどこかの山の登山口なのかな、と思ったら、待合室に鈴鹿山脈の写真が貼ってあった。
改めて地図を見ると、この駅を拠点に、藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所山と縦走して、湯の山温泉に下り、近鉄の湯の山温泉駅から帰るというコースが設定できることが分かった。
電車を利用した山歩きとしては、絶好のコースだ。関東に住んでいるとなかなか関西の山へは来られないが、ここは仕事が終わってから夜の新幹線を利用すれば、実質日帰りで来られる。温泉にも入れるし、いつかトライしてみたい。

三岐線は軌間が広いからか、北勢線よりスピードが出る。
北勢線が全20キロに1時間かかるのに対し、三岐線は27キロを45分ほどで走る。
しかし、天気が悪いせいもあるのだろうけど、車窓風景はぱっとしなかった。

私の乗っていた先頭車両は、ホームの庇がない位置に止まることが多いからか、あまり人が乗って来なかったが、振り返ると、後ろの車両はほとんどの席が埋まっている。
土曜日の通勤時間でもない時間帯に、これだけの利用客がいるなら、この鉄道はそこそこ健全経営ができているのではないか。

9:25近鉄富田駅に到着。ここは完全に近鉄に間借りしている格好だ。
ここで、「近鉄には1日フリーパスはないの?」と駅員さんに聞いてみたら、あるけど、事前申請制で1日4000円なんだとか。まあ、近鉄は営業路線が長いから、そのくらいの値段をつけないと、損してしまうんだろうな。

ここから急行に乗ると、次がもう近鉄四日市。
ここで湯の町温泉方面に乗り換える。本当なら、ひと風呂浴びたいところだけど、まだ午前中だし、駅から温泉街まで結構距離がある。
今回は諦め、縦走登山するときまでとっておくことにする。

沿線の車窓風景は三岐鉄道とあまり変わりばえしないが、「桜」という駅のアクセントが特徴的だった。さ・く・らの「く」だけが高いのだ。なんか、外国人が「さくら」という時のアクセントに似ていて、変だった。
折り返し時間はわずか5分。駅名標と行き止まりの車輪止めと駅舎をあわただしく撮って、電車に戻った。
CIMG0459_convert_20120319184956.jpg

切符を買おうとしたら、一つしかない券売機に2人の若者が並んでいる。行き先の料金が分からず、もたもたしている上に、小銭を床に落としてしまったり、かなりあわてている。目の前に駅員さんがいるので、電車が行ってしまうことはないだろうと、私はイライラせず、静かに待っていた。

四日市にもう一度戻り、今度は八王子線に乗り換える。
八王子線というのは、かつて終点の西日野の先に線路が延びていて伊勢八王子駅までつながっていたことに由来する。この区間は1974年の水害のため76年に廃止されてしまったらしい。八王子駅の由来は、旧八王子村(現四日市市)に由来する。

八王子線のホームは一回改札を出て、少し歩かないといけない。
9分の待ち合わせがあるので、近鉄四日市駅の駅舎を悠然と撮影していたので、少々あわてた。で、ホームにたどり着いてびっくり。
なんと、八王子線は軽便電車だった。天下の近鉄に軽便があるとは!
CIMG0463_convert_20120319185049_20120402155156.jpg
さっき、北勢線で軽便に乗ったばかりだが、こちらはさらに車両が細い。トロッコ列車並みで、バスよりも幅は狭い。
3両編成で、座席は両側に1列ずつ。先頭右側に陣取ったら、左側に少年が来たが、彼はテツではなさそうだ。
CIMG0467_convert_20120319185151.jpg

終点の西日野まで1.3km。8分かかった。西日野駅は駅というにはあまりにかわいい。ただのゲートのようだ。でも学生など、結構利用者がいた。
CIMG0473_convert_20120319185241.jpg

折り返して、日永で乗り換え。ここの待ち合わせは2分だったが、走って駅の外に出て、1枚だけ写し、とって返して、入線してきた電車に飛び乗った。

車両はカラフルで1両1両色が違う。私が乗ったのは、先頭から緑・黄緑・薄紫だったが、泊駅で行き違った電車はオレンジ・薄紫・ピンクだった。
終点は内部。これで「うつべ」と読む。
CIMG0500_convert_20120319185338.jpg

さて、ここから伊勢鉄道の起点、河原田にワープしたいのだが、やっぱりタクシーはいないし、「ご用命は○○タクシーへ」といった貼り紙もない。
駅前は国道に面しているので歩き出せば見つかるかも、と思ったが甘かった。
まあ30分くらいで歩けそうなので、そのまま歩くことにした。
今日は歩く時だけ雨が止む。ラッキーだ。
だが、予想以上に距離があり、45分もかかってしまった。河原田駅に11:56に着いたが、伊勢鉄道の電車は5分前に出たばかり。次まであと55分もある。
1時間に1本しか出ていないのだ。
CIMG0511_convert_20120319185425.jpg

まあ仕方ない。お昼を食べることにしよう。
駅前はさみしくて何もないが、数分歩けば国道に出る。なにかあるだろう。
あった、あった。でも、和食の店はなんちゃら御膳が2100円とかの世界なのでパス。すぐ向こうに「まるや」といううどん屋が見えた。
あれでいいや。
CIMG0519_convert_20120319185513.jpg
戸を開けると、ほぼ満席。なんで、こんな繁華街でもないところにある店がこんなに混んでいるんだ。でも、幸い時間はあるし、相席させてもらって、カツカレーを注文する。
カレーもカツもカロリーが高いので最近しばらく食べていない。
今日は山ではなく鉄で、座っているだけなので、本当は避けた方がいいのだが、これが値段的にも手頃だったので、誘惑に負けた。

出てくるのはやはり時間がかかったが、その量にびっくり。
カツとカレーが別皿で出てきて、カツは1枚まるまる。
かなり食いでがありました。

河原田駅に戻ると、JRに乗る高校生たちがたくさんいた。
彼らを見送って、こちらは高架にある伊勢鉄道のホームに向かう。
見ると、伊勢鉄道は区間的には河原田が起点だが、電車はJR四日市駅から出ているようだ。四日市~河原田間は乗り残しになってしまうのか、とビクッとしたが、この区間はJR扱いでいいようなので、ホッと胸をなで下ろした。
CIMG0523_convert_20120319185609.jpg

電車は1両編成。青いラインが入ったさわやかなデザインだ。
この路線は、JRの四日市~津区間が、関西本線と紀勢本線に分かれている上に、少々遠回りで分岐の亀山駅で列車の方向を変えないといけないので国鉄時代にバイパスとして建設され、1973年に開通した。しかし、その後、第2次特定地方交通線となり、1987年に第三セクターの伊勢鉄道に移管されたのだ。
CIMG0543_convert_20120319185719.jpg

比較的新しい路線ということで、基本的に高架で直線的。
ローカル線に乗っているのに印象がかなり違う。
北3分の2は複線というのも、不思議な気分。
それもそのはず、今もこの路線を特急「南紀」や快速「みえ」が走り抜けているのだ。
まあ高いところを走る分、景色はよかった。
やがて、津に到着。

つづく
スポンサーサイト
このページのトップへ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://satsunan226.blog.fc2.com/tb.php/50-6827a6e8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
このページのトップへ

FC2Ad

プロフィール

かたこりまさかり

Author:かたこりまさかり
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (4)
北海道の山 (92)
東北の山 (62)
上信越の山 (139)
奥多摩の山 (55)
丹沢の山 (55)
奥秩父の山 (83)
栃木の山 (32)
房総・常陸の山 (9)
奥武蔵・秩父の山 (87)
中央線沿線の山 (96)
富士山周辺の山 (60)
八ヶ岳周辺の山 (54)
南アルプス (100)
史跡歩き (11)
中央アルプス (27)
北アルプス (37)
日本海の山 (8)
関西の山 (30)
四国九州の山 (61)
駅舎の旅 (21)
ドライブ (9)
廃線の旅 (12)
駅から散歩 (17)
乗り鉄 (38)
島の旅 (19)
山村の旅 (7)
超低山 (28)
東海の山 (2)
つぶやき (35)
旧道歩き (29)
伊豆の山 (39)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR