山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

飯盛山(上)

【2014年12月12日(土)】飯盛山
前夜は酒席があり、天気予報も今イチだったので、無理せず、起きるまで寝ることにして、
7時半に起床。
それから行き先を考え、準備をして、9時半に車で出発。
周回できる奥武蔵のマイナーコースにした。

越生の龍隠寺から羽賀山、飯盛山を経て、四寸道を下りてくるコース。
平日ということもあり、それなりに道が混んでおり、現着に1時間半近くかかった。
龍隠寺あたりに車を駐められると思っていたが、「無断駐車禁止」の看板がいくつもあったので、ここは断念。
歩く予定の方向に向かって進んでいくが、なかなか駐車スペースがない。
そのまま、小さな峠に達し、やっと駐められた。自宅から39km。
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(ここがその峠)

軽く体操をして出発。今日は雪もなさそうなので、冬用のニューシューズではなくウオーキングシューズ。
しばらく舗装の林道を歩く。近くに乗馬クラブがあるようだ。
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こんな山間地にカフェがある。
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お店の名前「山猫軒」は宮沢賢治「注文の多い料理店」のパクリ。
確かに立地的には、そんなイメージか。

引き続いて左手に「代官屋敷60m」とあったので、行ってみる。
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屋敷の手前にあるゆず畑で、実を採っている老夫婦がいる。
挨拶すると、ご主人が話しかけてきた。
「ここは、私が昔、住んでいた家なんです。高校の時までは、ここから通っていたんです。不便なので、もう離れてますが」
奥さんも「だから、泥棒じゃないのよ」と笑う。
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ご主人がこの家に住んでいたのは昭和40年代前半まで。今も近くに住んでいるので、時々様子を見に来るが、普段は地域の人が草刈りをしたりしてくれるという。
この上は現在、杉林になっているが、さっきのゆず林も含め当時はみんな畑で、もっと開けていたんだとか。
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(バナナの木も繁茂していた)

今歩いてきた舗装道路も昔は通じておらず、屋敷の前にあるこの通路が古くからの道で、ずっと龍隠寺までの方まで続いていたそうだ。
武州一揆の時は、年貢を扱っていたので、襲われたという話も聞いている。
自分は次男だが、長男が先に出てしまったので、ここを継いでいた。
などなど、いろんな話をしてくれた。
「まあ、ごゆっくり。ゆっくりできるところでもありませんが」と笑っていた。
こちらも丁寧にお礼をして辞去。

改めて案内板を読んでみると、この建物は龍隠寺の寺代官を務めていた宮崎家の屋敷だそうだ。
当時ここ龍ヶ谷村は全村が龍隠寺の所領で、江戸詰めの住職に代わって、宮崎家が寺領を差配し、名主を世襲していた。1866年に起きた武州一揆(名栗騒動)の際に襲われ、その時に付けられた傷が大黒柱に残っているそうだ。
回りには、立派な石垣や池も残っていた。
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車道に戻り、戸神集落で左折する。
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デコポン?
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早咲きのスイセンやつばきも咲いていた。
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集落を抜けると、右折して登山道に入る。
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わりと歩きやすい傾斜だが、ずっと植林の中だ。
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登山口から20分ほどで、白小石という場所に出る。
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小さくはなく、大きな白い石が露出している。石灰岩だ。
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この付近には、今年の4月に設置された真新しい看板がたくさんある。
設置者は「龍ヶ谷地域活性化推進の会」。
越生町の龍ヶ谷地区は1990年にスタートした農林水産省の「中山間地域等直接支払制度」による交付金を受けて、10年間にわたり、デコポンやワラビ、マイタケ、ブルーベリーなどの新規作付けに取り組んできたそうである。
同時に周辺の文化財や見晴台などの整備も行ってきたそうだが、その活動を引き継いでいるのが、この「推進の会」ということなのだろうか。
地域の魅力を掘り起こし、広く紹介していこうという姿勢は、とても大切だと思う。
地方の衰退が深刻な時代だけに、心から応援したい。

羽賀山(566.5m)の山頂は登山道から外れており、途中から直接ピークを目指す。
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ピークには石灰岩の岩場があったが、三角点が見当たらなかった。
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でも山名板は2つもかかっていた。
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山頂から西の踏み跡は明瞭。
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登山道に合流すると、道は車も通れるような幅に。
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間もなく、開けた場所に出る。帰りに歩く四寸道の稜線だ。
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ここに、先程説明した中山間地域等直接支払制度を活用した龍ヶ谷集落事業の達成を記念して、2008年に植樹したしだれ桜があった。
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当然、花は咲いておらず、葉っぱもみな落ちている。

すぐ車道に出て、300mほど歩くと、野末張見晴台。
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ここの標高はスカイツリーと同じ634mだそうだ。
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関東平野。
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今日はずっと曇天だが、ここからは男体山や赤城山、谷川岳が見えた。
こちらは左から太郎山(2368m)、男体山(2486m)、女峰山(2483m)。
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日光白根山方面。山頂部は雲に隠れて見えない。
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赤城山(1828m)。
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霞んでいるが谷川岳方面(1977m)。
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かろうじて見える筑波山(877m)。
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東京都心の高層ビル群。スカイツリーが左に見えている。
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近いところでは、天文台がある堂平山(876m)。
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越上山(566m)かな。
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撮影していると、車の人が立ち寄り、すぐに帰って行った。
ちょうどベンチがあったし、お腹も空いてきたので、ここでお昼にする。
菓子パン2つとホットレモン。

20分ほどで出発。この先は、またしばらく車道。
683mピークは車道で巻いてから、引き返す形で登る。
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山名板などはなし。
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飯盛山への登りは、登り口を一瞬通過してしまい、戻って入る(右の道)。
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植林の中の暗い道。
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ピークは巻いて、奥武蔵グリーンラインに出た。最後の登りはロープだった。
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グリーンラインに乗って、この日初めて武甲山(1304m)が見えた。
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飯盛山に登る前に、まず飯盛峠(約780m)を確認しておこうと、右へ。
ここで今日初めてハイカーと会う。60歳くらいの単独男性だった。
峠には大きな標識があった。
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よくよく見ると、何か注意書きが巻き付けてある。
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「飯盛山」と称する山は、この峠をはさんで、北西と南東に2つある。自身でしっかり確認し、道迷いのないよう十分注意を」という趣旨だ。

ええっ、2つあることもびっくりだが、その2つとも自分が飯盛山だと思っていた山と違っていたことに愕然とした。
そういえば、「山の本」(2014年秋号・白山書房)で、そんなことを読んだことがあるのを思い出した。
改めて読んでみると、筆者の大久根茂氏は、どの資料がどちらを「飯盛山」としているかを確認の上、地元の古老に聞き取りを行ったり、関係市町の役所に問い合わせたりして、どちらが正しいかを検証している。
最も古い資料とみられる「武蔵国郡村誌」(明治9年)には、一盛山(飯盛山のことか)が三村(現在の飯能、越生、ときがわの3市町)の境にあると記されているらしい。
筆者としては、検討の結果、南東にあるピークを本来の「飯盛山」と認定している。

とにかく峠を確認に来たのはラッキーだった。両方登って、「登った山」に2座加算することにする。
まずは、FM局送信アンテナのある北西側のピーク。
施設用の車道を通り、アンテナの横から林に入る。
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すぐにピークはあり、埼玉県が立てた標柱もあった。標高は816.4m。
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今度は林の中の登山道を下る。
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飯盛峠から今度は南東側のピークへ。ここは、急な登りで、さっき巻いた山だ。
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頂上には、括弧書きで「龍ヶ谷富士」と書かれた新しい標識があった。
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設置者は例の「龍ヶ谷地域活性化推進の会」。越生町最高峰とある。
標高は795.2mだから、アンテナのある山の方が高い。

しかし、ここは3市町の境界であり、山の形も下の写真のごとく飯を盛ったように見えるので、やはりこちらが飯盛山と呼ばれていたような気がする。
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というわけで、大久根氏の意見と同じだ。
アンテナのあるピークに飯盛山の名が移ったのは、三角点があることに引きずられた結果のように思う。

当方は、「山と高原地図」に表記がある「飯盛山」の位置を、地形図を見て、793mの標高点のことだと思い込んでいた(龍ヶ谷富士の位置に飯盛山であることを示す黒点が打ってあるのを見落としていた)。
その標高点というのは、龍ヶ谷富士(地形図に標高表示なし)と道路を挟んで南側にある。
このピークにも登山道が通じていたので、一応行ってみた。
行ってみると、ベンチはあったが、当然のごとく山名板はなかった。
DSC_2680_20150106172006665.jpg

この先、車道に沿って、稜線に登山道が続いているのだが、アップダウンを嫌って、車道を歩く。
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車道の方が、眺望がいい。武甲山と二子山(883m)。
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武甲山と大持山(1294m)。
DSC_2686_2015010617201113d.jpg

関八州見晴台の直前になって、登山道に入る。
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沿道には、民家が2軒あった。1軒は茶屋も兼ねていた印象だが、もう廃屋になっていた(上)。
もう1軒は別荘なのか、人はいないが、まだ暮らしの匂いはあった(下)。
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埋もれつつある廃車。
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2時過ぎに関八州見晴台に到着した。
DSC_2696_20150106171922a0d.jpg

(つづく)
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  • 2015/01/06(火) 23:18:44 |
  • |
  • #
  • [編集]

Re: 本年も宜しくお願いします

おつ山さん、こちらこそ本年もよろしくお願いします。

ご指摘を受けて、読み直してみたのですが、一応あれでいいのですけど、どこか変でしたか?

とりあえず、後半部分に限らず、分かりにくいと思われるところには補足を入れておきました。

いや、そうじゃなくて! というような大ボケをかましていたのでしたら、仕返しを恐れず(笑)遠慮なくご指摘ください。

ほかの人には読めないようなコメントの仕方をして下さったようで、配慮に感謝します。
それって、どうすればいいんですか? 前は大変失礼した形になってしまい申し訳ありません。

  • 2015/01/07(水) 21:21:23 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

あれっ!?

あれっ!?
今日あらためて拝見させて戴いたら全く問題なかったです。
手直ししませんでしたか?
昨日拝見した時には貼られていた画像が各所チグハグになっていて、白小石の画像が別の場所に2枚貼られていたり、廃車の画像が全く別の場所にあったりと…
もしかしたら最近私のスマホが調子悪いせいかもしれません。
大変お手数おかけして申し訳なかったです🙇💦(恥ずかし)
非公開のコメントは公開設定から行いました。
今度指摘する時には良く確認してからにします(汗)

  • 2015/01/07(水) 22:57:05 |
  • URL |
  • おつ山 #-
  • [編集]

Re: あれっ!?

いえいえ、いつもご愛読ありがとうございます。
引き続き、何かあったがご指摘ください。
(公開設定の場所を捜索中のかたこりより)

  • 2015/01/09(金) 06:46:40 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

公開設定は自身のブログに自らコメントを入れてみると分かると思います。
ちなみにスマホからの投稿です。

  • 2015/01/09(金) 07:42:42 |
  • URL |
  • おつ山 #-
  • [編集]

Re: タイトルなし

> 公開設定は自身のブログに自らコメントを入れてみると分かると思います。
> ちなみにスマホからの投稿です。

スマホ見たら、一目瞭然でした~

  • 2015/01/11(日) 21:03:00 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
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