山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

岩手山(上)

【2014年9月17日(水)】岩手山
東北山行第4弾は、岩手山から裏岩手を縦走、八幡平から安比高原に下る2泊3日のコース。宿泊は2泊とも秘湯である。
とくに東北を狙っていたわけではないのだが、たまたま休みが取れた9/18-20で晴れマークがついていたのが北東北だったわけ。
基本的に平日なので、静かな山旅が楽しめそうだ。

前日の17日にまたまたザックを背負って出勤。
退社後、コインロッカーから取り出して東京駅へ。
18:56発の東北新幹線はやぶさ103号に乗るつもりだったのだが、この日朝の発煙騒ぎでダイヤが大幅に乱れている。
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駅には18:40頃に着いたが、18:06発のMaxたにがわも、まだ発車していない。
幸先が悪い。

しばらく待つことになりそうなので、駅弁とビールを買って、改札を通過する。
ホームで車掌さんらしき人に聞くと、「30分も遅れることはないと思う」との答え。
とりあえず、登山用のイスを取り出して、ホームに座り込む。
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ビールの栓を開けたところで、はやぶさが入線。
ビールとイスを両手に持って、あわてて車内に入った。
はやぶさは全席指定。隣は若い女性で、すぐに寝てしまった。

結局19分遅れで発車。
こちらはビールを飲み干し、駅弁を食べて
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しばらく文庫本を読んでいたが、宇都宮あたりで沈没。
結局、盛岡までずっと爆睡だった。

盛岡には13分遅れで到着。
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(翌朝撮影)
外は、腕まくりをしていると寒いほど。
東北の夜は、もうすっかり秋だ。
駅前のローソンで朝食を調達。駅から徒歩3分の「HOTEL盛岡ヒルズ」に投宿する。
部屋でザックの詰め替えをして、23時には就寝した。

【2014年9月18日(木)】
目覚ましで朝5時に起床。5:20にホテルをチェックアウトして、ファミマで昼食のおにぎりを購入。水は、登山口に水場があるようなので、買わなかった。
いわて銀河鉄道の5:41発花輪線直通大館行きに乗り込む。
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でも車両は、JR東日本のローカル線気動車キハ112で2両編成。
車内で朝食のパンを食べる。

天気はいいのだが、岩手山はガスの向こう。
滝沢駅には5:56に到着。
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それにしても、ひどい濃霧である。
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滝沢駅は盛岡大学の最寄り駅で「たきざわ学園の杜」という愛称があるようだ。
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駅舎などを撮影しているうちに、予約しておいたタクシーに他のおじさんが乗り込もうとしている。
運転手さんが、私を探しているようだったので、「○○で~す」と名前を叫ぶ。

くだんのおじさんが山仕度だったので、私は親切にも「馬返しですか」と行き先を聞き、「それじゃ、ご一緒にどうぞ」と招き入れた。もちろん、2人で行けば、タクシー代が半額にできるという下心もある。
車中、いくつか質問した。
「地元の方ですか?」
「いいえ、東京の目黒です」
「じゃあ、昨夜盛岡まで来て、泊まってたんですか」
「ええ」
「じゃあ、私と同じですね」
なんて調子だったが、どうもノリが悪い感じがしたので、途中で話すのは止めてしまったのだが、この人が運転手さんと話しているのを聞いているうちに、(あ、この人もタクシーを予約していたんだ。時間と行き先が一緒だったので、タクシー会社としては2人一緒に運んでしまおうということだったんだ)と気づいた。
だから、私の「乗せてあげた」という態度が気に入らなかったのかもしれない。大変失礼しました。

おじさんは濃霧が気になる様子で、運転手さんに聞いている。
「大丈夫ですよ。これは雲海ですから、もう少し登れば、すぐ雲の上に出ます」
と言っているそばから、車は雲海を抜け出し、岩手山がくっきりと見えた。
(おおお~すばらしい!)
頂上付近に雲がかかっているが、あれも間もなく取れるだろう。

運転手さんに、こちらからも質問。
「帰りは焼走りに下る予定なんですが、迎えに来てくれますか」
ところが、あちらは八幡平市で営業エリアが違うのでNG。でも、西根タクシーを呼べばいいとのことだった。

馬返しの駐車場には6:15頃に到着。料金は3390円。1700円ずつ出し、10円はおわびの印に相手に進呈した。素直に受け取ってくれた。
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すでに10台ほどの車があった。平日だというのに、さすが百名山である。

軽く体操をして、6:20に出発。
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水場があると思っていたのに、ないので、すぐ先のトイレで水を調達。
「飲用には適しません」とは書いていないので大丈夫だろう。

木漏れ日の中、おじさんから少し遅れて歩く。
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5分も歩くと、鬼又清水なる場所に着いた。
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豊富な湧き水だ。なんだ、ここだったのか。
トイレの水もたぶん、ここの水を引いているはずなので詰め替えはしなかった。

正面に岩手山(2038m)が雄々しく聳えている。
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紅葉にはまだ少し早いようだが、火山らしい赤い肌が青空に映えている。
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ここの広場には宮沢賢治の歌碑があった。
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「岩手山いただきにしてましろなるそらに火花の涌き散れるかも」
この歌は賢治が盛岡高等農林学校3年の夏(1917年)、親友の保阪嘉内とともに岩手山に登った時に詠んだものだそうだ。賢治は生涯に30回近く岩手山に登っているらしい。
火花とは何を指しているのだろう。
岩手山の活動史を見ると、噴火したのは1919年7月のことなので、溶岩ではなさそうだ。
心の火花だろうか。

登山届を出そうとしたら、さっきのおじさんが丁寧に書いており、時間がかかっている。
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待ちかねて、今回はパスさせてもらった。すいません。

さて、ここからが本格的な登山道。クマにも注意しなければならない。
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さわやかなダケカンバの道である。
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写真を撮りながら、ゆっくり歩いているので、先に歩いていた人はどんどん行ってしまった。
でも、後から来るはずのあのおじさんが、なかなか見えてこない。

そうこうしているうちに「改め所」の標識。
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その場所まで、距離にして100mほど下るようだが、今日は急ぐ旅でもないので、寄り道することにした。

そこには「奥の富士」と刻まれた石碑があった。
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この碑の側面には「時しらぬ ここも雪あり 岩手山」の俳句が書かれている。
文政2年(1819年)に盛岡・穀町の高屋長兵衛が建立したものらしい。
「奥の富士」とは当然、「陸奥の富士」という意味で、岩手山のことだろう。

「改め所」とは霊峰神域への入口として、参詣の人々が俗界の汚れを落とし、心身を浄めた場所のこと。
大正初期まで小屋掛けの「改所」があり、お山銭(入山料)を徴収していたという。
脇に、汚れを浄める湧き水があったというが、戦後間もなく枯渇してしまったらしい。

登山道に戻る。昭和な雰囲気の注意書き。
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しばらく登ると、左手が開けた場所に出た。
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まもなく7時になるが、まだ雲海が横たわっている。
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登山地図に「大きなブナ」と書いてあるところで、さっきのおじさんに追いつく。
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やはり、「改め所」に寄り道している間に抜かれたようだ。

ここが5勺目。
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ここで道が一旦、新道と旧道に分かれる。
展望は左側の方がよさそうなので、旧道を選び、直進する。

足元にウメバチソウ。
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「桶の淵」と呼ばれる場所に出た。
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書いてあるような「桶の回りを絞めたような地形」はよく分からなかったが、再び波打つ雲海と、7合目の鉾立あたりを遠望することができた。
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この先でおばさんを1人、抜かさせてもらい、7:18、1合目に到着。
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ここで、新道と旧道が一旦合流していた。休まず進む。

標高930m地点に豆腐岩。
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姫神山(1124m)が見えてきた。
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あの雲のかかっているのは早池峰山(1917m)だろうか。
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2合目を7:32に通過。
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岩手山の広大な裾野。
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岩手県肉牛公社の滝沢牧場。
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足元も火山らしくなってきた。
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7:38、2合5勺を通過。
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細く掘れた道を登る。
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だんだん傾斜が険しくなってきた。
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間もなく3合目というあたりで、先行のグループが見えてきた。
と同時に、なんと雨が落ちてきた。
これは、にわか雨に違いないと判断し、そのまま進む。

登山口から1時間半で、3合目に到着。
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休憩していたグループを抜く。
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こちらはまだ一度も休んでいない。
3日分の着替えが入っているので、いつもよりザックは重いし、きつい登りが続いているのに、休まず歩けているのは調子がいいということか。
ここで7合目までの旧道と新道に分かれるが、当然見晴らしのいい旧道を行く。

標高が高くなるにつれ、木々も色づき始めた。
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雲海も、ようやくちぎれてきた。
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南方に見えるのは、南昌山(848m)や東根山(928m)だろうか。
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まだ盛岡盆地は雲海に沈んでいる。
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東山麓には陸上自衛隊の岩手山演習場。
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煙も見える。登山中ずっと、腹にずしんと響くような演習の音が聞こえていた。

手前は鞍掛山(897m)。
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いよいよ森林限界に達し、露岩帯に出た。標高は約1200m。
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高山植物も秋色に。
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8:08、4合目を通過。
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どれもこれも傾いている。
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周囲もいい色に染まってきた。今年は紅葉が早いのかもしれない。
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これは溶岩が流れた跡か。
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あれは松森山(333m)かしら。
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牧場も広大である。
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今登っている柳沢コースの北に切れ込んだ沢筋。
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8:35、登り始めてから2時間ちょっとで5合目に到達した。
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(つづく)
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