山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

蔵王(4)

【2014年9月6日(土)】蔵王山
熊野岳(1841m)を越えて、馬の背に下りてきた。御釜が目の前にある。
縁に踏み跡のようなものが見えるが、歩けるのだろうか。
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火口の最も高いところは五色岳(1672m)というピークなのだが。
登山地図や地形図にルートは書いていないが調べてみると、行けるようだ。
気象庁の「火山活動解説資料」でも、10月20日発表で「10月に入ってから4回の火山性微動があり、御釜の湖面にも一部白濁が確認された」とあるが、レベル1(平常)のままで「登山で近づく際には十分注意してください」の表現にとどまっている。
今年はもう難しいが、状況が変わらなければ来年行ってみよう。

五色岳はかつて活発な活動を続けていた。しかも、その歴史はかなり新しい。
1183年の噴火で御釜が誕生し、1820年頃から水が溜まり始めたと言われている。
とくに江戸時代は何度も噴火を繰り返し、1867年(慶応3年)の水蒸気爆発では、御釜が沸騰し、泥水があふれて3人が死亡する被害も出ている。
明治29年にも御釜の水が氾濫している。
あふれると宮城県側の濁川を下り、峩々温泉を襲うことになる。

このあたりで水辺にも下りられそうだ。
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馬の背を南に向かうと刈田岳(1758m)なのだが、今回はタイムオーバーで断念。
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名残惜しいが引き返す。

登り返して、避難小屋に到着。
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これは山頂の熊野神社にある小屋とはまた別の小屋だ。

誰もいないだろうとは思いつつも、一応ノックをして中に入ったら、熟年男性がひとり。
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「すいません、中の写真だけ撮らせてください」
「よけましょうか」
「いえ、大丈夫です」
「じゃあ、大きさが分かるように、このままいます」
てな会話のあと
「今日はここで泊まりですか」
と聞くと、そうだとの答えで、しばらく雑談になってしまった。
彼は刈田岳の避難小屋でおこじょを見つけたと、その写真を見せてくれた。
茶色と白のツートンの体の長いおこじょが、はっきり写っている。
こんなところにいるのかあ。

「いつもは一眼レフなので、すぐ撮れるんだけどね~。今日は新しく買った液晶カメラなので、すぐにピントが合わないから、いい写真がない」とぼやいていたが、なかなかどうして。
お住まいのある横浜から普通列車を乗り継いで白石まで来て(青春18きっぷを使用)、駅前の安宿に泊まり、今朝、1日に2本しかないバスで刈田岳のふもとまで。そこから登ってきたという。
今夜はここに泊まって、夕日の写真を撮るつもり。「あなたも機会があったら、泊まるといい。朝日連峰に沈む夕日が墨絵のようにきれいですよ」という。
「ありがとうございます」と挨拶して辞した。
おそらく今夜の泊まりは彼1人だろう。
ここは駐車場から30分ほどの距離しかない。暴風雨から避難したわけでもない、こんな天気のいい日にわざわざ泊まるのは、写真目的の人くらいだろうから。

この小屋の近くには旧避難小屋の跡のような石垣があった。
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それと、仙台二中の遭難者供養碑も。
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遭難は大正7年10月23日。仙台二中の教師4人、生徒151人の計155人が、宮城の青根温泉から山形の蔵王温泉まで徒歩で修学旅行中、ここ熊野岳付近でにわかに天候が悪化、暴風雪に巻き込まれ、教師2人、生徒7人が不帰の客になったという。
建立は昭和15年とある。

あちらは山頂への道。これで暴風雨にでも遭ったら、確かに道は分からない。
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さて、ロープウエー駅に向かう。行きとは違う道を歩けるのが、ピストン嫌いとしてはうれしい。
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途中、歩きながら今日登った山での自撮り写真5枚と御釜の写真をまとめて、「1000座達成しました」とfacebookの秘密グループに投稿。
実は、刈田岳をもって百名山に登ったとカウントしていたが、これは修正。
最高峰の熊野岳を登った今回をもって「蔵王山」に登ったと、カウントし直すこととする。

北蔵王以北の峰々。
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雁戸山(1485m)のアップ。見事な双耳峰。高さもほぼ同じ。
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名号峰(1491m)方面のたおやかな稜線。
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夕方が近くなって、より一層空気が澄んできた気がする。

熊野岳の地肌は赤い。
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ワサ小屋跡の手前で一旦、往路と合流するが、その先でまた分かれ、巻き道を行く。
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熊野岳を振り返る。きれいな青空になった。
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三宝荒神山(1703m)も見えてきた。
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地蔵山(1736m)の巻き道は木道なので歩きやすい。
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冬には樹氷となるアオモリトドマツ。
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もう4時をすぎて、人気もなくなり、いい雰囲気だ。

16:16山頂駅に到着。
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ゴンドラは随時来ているようなので、屋上の展望台でひと通り撮影してから乗り込むことにする。

地蔵山。西斜面はアオモリトドマツに覆われている。
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朝日連峰の大朝日岳(1870m)も見えた。手前中央は白鷹山(986m)。
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来年あたり縦走できるだろうか。
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ゴンドラは山麓線に乗り継いで片道1500円。
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ゴンドラはもちろん独り占め。
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座ってご乗車くださいと言われたが、ずっと立ったまま写真を撮っていた。
しばし、お楽しみ下さい。
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約10分の空中散歩で330m下の樹氷高原駅に到着。
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樹氷高原駅の駅舎の写真を撮っているうちに、山麓線の16:40発が行ってしまった。

山麓線は10分おきの運行なので、まるまる10分待つことに。
ベンチで靴を履き替え、登山靴はザックに詰め込んだ。楽になった。
余った時間で駅舎内を見学。
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山麓線のゴンドラは53人乗り。山頂線は18人乗りだった。
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山麓線はガイドのおねえさんが乗っていたので、写真は遠慮気味に。
客が1人でも観光案内をするかと思ったら黙っている。帰りだからか。
なんか気詰まりなので、「共同浴場には石鹸やシャンプーは置いていませんよね」と、聞かなくても分かる質問をしてみたら、「行ってみないと確認できません」との答え。
サービス業とは思えない、必要以上に杓子定規な回答だ。
「すいません、よくわかりません」でいいのに。変わった人だ。
さすがに、しまったと思ったのか、「観光案内地図はありますよ。そういうことも詳しく書いてあるかはわかりませんが」とフォローしてきたが、「いえ、地図は持ってますので」と言うほかなかった。

瀧山と温泉街。
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今度は7分ほどで、蔵王山麓駅に到着。
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下車してバスターミナルまで歩く。
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もう5時前。風呂に入るので5:20のバスは無理。
その次は6時40分なので、入浴後、食事をする時間もありそうだ。

途中、中央ロープウエーの山麓駅舎を撮影。
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日帰り入浴施設が沿道に2軒あったが、いずれも混んでいそうだし、高いのでパス。
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けさ、高湯通りで見つけた入浴可の旅館・招仙閣に入る。下湯の真ん前。
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たった300円で独占である。

ここは、こけしの宿のようだ。
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土曜日なので宿泊客とのバッティングで混んでいることも予想したが、何と誰もいない。
この宿は大丈夫だろうか。
貴重品もあるので、人がいないのは助かる。

強烈な硫黄泉に入り、いい刺激になった。
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さっぱり。

バスターミナルに戻り、18:40のバスがあることをもう一度確認して、高湯通りの入口にある食事処きくちに入る。こちらも客は誰もいない。
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幟にあったジンギスカン(ラムもも1200円+御飯セット200円)をオーダー。
結構高いが、肉の量はケチってなかった。
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地ビールはないというので、やむなく缶ビール「アサヒスーパードライ」。
「温泉街にたくさんジンギスカンを出す店があるけど、名物なのか」と聞くと
「今は北海道の方が有名になったけど、実はここが発祥の地なんです。もう羊は飼育してるとこがないので肉はオーストラリア産ですが」とのこと。
ほんとかよ。
ググってみると、確かに遠野とともに蔵王は「発祥の地」を主張しているようだ。
野菜は、もやしがなく、白菜と玉葱、ピーマン、コンニャクだった。
由来はともかく、おいしくいただけた。山の後の肉はいい。

近くのお土産屋で芋煮セットを買い、18:40のバスに乗る。
駅までの所要時間は45分。
帰りの新幹線つばさ158号は19:31発なのでギリギリだが、大丈夫だろう。

駅には、わりと余裕で着いた。
新幹線がまだ入線していないので、あれっと思ったら、158号は新庄始発だった。
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往路とは違い、ガラガラで、余裕で窓際に座れた。
車中、わざわざ持ってきたパソコンで写真や記録の整理しながら帰る。

作業は大宮までかかった。
10時すぎ上野着。帰宅は11時半になったが、山形時代を懐かしみつつ、すばらしい山旅になった。

【行程】2014年9月6日(土)
蔵王温泉バスターミナル(7:37)~瀧山ゲレンデ(7:57)~瀧山分岐(8:44)~瀧山(9:12撮影9:22)~上宝沢分岐(9:40)~中央高原(10:39撮影10:46)~鳥兜山(11:11休憩11:26)~三五郎小屋(11:42)~五郎岳(12:04)~三郎岳(12:23)~パラダイス(12:56)~ザンゲ坂(13:24昼食13:36)~地蔵山頂駅(13:50)~三宝荒神山(13:59撮影14:02)~地蔵山(14:20)~ワサ小屋跡(14:37)~熊野岳(14:59撮影15:10)~馬の背(15:19撮影15:21)~熊野岳避難小屋(15:28雑談15:35)~ワサ小屋跡(15:58)~地蔵山頂駅(16:16撮影16:23)=樹氷高原駅(16:36休憩16:50)=蔵王山麓駅(16:57)~高湯通り(17:12)
※所要時間:9時間35分(歩行時間:7時間47分)
※登った山:8座(瀧山、大釈山、鳥兜山、五郎山、三郎山、三宝荒神山、地蔵山、熊野岳)
※歩行距離:17.5km
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