山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

川苔山・本仁田山2

そうそう、コースタイムを書くのを忘れていました。
以下の通りです。
古里駅(8:25)~721m峰(9:20)~赤杭山(10:10)~エビ小屋山(11:00休憩10分)~曲ヶ谷南峰(11:45)~川苔山(12:10昼食30分)~瘤高山(13:50)~本仁田山(14:10休憩15分)~平石山(14:45)~登山口(15:40)~奥多摩駅(16:30)

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エビ小屋山では標石の上に腰掛けて、10分ほど休憩。テルモスのお湯で卵スープを飲む。
木々がまばらで南側がなんとなく開けているが、霧のため眺望はゼロ。

来た道を戻り、登山道に出ると、また白髪の男性に抜かれていたのに追いついた。
今度は軽く会釈をして通り過ぎる。

北東方向に続く尾根道を進むと、次第に左にトラバース。鞍部から右に振り返った小さなピークが真名井沢ノ頭だ。
この地名は地形図はもちろん「山と高原地図」にもなく、ヤマケイの「東京周辺の山」に書いてあった。
ここから東に延びる尾根に地図上、道はないが、雪の上に足跡があった。
帰宅してネットで調べると、この尾根はよく踏まれているようだ。
改めて地図を見ると、わりとゆるやかで歩きやすそうな尾根である。

ここから曲ヶ谷南峰までは防火帯の中を歩く。雪がちらついてきた。
もともと雪はしっかり積もっており、深さは15㎝ほどあるところもある。
クラストになっているので、トレースじゃないところの方が歩きやすい。
しばらく、なだらかな道だったが、最後は急登となる。
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頂上には石にマジックで書いたような標石があった。かわいい。
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ここからは南方向が開けており、本仁田山が望めるが、雲で半分隠れていた。

5分ほどで北峰に着く。
ここは北が開けており、日向沢ノ峰から蕎麦粒山方面の稜線が見える。
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北西方向には外秩父の先に、関東平野をはさんで赤城山や榛名山もはるかに望めた。
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(奥の山並みが榛名山)

もう川苔山はすぐそこだ。いったん鞍部に下りると、そこは十字路で「東の肩」と呼ばれる場所。
地図上は小屋があるはずだが、それらしきものはない。
よく見ると、小屋の部材らしきものが脇に片づけられていた。
ウィキによると、以前は茶屋があったが、今は廃業し撤去されている、とある。
いつまで営業していたのだろうか。
わりと人気にある山だと思うが、一時期よりはハイカーが減ったのか、経営者が高齢化したのか、昔の写真でもあったら見てみたい。

ここから5分ほどで、山頂に到達。標高1363m。
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ここまでは、1人にしか会わなかったが、山頂にはベンチが3つあって、いずれも埋まっている。
その後、入れ代わり立ち代わり、続々と人が現れ、こちらが30分滞在している間にのべ30人近くは来ただろう。この数は、このシーズンとしてはかなり多いと思う。

肝心の眺望だが、晴れていれば富士山も見えるらしいが、本日はまるでだめ。
西方向には石尾根が見え、鷹ノ巣、七ツ石、雲取まで、雲に見え隠れしつつ確認することができた。
南には木々の合間に大岳山が顔をのぞかせていた。
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景色をひととおり確認したところで、昼食。ベンチはふさがっているので、折りたたみイスを出す。
メニューはインスタントラーメン。具は半熟卵とレモン風味の牛タン。
晴れてはいないが、風がないので、ダウンを着込まなくても済んだ。

ところで、川苔山の表記である。地形図には「川乗山」とある。頂上の標識の「川乗山」だ。
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しかし、よく見ると、右の新しい道標には柱に「川苔山頂」とある。「山と高原地図」も「川苔」派だ。
ウィキによれば、地名の由来は、この山を源とする谷に、川苔(淡水産で食用の緑藻)が採れるので川苔谷と呼ばれており、だから山の名前も「川苔山」が正しいとしている。
「川乗」は国土地理院の誤記だそうだ。
それにしても、この誤記は影響が大きく、山中のあちこちの道標はほとんどが「川乗山」となっている。
ただ、それが誤りであるとの認識も広がってきたのか、新しい標識はみな「川苔山」になっていた。

ちなみに、ネットのヒット件数は、「川苔山」が18万7000件、「川乗山」が1290万件で、けたが2つ違う。国土地理院の影響力恐るべし。
ただ、本当に誤記なのか、何らかの根拠があったのかは不明だ。

さて下りは、東の肩を右に折れ、本仁田山に向かう。
最初はかなりの急坂で、途中、水場の舟井戸がある。
井戸とは言うがわき水ではなく、すでに沢になっている。この季節なのに、涸れずにしっかり流れていた。
ラーメンのせいで、テルモスの湯を大量に使用したため、水が欲しかったが、ここで汲むのは諦めた。

下り切った鞍部が舟井戸のコル。標高は1210mほど。
分岐を鳩ノ巣駅方面に下っていくハイカーの後ろ姿を見送り、鋸尾根を登る。
地形図では、川苔山と本仁田山を区切る鞍部「大ダワ」までに4つの小ピークがある。場合によっては、もう1つ隠れピークがありそうだ。あるとしたら、1つ目1240mピークの次だ。

しかし、歩いてみると、これはピークと言えるものではなかった。地図の通り、ひとつひとつピークを越えて、最後に岩場もある急坂を下り、大ダワにでる。
目の前に登るべき山が見えているのに、下り続けるのは、精神的にかなり滅入る。
橋でも架けたくなってしまう。
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(鋸尾根を下る。正面は本仁田山)

大ダワには小さな祠がある。ここは十字路になっているが、西方面は通行止め。
ただ、少しだけ失敬すると、そこには雲取方面の展望が広がる。
雲取は東京都最高峰で日本百名山ということで有名だが、どこから見ても地味で、かなり歩いている人でないと、すぐに「あれが雲取」と言い当てるのはむずかしいと思う。

でも、ここからは、視界の中央にゆるやかな三角すい状に見える。雲取が名峰らしく見える数少ない場所ではないか。
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右肩に雲取山荘が小さく小さく見えるのも興をそそる。
雲取を目印に目を左に転じれば、七ツ石、鷹ノ巣と石尾根の主なピークをたどることもできる。
鷹ノ巣山麓に稲村岩がそそり立っているのも分かる。
今日はこのパノラマが見られたことで満足しよう。

大ダワからの登りで、アイゼンを装着していた男性を追い抜く。
私は結構歩くのは速い方なのかもしれない。
抜くことはあるが、抜かれることはほとんどない。
まあ、止まっている人を抜かすのは当然なんだけど・・・

瘤高山は谷をはさんだ尾根から見ると、ピークらしく見えるのだが、登ってみると、まだ登りが続いているので、ピークという感じではない。眺望もいまひとつだし、アイゼンの男性が近づいてきたので、すぐ出発。
山頂を右から巻くようにして登り、2時すぎ本仁田山に登頂。
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標高1224m。東が開けており、高水三山や関東平野方面が見えたが、あっという間に雲の中に隠れてしまった。ここには朽ちかけた東屋があり、そこにザックを置いて、紅茶を飲んでいると、アイゼンの男性が到着した。
「大ダワはまいりましたね。あまりに下るので、心が折れかけました」

そうなのだ。さっきの大ダワはまっすぐ鳩ノ巣駅に下りる道がある。
あれだけ下って、また登り返すのがおっくうになり、本仁田を登るつもりで鋸尾根を来たのに、あそこで諦めてしまう人がきっと少なくないだろう。

改めて挨拶を交わし、私はすこし戻って、地形図に道の表記がない平石尾根を下る。
実はこのルートこそ、本日のメインイベントと言っていい。
道の表示のないところを、地図と磁石だけを頼りに下れるか、という入門編である。

登山道からはずれる分岐には、道に倒木で「通せんぼ」がしてあった。
これは、あちこちの登山道に普通にある、「ここから先は登山道ではありません」という無言の標識だ。
これに気づかず、道迷いに陥ってしまう人も少なくないだろう。

今回は分かって進む。
雪は積もっているが、なんとなく夏の踏み跡が分かり、枝尾根に入り込んでしまいそうな場所もない。
ただ、平石山(1075m)の手前の鞍部までに小ピークが一つあるが、隠れピークがもう一つあるかもしれない。

もし、平石山に標識がなく、平石山を隠れピークと誤解して、通過してしまった場合、延々道なき尾根を下り、現在地を見失ってしまうおそれがなきにしもあらず。
まあ、自分の高度感覚と距離感覚があれば、今回のケースで誤ることはあるまい。

地図通りの地形を確認しつつ鞍部に到着、登り返したところが、予想通り平石山で、木にくくり付けた立派な手彫りの標識もあった。小さなケルンもあった。人はちゃんと来ているのだ。
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写真だけ撮って来た道を鞍部まで引き返す。
よく見ると、ここは切通状になっている。北側にもかつては生活道が通じていたのかもしれない(ただ北側には集落はない)。

さ~て、最大の難関はここから。
本仁田山から平石山経由のルートは「山と高原地図」には点線にすらなっていない。完全な廃道扱いである。
地形図では、平成19年更新の「武蔵日原」には表記がなく、平成18年更新の「奥多摩湖」には表記がある。ヤマケイの「東京周辺の山」には「不明瞭」との注記を添えて掲載している。

おそらく平成18年に廃道になったということではあるまい。
かなり前に廃道になり、それがたまたま平成18年までの地図に残っていただけなのだろう。

鞍部からの下りは最初、それらしき踏み跡があるが、間もなく何もなくなる。
ここは一応、地形図上、谷ということになるが、V字谷ではなく、板を斜めに置いたような斜面である。
斜度は30度くらいか。
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一帯が植林で、地面は柔らかい土の上に腐った落ち葉が積もっている状態。

道が分からない以上、捜しても仕方がない。行く方向は分かっているのだから、まっすぐ進むしかない。
等高線とは直角にぐいぐい下っていく。靴は土にもぐり、それが自然にブレーキとなる。
しかし、たまに勢い余って、体勢を崩し、何度も手をつく。尻もちは何とか免れた。

下るに従い、石が混じってくる。
踏み跡らしきものに出て、それに従うと、すぐに右手のガレ場に導かれる。
何度もまっすぐ下りと踏み跡たどりを、標高差450m分繰り返す。
下りなのに汗が出る。もう水筒に水はない。

まもなく廃屋が見えてきた。どうやら無事、人里にたどり着けそうだ。標高は600mくらいだろうか。
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脇にチョロチョロと水が流れている沢があったので、ここで水分補給。生き返った。

直に、沢が太くなり、石垣で組んだわさび畑が姿を現した。
畑のある対岸に行くべく、丸木橋を渡ろうとしたら、1本踏み抜いてしまった。
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予想はしていたので、転倒することもなく、橋に座り込んでしまったくらいで済んだ。

もう1軒の廃屋の手前に乳房観音が祀られていた。
「1230年頃、鎌倉の落人がこの地に住み、持参の銀杏の実を蒔いたところ、それが芽吹いて600年余りが経過し、胸回り10mもの巨樹に成長。長さ2mもの乳根が無数に垂れ下がった。人々はこれを祝って巨樹のもとに観音様を祀った」という。
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大正2年に樹齢が尽き、伐採したところ、切り株から2本の芽が出て、今の巨木になったのだとか。
乳がん予防に御利益があるという。

なんだかんだと、ふらふらになって車道に到着。本日のプチ冒険は終わった。
地図と磁石で方向を確認しながらルート維持する、といった場面には至らない、ほんとの入門編だったが、まあ地図を見て現在地を確認しながら歩くという所期の目的は達した。
次は、すこし難度の高いコースを設定してみよう。

奥多摩駅裏の砕石工場や日原街道の趣を愛でつつ、奥多摩駅に4時半に到着。
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4:52のホリデー快速おくたま6号で帰途につきました。
日帰り温泉に行きたかったけど、着替えを忘れたので、諦めました。







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