山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

尾瀬(1)

【2014年8月5日】尾瀬・燧ヶ岳
夏休みの前半は8月5~9日の5連休。
後半の8、9日は天気が崩れそうなので、5~7日を山行日とした。
さて、どこへ行こうか。
直前(2、3日)は八ヶ岳をガシガシ歩く予定なので、ゆとりのある日程で燧ヶ岳に登ることにした。
尾瀬に前後2泊して、燧には中日に登る計画だ。

5日はとくに早起きせず、7:50にゆっくり出発。
初日は、大清水に車を駐め、三平峠から尾瀬沼を経て、沼山峠へ。
ここから御池までバスに乗り、宿泊は尾瀬御池ロッジというコースである。

関越道は平日なので全く渋滞もなく、順調。
浅間、赤城、榛名、武尊などいずれもくっきり見え、天気も上々。しかし暑い。
沼田ICで下り、国道120号沿いのセブンイレブンで食料を調達しているうちに、大型バスに抜かれ、そのあとをちんたら尾瀬の手前まで付き合わされた。

11:40頃、大清水に到着。おお涼しい。
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第一駐車場は満車なので、奥の第二駐車場に案内される。
料金は1日500円なので、3日分1500円を支払う。

第二駐車場は広大だったが、日陰になる最奥に駐めた。
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ここから一ノ瀬休憩所まで3kmほどの林道を、低公害車(エコカー)の試験運転が行われている。無料だ。乗らない手はない。
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エコカーが一ノ瀬から戻ってくるまで、トイレを済ませた後、ザックを待合コーナーのイスの上に置き、周辺を散策した。

こちらは大清水休憩所の売店。
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休憩所の前にバス停があるが
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肝心のバスは、第二駐車場横の木陰に避難していた。
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これは物見小屋。
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こちらが大清水小屋。
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もちろん食事もできるようだが、入浴も可とある。

うわあ、これは冷たくて美味しそう。
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でも、まだ1歩も歩いていない。

そうだ、ここは国道401号のどんづまり。
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401号はいわゆる沼田街道で、この先、一ノ瀬、三平峠、尾瀬沼、沼山峠、七入を経て会津若松へ通じる道である。
ただ、総延長212kmのうち、87kmしか供用されていない。

今では考えられないことだが、この尾瀬を縦断する車道が実際に計画された。
1940年、戦前のことである。
1963年にまず福島県側の七入~御池間が完成。
その後、さすがに尾瀬沼畔に車道を通すのはまずいと思ったのか、1967年にルートが小渕沢田代経由に変更される。
引き続き、1970年、御池~沼山峠間も完成。
翌71年、群馬県側の大清水~一ノ瀬間も開通する。
この年、一ノ瀬~岩清水間の工事が開始され、岩清水がなくなってしまった。

尾瀬の自然保護は風前の灯かと思われたこの年、環境庁が発足し、自然公園審議会が道路建設の計画の廃止を答申。工事は中止されたのである。
完成していた一ノ瀬~岩清水間の道路は緊急車両用として利用されていたが、これも1997年には閉鎖され、自然回復のためのブナの植林が行われているという。
なかなか数奇な運命をたどってきた道路なのだ。

気がつくと、エコカーが到着していたので、もう乗れるかと聞くと、あまり愛想のない運転手が「乗れる」というので、乗り込む。独占で出発。
まずは、このゲートを通過。
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随分ゆっくり砂利道を走り、13分ほどで一ノ瀬の乗り場に到着。
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エコカーはハイブリット車だが、なぜか大宮ナンバーだった。
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もうお昼を過ぎていたので、まだ全く歩いていないが、まずは一ノ瀬休憩所で腹ごしらえ。
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今日は彩りよく、おにぎりに鳥の唐揚げ、ゆで卵、野菜スティック。

400円でまいたけ汁もいただいた。
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満腹じゃ。

12:40に出発。
いきなり、ものすごい幅員の三平橋。
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なぜ、こんな山奥にこんな巨大な橋があるのか不思議だったが、理由はさっき説明した通り。将来は国道になる予定だったのだ。
昭和45年(1970年)9月完成のプレートがあった。
この橋は尾瀬に壮大な観光道路の計画があったことの証人である。
計画が中止になって本当によかった。

三平橋を過ぎるとすぐ、登山道に入る。
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しばらく、片品川の源流に沿って登る。
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直に、早くも木道が現れる。
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こういうふうに石畳で整備してあるところも多いが、とても歩きにくい。
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土が流れないようにしているのだから、仕方ないんだけど。

冬路沢を渡って、しばらく登ると、岩清水。
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昔ながらの岩清水は前述の通り、道路工事の影響で失われてしまったが、今は近くにあるこの清水が「岩清水」と呼ばれているとのこと。
冷たい水がほとばしり出ている。冷たくて実にうまかった。
この水があるなら、コンビニでペットボトルなんて買う必要はなかった。
そういえば、大清水にも豊富な湧き水があったっけ。

いやあ、それにしてもこの空の青と雲の白、山の緑。まさに夏真っ盛り!
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ちょっとしたぬかるみを過ぎると
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十二曲りと呼ばれる急坂。
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ここで団体待ち。40人くらいいた。
私ひとりを通そうとする人は誰もいない。もう、そういうのにも慣れたけど。

登り切ると、再びだらだらした登り。
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純白のノリウツギ。
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しばらくオオシラビソの樹林帯の中を行く。
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でも、かすかなすき間から、燧ヶ岳の山頂部が見えた。
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一ノ瀬から1時間半ほどで、三平峠(1762m)に到着。ここで小休止。
一ノ瀬からの標高差は約340m。
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登山地図の注記の通り、樹林帯の中なので展望はない。6分ほどで出発。

下りもなかなか尾瀬沼は見えない。
ただ、だいぶ下ってから、ササは切り払われて、沼が見えるようにしている箇所があった。
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下りはカラマツソウが沿道を飾る。
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午後2時過ぎ、三平下に下りてきた。まずは、お小水。
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尾瀬はトイレが完備されている上、水が豊富なので、みな水洗で清潔なのがよい。
チップは気持ちよくお支払いする。

ここにある小屋は、尾瀬沼山荘。
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せっかくなので湖畔に出て、正面の燧ヶ岳を眺める。
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う~ん、明日も晴れてくれ。沼の水はそれほど冷たくなかった。

湖畔にはマルバダケブキとシシウド。
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この先はずっと木道。当然ながら平らだ。
湖畔の道を、花を愛でながら行く。これはオタカラコウ。
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キンコウカの群落と孤高に咲くコオニユリ。
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早稲沢を渡る。
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分岐で左へ。長蔵小屋へ向かう。
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三平下から20分ほどで長蔵小屋に到着。
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なにはともあれ、玄関前の水場にいちもくさん。
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これまた冷たくて、おいしい。

小屋の後ろに回り込み、ビューポイントでしばし休憩。
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かたわらにヤマオダマキ。
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大江湿原の緑がまぶしい。
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昨年秋に来た時と色彩がまったく違う。

人口も増えてきたが、全然うんざりするほどではない。
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平日とは言え、夏休みなのだから、もっといるかと思ったが、意外。
夏は尾瀬のハイシーズンではないのだ。
長蔵小屋の予約をする時も、1週間前でまだ15部屋も空いていて、驚いたし、前日、宿泊日を変更しても全然問題なかったくらいだから。

大江湿原を行く。
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おじさんは撮影に夢中。黙って待っている奥様。
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シモツケソウ。
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ニッコウキスゲ。
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コオニユリとワタスゲ。
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オオバギボウシを小ぶりにしたような花だなあと思ったら、コバギボウシだった。
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大江湿原の象徴のような3本の木。
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湿原を川が流れる。
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途中、長蔵小屋の経営者・平野家の墓に立ち寄り、手を合わせる。
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初代の長蔵氏(1870~1930)の墓は一番高い場所にある。長英氏は息子で、長靖氏(1935~1971)が孫だ。
長靖氏は群馬県立沼田高から京大に進み、北海道新聞に就職した。
しかし、家業を継ぐ予定だった弟さんが亡くなったため、1963年に尾瀬に戻ったという。
1971年には当時の大石武一環境庁長官に、例の道路計画の建設反対を直訴し、中止に追い込んだ中心人物である。
惜しまれるのは、その年の12月、下山途中に三平峠で遭難。享年36の若さだった。
跡は奥様の平野紀子さん、そして忘れ形見の太郎氏が継いでいる。

かたわらには、尾瀬の研究に尽力した植物学者・武田久吉氏の追慕之碑もあった。
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墓のある小高い丘は「ヤナギランの丘」とも呼ばれている。
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小屋を望むことができる場所だ。
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こうべを垂れていない、りりしいアザミ。
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ツリガネニンジン
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今年は咲いていないコバイケイソウ。
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さあ、沼山峠までは、標高差わずか120mだ。
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(つづく)

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