山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

外秩父・大霧山

2週連続で地元の奥武蔵・外秩父に訪れた。
夜から車で八ヶ岳に出かけるので、夕方までに帰宅できるところにしたのだ。

前夜は東京でも小雪がちらついた。たぶん、釜伏峠(533m)への道はうっすら雪が積もっているだろう。
峠まではタクシーで行くつもりだが、先週みたいなことにならなければいいが。

東上線では、武蔵嵐山の手前あたりから、先週登った堂平山や笠山が車窓に見えてきた。
小川町を過ぎると、日陰には未明までに降ったと思しき雪が残っている。
寄居では畑なんかはもう真っ白。不安が胸をよぎる。

駅前から乗ったタクシーは「最近、山の方へは行ってない」という。
「雪は山の方は降ってないよ」と、景色を見て単純に言う。
この運転手は地元のくせに何も分かっていない、まずいぞと思い、「タイヤはこの辺だと冬になると、やっぱスタッドレスですか」と聞いたら、なんとノーマルだと言う。

げげ~、こりゃ先週よりやばい。
登るに従い、路面は真っ白になってきたが、この車、ノーマルで何とか登って行き、目的地だった釜伏関所跡までたどりついてしまった。
ただ、あの人、帰りが心配だ。無事里に下りれたろうか。
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釜伏峠にはかつて関所があった。5坪ほどの建物が明治期までは残っていたというが、今は小さな歌碑がひっそりと残るだけだ。

今日歩くことになる釜伏峠、二本木峠(593m)、粥新田峠(538m)、定峰峠(620m)はみな秩父や皆野と小川・江戸方面を結ぶ街道の峠だ。
小川の米が秩父に、和紙の原料であるコウゾが秩父から小川へ運ばれた。

釜伏の読みだが、ウィキペディアには「かまぶし、かまぶせ、かまふせ」といろんな読み方があるように書かれている。角川日本地名大辞典は「かまぶせ」を採用しているが、タクシーの運転手は「かませ」と言っていた。
本当にいろんな呼ばれ方をしているのかもしれない。
その名は、日本武尊が東征の途中、この山で粥を煮た釜を伏せて、神武天皇に戦勝を祈願したことに由来するという。

関所跡から峠までは10分。そうだ、準備体操をするのを忘れていた、とカメラを首からはずして、地面に置いたら、なんと、またフードがなくなっている!
どこかに落としたのだ。林道で落としたのなら、音がするはず。気づかなかったということは、車を降りて間もなくなのだろう。

今日は急ぎたい日だというのに、なんということだ。
てくてく、来た道を引き返したら、タクシーのUターンを誘導した場所の路肩に落ちていた。
見つかったこと、20分程度のロスで済んだこと、いずれも不幸中の幸いだ。

さて、またまた引き返し、釜伏峠から登谷山(とやさん、668m)に向かう。
しばらくは舗装された林道を歩く。右手には武甲山から両神山など秩父の山々が見える。今日は浅間山は見えない。
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(左端の武甲山から奥秩父の山並み)

登谷山牧場の入り口から登山道に入る。頂上はすぐそこだ。
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山頂からは、左手には関東平野が広がり、右手には秩父の山々。
たかだか700mに満たない山だが、関東平野のへりにある山だけに、眺めは雄大だ。
それにしても風が強い。
これじゃあ、八ヶ岳は猛烈な風だろう。延期してよかった、と改めて思った。

少し下って、同じ分登り返すと、次は皇鈴山(みすずやま、679m)に着く。
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雅な名前だが、その由来はよく分からない。

山頂には、東屋と小さな祠と歌碑があった。東の展望は木々に隠れているが、西は正面に桜の名所として知られる蓑山(581m)が横たわっていた。
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いまはこんな枯れた色だが、4月になるとピンクに染まるのだろう。

アップダウンを繰り返して愛宕山。ここには小さな天文台がある。
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ベンチがあったので、座ってパンを1個食べた。

下ると二本木峠。日本武尊が食事で使った杉の箸を捨てたところ、それに根が生えて2本の大木になったので、二本木峠と呼ばれれるようになったという伝説があるが、それらしき2本の杉は見当たらなかった。

ここからはしばらく林道を歩く。途中、秩父高原牧場の脇からは、先週歩いた堂平山・笠山がよく見える。
この牧場には、子供が小さい頃、車で来た記憶があるが、よくは覚えていない。
牛は放牧されておらず、野外にいたのはヤギと羊だけ。
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でも、モーモーハウスは営業していた。
お客さんは、みた感じ、一人もいなかった。

林道はいったん尾根を越えて
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少し歩くと粥新田峠。
ここも由来は日本武尊がらみ。ここで粥を煮たのだそうだ。
読みは、昭文社の地図には「かいにだ」とあり、角川の辞典には「かゆにた」とある。
どちらでもいいのだろう。

この峠も秩父と江戸方面を結ぶ重要な交通路であった。
秩父札所めぐりの参詣者や、秩父銘仙を織る機織り娘たちが数多く越えた道だ。

その峠に、昭和60年に建立された粥新田地蔵尊があるが、その経緯がユニークだ。
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東京・目黒在住の渡辺生氏が、秩父事件を描いた映画「山襞の叫び」を制作、昭和57年に公開されたが、その際に使えなかった膨大なフィルムを捨てるに忍びず、この地に地蔵尊を建立し、その下にフィルムを収めたのだそうだ。

今年は奥秩父をテーマにしようと思っているだけに、秩父事件についても勉強しなくてはなるまいと決意した。

さて、ここからが本日のメイン大霧山への登り。
路面は凍っているところが多く、チェーンをしていないので滑らないところを選んで歩く。
またまた風が強くなってきた。日も陰って暗くなり、木々がゴーゴー音を立てると、とっても心細くなる。

30分ほどで登頂。頂上には5人ほどの中高年のグループがいて、ストックを三角点にかけている。
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これは止めてほしい。
私のような三角点マニア(ではないが)がいて、写真を撮りたい人がいるのだ。
たまに、山頂の標識にザックを立てかけている人、標識を背にしてお弁当を食べている人がいるが、これもマナー違反。写真を撮る人のために、標識からはなるべく離れて休んでほしい。

ここも西側に秩父の大展望が開ける。
両神山はいつみてもほれぼれする山容だ。
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ここでおにぎりを1個食べるが風が強いので、早々に下山する。
15分ほどで旧定峰峠に着く。ここは少し南に車道の定峰峠が昭和30年に開通するまで、徒歩で往来していた道だ。旧街道の例に漏れず、幅広のゆるやかな坂が秩父方面に続いている。
峠はわずかに切り通しになっており、祠もあった。
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あとは、701mピークを越えると定峰峠に出る。
このピークの登りで、登谷山で写真を撮っている間に抜かれた単独の男性を再び抜かす。

定峰峠には1時過ぎに到着。
ここの峠の茶屋で休むのも今日の目的の一つだ。
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吾野から顔振峠や刈場坂峠を経由して定峰峠に至る奥武蔵グリーンラインは、大学時代に何度も自転車で走ったが、記録を調べてみると、定峰峠まで来たことは1回しかないことが分かった。
たいてい、大野峠か白石峠で引き返している。

当時は金欠だったので、茶屋に入るなどということは思いもよらなかったので、この茶屋に入るのは初めてだ。
ネットで調べたら、「小豆すくい」というのが名物だというので頼んでみた。
ほかにもカレーとかうどんとか定食など、大抵のものは食べられるようだ。

小豆すくいは、おしるこの中に、ほうとうのちぎったのが入っているという感じ。
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300円なので、ほんとに小さな器に入って出てきたが、誠にあたたまる。
一つ残ったおにぎりと一緒に、これで昼食とした。

女将さんがプレッツェルを出してくれた。
こんな山の中でしゃれたものが出てくる。
聞くと、この茶屋は昭和47年から営業しているという。今年でちょうど40周年だ。

峠にはもう1軒、茶屋があったが、今は廃屋になっている。
ご主人が亡くなり、お嬢さんたちは3人とも嫁ぎ、自分は車の運転ができないので、平成19年の大晦日をもって閉店したのだという。
「賞味期限がまだあるものは、みんな買い取ってあげたよ。本人は続けたかったろうに」
と女将さんは残念がっていた。

さて、バスの時間があるので下ることにした。
小川町駅に向かうイーグルバスの最奥部、白石車庫発のバスは14:35。
着いたのはまだ2時過ぎだったので、行けるとことまで歩くことにする。

こういう山里を歩くのも好きだ。
古い家や蔵が残っている。
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途中、こんな謎な橋もあった。
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白石橋か白萩橋か、どっちが正しいのか?

答えはすぐに出た、橋には「白石橋」とプレートがはめ込んであった。
ならば、なぜバス停は「白萩橋」なのか。
あたりに人の気配はなく、誰にも聞くことはできなかった。

白石車庫から1㎞ほど下った経塚バス停でバスを待つことにする。
ここは大霧山からのエスケープルートがあるので、ハイカーが2人先に待っていた。

乗ると、エスケープルートの下山口のバス停ごとにハイカーがどんどん乗ってきて、最終的には満員になってしまった。結構、人が入っていたんだ。

東秩父中学校前から先は、先週歩いた道。
バスでさ~っと通り抜け、小川町駅に着いたのは3時過ぎ。
山行の後、こんな明るい時間に電車に乗るのは久しぶりだ。
5時前に帰宅。すぐ、八ヶ岳に行く準備を始めたのは言うまでもない。

ちなみに本日(21日)は、わが青春のアイドル石野真子が出演するミュージカル「NEWヒロイン」を見てきます。う~ん楽しみ。マッコちゃ~~~~~ん!
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