山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

江差線(上)

【2014年4月20日(日)】江差線駅舎
4月19~20日は同窓会の行事のため、北海道に帰省した。
当然の如く土曜の夜は深酒となり、すすきののホテルにたどり着いたのは午前3時。
こうなることは分かっていたので、あえて実家には泊まらないことにしていたのだ。
しかも、翌日は朝イチの列車で函館に向かい、江差線の駅舎めぐりをしなくてはならない。

6時の目覚ましで起きた時は猛烈な頭痛。
これも覚悟はしていたが、かなりきつい。
シャワーも浴びず、歯も磨かず、顔だけ洗ってチェックアウト。
もうろうとした状態で、地下鉄東豊線に乗り、ドリンクだけ買って、JR札幌駅でスーパー北斗2号に乗り込んだ。

昨夏、江差線乗り鉄のため、やはりこの列車に乗ったが、その時は自由席がかなり混んでいたので、今回は指定席を買っておいた。
でも、オフシーズンだからかガラガラだった。
とにかく寝る。北広島を過ぎた当たりでやっと眠りに落ち、室蘭のあたりでもう目が覚めてしまった。
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(これは前日、千歳付近から撮った樽前山と風不死岳)
しかたないので、すっかり雪の解けた室蘭岳や有珠山そして、まだ真っ白な羊蹄山を眺めて過ごす。

左の窓には噴火湾の向こうに残雪の駒ヶ岳も見えた。
乗ってすぐ、車内販売のおねえさんに長万部のかにめしを注文しておいた。
全く食欲がないのだが、すぐには食べられなくても、お昼のお弁当にしてもいい。
8:55長万部着。かにめしが届けられた。
しかし、まだ気持ちが悪く、ものを口に入れる気にはならない。
渡島半島の丘陵地帯をぼんやり眺めている。
日陰に雪が残っていたりするとうれしい。

八雲を過ぎたあたりで意を決し、かにめしを開ける。
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案外こういう時は、胃に何か入れた方が回復が早いと、経験上知っている。
体調がよければ、もっとおいしかったのだろうが、今回は仕方ない。
一生懸命、一粒も残さず食べた。そう親に仕付けられた。

車窓を見ていると、大沼あたりからも羊蹄山が見えてびっくりした。
この路線は何度も乗っているのだが、初めて知った。
写真は撮れなかった。

函館には定刻の10:14に到着。
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いい天気だ。徒歩5分ほどのところにあるトヨタレンタカーでパッソを借りる。
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呼気検査をしたら、アウトだったかもしれないが、お店の人から「酒臭いですが、大丈夫ですか」とは言われずに済んだ。
臭い防止のための「かにめし」でもあったのだ。

ナビを「渡島鶴岡駅」にセットして、10:30頃に出発。
今回は時間節約のためすべてナビ任せにした。
国道228号を快調に飛ばす。
函館湾の海岸線の道が気持ちいい。
どうやら酒も抜けたようだ。

久々の「鉄」である。
今回は昨年夏に撮影済みの木古内駅、江差駅を除く江差線の駅舎8つを撮影するのが目的。
時間があれば、昨年廃止になったばかりの知内駅、そのついでに近辺の旧松前線の駅舎跡、津軽海峡線の駅なども撮影する計画だ。

沿道の神社や文化財っぽいものには目もくれず、まっすぐ渡島鶴岡駅へ。
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到着すると同好の士が3人いて、すでに写真を撮っていた。
男ばかりのグループで年は30~40代くらい。
札幌ナンバーのレンタカーで来ていた。

江差線は今年5月12日に廃止となる。
それまでに駅舎を記録にとどめておこうと思う人がいてもおかしくない。
もう、あと1か月を切っていることだし。
いつも山で挨拶している私は、彼らにも律義に挨拶した。
彼らは戸惑ったようだが、ちゃんと挨拶を返してくれた。

駅舎は待合室のみで、ホームの脇にある。
1964年開業の比較的新しい駅(江差線の全通は1936年)で、当初はホームだけだったらしい。
この駅舎ができたのは1989年だそうである。
外壁はサイディング張りの新建材を使っているが、内装は木製板張り。
「農村ふれあいセンター」の庭園に沿ってホームがある。
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鶴岡の名は、明治8年に庄内藩士が入植してきて、この地にふるさとの名を付けたことにちなむという。

なかなか郷愁をかきたてるホームである。
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正面には江差線の廃止を惜しむ看板が。
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そうこうしているうちに時刻表にはない臨時列車(?)がやってきた。
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そして駅には停車せず行ってしまった。
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どの駅にも、思い出ノートみたいのが置いてあった。
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でも時間節約のため、いずれも開かなかった。

3人組が出発する前に、あわてて発進。次の吉堀駅へ。
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ここにもすでに先客がいた。
この後もずっと、同じ方々と駅ごとに会うことになる。

渡島鶴岡からの駅間距離は3.1kmで、1935年の開業。
北海道によくある廃列車を利用した駅舎で、黄色と緑のラインが鮮やかだ。
1986年に先代は木造駅舎が取り壊され、今の駅舎が設置されたらしい。
手前の木は開業を記念したイチイ(オンコ)。

使われなくなった旧上り線。
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ホームは島式。
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やはり哀愁が漂う。
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内部はこんな感じ。
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現在のダイヤは5往復。
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さて、人口が増えてきたので、早々に撤退。

峠を越えて、神明駅に向かう。駅間距離は13.2kmもある。
道道をまたぐ江差線。
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まだ、たっぷり雪が残っている。

神明駅は1957年の開業で、木造の駅舎(待合室のみ)は当時からのものと思われる。
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駅周辺は北海道の田舎らしい雰囲気。
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ここにも写真撮影のテツが待機していた。
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待合室すぐ横の民家は空き家となっていた。
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ホームは板張りだった。
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さて次の駅へ。
天野川を渡る。
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温泉のある湯ノ岱駅である。
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女子高生が待合室にも入らず、傍らでメールを打っていた。

駅舎に入ると、なんと駅員がいたので、「ホームを見学させていただいていいですか」と、きちんと断って入る。入場料などは取られなかった。
構内側にも「湯ノ岱駅」の文字が掲げられている。
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1935年の木古内~湯ノ岱間開通に伴って開業。
1989年に現在の駅舎に建て替えられた。
腰壁をレンガ調のパネルにしたサイディング張りのあか抜けたデザイン。
この駅舎は保存されるのだろうか。

駅前はすでに廃線になった駅の周辺のような雰囲気を漂わせている。
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歩いて15分ほどのところに温泉があるのだが、おそらく鉄道で来る人はほとんどいないだろう。

ホームを歩く。
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調子に乗って、線路に下りてしまったら、さっきの駅員さんに見とがめられて、「だめじゃないか!」と怒鳴られてしまった。
「すいません」と頭を下げたが、「どうして、そういうことするかなあ」ともう一度言われ、もう1回こちらも「すいません」と謝った。
やばいやばい。「やはりテツはマナーが悪い」と思われてしまう。
全国のテツの皆様にもおわびします。

ホームに戻るにはまた線路をまたがないといけないので、それはやめにして、敷地外へと引き下がる。
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ホームには列車を待つ方々。
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まもなく下り列車が到着するのだ。ほとんどが乗り鉄の方々をお見受けした。

さあやってきた。
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2両編成である。

段差の下に下りて見上げてみた。
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列車を見送ってから、大きく迂回して駅前の車に戻る。

その途中に平屋の家が固まってある団地風なところがあったが、いくつかは廃屋になって倒壊していた。
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近くの民宿ふるさとも廃業しているようである。
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上ノ沢開拓道路踏切から駅構内を望む。
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残雪の山は赤岳(719m)だろうか。
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次は宮越駅。その前に、車を止めて美しい鉄橋をパチリ。
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周辺はまだ冬木立のままだ。北海道の春は遅い。

おっと、宮越駅の手前にモニュメントの「天ノ川駅」が出現。
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この駅は平成7年7月7日の七夕の日に、北海道遊れいる倶楽部なる団体が設置した「私設駅」らしい。当然、列車は止まらない。

「ホーム」には、江差線開業77周年を記念した標識も建てられている。
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「許可無く施設への立ち入りは禁止」と書いてあった。
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さっき怒られたばかりだし、素直に従った。
最初の渡島鶴岡駅で一緒だった3人組が追いついてきたので退散。

宮越駅は初めて、誰もいない駅だった。
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でも、撮影しているうちに、どんどん車が集まってきた。
なぜか、同じ時間帯にみな同じ順番で撮影して回っているので、重なってしまうようだ。
少し時間をずらせば誰もいないのかもしれない。
駅舎の裏に広い駐車場がある。そこに車を駐められると撮影の邪魔になると思い、先にその方角の写真は撮ってしまっておいたが、これが正解だった。

この駅も神明駅と同じ木造下見板張りの待合室のみだが、一回り大きい。
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開業は1964年なので、当時からの駅舎と思われる。

裏には歌壇があった。
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中もきれいに掃除されている。
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江差線の駅舎はいずれも地元の方々によって、日常的にきちんと管理されているようだ。住民が廃線後も駅舎は残してほしいと言ってくれるのではないかと期待させる。
ただ、過疎が極度に進み、超高齢化している中で、ほとんど利用価値のない駅舎を手入れし続ける気力が続くかどうか。それを期待するのは、あまりに虫がよすぎるのかもしれない。

(つづく)





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コメント

湯ノ岱

南35期の澤田です。湯ノ岱駅は母の実家があり、小さな頃から良く行ってました。もう7~8年行ってませんが、過疎化が進んでいるんでしょうね…
湯ノ岱温泉は鉄系の湯で、鉄分多めのヒトにはピッタリですよ!(笑)

  • 2014/04/28(月) 21:01:54 |
  • URL |
  • 澤田 #-
  • [編集]

Re: 湯ノ岱

澤田さんのお母様の実家は湯ノ岱だったんですね。
まだ、親戚の方などは近くにいらっしゃるのでしょうか?
今回は、温泉に入れませんでしたが、数年後、廃線跡をたどるつもりですので、その時には入ってみたいと思います。

  • 2014/04/29(火) 11:42:00 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

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