山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

奥多摩石尾根3

寒い寒い夜を過ごし、やっと暖まれます。
外はマイナス9℃だけど、動けば暖かい。

ごついアイゼンを履いて歩き出す。歯が高いので、足を高く上げないといけないし、なんと言っても重い。
こいつは大変だわ。

今日の目的地は雲取と決めたが、途中の小さなピークは場合によってはパスするつもりだった。
七ツ石山も秋には登っているし、これも巻き道で通過するつもりだ。
でも、できたら登りたい気持ちもある。

この葛藤は、アイゼンによって、頭の中では「巻き道」という解決をみた。
が、しかし、一つめのピーク日陰名栗峰(1725m)を目の前にして、その決断はいとも簡単にひっくりかえる。

トレースが尾根道の方についており、巻き道はささやかなつぼ足の跡のみ。
むむむ、あの道をアイゼンでは歩きたくない。
「そうだ、おれはアイゼンの練習に来たのだ。登りを歩かないでどうする!」

というわけで、直進。ただし、かなりの急登だ。
歩き始めたばかりというのに、早くも大リーグボール養成ギブス状態。
あえぎあえぎ登っていると、心なしか雪が赤らんできた。

あっ!と思って振り返ると、もう日が昇っていた。
DSC_3386.jpg
最近、山から見たご来光は大抵、雲から出てきたが、この日は稜線からしっかり、まん丸なまま顔を出した。
今日もよろしくお願いします。

DSC_3394.jpg
富士山にも朝日があたっている様子。
写真を撮りながら、何度も何度も止まって、登った。

山頂近くにテン泊している人がいた。
DSC_3403_20121228173315.jpg
私の姿を見たら、テントの中に引っ込んでしまった。
大きな三脚があったので、早暁の富士山でも撮っていたのだろうか。

おれの作品は、これだ! どうだ!
DSC_3402.jpg
たいしたことないすか。

日陰名栗峰という変わった山の頂上には7:05着。
DSC_3407.jpg
暑くなったので、フリースを脱ぐ。思い切って、ダウンも脱いで、長袖シャツとゴアテックだけになる。
アイゼンは、下りの練習もしなくてはと一瞬思ったが、こんな道では練習にはならんと、結局はずしてしまう。

う~なんて楽なんだ。なんて軽いんだ。
るんるん、すこし寒っ、状態で下り始めると、また左手に大パノラマが開けてきた。
昨日は、西方面、つまり大菩薩や南アルプスが逆光だったが、今は太陽が東にあるので順光。
とくに大菩薩のモノクロが鮮やかだ。
DSC_3412.jpg

しばらく行くと前方にシカの親子が。
まだ200mは離れているというのに、あっという間に林の中に逃げ込んでしまい、カメラを構える暇すらなかった。
30分ほどで次のピーク高丸山(1733m)に到着。
DSC_3434.jpg

私の「山と高原地図」奥多摩は2001年版で、ここの尾根道は点線で表記されている。コースタイムが書いてないため、このペースが遅いのか早いのか分からないが、この分なら、昼前には余裕で雲取に着けそうだ。

次のピークにあたる千本ツツジ(1704m)までの道はこんな感じ。
DSC_3448_20121228173253.jpg

千本ツツジからはさっき越えてきた、日陰名栗峰(右)と高丸山(左)がよく見える。
DSC_3452.jpg

七ツ石山(1757m)は巻く手もあったが、ええいついでだい!って感じで、登ってしまった。
いやあ、こんな景色だったんですねえ。
11月に登ったときは曇っていて何も見えなかったけど。
DSC_3493.jpg
富士山はもちろんですが、南アの白峰三山もこんなふうにくっきりと見えました。

これから歩く雲取への道は、こんな感じ。
DSC_3495.jpg
これまでもそうだったけど、これからもずっと見晴らしのいい防火帯の中を歩きます。

ここらへんからは3か月前に歩いた道を逆向きにたどることになる。
雪に覆われているけど、そんなに印象は変わらない。
私の脳は色ではなく、形で記憶するタイプなのかもしれない。

知った道を歩くのは実に安心だ。
自分は行ったことのない所に行く主義なので、3か月前に来た道を歩くなんて、めずらしいことだ。
案外つまらなくないものだ、と思った。

前回ココアを飲んだ奥多摩小屋でトイレに入る。
ここはもともと町営だったが、今は雲取山荘が経営しているらしい。
DSC_3539.jpg
小屋番の若い人は愛想がないことで有名だ。
私も、前回、扉を開けた途端、「もうみんな出ましたよ」と言外に門前払いを喰ったことがある。
でも、悪い人ではないとの評判だ。

ここから、雲取へは何度か急坂を登らなければならない。
ヨモギの頭(1813m)と小雲取山(1937m)だ。
しかし、太陽も高くなり、ものすごく明るい。本当に今日は最高だ、
雲取の西に連なる飛龍山(2077m)の姿が雄々しい。
DSC_3579.jpg

小雲取はササやぶでピークへの道がなく、前回はそのまま通過してしまった。
今回は雪が積もっているので、好都合。踏み入ってみた。
ピークの標示はなかったが、登ったことには当然なる。
ここには人間の踏み跡はなく、シカの踏み跡がたくさんあった。
登山道に戻る時、滑って尻餅をついたが、雪なので汚れもせず、擦り傷すら負わなかった。冬はありがたい。

そして、雲取には10:30着。実にいいペースだ。
やはり人が多い。避難小屋にはすごい機材を持ってきている人がいて、「白馬が見えましたよ。あれを見に来たんだ。来てよかった」と問わず語りに話してくれた。

どれどれ、白馬ねえ。ああ、あれかあ、言われないと気づかなかったなあ。
確かに真っ白だ。
DSC_3624.jpg
(奥にうっすら見える白い山並み)

それよりも、奥秩父の主峰が一望できることに感激した。
今年は、あそこを縦横に歩きたいと思っている。
雁坂峠や十文字峠など、生活者の往来があった道を訪ねてみたい。
DSC_3640_20121228173158.jpg
(奥左が国師ヶ岳、奥右が甲武信岳)

一応、ここからの富士山もご披露しよう。
DSC_3643.jpg

ここはマイナス1℃。本当に風もなく、暖かい。
今日のお昼は、昨日買った固くなってしまったおにぎりだが、まだ食べるのは早いかな。
せっかくの快晴雲取なのに、じっとしていられない私は、滞在20分で下山を始めてしまった。
この性格は少し直した方がいいなあ。

ここからは標高差1500mに達する長い長い下り。
雲取までほとんど休憩をとらず、山頂でも座ったりはしなかったので、4時間歩き続けて、実質ほとんど休んでいない。
だから、この下りは猛烈に疲れた。
大きな石に寄りかかったり、木の切り株に座ったりと三条の湯までに3回、2分ほどの小休止をとった。

三条の湯に12:45着。
DSC_3732.jpg
とりあえず、またまた空っぽになった水をここで補給。
若い小屋番の人がたまたま出てきたので、飛龍山のバッジを買った。
「飛龍に登ってきたんですか」
と聞かれて、どぎまぎしたが、正直に「いいえ(でへへ)」と答えた。
当然、話はそれで終わってしまった。

内心は「私、山のバッジをコレクションしてるんですが、雲取山のは持っているんです。飛龍は登ったことはありませんが、それとは関係なく集めているもので。別に、これを証拠に飛龍に行ってきたと威張るつもりはないんです」と説明したい気持ちがうずまいたが、そんな言い訳をすると、なお変な人だと思われるのが世の常だ。

ここで入浴という手もあるが、まだ3時間近く歩かないといけないので断念。
いつか飛龍を登る前夜にでも泊まることにしよう。

20分ほど整備された道を歩くと林道に出る。
DSC_3787.jpg
ここから延々2時間以上、ところどころアイスバーンになっている道を慎重に歩く。
途中、歩きながら、おにぎりを食べた。
よくよく、休憩する時間がもったいない男だ(実は、止まると寒いだけ)。

で、やっと人里に着きました。
その名も「お祭」。
DSC_3831.jpg
なんでも、このあたりの村が奥多摩湖に沈む前、たいそう賑やかなお祭りが開かれていたそうで、それが地名の由来だと、「山荘おまつり」のご主人が教えてくれました。
ちょっと、おおざっぱな気もするが・・・

バス停には15:40着。バスの時間は16:43。あと1時間もある。
おあつらえ向きにある、この山荘で間違えてラーメンを頼んでしまった。
ああ、この2日で3杯目だ。

ここのご主人は七ツ石山荘も3年前から経営しているという方で、かなりの話好きで退屈しなかった。
今年はこの寒さで水道(わき水を引いてきている)が凍って困るとぼやいていた。

やっと人心地ついた。ここからバスと電車を乗り継ぎ、自宅についたのは19時半。
お疲れさまでした。

(おしまい)



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