山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

妙見山

時は西暦2013年8月2日に遡る。
この日は奈良で午後5時から会議。
こんな日を見逃す手はない。上司には「会社には寄らず、直接行きますね」と告げて、早朝出発。
関西でさくっと登れてしまう低山で、乗り鉄もできるところ、ということで見つけ出したのが大阪・兵庫の境界にある妙見山(660m)。
阪急宝塚線川西能勢口から能勢電鉄妙見線に乗る。
調べてみるまで、こんな路線があることすら知らなかった。我ながら渋い選択。

そのために所沢の自宅を4時半過ぎに出発。
新所沢4:55の始発に乗り、6:16東京発のぞみ3号、新大阪から神戸線、福知山線と乗り継ぎ、川西池田に9:19着。
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ここから少し歩いて、阪急と能勢電鉄の川西能勢口駅へ。
途中、駅のロータリーに源義仲の騎馬像があった。
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川西は清和源氏発祥の地だそうだ。

川西能勢口駅は立派な高架の駅。
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これは阪急電車の車両なのかな?
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日生中央行きに乗り、車内で登山靴に履き替える。さすがに登山靴で会議に出席するわけにはいかないので、柔らかめの革靴で出かけてきた。
今回はこの日は妙見山、翌日が伊吹山、その次が御在所山という予定で、仕事着と着替え3日分だから大荷物だ。仕分けが面倒なので、本日はこれらを全て背負って登らなければならない。
さて途中の山下で乗り換え。

今度は、見かけだけはレトロムードたっぷりの車両。
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運転席はこんな感じ。
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ここからは山岳路線なので、勾配も急になる。
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10:02、終着の妙見口駅に到着。
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駅前はお土産屋さんが立ち並ぶ観光地らしい雰囲気。
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10:10出発。間もなく、ひなびた旧街道のたたずまいとなる。
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妙見山へのハイキングコースは5ルートあるが、「新滝道コース」というのを選択した。
明治、大正期に栄えた旧参道で、当時の丁石が残っているらしい。
ケーブルがあるが、それは下りに使うことにする。
頂上までは3.6km、1時間20分の道のりと能勢電鉄のHPにはある。

この道は、花折街道とも言うようだ。
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あの山が妙見山だろうか。まだよく分からない。
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15分ほど歩くと、最初の丁石を発見。
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「是ヨリ御山ニ 二十二丁 市外十三 妙正講」と刻まれており、ここから頂上まで22丁つまり約2.4kmあることが分かる。
丁石を建てたのは妙正講という「講」(信者の集まり)のようだ。
傍らに立つ説明板によると、幕末には約300もの講があり、多くの参拝者で賑わったらしい。

その先、上杉池のほとりに常夜灯が立つ。
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ちゃんと銘文を読まなかったが、近くに安永5年(1776)銘の碑があったので、これもその頃に建てられたものだろう。

これは上杉池。
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池が尽きたところに妙見宮。
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ここには、兵庫県・三田の「源氏講」が奉納した鳥居と廿一丁の丁石があった。

鳥居をくぐって本当の旧道っぽい道を進む。
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右手に水路が合流してきた。

そして左手にはケーブルカー。
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舗装された細い参道に出る。
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十八丁を過ぎたところで、妙見大菩薩の大きな鳥居。
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見事な神仏習合だ。能勢妙見山は鳥居があるが、神社ではない、れっきとした日蓮宗のお寺である。

急な参道を、汗をぬぐいながら、えっちらおっちら登ってゆく。
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沿道には至る所に、往年の信仰を偲ばせる石碑や石仏が並ぶ。
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こういう文化財を眺めながらの山歩きが一番すきだ。

かつては茶屋などを営業していたのだろうか。
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今はケーブルカーもできてしまったので、この道を通るハイカーや信者もめっきり減ってしまったのだろう。

右手に白滝稲荷神社が見えてきた。
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下りて参拝する。

階段にはなぜか早くも紅葉した落ち葉が。まだ8月初旬だよん。
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戻って再び参道を歩く。
様々な講が残した石碑が次から次と現れる。
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沢がすぐ横に迫ってきた。
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間もなく雄滝行場。
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ここは行者が滝行を行う場所だが、この細い水でするのだろうか。
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なんか温泉の打たせ湯程度だなあ。

ここにも石碑がいっぱい。
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左からの落石が激しい。
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再び石碑の連続。
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このあたりに、オレンジ色の花がたくさん咲いている。
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これは何だろう何だろうと思いながら歩いていると、地図に「エドヒガン」とあるのを見つけ、へえそういう名前の花なのかあ、確かに彼岸花に似ているなあ、と思っていたら、これは桜のことだった。
帰宅して調べてみたら、これはキツネノカミソリという花であることが判明。
HPにも書いてあった。
奇妙な名前の由来は、花びらの鋭く尖った形がカミソリに似ていることと、花の色がキツネ色だからということらしい。
彼岸花に似ていると思ったことは間違いではなく、ヒガンバナ科の花だった。
それにしても、こんな真夏の低山で、こんな可憐な花に出会えるとは思わなかった。
得した気分。

いよいよ頂上も近づいて、坂もさらにきつくなってきた。
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秋には見事な紅葉になるのだろうなあと思わせるモミジの大木。
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頂上まであと3丁だ。
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文字通りつぶれた茶屋(?)
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はい、あと100m、この階段を登り切れば頂上!
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と思ったら、上がってみると、そこは妙見山の駐車場。

さらにあと100m、立派な参道を登らなければならなかった。
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本殿は頂上にあるわけではないようで、まずは三角点(頂上)を目指す。
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はい、ここが頂上。それにしても大きな看板。どうせなら「妙見山」という標柱が欲しかった。
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12:10に到着。2時間もかかった。あちこち写真を撮りながら来たら、コースタイムを大幅にオーバーしてしまった。

頂上は樹林の中でとくに展望はなく、配水施設などがあって、あまり風情はない。
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少し下って展望台へ。

これは「星嶺」と呼ばれる日蓮宗の宗教施設。
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なんとなく引いてしまうが、妙見大菩薩とは北極星の神様ということなので、関係ないわけではないらしい。

展望はこんな感じなのだが、どこが見えているのかさっぱり分からない。
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あれは電車の終着にある日生中央団地なのかもしれない。
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昭和の香りを色濃く残す案内板。
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こういうのは古くなっても(もう十分古いが)撤去しないで残してほしい。

さらに進むと本殿への山門。
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ここが大阪府能勢町と兵庫県川西市の境界になっている。
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一旦戻って昼飯にする。いい加減お腹がすいた。
境内に茶屋が1軒だけあり、なかなかいい雰囲気だったので、入ることにした。
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おいしそうな野菜。1カゴ100円とは安い。
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梅とろろそば(800円)をいただく。
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冷たくて、さっぱりしていて、おいしかった。
店も日陰で風が通り、真夏日だがとても涼しい。
ゆっくりしていたいところだが、会議がある。その前にホテルにチェックインしてシャワーも浴びたいので、食べ終わったらすぐに出発。

再び山門にとって返す。このでかいのが寺務所。
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本殿
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境内にある食堂「富士屋」。
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すばらしい風情だが、この日は平日ということもあり営業していなかった。

祥雲閣
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絵馬堂
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というわけで参拝終了。茶屋で教えてもらった抜け道を通り、リフト乗り場へ。

途中、大きな鳥居跡が。
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妙見山には1925年にケーブルが架設され、ケーブル駅前が参拝のメインルートになったため、鳥居もここに設けられた。
しかし、1944年に国策により(金属供出のためか)ケーブルが廃止になったので、鳥居も撤去されたのだとか。20年にも満たない命だったわけだ。
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上は当時の写真。

リフトには13時乗車。片道250円。
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アジサイがきれい。
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あれは六甲の方なのかなあ。
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12分の空中散歩を終えて降り立ったところに「妙見の水」。
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このあたり妙見の森なる楽しそうな場所なのだが、時間の都合もあり、カット。
ケーブル乗り場へ直行。
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駅には、女性職員が立って、こちらを見ている。
「間もなく出るから、急いでね」という合図があり、駆け足に。
ここ山上駅は標高490m。ふもとの黒川駅は261m。
標高差230mを5分ほどで下る。
営業開始は昭和35年とあるので、撤去から16年後に再開したことになる。

乗るのはさっき見た「ときめき号」。
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この急勾配をゆっくり下っていく。
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ふもと黒川集落の落ち着いたたたずまい。
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木の香かぐわしい黒川駅。
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バスを待つおばさま方を尻目に、炎天下、妙見口駅までてくてく歩く。
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里山の夏。
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13:50、妙見口駅に到着。13:54発の電車に飛び乗り、近鉄奈良に15:50着。
会議の後の懇親会までお腹が持ちそうになかったので、途中の弁当屋でのり弁を買って、ホテルにチェックイン。
シャワーを浴び、のり弁をかっ込んで、タクシーで会場へ。
ギリギリで間に合いました。
明日は早起きして、伊吹山なので、懇親会は1次会にとどめ、安らかに休みました。

もう少しちゃんと勉強していけばよりよかったが、興味深い山行でした。


【行程】2013・8・2(金)
新所沢=高田馬場=大手町~東京=新大阪=尼崎=川西池田~川西能勢口=山下=妙見口
妙見口(10:10)~妙見大菩薩鳥居(10:45)~白滝稲荷神社(11:00~11:05)~妙見山上バス停(12:00)~山頂(12:10)~奥山茶屋(12:15昼食12:40)~本殿(12:50)~リフト乗り場(13:00)=リフト降り場(13:10)~ケーブル山上駅(13:20)=ケーブル黒川駅(13:25)~妙見口駅(13:50)

※所要時間:3時間40分(歩行時間2時間55分)
※登った山:1座(妙見山)
※歩いた距離:約6km
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