山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

大谷嶺・八紘嶺(下)

6月30日。10:20、大谷嶺に登頂した。
DSC_3948.jpg
ここは標高2000m。西暦2000年には多くの登山者が訪れたことだろう。
しかし正確には、1999.7m。こうなるとノストラダムスの大予言である。

標柱をよく見ると、山名の部分が削り取られている。
DSC_3950.jpg
おそらく「行田山」と書かれていたのを削り、マジックで下に「大谷嶺」と書いたのだろう。削られた方は、なぜか削られた部分にではなく、左に小さく「行田山」と書いている。

山頂は山梨県早川町と静岡県葵区との境界にあるが、この標柱を立てたのは、早川町の方。
となると、こういう経緯が想像される。
山梨県側では古来「行田山」と呼んできたから、その名前で立てた。
しかし、この山は静岡側から登るのが便利であり、登山者も静岡県民が圧倒的に多いと思われる。地形図に山名表記はないが、昭文社の地図には「大谷嶺(行田山)」となっており、行田山はサブの扱いだ。
勝手に「行田山」を名乗られて、怒った静岡の方が削ったのだろう。
「山」は残してあるのは削るのに疲れてしまったのかもしれない。
削られた山梨側が、その上に書き直さなかったのは、勝手にやってしまったことにちょっぴり反省したからか、書き直したらまた削られてしまったからか。
とにかく、静岡側と相談して、お金も出し合い、二つの名前を併記すれば登山者にとってはありがたかったのに。
もしかしたら、話し合ったけど物別れに終わって、早川町が意地で立てたのかもしれないけど。
それにしても、みにくい争いを登山者は見せられることになった。残念である。

こちらの方はさすがに消せなかったのか、となりにマジックで「大谷嶺」と書かれている。
DSC_3951_20130716104132.jpg
やはり標高に合わせて2000年に作られたもののようだ。

山頂はわりと広々としている。
DSC_3949.jpg

ただ、南側はすぐに切れ落ちており、崩壊はまさに山頂から始まっている。
その縁に丸太のベンチがあり、どっかりと座って大休止とした。
チョコをかじる。
休んでいるうちに晴れてくることを期待したが、叶わなかった。

ここでも20分ほど休み、記念撮影をして出発。
CIMG7153.jpg

この先は下り基調だが、地形図を見ると、結構なアップダウンがある。
まずは五色の頭(1859m)まで40分の道のり。
ここからは崩落地形から離れ、緑したたる樹林帯の中を歩く。
DSC_3960.jpg

あたりは濃いガスに包まれている。
DSC_3961.jpg

35分ほどで、五色の頭に着いた。
DSC_3970.jpg
O君がこんな小さな手書きの文字を見つけてくれた。

よくよく回りを見ると、こんな古い木の道標も地面に置いてあった。
DSC_3972.jpg
ここは樹林帯で地形もはっきりせず、およそピークとは思えないところで、標識すら見過ごすところだった。

ここから八紘嶺へは55分とある。
距離は大谷嶺~五色の頭までより短いが、かなり険しいようだ。
ロープ場もあちこちにあった。
DSC_3975_20130716104112.jpg

たぶん、このあたりが山地図に「最低のコル」と呼ばれるところ。
DSC_3977.jpg
雨も落ちてきたので、もうゴアを着込んだ。

そして、小さなコブを越えたところがキレット。
DSC_3979.jpg

標高はいずれも1780m。あと140m登らないといけない。
DSC_3985.jpg
結構きつい。私は遅れ気味だ。

12:10、八紘嶺(1918m)に到着。五色の頭から50分。またまた5分早かった。
DSC_3988.jpg
標識は山梨によくある古いタイプ。丸太を輪切りにして1文字ずつ書くパターンだ。
これはいつ頃、流行ったものなのだろう。

山頂には確か3人の女性グループがいた。正確な人数は忘れた。
とにかく、ここで昼食とする。
みなそれぞれのガスストーブで、それぞれのラーメン。
私は野菜ちゃんぽんのカップ麺。O君からおにぎりを一ついただいた。
こちらからは焼き鳥の缶詰をお裾分け。
これも山では案外うまい。

これはO君、ラーメンをすするの図。
DSC_3991.jpg

大谷嶺は湿気ですこしむあっとした印象だったが、少々冷える。
気温が下がってきているのかもしれない。
温かいラーメンがちょうどよかった。

山頂はそれほど広くはなく、岩がごつごつしている。
DSC_3992.jpg
昼食中、雨に降られず助かった。

ここから北に向かうと3時間ちょっとで七面山(1989m)に通じる。
結構な縦走になるが、どちらもバスの便があるので、わりとやりやすいかもしれない。

本日は無論、車をデポしてある安倍峠方面に向かう。
去り際の記念撮影。
CIMG7154.jpg

これから延々下りである。
駐車場は標高1320mほどだから、600mも下らないといけない。
それも、この天気だから、路面は滑りやすい。
随分気を遣った。
DSC_3997.jpg

つづら折れの道やロープ場も通過していく。
DSC_4002.jpg
DSC_4003.jpg

途中、富士見台という展望スポットがあるはずだが、たぶん何も見えない。
O君は「エア感動をしよう!」と提案。
何も見えなくても、「すげ~、めっちゃきれい!」とかって、感動するのだそうだ。
いろんなことを思いつくものだ。
私もふざけて、ガレ場の歌を作った。
淡谷のり子や越路吹雪が歌った「枯葉」のままに「ガレ場よ~」と歌ったのだが、O君のお友達には分かってもらえなかった。
歌が下手すぎた。

で、その富士見台。何の標識のなかったので通過してしまい、エア感動をする暇がなかったのだが、たぶんここのことだった。
DSC_4008.jpg
展望どころか、崩落の危険があるため通行止めになっていた。

この後は安倍峠への稜線を離れ、枝尾根を下っていく。
その途中に安倍峠への分岐。
DSC_4011.jpg

実はこの先も随分写真を撮ったのだが、原因不明の故障で写っていなかった。
家に帰ってセットし直したら、自然に直っていたので、雨水が一部しみこんでいたのかもしれない。
スタッフバッグでカバーしていたのになあ。

というわけで、この後は写真なし。
14:10ごろ、安倍峠下の登山口に到着。
ここで先行していた女性3人組みに追いついた。

あとは大谷嶺の登山口に車で向かうだけだが、わがままを聞いてもらう。
「安倍峠が見たい!」
今日は富士山も何も見えないのは分かっているが、昨日越えられなかった峠をぜひ確認しておきたかったのだ。
2人には快く許してもらい、ありがたかったのだが、なんと道は静岡側も峠直前にゲートがあり、峠まで行くことはできなかった。
梅ヶ島温泉から安倍峠~バラの段~奥大光山を歩く周回コースがあるので、今度はそちらでリベンジしたい。

車で下山途中、鯉ヶ滝(恋仇)という美しい滝があったが、写真が失敗して見せられないのが悔しい。
この滝にまつわる恋の伝説もよくできた話だったが、看板の写真もないので、説明できないのが残念だ。

で、私の車の置いてあるよしとみ荘に到着。
2人は登山口に置いたO君の車を取りに行き、少し下ったところにある日帰り温泉「黄金の湯」で待ち合わせることにした。
2人を見送ってから、愛車に乗ろうとして、愕然。また鍵がない。
O君と来ると雨になることもそうだが、鍵のトラブルも発生する。
いや、これは彼のせいではない。

今回はザックを文字通りひっくり返して探したが見当たらない。
当然、鍋割山の時のように車に刺さったままというわけでもない。
これは、あいつの車の中に落としたとか考えられない。
で、連絡をとろうとしたが、なんと携帯番号を知らない。
メールを送ったが気づいてくれるだろうか。

悶々とした時間を過ごしているうちに、思い出した。
靴を履き替えた時、車のキーをその靴の中に入れたんだった。
彼もメールを読んだらしく戻ってきてくれた。
すぐに靴の中を確認して、キーを発見。事なきを得た。いやあ、まいった。

よしとみ荘の方に「お風呂どうぞ」と誘ってもらったが、黄金の湯で待ち合わせているので、丁重にお礼を言っておいとまする。
黄金の湯もアルカリ性の温泉だが、よしとみ荘と違って硫黄臭は全くない。
すこしぬるめなので、のんびり浸かり、午後4時半に解散。

O君は裾野に、彼女は浜松に、私は所沢へ戻る。
新東名からも富士山は見えず。
東名の大渋滞が恐ろしかったので、御殿場で下りて、東富士五湖道路・中央道・圏央道ルートで帰る。
中央道も小仏トンネルを先頭に大渋滞だったので、大月で下りて高尾までは国道20号。結局4時間半かかり、帰宅したのは9時すぎ。
登山より疲れました。
でも、安倍奥には楽しい山が結構ありそうなので、また秋に出かけてみたい。


【行程】
大谷崩登山口(7:55)~扇の要(8:20)~新窪乗越(9:25休憩9:40)~大谷嶺(10:20休憩10:40)~五色ノ頭(11:15)~八紘嶺(12:10昼食12:50)~富士見台下の分岐(13:50)~安倍峠下登山口(14:10)
※所要時間:6時間15分(歩行5時間)
※登った山:3座(大谷嶺、五色の頭、八紘嶺)

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コメント

お疲れさまでした

クルマのキーも失くさずよかったよかった。
エア感動も不発で残念でしたがまた懲りずにバロムワンになろうね!

  • 2013/07/16(火) 12:28:47 |
  • URL |
  • O平 #XckBcyeU
  • [編集]

今度はバロムクロスで、晴れに変身したい!

  • 2013/07/16(火) 13:25:29 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #qBOWr7po
  • [編集]

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