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山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

夕張鉄道(上)

【2020年5月5日(火)】夕張鉄道
先日、夕張鉄道の起点(野幌駅)側の駅跡を訪ねたので、今回は終点の夕張側を訪ねることにした。
未踏のまま残しているのは栗山駅以東である。
夕張鉄道(野幌~夕張本町間53.2km)は、1926年(大正15年)に開業、1975年(昭和50年)4月1日に廃止された路線である。半世紀足らずの命であった。
実は、乗ったことはないし、走る列車を見たこともない。
それでも、この年になって目覚めてしまったのだから仕方がない。

自宅を出発したのは午前10時過ぎ。
まっすぐ、栗山の次の駅、角田駅跡を目指す。
国道274号から千歳川を渡った後、二又を左へ。
道道3号札幌夕張線に入る。
馬追運河に沿って進み、長沼市街を通過。
小さな峠の手前、左手に廃業した馬追温泉が見える。
先代の主人が植えたというサクラが満開だった。
室蘭本線をまたいで、愛車は由仁町から国道234号に入る。
夕張川を渡ると、間もなく角田集落である。

ここでスマホの「角田駅跡」経路案内をスタート。
ところが、私が思っていた地点とは行き先が若干異なるので、とりあえず無視。
自分で事前に調べておいた場所に着くと、かつての駅前倉庫らしきものが建っていた。
CIMG0187_202005061756158db.jpg

その背後は広い空地になっている。
CIMG0189_202005061756161ab.jpg

鉄道の痕跡を示すものは何もないが、おそらくここでいいのだろう。
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角田駅は夕張鉄道の開通と同時に開業したが、合理化に伴い廃線となる4年前の1971年(昭和46年)11月15日に廃止された。
当時は1面2線の島式ホームのほか駅舎もあったらしいが、その面影は全くない。
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ただ、夕張鉄道が現役時代からあったと思われる古い空き家が、駅前にぽつんと建っていた。
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この後、スマホが教えてくれた場所にも行ってみたが、状況的に可能性の全くない場所であった。

次の継立駅に行く途中、坂本九思い出記念館という案内看板を見つけた。
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どうせ自粛期間中なので休館だろうし、開館していても入るつもりはないのだが、どんな建物なのかは確認しておきたいので行ってみた。
その結果、こんなかわいい、でもしっかりとした資料館だった。
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カナダ杉を使用した木造平屋建築で、「九ちゃん」にちなんで九角形なのだという。
それにしても、なぜ、ここに坂本九の記念館があるのか。
ググってみると、この施設は、栗山町の障がい福祉サービス事業所「ハローENJOY(旧栗山ハロー学園)」が運営しているとのことだが、坂本さんが障害者らを励ます番組を長くやっていた関係で、縁ができたということらしい。
この日は案の定、休館中だったが、そういうことなら、いずれまた来てもいいかも。

この記念館の近くに、「北海道八十八ヶ所霊場」の幟がはためく孝恩寺というお寺があった。
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「北のお遍路」なんてあったのか。なんか予定外の発見が多い廃線歩きになってしまった。
調べてみると、旭川の第一番眞久寺に始まり、札幌の大照寺まで全道各地約3000kmを回らないといけないらしい。
ガイドブックも出ているが、歩き遍路はちょっと無理だ。

なんて、寄り道してしまった。
角田駅跡から15分もかかって継立のバス停に到着。
夕鉄バス、北海道中央バスそして栗山町営バスの3社も運行していた。
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継立駅は、夕鉄としてはめずらしく駅舎が保存されている。
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松原産業という会社が事務所として利用してくれているのだ。
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地元の零細企業かと思ったら、さにあらず。
創業は1907年(明治40年)。富山から渡ってきた初代会長の松原外次郎氏が北海道炭礦汽船から坑木造材の仕事を頼まれたのが始まりだという。
現在は、栗山町を本社に、木製品の製造販売だけでなく、デザインや建設まで全国展開しており、従業員は140人を擁する。
夕鉄とも縁の深い老舗企業なので、駅舎が取り壊されるのが忍びなかったのだろう。
残してくれて、ありがとうございます。
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駅舎の線路側は当時の面影を残している。
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1面2線の島式ホームだったというが、左の並木(防雪林?)の位置からすると、幅が狭いので単式ホームだったようにも思える。
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ただ、樹木がまだ細いので、廃線後に植えられたものかもしれない。
いずれにしろ、線路跡は完全に埋められてしまっている。
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このコンクリートの剥離が廃線後の長い歴史を物語っていた。
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ちなみに、継立駅の開業は1926年、廃止は75年である。

駅の100mほど夕張側に、農業倉庫がまだ残っていた。
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次の新二股駅はすでに撮影済みなので通過。
一応、以前撮った写真をここに上げておく。
新二股駅跡
ここで夕張鉄道本線を離れ、新二股駅から分岐していた角田炭砿専用鉄道の廃線跡をたどることにする。
専用鉄道の説明板が道沿いにあるとの情報があったのだが、運転しながら見る限り、それを発見することはできなかった。
ちょっと心残りだが、駅跡めぐりに専念する。

この砂利道が、まさに専用鉄道の跡だ。
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分岐してから最初の駅は学校前という駅で、その学校の木造体育館がまだ残っているという情報だった。
何か建物があったので、そこに車を停めると、目の前に広い空き地が展開した。
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学校のグラウンドだ。
奥に石碑が見えたので、確認に行く。
校歌を刻んだものだった。閉校を記念して建立したものだろう。
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ここ栗山町立日出小学校は1981年(昭和56年)3月に閉校となっている。
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閉校した時期としてはかなり古い。過疎が急速に進んだのだろう。
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サクラは子供たちがいなくなってからも、毎年春には花を開く。えらいなあ。
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学校の敷地内に、なぜかクラシックな車が何台も並んでいた。
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よくよく見ると単なる展示品ではなく、値段が付いている。
中古車として販売されているようだ。
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そして、これが噂の木造体育館。
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ものすごく立派である。よくぞ残してくれた!
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屋根を支えるバットレスまで木造。感動的だ。
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ここはどうやら、クラシックカーの展示場&カフェとして営業しているらしい。
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日出コレクションホール&カフェ麗燈露という看板がかかっている。
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見学料は大人500円。
調べてみたら、札幌市に本社がある中古車屋さんようだ。
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しかし、こんなところにショールームを持っているとはしゃれているではないか。
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車自体にはそれほど興味はないが、体育館の中の風景は見てみたい気がする。
今回は廃線歩き優先にさせてもらうが、機会があったら、坂本九記念館とセットで来てもいいかもしれない。
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で、肝心の学校前駅だ。正確な場所は特定できないが、おそらく学校の真ん前、このあたりだったに違いない。
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では、次の松原前駅の跡で向かおう。
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今、走ってきた線路跡はそのまま道路として続いているので、行けるところまで車で行ってみようと思ったのだが、すぐに道がぬかるみ始めたので、安全策をとって引き返した。
迂回路がちゃんとあるのだ。

松原前という駅名の由来はよく分からないが、該当する場所にたどり着いてみると、仁木宅というバス停があった。
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仁木さんのお宅前ということだろう。
ここはもうご使用ではないようだが
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奥に現在お住まいの家があった。
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駅の跡はこのあたりだったのだろうか。
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たぶん右側の一段低い緑の面が路盤の跡だと思われる。
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さらに奥の社宅前、そして終点の角田坑駅の跡まで行くつもりだったが、その手前で道路に立入禁止のロープが張ってあった。
なんと。これは是非もない。

いずれ再起を誓うことにして、今回は断念。
夕張鉄道本線に戻ることにする。
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本来であれば、この後、新二股駅の次の錦沢駅、平和駅と順番にたどっていくべきなのだが、もうお昼も過ぎてすっかりお腹が空いたので、まっすぐ夕張の市街地に向かう。
実は、新二股駅から奥はサイクリングロードとして整備され、錦沢駅にも自転車で行けた時代もあったのだが、その後、夕張市は財政破綻し、サイクリングロードは放置され、荒れる一方という。
3つあるトンネルも通行できない状態にあると聞いていた。
ただ、多少ヤブをこげば、錦沢駅には歩いて行けるとのこと(うにさん情報)なので、サイクリングロードにつながる道を探しながら、車を走らせたのだが、どうも地形図に書かれている道路の線形と実際に今走っている道の線形が違う。
地形図に書かれているヘアピンカーブがないまま、夕張トンネルに着いてしまった。
途中、左手に旧道らしきものも見えたので、帰宅後確認してみたら、この道路は2007年に付け替えられていた。
私が見ていた紙の地形図は平成12年(2000年)8月1日発行のものだった。
道理で違うはずだ。
改めて、ネットで確認すると、サイクリングロードの一部はこの新道に活用されており、新道から簡単にサイクリングロードにアクセスできることも分かった。
入口は交通安全のお地蔵様が目印らしい。
その姿は確認済みなので、迷うことはないだろう。
再訪する際は、ついでに旧道の方もたどってみたい。
ちなみに夕張トンネルも付け替えられ、旧トンネルは埋められてしまったそうだ。
一時は、新旧の坑口が並んで見えた時期もあったらしいが、もうその雄姿を見ることは叶わない。

(つづく)
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コメント

お疲れ様ですm(_ _)m
日出小学校の門柱の奥に体育館が残っているのを知ったのは私もつい最近で、4日に体育館前を通り、遠目で見ておりました。
そうです、朗報があります。錦沢駅跡までの倒木は撤去されたそうですよ。笹藪が伸びる前がチャンスです。
2日は札沼線を全て、3日は岩内線一部とキナウシトンネル、4日は上記と夕張遠幌から南部を探索。充実したGWでした。

  • 2020/05/06(水) 22:12:05 |
  • URL |
  • うに #-
  • [編集]

Re: タイトルなし

精力的に歩きましたね。
錦沢駅跡のさらなる情報ありがとうございます。
ササがひどくなるまでに行けなければ、来年になりますかね。

札沼線は廃線直前に行けてよかったです。
今日から設備の撤去が一斉に始まるでしょうから。
キナウシトンネルは新旧3つのトンネルが同時に見えるすばらしいところですよね。
大夕張鉄道はまだ真面目に歩いていないので、今後の課題です。
いつも、ご愛読ありがとうございます。

  • 2020/05/07(木) 05:42:30 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
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