山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

荒船山(上)

リハビリ登山のため、「西上州」の山地図を眺めているうちに、荒船山(1423m)に行きたくなった。
よくよく見ると、登山道の赤い線ではつながっていないが、周回コースの設定が可能であることが分かった。
そういうわけで、首に装具を巻いたまま出かける最後の山に、荒船山を選んだ。

5月26日(日)、自宅を朝6時前に出発。
高速を下仁田で下りて、国道254号を西に向かう。
内山隧道へのつづら折りの道になると、眼前に荒船山の象徴である艫岩(ともいわ)が見えてくる。
DSC_1774.jpg
思わず、車を止めて撮影。いやあ、近くで見ると大迫力である。
しかも、今年のGWに、撮影中の登山者が誤って転落死するという事故があったばかり。
ちょっと緊張する。

内山隧道を抜け、内山大橋にかかる前に左の脇道に入り、滑津川を渡る。
その先の荒船不動への道の合流地点あたりに車を駐める。
おあつらえ向きに広い駐車場があった。

8:15出発。今来た道を254号まで戻る。
内山大橋まで登ってくると、今日登る予定の兜岩山(右、1368m)と御岳山(左、約1350m)が展望できる。
DSC_1785_20130607091446.jpg
間にある小さな突起は岩峰で、左からP1、P2、P3(大ローソク)と呼ばれている。

再び、国道を離れ、内山峠の旧道を歩く。
DSC_1791_20130607091448.jpg
峠が登山口になっているので、登山者の車が結構登ってくる。

峠には9時ちょうどに到着。ここは長野県と群馬県の境界になっている。
DSC_1800.jpg
20台ほどが駐められる駐車場は、ほぼ満車になっていた。
ここまで車で来てしまうとピストンせざるを得なくなるので、私は避けた。

荒船山の由来は、その姿が荒海を行く船のようだから、とのことなのだが、艫岩とともに特徴的なのが、水平な稜線だ。地形図で図ってみると、その長さは1.3kmもある。
艫岩はその名の通り、船尾に当たるが、船首は経塚山と呼ばれる荒船山の最高地点。
私などは、その姿からタンカーや空母を想像してしまうので、艫岩の方が船首に見えてしまう。

ともかく、体操を済ませて、駐車場の奥から登山道に入る。
DSC_1805.jpg
新緑の爽やかな道がしばらく続く。

駐車場がいっぱいになるだけあって、ハイカーも少なくない。
DSC_1807_20130607091455.jpg

突然思い立って出かけてきたので、地形図をまだ買っていないから、山地図が頼りなのだが、これでは等高線が、あまりよく分からない。
事前に分かっていれば、それほど消耗もしなかったのだが、艫岩までの道はアップダウンが延々と続く。
DSC_1811.jpg
これで私は序盤からすっかり疲れてしまった。

山地図に「鋏岩修験道場跡」と記されていると思しき地点には、9:40に到着。
それでも標準タイム1時間のところ、35分で歩いてきた。
ここは道場になるだけあって、結構な断崖である。
DSC_1824_20130607091425.jpg

この岩陰状になっているところが修行の場だったのだろうか。
DSC_1826.jpg

四脚門の礎石らしきものが残っていた。
DSC_1831.jpg

鋏岩を回り込むと、右前方に経塚山が姿を現した。
DSC_1837_20130607091431.jpg

鋏岩と艫岩の中間地点あたりに「一杯水」と呼ばれる水場がある。
DSC_1844.jpg
ちょろちょろと湧き出していたが、水に近づくのがひと手間なので、指を咥えて見送った。

艫岩への登りに差し掛かると、岩場や鎖場が連続する。
DSC_1846.jpg
ここで落ちるわけにはいかない。

登り切ると、びっくりするような平坦な道。
DSC_1848.jpg
懐かしい「マツダランプ」の広告入り、ホーロー道標があった。

間もなく艫岩の展望スポット。
ここには「転落死亡事故発生」の真新しい看板が掲示されていた。
DSC_1850.jpg

おそるおそる近づき、写真を撮る。
断崖の高さは150m。落ちたら、即死である。
DSC_1853_20130607091409.jpg
正面(北)には、内山牧場(左)とアンテナを立てた物見山(1375m)が見える。

この先、5分ほどのところに、本格的な展望台がある。
DSC_1866_20130607091339.jpg
転落事故があったのは、こっちだろうか。

眼下には国道254号がうねっている。
DSC_1881.jpg

正面の物見山の向こうに、浅間山が雲を乗せている。
DSC_1873.jpg

これは妙義山方面。
DSC_1877_20130607091343.jpg

冬なら北アルプスも見えるはずだが、今日は霞んでいて、あまり遠望がきかない。
DSC_1883.jpg

ひと通り撮影を終えたら、ベンチでひと休み。
と言っても長居はせず、すぐに出発。

古びた東屋のような避難小屋を左に見て、経塚山方面へ向かう。
DSC_1885.jpg

ここからは本当に平らな道が延々続く。楽ちんだ。
DSC_1886_20130607091052.jpg

前を歩く親子3人連れ。
DSC_1894_20130607092330.jpg
この方々は花に関心があるようで、一生懸命写真を撮っていた。

途中、「皇朝最古修武之地」と刻んだ石碑が立っている。
DSC_1898.jpg
香取神宮と鹿島神宮が争うのを、天照大神がニニギノミコトを遣わし、この地で和議を結ばせたことにちなむという。
昭和初期に地元の人が建立したものらしい。

さらに平らな道を進む。
DSC_1904_20130607091057.jpg

星尾方面と経塚山方面の分岐あたりから登りとなる。
DSC_1907_20130607091100.jpg
この登りで団体さんとすれ違う。

写真を撮る暇もなく、分岐から5分で山頂に着いてしまった。11時ジャスト着。
DSC_1913.jpg
DSC_1912.jpg
ここはあいにく展望がきかない。
でも仕方ないので、簡易イスを出して、少し早いがお昼にする。
いい休憩になった。

20分ほどで出発。今登ってきた道を分岐まで戻り、今度は左に折れて、星尾峠に向かう。
緑が一段と濃くなってきた。
DSC_1920.jpg

次に星尾集落への荒れた道を左に分けると
DSC_1924.jpg

間もなく星尾峠(約1270m)。
DSC_1930.jpg

ここを下ると、荒船不動を経て、車のある場所に下りられる。
ところが、ここから荒船不動までの道は工事のため通行止めと看板が出ている。
DSC_1932.jpg

ちょうど、向こうから上がってくる人がいたので聞いてみた。
「いや工事してる所なんてなかったし、普通に通れましたよ」とのこと。
これをきっかけに、ちょっとこのおじさんと立ち話をすることに。
私の首の装具を見て話す気になったのか、この方は最近、胸椎と頸椎の手術をしたばかりで、やはり同じようにリハビリ登山をしているのだという。
「この前は内山峠から登ったから、今日はお不動様から。経塚山に登ったら引き返します」
すでに、すごい汗だ。
「私は荒船不動に下るんですが、まだ時間があるので、兜岩山まで遠征してきます」
と言い残し、別れる。
ここからは激しいアップダウンの繰り返しだ。

稜線からは物見山の向こうに浅間が見えた。
DSC_1938.jpg
雲が取れたようだ。

途中の小さなピークには石の祠や神像が祀られていた。
DSC_1949_20130607090937.jpg
静かに手を合わせる。

御岳山への分岐には、星尾峠から30分ほどで到着。
分岐からかなり危ない岩場を登らないといけなかったが無事クリア。
この頂上にも神様がいた。かなり新しい。
DSC_1961.jpg

ここは、木曽の御嶽山まで行けない近在の人がここに登り、御嶽山に向かって手を合わせるようになったことから、誰言うともなく「御岳山」と呼ばれるようになったという。
ここも展望はないので早々に退散した。

(つづく)


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