山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

足和田山

目覚めてみると、窓いっぱいに広がっているはずの富士山は、裾野すら見えない。
完全な真っ白で、河口湖も心なしか淋しげだ。
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これでは富士山直近に来た甲斐が全くない。
登山そのものを諦めて帰ろうか、という気になってくる。

とにかく3月24日の朝食だ。
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朝も量が多い。生野菜と味噌汁がおいしかった。

食べ終わって、部屋に戻ると、うひょ~。
なんと富士山がひょっこり顔を出しているではないか。
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空もかなり明るくなってきた。これは登らざるを得まい。
ただ、雲の高さが問題。
周囲の高い山には雲がかかっている。三ツ峠山も雲の中。
感じとしては、だんだん晴れてくるような気もする。
今は雲の中でも、登頂する頃にはすっきり晴れているかもしれない。

賭ける手もあるが、安全策をとった。
せっかく登って、雲の中だったら悲しい。山頂が朝から見えていた足和田山に登ることにする。
登山口は文化洞トンネル口を選んだ。

文化洞トンネルは河口湖と西湖の間の小さな峠。
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今のトンネルは1993年の竣工だが、登山口の上に、旧隧道が残っている。

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坑門はふさがれている。
調べてみると、こちらは大正10年(1921)に開通し、非常に便利になったことから、その文化的恩恵に感謝して、この名が付けられたのだという。

そのトンネルの河口湖側に駐車場があり、そこに車を駐める。
ここからは河口湖が望める。
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8:50、出発。
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ここは、西湖・河口湖北岸、御坂山塊の毛無山・十二ヶ岳の登山口にもなっていて、むしろ、そちらの方はメインのようだ。

落ち葉を踏みしめ、トンネルの上に出ると、毛無山への分岐。
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文化洞トンネルは標高約920m、足和田山は1355m。
標高差435mを一気に登るコースだ。標準タイムは1時間40分。
ずっと樹林帯なので、あまり展望は利かないが、時々、西湖や河口湖、御坂山塊が木々を透かして見ることができる。
これは西湖。
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毛無山山頂付近。
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雪頭ヶ岳山頂付近。右は鬼ヶ岳。
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十二ヶ岳(左)から毛無山(右)への稜線。
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幸い?三ツ峠山方面は雲の中。
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なんと、聖岳の白い尖塔も姿を見せてくれた。
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足場が悪く、ロープを渡している箇所もあった。
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ここまで来れば、あとはひと登り。
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足和田山と紅葉台を結ぶ稜線に出ると、山頂方向から甲高い話し声が聞こえてきた。
なんと、中高年の団体さん。総勢50人近くいる。
これだけいると、とにかく「うるさい」。
せっかくの山頂なのに、がっかり。

でも、富士山は山頂だけではなく、胸までさらしてくれた。しかも、でかい!
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幸い、テーブルが空いていたので、ここでひと休みし、彼らが消えてくれるのを待つ。
熱い抹茶ティーが五臓六腑にしみわたる。10:15。

ありがたいことに、団体さんは3班くらいに分かれて次々に移動していった。
そして誰もいなくなった。
静かになったところで、撮影タイム。
まずは河口湖。
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展望塔に登って、あちこちを納める。
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西の空には南アルプス。
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赤石岳(左)と悪沢岳(右)がくっきり。

三湖台(手前)の向こうには本栖湖が見える。
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足和田山は別名、五湖台とも言うが、湖は河口湖と本栖湖しか見えなかった。

人が来たので撮ってもらう。
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さて、十分堪能したので出発。去り際に富士山のどアップ。
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やはり、昨日西からみた富士山とは全然表情が違って、白の度合いが強い。

実は足和田山、初めてではない。だから「登った山」は増えない。
記録を遡ってみたら、2001年10月、まだ小学3年生くらいだった娘と来ている。
あの時は、紅葉台から足和田山を目指す、今回とは逆コースで、足和田山から西湖畔に下りて、タクシーを呼び、車まで戻った気がする。

というわけで、紅葉台に向かう。ゆるやかな下り坂で、とても歩きやすい。
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かつては足和田山まで林道が通じていて、一部の車は入れたのだろうが、今はとても車が走れる状態ではない。
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登山道と並行して走っているので、こちらも登山道として利用されている印象だ。

どちらも、木々を透かして、左には富士山、右には西湖と御坂山塊が見え、とても気持ちのいいプロムナードだ。何度も足を止めて写真を撮ってしまう。

十二ヶ岳と十一ヶ岳(右)
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この2つの山の間の谷には、ものすごくゆれる橋がかかっている。

西湖畔の集落。
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笠雲がかかり始めた富士山
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西湖と王岳。
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1238mピークは巻いて、やりすごす。
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笠雲がUFOのようになってきた。
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足和田山からほぼ1時間。11:45に三湖台に到着。
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ここは広々とした山頂で、多くのハイカーが集っている。
でも、さっきの団体さんはいなかったので、うるさくはなかった。
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雪頭ヶ岳(左)と十二ヶ岳(右)
左のベンチの方々が撤収したので、そこに陣取る。
ここは、西湖を眼下に見下ろす最前線で、景色は抜群だ。

おにぎりを頬張っていると、マウンテンバイクの部隊がやってきた。
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登山道的には、あまりよくないのだが、とても礼儀正しい方々だった。去り際に「大変お騒がせしました」と挨拶して行った。感心した。

三湖台は、この松が印象的。
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とても絵になる。

富士山にかませると、こんな感じ。
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こちらはさっき登ってきた足和田山。
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あの稜線を下ってきたわけだ。

西湖はどこまでも青い。
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右奥の山は御坂黒岳。

そしてこれが青木ヶ原の樹海だ。
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王岳から見た富士山をバックにした樹海は、広いすそ野のようにしか見えないが、角度を変えて、こちらから見ると、まさに海のようだ。
自殺の名所として知られるが、山梨県は自殺の場所としてのロケは許可していないらしい。
「自殺の名所」ではイメージが悪いし、捜索が入れば税金がかかる。いいことはないのだ。
上に並ぶ白いのは雲ではなく、南アルプスです。

あちらは西湖の西端にある根場(ねんば)集落。
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王岳(左)から雪頭ヶ岳(中央)を経て十二ヶ岳(右)への稜線。
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これを去年の11月に一気に縦走したんだっけ。我ながら結構歩いたもんだ。

対岸は、ちょうど「いずみの湯」。
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このあたりで、どこかの女子校の応援部が練習をしていて、大きな歓声が響き続けていた。

気づいたのだが、三湖台は更地になっている上に、ハイカーも多いからだろう、土砂の流出が激しい。
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方向指示盤はあと数年で転倒してしまいそう。

かつて埋められていたゴミも再び地表に出てきている。懐かしい缶カラだ。
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対策が必要かもしれない。

さて、立ち去りがたいが、お腹もふくらんだので出発。12:30。
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あんなに賑やかだったのに、もう誰もいなくなってしまった。

10分ほど下ると「富士八景」のひとつ紅葉台。
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調べてみたら、富士八景には4つのテーマあって、合計32か所あるらしい。
紅葉台は「富士山と○○の眺め」というカテゴリーの八景で「富士山と紅葉の眺め」ということになっている。
ちなみに、他の七景は、長崎公園(桜)、大石公園(ラベンダー)、梨川もみじ回廊(紅葉)、根場浜(西湖)、パノラマ台(山中湖)、西湖いやしの里根場(茅葺き屋根)、三ツ峠(パノラマ)だそうだ。

で、ここには茶屋があるが、屋上の展望台に上がるには1人150円取られるので、パス。
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何も展望台に登らなくても見えるのだ。

この後は、竜宮洞穴を目指して樹海に下る。
眼下には西湖民宿村。
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下りてきて、見上げる三湖台。
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そして樹海の中に入っていく。
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竜宮洞穴は溶岩洞穴の一つである。

溶岩洞穴というのは、溶岩流が高温・高圧下でガス化した水分が初期空洞を作り、各空洞間が床面の流動溶岩で削られて次々と連結して、トンネル状の横穴となったもの、であるとの説明があったが、今ひとつよく分からない。
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私は、溶岩流の表面が大気に触れることで冷えて固まり、内部をどろどろの溶岩が流れていくうちにトンネル状のものができたのだと思っていたのだが、そう単純なものではないのかもしれない。

とにかく、この竜宮洞穴は約60mと比較的小規模なものだが、かつては修験者の霊場になっていたとのこと。
洞内の気温が低く、夏でも氷が見られるという。
下の方に祠があったが、そこへ行く道は実際、アイスバーンになっていた。
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お参りをして、辞す。

樹海をまっすぐ横断して、西湖民宿村に出る。
ここに鳥居があり、「●海(せのうみ?)神社」と書いてある。
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せの海とは、864年(貞観6年)の富士山噴火前に北麓にあった広大な湖のこと。
この時の溶岩流が流れ込んで分断縮小され、今の西湖が生まれた。
西湖の名は、「せのうみ」の転なのである。
どうして、富士五湖に「西湖」があって「東湖」や「北湖」がないのか不思議だったが、西は方角ではなく宛て字だったわけだ。今回初めて知った。

県道を横断し、再び樹海に入り、西湖蝙蝠穴を目指す。
たどり着いたのは、竜宮洞穴とはうって変わって観光地。
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300円も入場料を取られてしまう。その代わり、ヘルメットが貸与された。

入り口まで結構歩かされた。
蝙蝠穴はその名の通り、コウモリが生息しているから、その名が付いたそうで、延長350mに及ぶ、青木ヶ原では最大級の溶岩洞穴とのこと。
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入り口はこのようになっており、コウモリが出入りできるようになっている。

中はかまぼこ形の洞穴。
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これは溶岩流が流れた跡。縄状溶岩というらしい。
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天井には、かわいい鍾乳石。
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噴火から約1100年前かかって、やっと身長1cm。まだ、地球時間では赤ちゃんなのである。

この奥はコウモリさんの暮らす場所。立ち入り禁止です。
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洞穴から戻ってトイレから出てきたら、ちょうどバスが行ってしまったところだった。
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バスがあるなどとは思っていなかったら、時刻表を確かめていなかった。ジャストタイミングだったのに、がっくり。

次は1時間後なので、当初の予定通り、西湖岸を文化洞トンネルまで歩くことにする。
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湖畔を歩くのは楽しいのだが、さすがに結構疲れているし、風が強くて寒い。

しかし釣り人たちはじっと寒さに耐えて、糸を垂れている。
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湖岸は砂浜になっているとこともあるが、溶岩が生々しく露出しているところも。
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キャンプ場が多いが、もう撤退している所も少なくない。
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キャンプが普通のレジャーとしてあった時代は過去になってしまった。
今や、オートキャンプの時代だから、車を置くサイトのないキャンプ場は厳しいだろう。

お、レトロバスがやってきた。
でも逆方向。
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西湖と河口湖は人口水路でつながっており、高低差を利用した発電も行われている(西湖発電所)。
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東京電力大月支社の管轄だそうだ。

やっと、文化洞トンネルに到着。
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こちら側は旧隧道と並んで見ることができる。

延々、湖岸を1時間歩いて、ようやく駐車場にたどりついた。
いずみの湯で汗を流し、高尾の「山の家」という怪しげな店で、ほうとうを食べて帰宅。
今日は山歩きそのものを断念しないといけないかと思ったのに、きれいに晴れてくれてすばらしい山行になった。
三ツ峠山はまた、ゆっくり登ることにします。


【行程】
文化洞トンネル登山口(8:50)~足和田山(10:15休憩・撮影10:45)~三湖台(11:45昼食・撮影12:30)~紅葉台(12:40)~竜宮洞穴(13:20見学・撮影13:30~蝙蝠穴(14:00見学14:45)~文化洞登山口(15:50)
※所要時間7時間(歩行約5時間30分)




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マウンテンバイクでいきました。とてものどかな山で好きです。こらからもマナー守りはしりますね。綺麗な写真ありがとうございました。

Re: いいね

とよぽんさん、コメントありがとうございます。
MTB楽しんでください。

  • 2015/09/26(土) 00:48:53 |
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