山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

関八州見晴台

3月16日(土)は高校の同窓会の仲間と栃木へ岩トレに行く計画を立てていたのだが、最近、左腕の神経痛がひどく、腕を使う山登りをする自信がなくなり、キャンセルしてしまった。

夕方には、板橋へ娘のダンスライブを見に行かないといけなかったので、足だけで登れる近場ということで奥武蔵は関八州見晴台を選択した。

西武秩父線西吾野駅に8:54着。
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この日は、西武線と東急線が相互乗り入れする歴史的なダイヤ改正の日で、飯能駅には飯能発元町・中華街行きの電車を撮影するテッちゃんたちで賑わっていた。
東横線の渋谷駅も地下に移るとのこと。学生時代になじんだ風景が変わってしまうのは寂しい気もするが、時の流れというものだろう。

私は、今日は「鉄」ではなく「山」である。
ここでたくさんのハイカーが下りた。多くは高山不動を経て、関八州見晴台を目指すのだろう。もしくは子の権現に行くのかもしれない。
軽く体操をして、9:05に出発。いい天気だ。

しばらくは車道歩き。落ち着いたたたずまいの山村に、梅がみごとに咲いている。
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15分ほど歩いた先の間野集落から登山道となるが、高山不動へ行くには2本の道がある。
茶屋の吾笑楽の脇から入るパノラマコースと、萩ノ平茶屋跡を経由するコースである。
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私は後者を選んだが、入り口がよく分からない。
すこし車道を登って、左へトラバースする小径があったので、それをつたっていくと、登山道に合流できた。
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2万5000分の1の地形図を見ると、尾根を直登しているように見えるが実際は、実際はつづら折れになっており、それほどきつくはない。

間野が標高約250m。関八州見晴台は771mだから、520mほどの登りだ。
よく歩かれて、大きな溝のようになった道を行く。
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途中、椿が咲いていた。
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間野から30分ほどで、萩ノ平茶屋跡に到着。
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「跡」というから、基礎が残っている程度にしか想像していなかったが、ちゃんと建物が残っていた。

ベンチもあり、休もうと思えば今でも休憩できる。
それにしても、ここで営業ができた時代があったんだなあ。
しかも、ごく最近までのことのように思える。
儲けなど考えず、趣味でやっていたけど、年を取ってできなくなってしまった、みたいな感じなのだろうか。

「留守中」とある看板からは、いずれ再開したいという気持ちも読み取れるのだが。
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こちらは写真だけ撮って通過。

間もなくパノラマコースと合流する。石地蔵と呼ばれる場所だ。
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その名の通り、天保年間に安置された石仏と道標があった。
道標には「右 子の古んけん(子ノ権現)」と刻まれている。
この道は、かつての生活道路であり、信仰の道でもあったのだろう。

ここから尾根沿いを東に進む。
途中、奥武蔵グリーンラインに沿った峰々が木々の合間から見える。
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石地蔵から25分ほどで、高山不動の門前に出た。
ここは展望台になっており、奥多摩方面の山々を望むことができる。
富士山が、棒ノ嶺の右肩にほんのちょっぴり顔を出していた。
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中央は大岳山。
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こちらの中央奥は川苔山、左手前に子ノ権現のある山。
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中央奥の突起が蕎麦粒山、その手前に有間山、中央右奥は三ツドッケ、右手前が伊豆ヶ岳。
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だんだん、このあたりの山座同定はできるようになってきた。

ちょうどいいベンチがあったので、ここで一服。素晴らしい景色を堪能しながら、おにぎりを一つ食べる。
今日は、不動茶屋でお昼の予定なので、おにぎりは一つしか買って来なかった。

門前には巨大なイチョウの木がそびえている。
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高さが37mもあり、樹齢は800年と推定されている。
1830年に、山内75棟の堂宇が焼けた際にも生き残った、歴史の生き証人である。
昔からこの木に祈願すると乳の出がよくなるので「子育てイチョウ」とも呼ばれているという。

振り返ると、高山不動への階段。
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高山不動は正式には、常楽院不動堂といい、現在の建物は、焼失後幕末にかけて建てられたものだ。
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結構、巨大な建築だ。

高山不動にお参りするのは、たぶん初めてである。
学生時代は何度も近くまで来ていたのだが、自転車で走り抜けるだけで、ここまで足を延ばした記憶がない。

ここからの展望も、すこし高くなった分、見応えがある。
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お参りも済んだので、「登った山」を一つ稼ぎに行く。
近くに虚空蔵山(619m)という小ピークがあるのだ。
地形図を頼りに車道から山に分け入ると、ちゃんと踏み跡があった。
木々の合間から、高山不動の屋根が。
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そして5分ほどで山頂に到着。
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名前の通り、虚空蔵様が安置されており、うれしいことに山銘板もあった。
気をよくして引き返す。

車道に戻って、西の方角を見ると、武甲山(左)と二子山(右)の間の奥に両神山が見える。
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今日は春のわりに、なかなか空気が澄んでいる。

車道を少し歩くと奥武蔵グリーンラインに出る。ここに不動茶屋があるはず。
まだ11時過ぎだが、もうお昼にしてしまおう。
と、思いきや、どうも様子がおかしい。
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な、なんとつぶれている!
シャッターは不届き者の落書きで埋まっている。

こんなにきれいな状態なのに、いつ店をたたんでしまったんだろう。
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展望テラスからも、こんなに素晴らしい景色が見えるというのに。
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それにしても困った。
さっきおにぎりを食べてしまったので、あと残る食料はコンビニの100円チョコとバナナ1本しかない。これでなんとか食いつながなくては、遭難してしまう。
とにかく、お腹が持ちこたえてくれることを祈りつつ、関八州見晴台に向かう。ここが標高650mほどなので、あと120mほどだ。
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途中のほんの小さなこぶに「丸山」との標柱を見つけ、歓喜!
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また「登った山」を一つ得してしまった。標高はええと、約700mか。

関八州見晴台には高山不動の奥の院があるのようだ。
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まもなく頂上。
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そして11:30に登頂。
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関八州見晴台というのは、ハイキングがされるようになってからの近代の名称と思われるが、本当の山の名前は何というのだろう。

ここは北も開けているので360度のパノラマを楽しめるが、北の方はかなり霞んでいる。
でも、日光白根山(左)や太郎岳・男体山・女峰山(右)はかすかに見えた。
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西は奥武蔵の山。右手前はツツジ山、左のアンテナが見えるのは丸山。
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南の富士山はだいぶ霞んでしまったが、棒ノ嶺と富士山の間に御前山が姿を現した。
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東屋があったので、そこで行動食。
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バナナとチョコを少々。
お堂は奥の院である。食べ物も少ないので15分ほどで出発。

東の尾根筋を下る。
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七曲峠を経て、車道まで下りてきたところが、花立松ノ峠。
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ここから少しの間、車道歩き。道路が大きく尾根を迂回するところは山道があって、ショートカット。再び車道に出ると、そこは傘杉峠。
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立派な標柱があった。自転車に乗っていた頃は山の数ではなく、峠の数を稼いでいたので、こんな標識があったら狂喜乱舞したことだろう。

この先はもうずっと車道歩きになる。
八徳という集落を経て、吾野駅に下る方針だ。
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地形図で見ると、この八徳という集落は、山の斜面に張り付くように家が点在しており、だぶん桃源郷のようなところに違いないと踏んだのだ。
まずはこんな感じで登場する。
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そして、椿と梅の競演。
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これは牧草地だろうか。牛舎は見当たらなかったが。
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ほら、やはり、すばらしいところだ。
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この集落からは、奥多摩越しに富士山が見えるのである。うらやましい。

これは大きな桜の木。
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まだ開花していないが、満開になると村人が集まって、花見をするに違いない。
ハイカーのために、ベンチも設置されている。
ちょうど今頃(3月28日)が満開だろうか。
週末にもう一度行ってみたい気もする。

どんどん下りてくる。
野には菜の花も咲いている。
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もう春なのだ。

立派な石垣のある家を最後に八徳の集落は終わる。
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あとは長沢川に沿った道を延々と歩く。
瀬尾集落の石地蔵を右に見て、なお進む。
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だいぶ里に下りてきた。
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それにしても、これだけ毎週野外活動をして花粉を浴びているのに、しかも花粉は昨年の5倍というのに、今年は花粉症の症状がほとんど出ない。
朝はぐずぐずになるので治ったわけではないのだが、軽くなっていることは間違いない。
おかげで春の里山を楽しめる。

国道299号の旧道に入る。ここは秩父往還の吾野宿だ。
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ここまでチョコで食いつないできたが、さすがにお腹が空いた。
ここはちょっとした町だから、食堂があるかもと期待して、宿場町歩きを楽しむ。
なかなか味わいのある煎餅屋さんだが、もっとしっかりしたものを食べたい。何か、ないか。
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う~ん、なつかしい自販機だこと。
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昔はお医者さんだった、と思わせる洋館付きの住宅。
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それなりに往事のたたずまいを残している。
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しかし、宿場の端まで歩いたが、食堂はなかった。
しかたなく、ここで手を打つ。
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別に名物とも思えない、おまんじゅうを2個(計200円)買い、歩きながらパクつく。
特別おいしいわけではないが、量があるのがありがたい。

宿場のはずれの河原に弁天様が祀られていた。
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さて、2時すぎに吾野駅に着いたが、次の電車までまだ時間があるので、駅前にある法光寺を参拝する。
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ここでは、東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上の東禅寺にあった梵鐘を預かっているとのこと。
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住職同士が修行時代の同期生だという縁によるものらしい。
1日も早い復興を祈る。

そして、吾野駅。
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駅前に、こんな立派な茶屋があった。
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うどんそばとあるので、ここまで我慢すれば、食事ができたのだが後の祭り。
入線してきた電車に乗って、帰宅しましたとさ。


【行程】
西吾野駅(9:05)~萩ノ平小屋跡(9:50)~高山不動(10:20休憩、参拝、撮影10:55)~虚空蔵山(11:00)~不動茶屋(11:15)~関八州見晴台(11:30休憩11:45)~花立松ノ峠(12:05)~傘杉峠(12:20)~八徳公民館(12:50)~吾野宿(13:55)~吾野駅(14:25)
※ 所要時間5時間20分(歩行4時間40分)
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コメント

おつかれ山です!
里山歩きのようで、いい雰囲気のところですね。特に八徳の集落が気持ち良さそうだった。
それにしても相変わらず毎週ガンガン行きますね~
ってか、遂に手術ですか!
大変な事になっちゃいましたねぇ…
手術が無事成功することをお祈りしております。

  • 2013/03/29(金) 19:17:07 |
  • URL |
  • おつ山 #-
  • [編集]

Re: タイトルなし

ありがとうございます。
今年、毎週続けてきた山行も今週で途切れます。
天候不順なので止めておきます。

まあ、途切れなくても、手術で途切れちゃうんですけどね。

ブログはしばらく続きますので、よろしく!

  • 2013/03/29(金) 19:50:08 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

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