山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

御前山・九鬼山(上)

山というのは限りなくあって、毎週のように出かけていても、そうそう行くところが無くなるものではない。
むしろ、行けば行くほど、あそこに見える山にも登りたい、あっちにも行ってみたい、ということになり、調べていくうちに、こんな山がここにあったのかあと新たな発見を導き、どんどん登るべき山が増えていく。
まるできりがない。この遊びの面白いところの1つは、ここにある。
雨の日は日がな、自宅で地図とにらめっこし、効率的に歩くコースをああでもない、こうでもないと考えている。

今回のコースはそうして、ひねり出したものだ。
メインは九鬼山(山梨県)。標高は970mと大したことはないが、歩く距離は長い。
中央線の猿橋駅の南口からすぐ登り始め、神楽山、御前山、馬立山と縦走して、九鬼山に至る。ここまで標準タイムで4時間15分。雪が深かったり、調子が悪かったりして疲れたら、ここで富士急の禾生(かせい)駅に下山。
元気があったら、さらに高指、鈴ヶ尾山を縦走し、猿橋駅に戻る長大な周回コースだ。
これで、小ピークも含め9つの山を稼ぐことができる。うひひ。
ただ、これはちょっと欲張りすぎたと、後で反省することになる。

自宅を朝5時過ぎに出て、猿橋駅に7:02着。
道路地図帳に駅南口からケーブルカーのような記号があるのは何だろうと思っていたら、新しく高台に造成された住宅団地「パストラルびゅう桂台」への地下エレベーターだった。
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しかし、エレベーターなのになぜ、山肌が削られているのだろうと不思議に思い、帰宅してから調べてみたら、当初はBTMと呼ばれるケーブルカーのような新交通システムが運行されていたらしい。
これがトラブル続きで結局廃止となり、エレベーターが新設されたということのようだ。
山の禿げた部分は廃線跡だったのだ。

それはともかく、この日もすこぶる天気がよく、駅からは扇山(1138m)や百蔵山(1003m)がよく見える。いずれ、こいつらもまとめて登ってやろうと思っている。
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(これは百蔵山)

体操を済ませ、7:10に出発。里にはまだ雪が残っているので、山にはもっとたくさん残っているのだろうなあと想像する。
案の定、登山口からして、こんな状態で、早速6本歯のアイゼンを装着する。
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しかし、かかし、雪が残っていたのは登山口だけで、北斜面なのに、登山口から上は全く消えてしまっている。
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なぜ? 太陽に近いから? まさか・・・
それでも、間もなくまた雪が出てくるだろうと、我慢してアイゼンを履いていたが、落ち葉を幾重にも突き刺して、靴がだんだん重くなってくる。
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何度か、むしり取りながら歩いていたが、もう面倒がるのは止めて、はずしてしまった。
そうしたら、足が軽いこと軽いこと。さっさとはずせばよかった。

最初のピークである神楽山は標高674m。猿橋駅がだいたい330mくらいなので、標高差340mほど登る。これが結構急な登りで、いきなり歯ごたえがある。
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低山は本当にあなどれない。

九鬼山への主稜線にのったところで、木々の間から富士山が望めた。
本日最初のお目見え。今日も機嫌がよさそうで、うれしい。
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ここから左へ折れて、すぐそこが神楽山。8:10着。
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標準1時間20分のところ1時間で登ってきた。
調子がよさそうにも見えるが、ちょっと最初から飛ばし過ぎた感もある。
頂上からの眺望には恵まれない。冬枯れの林越しに大菩薩方面の黒岳や雁ヶ腹摺山、道志方面の赤鞍ヶ岳や朝日山が望める程度だ。

すぐに主稜線に引き返し、御前山(730m)へ向かう。
15分で到着。
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ここは南側が断崖の岩場で、見晴らしがすばらしくよい。
この日登った9つの山の中で一番よかった。完璧だった。

まずは富士山を遠望する。
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このちんまり感がたまらない。
手前の黒い山々がこれから歩く主稜線で、その左端が九鬼山だ。
富士山のすぐ左に従っているのが鹿留山。昨年9月に北海道のN君と登った山だ。

順に目を左(東)に転じてゆく。
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唐沢尾根と呼ばれる稜線で中央が今倉山の東峰(1470m)と西峰。

こちらは中央右が朝日山(1299m)、その左が赤鞍ヶ岳(1257m)。
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これらは全く手つかずのままである。

高畑山(982m)と、その左奥に倉岳山(990m)。
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こちらさんは一昨年の10月に登っている。

さっき登った神楽山。
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北側が樹林に隠れて見えないが、そっちの方はこの後のいやというほど見ることができる。

地図を広げて、山座同定を楽しみながら、しばしの撮影休憩。
断崖から転落しないよう細心の注意を払ったのは言うまでもない。

御前山は厄王山とも言うようで、地元の「岩殿クラブ」という山岳会が発泡スチロールで案内標識を作っていた。
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次のピークも岩場で八五郎クドレ(約705m)と呼ばれる場所だ。
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一応、木の枝で通行止めのサインが出ているが、自己責任で進む。
ここもまたすばらしい。

とりあえず岩の向こうの富士山。
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滝子山(1590m)と、その左にお坊山(1421m)。
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今倉山から朝日山への山並み。
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さっき通過した御前山の絶壁。
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この後は八五郎クドレの岩場をトラバースして、次のピーク沢井沢ノ頭へ。
途中、右手の展望が開け、小金沢連嶺のなだらかなスカイラインを愛でる。
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左が白谷丸の白いザレ場をさらした黒岳(1988m)。右は500円札に描かれた富士山の撮影地として知られる雁ヶ腹摺山(1874m)。

湯ノ沢峠(左)と、左へ大蔵高丸とハマイバ丸(1752m)。
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こんなあまり突起の目立たない稜線でも、どの角が何山なのか分かると、山の楽しみは倍になる。

この岩山は大月駅裏にある岩殿山。中世には山城として活用された。
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大月のシンボルでもある。

こちらは笹子方面の稜線。
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このあたりも鹿の食害がひどいのか、ヒノキの幼木に緑の防護網がかけられていた。
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沢井沢ノ頭(約740m)はとくに眺望もないので通過する(9:10)。
馬立山(797m)も同様に通過(9:25)。

300mほど先の分岐ナベノテラスで、尾根をはずれ、左へ急降下。
ロープ場が続くような急坂だが、こんな「はさみ富士」も見ることができる。
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もう1度、小さなピークを越えて下ったところが札金峠(約625m)。
何とも生々しい地名だが、この峠でかつて取引などがあったのだろうか。
いずれにしろ、古い生活道路であったことは間違いない。

何と言っても、こんなに見事な切通しになっているのだから。
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こんな絵に描いたような峠とは、そうめったにお目にかかれるものではない。

この道標は生活道路の時代が終わって、登山道になってからのものだろうが、この手作り感がたまらない。
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ここからは本日のメイン、九鬼岳への登りとなる。最初はわりと緩やかな登りが続く。
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さらには、小ピークを巻いてくれるので、それもまたありがたい。

峠の先で、富士急田野倉駅からの道を合わせると、道は一気によくなる。
これまでは踏み跡はそこそこしっかりしていても、道に小枝が張り出していることが多かった。案外、歩かれていないのである。
その証拠に、札金峠までは誰にも会わなかったが、道が合流した途端、何組かとすれ違った。縦走はしなくてもいいが、ぜひ御前山には行った方がよい。

それはともかく、ここは稜線の西側を巻いているので、西の展望が時折開ける。
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片流れの富士山。

三ツ峠山。
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合体させると、こう。
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突如として、こんな鉄塔が出現。
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かつて材木か何かを運んだケーブルの支柱だろうか。

このすぐ先、広場状になっている場所が紺屋の休場。
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昭文社の地図には「紺場休場」とあるが、これは間違いのようだ。

ここからの眺めもまたまたすばらしい。
真正面に高川山(976m)。
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こうして見ると、とくに特徴のない山だが、四方八方から登山道が通じ、頂上も360度の展望がある人気の山らしい。九鬼山直下の富士見平でおじさんたちが、そんな話をしていた。「今日なんか大混雑だろうなあ」と。

お坊山と、左に笹子雁ヶ腹摺山(1358m)
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紺屋の休場を過ぎると、道は尾根を大きくはずれて、山腹をトラバースしていく。
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ここに凍った雪が残っていて、非常に危ない。
本来ならアイゼンを付けるべき場所だが、さっきはずしているのでちょっと億劫。
道も細く、細かい岩の屑が堆積したザレ場で、雪のないところも怖いのだが、何とか押し切った。

で、最後の急登を辛抱して、10:55登頂。
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猿橋からの所要時間は3時間45分。標準より30分早かった。

ここは南側が樹林でほとんど展望なし。ただ、ちょうど枝の合間から富士山が覗けるすき間が。
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これを「覗き富士」と命名した。
ご婦人2人がガニ股で、並んで何を撮っているのかと思ったら、これだった。
中腰にならないと見えないのだ。

北側は妨げるものがない。
中央右の奥に見えるのは、おそらく雲取山(2017m)。
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そうすると、左奥に顔を出しているのは飛龍山(2069m)ということになる。

こちらは、左奥のポチっとした突起が権現山(1312m)、右の大きな山体が扇山。
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私の雄姿は、ガニ股のおばさまに撮っていただいた。
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逆光でせっかくのイケメンが台無し。

お二人が「この先に雪があるか?」と聞くので、危ないところがあると答えた。
「でも、アイゼンはいてないじゃない?」と食い下がってきたので、「登りでしたから。下りだったら、私なら付けます」と断言したら、どうやらアイゼンを持っていなかったらしく、来た道を引き返して行った。

(つづく)



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コメント

おつかれ山です!
ほんと、山というのは限りなくありますよね。
私も以前、山と渓谷社の分県別ガイドの山を全て完登するのに何年掛かるんだ?という疑問が持ち上がり、計算してみたところ…
46冊に平均50山あったとして2300山。
毎週1山登ったとして44年もかかるんですv-356
もう…、慌てず山歩きを楽しもう!と、その時思いましたね(笑)

  • 2013/02/07(木) 20:41:09 |
  • URL |
  • おつ山 #-
  • [編集]

Re: タイトルなし

そこそこ知られた山でも2300あるんじゃあ、三生かかっても無理ですね。

今年になって7回の山行で41座登りましたが、果てしない道です。

  • 2013/02/08(金) 10:58:18 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

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