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山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

2018大森山道(上)

【2018年6月17日(日)】大森山道
今回は、堀淳一さんの追悼遠足である。
昨年11月25日に91歳で亡くなった堀さんが最後に訪ねたのが大森山道だった。
積丹半島西海岸、神恵内村を貫く国道229号の大森トンネルの旧旧道にあたる。
堀さんが主宰していたコンターサークル-sの行事で昨年11月5日に来たのだった。
その時は私も参加したが、堀さんはあまり元気がなく、メンバーが歩いている間ずっと車の中で待っていた。
足が弱くなってきたとは聞いていたが、まさかその20日後に亡くなるとは思ってもみなかった。返す返すも残念だ。

その時は大森山道の半分も歩けず引き返したので、今回は追悼と銘打って、全区間を歩くことになった。
今回の参加者はなんと12人。
車は5~6台あったので、終点に3台デポすることが可能になった。

というわけで、8時過ぎに札幌の自宅を出発。
9:20、小樽駅を通過した。
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集合場所の余市駅に少し早めに着いてしまいそうなので、以前から気になっていた塩谷の伊藤整文学碑を見学していくことにした。
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伊藤整は1905年(明治38年)、今の松前町で生まれた。
4歳の時、父が塩谷村役場の書記に転職したのに伴い、小樽に移住。
以来、22歳まで小樽で過ごした。
碑文には詩「海の捨児」の冒頭が刻まれていた。

裏面に伊藤整の業績が刻まれている。1969年(昭和44年)の建立だ。
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これは生まれ育った塩谷の家の見取り図。
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文学碑建立発起人の面々。とくに有名な人はいない。私が知らないだけか。
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文学碑はちょっとした高台の上にある。
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正面には塩谷の町並みと182mピーク。
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立岩の岬。
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傍らに東屋があった。まさに文学碑公園である。
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伊藤整さんも毎日故郷の海を臨んで、いい気分だろう。
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まわりにはニセアカシアの花が咲いていた。
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余市駅にはちょうど10時に到着。
集合時間の10:02には間に合った。
もうすでに、知らない人も含め6~7人くらい来ている。
10:02着の列車で到着した3~4人が間もなく合流し、5~6台の車に分乗して、第二の集合場所、神恵内の道の駅オスコイに向かった。
数字がどれも曖昧ですいません。
当丸峠越えではなく国道5号経由で行き、道の駅には約1時間で到着。
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ここで、東京からはるばるマイカーで来た廃道の女王Aさんが待っていた。
彼女は今回じっくり北海道を回る予定で、この日までにすでに日浦隧道と銚子隧道の旧道(廃道)などの踏破を済ませていた。
堀淳一さんを偲ぶ会(2月17日)以来4か月ぶりの再会である。

この集まりはもともと、集合時間と集合場所だけ決め、来た人だけで歩いて解散するという実にゆるいシステムだったこともあるのか、リーダーの仕切りがまるでなっていない。
時間はすでに11時半になろうとしているのに、ちんたらしているので、気が利くメンバーだけで、誰の車をデポするか、車を移動しない人は先に旧道入口に移動しておくなど、さっさとオペレーションを決めて行動した。
デポの前にまずはトイレを済ませた。
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私の車も含め4台でまずはゴール地点であるキナウシトンネル入口まで移動。
道の駅からは3kmほどである。
5分もかからず到着し、3台を置いて、1台で旧道入口に向かう。

11:40に旧道入口にあたる「北村の澗」バス停に到着。
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早速、Aさんが海岸に向けてシャッターを切っているので、「なんかありますか」と聞いたら、「北村の澗」とあるから、北村さんが作った袋澗(ふくろま)があるのかと思って、とのこと。
覗いてみたら、確かに石組みの袋澗の遺構があった。
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かつて北海道でニシン漁が栄えた頃、日本海側の海岸のあちこちに袋澗が築かれた。
ニシンの漁期は3~4月で、まだ海が荒れている時期。
波が高く港での水揚げが困難を極めたので、小さな防波堤で囲った港(袋澗)を築いて水揚げしやすいようにしたという。
最盛期には100m間隔で築かれたのだとか。すごい時代だった。
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それだけ栄えたのに、神恵内村は人口1000人を切り、北海道では2番目に人口の少ない自治体になってしまった。
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あそこにも小さな石組みが。
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これは袋澗の石組みの上をコンクリートで固めたものだろうか。
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なぜ、この部分だけめくれ上がるように穴が開いているのか謎だが、中には海岸の丸石が詰め込んであった。

などと撮影に勤しんでいる間に、皆さんの準備が整ったようだ。
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総勢12人で11:45に出発である。
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登山の間隔でいうと、こんな時間のスタートはあり得ない。
余市駅集合は1本前の8:29着の列車に合わせるべきだと思った。

まあ、それはいいのだが、最初からコンクリートで固められた堅固な法面に迎えられた。
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間もなく左手に見えてきたのは、北村の澗から1つ北にある袋澗。
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すぐ先は岩礁だが、船はどうやって入ったのだろう。
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手前側はたぶん国道建設ですっかり破壊されているはずだ。

正面に見える尖がりは大森山(561m)の南西にある約480mのピークと思われる。
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道は今のところ、それほど荒れていない。
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普通に車で走れる状態だ。
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こんな道が続いてくれるなら楽だし、続いてくれるのだろうと思っていた。
でも、それは甘かった。
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しばらく歩いて、振り返ってみたら誰もいない。
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Aさんも私もわりと歩くのが速いので、すっかり離れてしまったようだ。

ふと右手の壁を見ると、一体これは何だ?
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新しい素材の法面の養生のようだが、工事は平成29年のもの。
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ここで土砂崩れが起きても、下はトンネルなのでほとんど被害はないのになぜ?と思うのは素人考えで、やはり危険なのか。
それとも、この道自体を維持しようとしているのか。
2004年9月に、大森大橋が台風で落ちて、今の長大な大森トンネルができたという経緯もあるので、いざという時のための防災道路として管理しているのかとも思ったが、それはあり得ない。
キナウシ側が完全に寸断されているのだから。

左手、木々の隙間から岩の海岸が垣間見えた。
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さっきまで快適な道だったのに、とうとうブッシュが現れた。
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路面がまるで見えなくなってしまった。
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と思ったら、いきなり熊の落とし物。
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これはかなり新鮮だ。

さすがに恐ろしくなって、ザックに付けていた熊鈴を手で持って、意識的に鳴らしながら進んだ。
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まるでお遍路さんのようなポーズだった。

こちらは道路関係の遺構。カーブミラーの支柱だろうか。
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あまり後ろとは離れないようにしたいが、いかんせん遅い。
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この調子では何時にたどり着けるか分からないので、歩速は弱めず果敢に進む。

舗装の痕跡を発見。
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なんと、この道は舗装されていたのか。それとも一部だけか。

知らないうちに随分登ってきたみたいで、海面が随分低くなった。
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ここまで30分ほど歩いてきて、標高は約100mに達していた。

おっと、今度は熊の足跡。これもかなり新しい。
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今日のものと言ってもおかしくない。

一層の鈴の音が高くなった。
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滑り止めの砂箱。
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小さな切通しを通過。
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正面、かなり高い位置に立派な柱状節理が露出しているのが見えた。
堀淳一「忘れられた道」(北海道新聞社、1992年)によると、輝石(または石英)安山岩熔岩・火砕岩だそうだ。
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これは地形図にも表記されている。標高300~350mあたりだ。
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道路のあったところは低い草になっているが、この下はぬかるみになっていることが多い。
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長靴を履いてくればよかったとも思うが、長丁場なので足裏が痛くなってしまう。
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フキの海である。
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またまた舗装路面に出くわした。
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(つづく)
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