山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

西伊豆(上)達磨山

だいたい、私の山行は奥多摩、奥武蔵・秩父、中央線沿線、富士山周辺、丹沢、伊豆・箱根を順繰りに回している感じである。
中でも、いちばん伊豆・箱根が遠い。ただ、冬に行くにはいい場所である。
温暖だし、標高もそれほど高くないから、あまり雪の心配はしなくていい。
年末の金峰山でちょっと雪におじけづいてしまい、目が南に向いてしまった。

で、静岡在住のおつ山さんと同伴したいと思い、1月12日の山行として提案したのが、西伊豆の達磨山(982m)を中心とした船原峠から真城峠への縦走コースである。
しかし、車でしか行く気がないというおつ山さんにとって、縦走は結構やっかい。
途中まで車で来てバス活用で歩くコース取りを考えますと伝えると同時に、「あすは竜ヶ岳に行ってきま~す」とメールしたら、「ああ竜ヶ岳行きたかったな~」との返信。

こちらは別に、どこにいつ行ってもいいので、ならばと、竜ヶ岳は12日に回し、あす西伊豆に行くことにしてしまったのである。
とはいえ、やはり我が家から伊豆は遠い。首都圏では初めての新幹線利用山行となった。
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三島駅からは富士山がくっきり。
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改めて意識して見ると、三島からは宝永火口が真正面に見える。
これはこれでかっこいい。

三島からは伊豆箱根鉄道で修善寺へ。
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そこから8:35のバスに乗る。

私の格好を見て、運転手さんが声をかけてきた。
「山ですか~。今日は富士山どうかな~。さっき雲が出て来てたからなあ」
などと余計なことを言う。
さっき三島で雲ひとつない青空の下、富士山を確認したばかり。
でも、11月の位牌岳では早朝は晴れていたのに雲が出てしまったという経験もしたので、少々不安になる。

バスには30分弱乗って、国道136号の船原トンネルの手前、大曲茶屋で下車。
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体操をして、9:05出発。ただいまの気温はちょうど0℃。

すぐ先に旧道への分岐がある。迷わず、そちらへ。
しかし、200mほど行くと、この道は新道の下をくぐって林道になってしまう。
本来の道は右に曲がって行き止まりになっている。
そうか、これは旧道で間違いはないのだが、新道とからみ合う部分はつぶされてしまっているのだ。
戻るのは面倒なので、新道をくぐった先からヤブをよじ登って、新道に出た。
同じような間違いをする人が多いのか、ここには踏み跡が付いていた。

新道を大きくひと巻きしてから、今度こそ船原峠に至る旧道に入る。
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ここにはちゃんと分岐の標識があった。

この道は旧道とは言っても、優に2車線とれる幅員があり、西伊豆スカイラインにも通じているから、県道としてしっかり管理されている。ゆえに、旧道独特のさびれた雰囲気はない。
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ただ、まだ朝早いからか峠に着くまでの約25分間、通った車は5台だけ。
おかげで、左カーブの時は左端を、右カーブの時は右端を、と道路を斜め横断しながらコーナーの内側を歩く最短距離作戦を峠まで続けることができた。

船原峠には9:45到着。旧道の上を立体交差で西伊豆スカイラインが走っている。
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車道を通って、スカイラインに向かって歩き始めたが、なんとなく違和感を覚え、戻って立体交差をくぐってみると、そこに船原峠の案内板と登山道の入り口があった。
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船原峠はもう30年以上前、大学2年の時に仲間と自転車で来たことがある。
ただ、その時は女子もいたので、登りのきつい旧道は断念、新道の船原トンネルを通った。
だから、峠そのものに来たのは初めてということになる。

船原峠は標高574m。大曲茶屋は約395mなので、ここまでの標高差は180mほど。
ここからの西伊豆スカイラインに沿った稜線の道は「伊豆山稜線歩道」と呼ばれ、先日訪ねた天城峠から修善寺自然公園もみじ林まで42.8kmを結んでいる。
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しかし、500mほど歩くとすぐ車道に出てしまう。
それもただの車道ではなく、観光道路だから車通りも激しく、興をそがれる。
ただ、歩道は樹林の中で展望が利かないのに、車道は開かれていて景色がいい。
痛しかゆしである。
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(これは国道136号の土肥方面)

背後には魂の山(933m)や猫越岳(1035m)方面を望める。
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東には天城山脈が連なる。
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ところどころ、車道の隣に舗装された歩道が用意されているのだが、登山者をなめているとしか思えない。
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この歩道が途切れた先、国は歩行者にどう歩けというのか?
車道に出なければいけないのなら、ガードレールに切れ込みを入れるべきだろう。
まさか、あの斜めになった芝を歩けというのではあるまい。
これには、温厚な私もさすがに頭に来た。明らかな税金の無駄遣いである。
車道は国交省の管轄、伊豆山稜線は環境省の管轄だが、力関係が如実に表れている。

最初の展望スポットは土肥駐車場(10:35着)。
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昭文社の地図には「太平洋展望台」とあるだけに、駿河湾をはさんで南アルプスが見える。
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木々の向こうには富士山も顔を出していた。
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なんだ、ちゃんと見えてるじゃないか。

こちらは土肥の港。
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ここから再び車道を離れ、伽藍山(867m)への登りとなる。
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背丈ほどの笹ヤブの中の道を標高差にして60mほど登ると、展望が広がる。
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伊豆半島南部の山並みが一望だ。

頂上はどこだろうと思っているうちに、また車道に出てしまい、そこに「伽藍山」の標識が(10:50着)。
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これもひどい。明らかに車道の通っている場所は頂上ではない。
なぜ、歩道の通っている一番高い場所に標識を設置しないのか。
この標識は国交省ではなく、環境省が立てたものでしょう。
まったく意味が分からない。

しかも、ここからまたしばらく車道歩きとなる。
それも景色がすこぶるいいので、複雑な気分。
まず正面に全貌をさらし始めた富士山。
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山梨側から見る見慣れた富士山と異なり、順光である。

その左の裾野に覗いているのは八ヶ岳。拡大してみよう。
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そのさらに左でなめらかな稜線を描いているのが、来週登る竜ヶ岳である。

だんだん左に目を移していく。
これは富士山周辺の山の最高峰・毛無山(1964m)。
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富士市街の製紙工場群の背後に聳えるのは北岳・間ノ岳・農鳥岳の白峰三山。
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海をはさんで南アルプスを見るのは初めてだ。
3000mの壁を一番下から見ているわけで、なんだか興奮する。

さらに右から塩見岳、荒川三山、赤石岳へと続く。
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一枚にするとこうなる。
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まるで富士山という先生と、南アルプスという児童たちが手をつないで歩いているように見える。

道は小土肥駐車場(約900m)の先から再び歩道になる。
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この歩道はとくに伊豆半島脊梁線方面の展望がいい。
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だが、このあたりシカの被害がひどいらしく。網が張り巡らされていた。
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あまりに皮をはぐものだから、立ち枯れてしまう木が続出している。
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前方に富士山と達磨山の競演。
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これからは、これを眺めながらの山歩き。もう真城峠まで車道はほとんど歩かなくて済む。

達磨山へは笹ヤブの中をゆるやかに道が続いている。
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おお、砂嘴が長くのびた戸田の港が見えてきた。
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やはり、山の景色と海の景色の両方を楽しめるのが伊豆のいいところだろう。

見下ろす位置にあるのは古稀山(920m)。
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右前方には箱根の山々が。
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こうして見ると、道路と富士山というのも相性が悪いわけではない。
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11:20、古稀山に到着。あまりに天気がよく、眺めも抜群なので、ここでイスを出して小休止。
じっと海の向こうの南アルプスにしばし、うっとり。
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やや、あれはシカの踏み跡だろうか。やはりいるんだ。
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休んでいるうちに、トレランの方が二人駆け抜けていった。さすがにこのコースは走っていても気持ちがいいだろう。

あまり山の中に観光道路は作ってほしくないが、これはこれで美しく見えてしまうのが怖い。
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達磨山の頂上にはもう何人かの姿が見える。
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いったん戸田駐車場(約880m)まで下りて、登り返す。
達磨山には駐車場から15分ほど。
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11:55に到着。ここには車で来て散歩がてら登ってきている人も何人かいた。

そして山頂の標柱にザックを立てかけている輩がまたいた。
まさにそのカップルに写真を撮ってくださいとお願いしたら、女性の方は一生懸命ザックをよけようとしてくれたが、男の方は気にも止めない。
結局、あわてた女性の方がザックを倒してしまい、思わず私が「ああ、別にいいですよ」と言ってしまい、私の負け。それがこの写真。
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全然美しくない。

でも眺望は抜群である。富士山は言うに及ばす(だんだん霞んできたが)。
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初めて見えたのが、淡島を取り巻く江浦湾と内浦湾。
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その背後は沼津アルプス。200~400m級の低山だ。

頂上にある碑文「山岳の誌」によると、天城山の万二郎、万三郎岳に対し、長男天狗が住むここ達磨山が万太郎なのだという。
達磨山の名は、どこから見ても達磨大師が座禅を組んでいる姿に似ているから付いたとのこと。箱根の十国峠に対し、快晴の日には、安房、武蔵、相模、甲斐、信濃、伊豆、駿河、遠江、三河、尾張、美濃、伊勢、伊賀の13国が見えることから、十三国峠とも言われているそうな。
この日は何となく霞んでいて5か国くらいしか見えないが、眼下の戸田港の眺めはここが随一であろう。
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これは沼津市街。
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こちらは三島市街である。
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眺望を満喫した後、こちらもお昼。メニューがあまり変わり映えしないが、日帰りの時はコンビニおにぎりである。
皆さんも出発したようなので、
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私も腰を上げた。

きれいになった標柱をもう一度パチリ。
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休憩は25分ほど。調理しなければ、だいたいそのくらいの時間で固まってきた。

出発すると、眼下にこれから向かう小達磨山(791m)が中央右に、その左にアンテナのある金冠山(816m)、そして奥山(761m)への稜線が確認できた。
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あとは下り中心だから楽勝である。

(つづく)





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コメント

おつかれ山です!/(^o^)\
いやぁ~、晴天のなか気持ち良さそうですねぇ。
季節風の西風も無かったようで何よりです。
ほんと、ここはスカイラインが通っていなければもっと評価の高いコースなんでしょうけど残念です。
先日の寒波で伊豆の山にもだいぶ雪が残っていることと思います。
雪の猫越岳辺りもまた面白いかと思いますよ!
是非☆
http://blog.goo.ne.jp/otsukareyama/e/a600dffcab7a4a32e070c1351d45ab54

  • 2013/01/18(金) 22:36:19 |
  • URL |
  • おつ山 #-
  • [編集]

ども~

金曜日に出張で韮山に行ってきました。
ここは14日も雨だったそうです。
ということは、焼津・静岡も降らなかったんでしょうね。

でも確かに山は白く雪化粧していました。
猫はぜひ天城峠からの縦走で歩きたいと思ってます。

  • 2013/01/21(月) 10:58:49 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

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