山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

金峰山(上)

昨年は奥秩父をテーマにしようと宣言したのに、12月までに結局甲武信岳にしか行っていなかった。
前週(16日)に笹子雁ヶ腹摺山に登って、奥秩父を眺め、ああやっぱり行っておかなきゃと思った。
クリスマスの3連休を利用して行くことにしよう。
この時期、公共の交通機関は近くまで行っていないので、車で行くしかない。
しかし、ピストンはいやだ。どうにか1泊で周回コースをとれないだろうか。
地図を眺めていると、おお、あるではないか。
信州側、川上村の廻目平キャンプ場から金峰山(きんぷさん)を目指す。その日は直下の金峰山小屋に泊まり、翌日大弛(おおだるみ)峠へ出て、ここから国師ヶ岳をピストン。で、川上牧丘林道を下って、廻目平に戻る。
この時期、金峰山小屋は営業していないので、テント持参になるかと思ったが、問い合わせてみると、自炊小屋を冬季は開放しているとのこと。ラッキーだ。

標準タイムによれば、初日は3時間10分。翌日は7時間。
そんなに厳しい行程ではない。
初日は早く着きすぎてしまいそうだが、だったら八丁平を経由しても5時間半しかかからない。
な~んて軽く考えていたら、とんでもなかった。

10時には歩き始めたかったので、廻目平まで4時間かかると見て、家を出るのは6時。起きるのは5時半。
しかし、前夜は同窓会の飲み会で帰宅したのは1時半。睡眠時間4時間での出発となった。

22日は雨だったが、23、24日は晴れの予報。
冬型の気圧配置で、強い寒波が来ているとのことだったが、冬型なら金峰山は晴れだ。

しかし、朝起きてみると、空には雲がたくさん。
あれれと思ったが、関越に乗って西をみると、秩父方面の山は稜線が見えている。
ああ大丈夫だ。
北上するにつれ、天気がよくなり、赤城も榛名も男体山も浅間もばっちり見える。
よし! いいぞ。

実は車は夏タイヤ。高速は問題ないだろうが、佐久から先の国道が凍結していないことを祈るばかり。まあ、危なくなったら、ちゃんとチェーンがあるから大丈夫。

佐久からは一部開通していて無料開放している中部横断道を初めて走る。
この先は表示によると気温マイナス3℃。路面が乾いているところは大丈夫だが、濡れていると凍っているかもしれないので、慎重に走る。

国道141号から左に折れて川上村に入ると、八ヶ岳がめちゃくちゃきれいに見える。
思わず川上大橋に車を停めて、写真を撮ってしまった。
DSC_2827_20130110115619.jpg
左から赤岳、横岳、硫黄岳である。

ところが、こんなに八ヶ岳も回りも晴れているのに、金峰山方面だけ雲がかかっている。
DSC_2835_20130110115621.jpg
冗談じゃない。登る山を間違えたか、とも思ったが、地図は金峰山のしか持ってきていないので、いきなり北八ツに変更するわけにもいかない。

とにかく晴れることを祈って廻目平に向かう。
川上村のメーンストリートの県道から右に折れる。
大弛峠への分岐の先は路面にうっすら雪が積もっていて、少々あせったが、何とか夏タイヤのままキャンプ場の駐車場まで登ることができた。10時前に到着。

トイレは周辺に3か所あるが、いずれも閉鎖されている。
キャンプ場の受付にもなっている金峰山荘も営業していない。
DSC_2841.jpg
横川のSAで大も出してきたので、まあ大丈夫だろう。

駐車場には車が2台駐まっており、1台はマットを抱えたフリークライミングの人だった。
DSC_2837.jpg
あの屋根岩と呼ばれるところをやるのだろう。
もう1台は金峰山への先客だろうか。

小屋の吉木さんに電話をしたとき、この時期はみな日帰りするので泊まる人はめったにいないですよ、と言っていたが、確かに少ない。
3連休の中日、しかも百名山なのに。
この時点では、この少なさが仇になるとは思ってもみなかった。

10:10に出発。
道端にマヤ文字を刻んだような巨石が。
DSC_2844.jpg

すぐ林道のゲートとなり、そこにも1台、乗用車が駐まっていた。スモールが付けっぱなしだった。バッテリーが上がらないといいが。

林道にはすでに1~2cmの雪が積もっている。今朝の雪ではなく、ちょっと前のものだ。
DSC_2846.jpg
数日前に大型犬を連れて散歩した人の足跡がある。
雪の下は凍っていて、歩きにくい。
昨日、東京は雨だったが、こちらは降らなかったようだ。

今日の足跡は1人だけ。たぶんピストンだろうから、どこかですれ違うだろう。
それにしても、この人はすごい大股である。私の4歩分を3歩で歩いている。
こちらは荷物も重いでのローペース。なかなかスピードが出ない。

すぐ右を流れる西股沢にも雪が積もっている。
DSC_2855.jpg

20分くらいしたら、青空が隠れ、なんと雪がちらつきだした。
まじかよ! でも今日は雪になっても、あすは晴れるだろう。気にしない、気にしない。
幸い、この雪は一瞬で止んでくれた。助かった。

途中、奇妙な巨岩があった。
DSC_2852.jpg
とくに名前はないようだ。

林道は八丁平への分岐まで続くのかと思っていたら、手前で終了。
DSC_2857.jpg

ここから10分ほど歩いたところが分岐だった。11:15。
DSC_2860.jpg

広場状になっている隅に、1台車が置き去りになっていたので、昔はやはりここまで林道が続いていたのだろう。
DSC_2859.jpg

キャンプ場が標高1570m、このあたりは1880m。標準タイムは1時間20分だが、1時間5分で来られた。ザックが重くて、道も歩きにくいわりには、いいペースだ。
そうなると、ちょっと色気が出る。
八丁平経由で遠回りしようか。
しかし、そちら方面にはトレースがなく、地図には稜線上に「迷」のマークが。
そうだ、いつか小川山に登る時に八丁平は通るだろうから、今回は止めておこう。
(この判断は大正解だった)

分岐から砂洗川の橋を渡り、左手に西股沢の砂防ダムが見えるところで小休止。
チェーンアイゼンを装着し、チョコを2個、口に入れる。
前回、ハイドレーションが凍ってしまったのに懲りて、チューブを出していないので、水を飲む機会が少ない。だから、ここで紅茶を結構飲んでおいた。
で、おにぎりを1個、ポケットに移す。雪で腰も下ろしづらいので、途中で歩きながら食べるためだ。
これはその後、間もなく食べてしまった。

道はもう5~10cmの積雪になっている。
先行者の足跡をたどっていくが、途中、明らかに変な道を行っている箇所があった。
付いて行ってもいいのだろうが、ここはきちんとした道を見つけたい。
沢に緑のロープが渡されているので、あそこを渡れという意味かとも思ったが、地図には沢を渡るようには書いていないし、渡った先も崖で道のようなものはない。
目を凝らして、赤テープを探すと、あった、あった。
沢沿いにちらりと光っていた。

やった、正しい道を発見できた。
しかし、この先、足跡がないので、常に自分でルートファインディングをしないといけないかと思うと、ちょっと緊張したが、何のことはない。
すぐ先に、非正規は道から、さっきの足跡が合流してきていた。
あとはもう、この人についていくだけだ。

しかし、なかなかペースが上がらない。
地図を見て、そろそろ2000mくらいまで来ただろうかと思ったら、間もなく「2000m」の看板が出てきて、うれしかった。
DSC_2866.jpg
読図はしっかりできているようだ。

このあたりで山の上の方が晴れてきた。
道は樹林帯なので日は差さないが、空が青くなってきたのが分かる。

しかし、登りはきつく、とうとう歩き続けられなくなり、腰を下ろして、おにぎりをもう1つ食べることにする。
雪なのでマットを敷いたが、これがとても役に立つ。濡れないし、温かい。
熱い紅茶を入れて飲んだが、止まっていると、すぐに体が冷えてくる。
風がないので助かったが、とにかく15分ほどで出発。
1、2歩は足が軽かったが、10歩も歩くと、元の木阿弥。全く足が上がらない。

それでも間もなく、稜線らしきところに出て、北西方面の展望が開けた。
DSC_2869.jpg

ちょうど、瑞牆山(みずかきやま)が見えるではないか。
DSC_2871.jpg
その向こうには八ヶ岳。かっちょい~!

ものすごくうれしくなって元気も出た気がしたが、やはり10歩しかもたない。
背の高いシャクナゲの林を抜けると
DSC_2877.jpg

撮影ポイントもいくつかあったが
DSC_2879.jpg
(これは小川山。標高は2418mで瑞牆山より高い)
とにかく苦しい。足は上がらないが、息が上がる。
何度も立ち休みをしながら、これでたどり着けるのだろうかと不安になる。
ザックの重さもあるが、たぶん睡眠不足がいけなかったのだろうとの結論に至る。

とにかく一歩一歩ゆっくり高度を稼いでいくしかない。
急登ゾーンをクリアして、傾斜が緩やかになり、頂上直下の五丈石が木々の間から見えたりして
DSC_2885.jpg
ホッとしたのも束の間、もう1回急登しなければならない。

もうボロボロになっていた頃、先行していた大股のお兄さんが下りてきた。
「小屋はあとどのくらいですか」と聞きたかったが、地図上は分かっているし、何となく格好悪くて聞けなかった。いずれにしろ、もう一息なのだ。

最後の急坂をクリアして、道が平らになって、もう着くぞ~と思ったら、地図からは読み取れない急坂がまたしても出てきて、泣きそうに。
しかし、ここを踏ん張ると、ほんとに上に小屋が見えてきた。感激!
DSC_2898.jpg
やっと荷物を下ろせる。

13:55、着いた~
分岐からの標準タイム1時間50分のところ、2時間40分もかかってしまった。
冬とは言え、つぼ足やラッセルをしないで来られる道で、この成績ではいかん。

しかし、ここからの景色は抜群である。
まず、八ヶ岳と瑞牆山。
DSC_2903.jpg

小川山の長い稜線。
DSC_2904.jpg

はるか北には浅間山。
DSC_2905_20130110115449.jpg

西には砂払ノ頭。
DSC_2913.jpg


とにかく、小屋にザックを下ろす。誰もいない。
DSC_2908.jpg

中はこんな感じである。板の間で6畳ほど。
自炊室2
さっきの人がここでお昼を食べたりしたかもしれないが、今夜は私1人だろう。

小屋本体は、このくらいの大きさ。
DSC_2912.jpg

小屋の裏には、尖塔のような巨石があり、頂上にはケルンのようなものが立っている。
DSC_2916.jpg
これがなかなかかっこいい。夏には上まで登れそうだ。

ネックウォーマーを巻き、小さなポーチにダウンとゴアの手袋だけ入れて、肩にかけて出発。
手袋は今、軍手をしている。ゴアだとカメラの操作がしにくいのだ。
さて、頂上を目指す。
足場は悪い。雪を踏み抜いて足が取られて歩きにくい、というか相当エネルギーを消費する。

しかし、眼下にはすばらしい景観が広がる。
DSC_2936.jpg
八ヶ岳を背景に、瑞牆山、小川山、大日岩、砂払ノ頭、金峰山小屋・・・とその調和が見事である。

何度も振り返って写真を撮った。
DSC_2943.jpg

頂上を仰ぐと、月が出ていた。
DSC_2946_20130110115434.jpg

午前中の雪はどこへやら。山頂付近は穏やかに晴れて、風がやむとポカポカと温かいくらいだ。でも氷点下3℃くらいまでしか上がっていないのだろう。

先行者もルートを見つけるのに苦労したらしく、シャクナゲの上を歩いている。
その方が、深く埋まらないで済むからだ。
私もシャクナゲさんには申し訳ないが、同じように進む。
空身なのだが、かなりきつい登りだ。
ほんで、20分ほどで、ようやく金峰山の象徴・五丈石にたどり着いた。

(つづく)



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