山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

立山縦走8

9月16日午前11時前。たどり着いたのは、奥大日岳と大日岳の間にある見事なロックガーデン。
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借景が剱岳や立山というのもかなり贅沢。
楽園のような所だと思っていたら「七福園」という名称が付けられていた。
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昭文社の地図にも書いてあった。

さっきのおばちゃんたちも追いついてきたので、先を急ぐことにする。
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七福園を過ぎると、真新しい木道が延々と続く。
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歩きやすくていいのだが、なんか正面が白い。まさかガス?

振り返ると、見事な奥大日と剱の競演。
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あちらは大丈夫のようだが、白馬の方には大きな雲が押し寄せている。
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不安になってきた。

小さなピークに着いたと思ったら、中大日岳と書かれた板が岩の上に置いてあった。
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昭文社の地図にも表記があったが全然気づかなかった(←ルートと時間ばかり見て、文字を読んでいない)分、「登った山」が1つ増えて得した気分だった。

ストックの持ち主のおじさんから写真を撮ってくれと言われたので、撮って上げた。
ここからは立山道路のつづら折れがよく見えるが
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なんか正面には雲が迫って来ている。急がなくては。

すこし歩くと、今夜の宿泊を予約している大日小屋と大日岳が目の前に見えてきた。
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山にはガスがかかっていないが、周辺はもう真っ白。
おいおいまだ11時だぜ。昨日より30分も早いじゃないか。
小屋に向けて一気に下る。

左手には大日平と大日平山荘が見えた。背後は鍬崎山(2090m)だ。
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10分とかからずに小屋に着く。
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とりあえず水分の補給。小屋で予約はキャンセル、バッジ2つとアクエリアス、ミネラルウォーターを買う。しめて1700円。
山で水を買うことはめったにないのだが、剱御前小舎には水場がなく、炊事用の天水しか補給できなかったので仕方ない。

アクエリアスだけを腰にぶら下げ、ザックを放り投げ、めしは後回しにして、とにかく頂上へ向かう。振り返ると中大日岳に南からガスが流れてきている。
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ギョエー

でも、こちらはまだ青空が見える。間に合うぞ、頑張れっ
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しかし、かかし、11:30、頂上に着いたら真っ白け。
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見たかった富山平野方面は、こんな有り様。
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にゃにもみえにゃい。

剱岳はしっかり見えるのだが、奥大日や立山は完全に見えなくなってしまった。
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はらほれひれ~
は~あ、またタッチの差だった。剱岳や立山は散々見てきたので諦めもつくが、ここでしか見えないの、雄大な富山平野の広がりが見たかったのに。くやぴ~

一応、三角点のある場所が頂上ということになっているが、ここは2498m。
少し戻ったハイマツの中に、3m高い最高地点(2501m)がある。
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ここには踏み跡があって、楽に行けた。

頂上にある石室の中には石仏が安置されていたが、これが大日如来なのだろうか。
その横で、単独の若い女性が、ぷか~っとたばこを吸っている姿が印象的だった。

ここでしばらくガスが晴れるのを待ってもいいのだが、ザックを置いてきてしまったので、メシが食えない。
宿をキャンセルした以上、先を急ぐ必要もある。
とにかく小屋まで戻り、脇のベンチに座って昼食にする。
メニューは、白米が売り切れだったので、しそわかめごはんとカレー、それに豚汁。
いずれもフリーズドライだ。

小屋でトイレを借りた際に、貼り出されていたバスの時刻表を見ると、称名の滝を出るバスは最終が16:40。今は12:25なので、あと4時間15分。
地図にある標準タイムは、滝を往復すると4時間50分。
なかなか厳しい闘いになる。

ここから一気に1500mの標高差を下ることになるので、相当へばることは間違いない。
たどり着けなければ、バス停周辺で野宿をすることになるが、それもいいだろう。
さっき、小屋番の方に聞いたら、「下の小屋の方が空いてると思いますよ。今日はうちは布団1枚に2人寝ていただくことになりますので」と言われた。
それは覚悟の上だったが、もちろんより空いているに越したことはない。
でも、この時点で下の大日平山荘に泊まる選択肢はなくなっていた。
とにかくバスを目指す。

剱岳ともここでおさらば。目に焼き付ける。
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すっかり、小屋周辺はガスに囲まれてしまった。

さて出発と思ったら、ホシガラスを発見。
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ますは大日平まで標高差800mを下る。まずはこれでヘロヘロになるはず。
しかも、カメラ休憩をほとんど許さないガスの中だ。
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それでも100mほど下るとガスの下に出て、これからとりあえずの目標とすべき大日平山荘が見えた。
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すぐそこのように見えるが、先が長いのは分かっている。

下りには、ローソク岩とか鏡岩があるように地図に書いてあるが、どれなのか特定することはできなかった。
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眼下には大日平が広がる。沢が作る溝が「地形の誕生」を思わせる。
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50分かかるという水場には30分で着いたが、水は涸れている。
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補給は下の山荘まで行かないとできないと考えた方がよさそうだ。
ペンキで「サイゴ」と書いているのは、登って来た人にとって最後の水場という意味だろう。

下り始めは元気だが、やはりだんだんきつくなる。
途中、大きなマットを背負ったフリークライミングのお兄さんに抜かれる。
岩場もある急な坂を黙々と下る。

フラフラになったところで、木道になる。大日平に入ったようだ。
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ここまで、どうにかスリップや転倒をしないで下って来られたのは、集中力を維持できたからだろう。大日如来にお願いした甲斐があった。

途中の沢にある巨大な岩を調べていた、さっきのクライマーさんに追いつき、「そのマットは何ですか」と聞いたら、落ちたときのために下に敷くのだという。なるほど。
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(左上に小さく見える四角い後ろ姿がクライマーさん)

振り返ると大日岳は完全に雲の中だ。
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いくつかの池塘をすぎて
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大日平山荘に13:45着。標準1時間50分のところ、1時間20分で来た。
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30分稼いだことになるが、まだ足りない。
だけど、もうへとへと。泊まってしまいたい衝動にかられるが、正直泊まる気はない。

ただ喉がカラカラだ。
ここでも高いアクエリアスを2本買い、1本をアッという間に飲み干す。
アクエリアスは350円。上より50円安かった。それでも下界の2倍以上する。

山荘の裏から見える不動の滝を見学。
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ろくすっぽ休まずに出発。

しばらくは大日平のなだらかな下りで歩きやすくはあるが、牛首から始まる下りがまた恐怖だ。
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めずらしくオヤマリンドウが開いていた。
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ダイノジソウを見たのは初めて。
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標高がだんだん低くなると、樹林帯となり、丸い葉っぱに赤い実をつけている木が目立つようになる。
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夏には白い花を咲かせるオオカメノキだ。

木道が終わり、少し下ったところが牛首。
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ここからさらに1時間10分の下りとは。とほほ

正面には通称・悪城の壁と言われる絶壁が見える。
称名川が削った深い深い谷だ。
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高さは300~400mあるだろうか。要するにあの高さを下らなければいけないのだ。

この先はクサリ場やハシゴで先行の人が停滞するので、ありがたい小休憩になる。
途中、登山道補修工事の人が使うモノレールがあった。
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実際、登山道は崩落しかけているところもある。
うう、これに乗って下りたい。
駅らしき小屋もあって、休ませてもらいたかったが、立ち入り禁止とあるのでやめた。

下りは汗がたらたら、登り以上に出る。
手にも汗がにじむので、資材置き場になっている岩陰に引っ込んでザックを下ろし、軍手をする。
アズマギクに励まされはするが
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下りは休むタイミングも場所もなかなかないので、つらくなる一方。
下りの中間地点の猿ヶ馬場にベンチがあったので、とうとうひっくり返ってしまった。
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時間に少し余裕が出てきた気がするので、少しこのまま寝てしまおうと思ったが、日が差してきて暑いので、数分しか休めなかった。
その間に何人かが追い越して行った。

14:55起きあがって出発。悪城の壁の上の方にガスが下りてきた。
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と思うやいなや雨が落ちてきた。
いや、今日も降るとは思わなかった。
とりあえずザックカバーはしたが、雨具はまだ着ない。

道は少しなだらかになる。我慢して歩き続け、15:35登山口に降り立った。
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牛首から標準タイム1時間20分のところ1時間で下ってきたわけだが、めちゃめちゃきつかった。
我ながら、よく頑張りました。

さて、バスの時間まであと1時間近くある。まだ雨は降っているが、ザックを標識の後ろに置いて、称名の滝を見に行くことにした。

駐車場から滝までは20分ほどかかり、急な雨の用意をして出なかった観光客があちこちでずぶ濡れになっている。
こちらは傘を差して、滝に向かう。
でも間もなく雨は止んだ。

すぐそこが滝かと思ったら、10分ほど歩かされた。
足は疲れているはずだが、なだらかな舗装道路の登りなら、わりと動く。

滝は4段に分かれ、落差は計350mもあるという。
水量は雪解け水が流れる春先よりは少ないのだろうが、さすがにド迫力である。
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予想通り、滝の水しぶきが遠くまで霧のように飛んできて、カメラを向けるのが躊躇される。

川の水はエメラルドブルー。上流は乳灰色だったが、ここまで来ると随分澄んでいる。
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少し上の展望台まで行き
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観光客の親子の写真を撮ってあげた。

引き返してバス停に向かう途中、橋を渡って、八郎坂の石碑と説明板を見に行く。
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石碑の上、なんとなく右上に道のラインが見える。
立山を登る古道である。

16:15バス停に到着。
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休憩所があったので、そこで荷物を整理、日帰り温泉に入る道具を上に持ってきたりして詰め直す。

16:40バスは定刻に出発。15分ほどで立山駅に着いた。
ここはすっかり晴れている。

駅のすぐ隣の千寿荘に「入浴できるか?」と聞くと、「入れる」という。
待てよ、ここで入浴はしたとして、今夜はどこに泊まるんだ? 
どこにも予約していないし、1日空いてしまった明日の予定も考えていない。
もう歩き回るのもおっくうなので、ここに泊まることにした。8400円。
幸い、部屋は空きがあった。みな室堂で泊まるのだろう。
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風呂は温泉かどうか分からないが、独り占めでゆっくり入れた。
さっぱりして、6時から食事。山小屋とは見違えるほどのごちそうだ。
相席したおじさんが「山の人ですか?」と話しかけてきたので、おしゃべりをしながら食事をすることになる。缶ビールは1缶のつもりが2缶になってしまった。

酒田の方というので「鳥海山がとてもよかった」という話をしたら、もう30回くらい登ったという。さすが地元の方。地元の山があるっていうのはいいことだ。
もう仕事はリタイヤしているとのことだが、50を過ぎてから登山を始め、北海道や九州へも車で行ったという。
昨年、白馬に行って北アルプスの景観に魅せられ、それ以降、通い詰めているらしい。
私は反対に、東北の山に魅せられた方だけど。
今回は立山を登る予定で、「剱まで行けるかなあ」と話していた。

こちらは疲れと満腹と酔いで沈没寸前。
ごちそうさまをして、宿のご主人と軽く立ち話。
剱は御前小舎からなら1日で楽々往復できる。ハシゴの渋滞も大したことないという。
今日は剱はずっと天気がよかったし、行けばよかったかなあとも思ったが、行ったら、明日は今日の行程を歩いた後、列車を何度も乗り継いで、所沢まで帰らなければいけない。

これでよかったんだと思い直し、足が伸ばせるベッドに横たわる。
剱は改めてやはり早月尾根から、きちんと登ろう。
3日にわたる立山の旅は、これにて終了。
あすは富山地鉄の乗り鉄をすることにしたので、朝5:39の始発で出発する。
おやすみなさい。

(完)
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コメント

ロックガーデン、綺麗な滝
・・・北海道ではなかなか見れない景色ですね。羨ましい!

  • 2012/12/10(月) 16:40:11 |
  • URL |
  • ひろさん #-
  • [編集]

Re: タイトルなし

北海道の景色もすばらしいので、来年も3回くらいは行きたいなあ。

まずは洞爺湖のなんとか山だよね。なかなか覚えられまへん。

  • 2012/12/10(月) 21:42:43 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

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