権現岳(2715m)からの下り、木戸口でランチ休憩中。
これまで休憩タイムや雪中行軍で時間を食い、出発時30分の貯金があっという間に、30分の借金に変わっていたが、昼食の時間が短かったので、それでかなり取り戻した。

ただ、たとえ遅れても、そもそも1時間の余裕を見ているので全然平気なのだ。
20分ほどの休憩で出発。ここからは長い長い下りだ。

黒い花びらのようなキノコくん。

富士見高原というか下界も見えてきた。

標高が下がり、陽も高くなって、気温もぐんぐん上がってきた気がする。

振り返っても、もう権現岳は見えにくい。

シャクナゲが咲くのは、あと2週間くらい後かな。

背の低いササ原に出た。

ちょっと開放的だ。

白骨の倒木が目立つ。

富士山はすっかり霞んで、もうほとんど分からなくなってしまった。

木戸口から10分ほどでヘリポート跡に到着。

ここも絶好のビューポイントだった。

雲海はようやく、少しずつ崩れてきた感じがする。

東から北にかけては、まだまだだけど。

金峰山(右、2599m)などは雲海に沈んでしまいそうだ。

雪渓が美しい甲斐駒(2967m)。

昨年登った仙丈ヶ岳(3033m)。

雄々しい北岳(3193m)。

鳳凰三山のうち、観音岳(左、2780m)と地蔵岳(中央、2764m)。右は高嶺(2779m)。

ここでまたまた休憩。

でも、休み休みがいいのだ。

とは言え、そうそうちんたらもしておられず、10分ほどで出発。

まだまだ傾斜はそれなりにある。

ただ、路面がカラマツの落葉のクッションがあるので、膝に優しい。

どんどん下っていく。

ときどき緩やかになるので、歩きながら休める。

コメツガ。

「○○山岳ガンバレ」だろうか。でも「○○山岳」って何だろう。

こういう古い看板があちこちで倒れていた。

デカい瘤だこと。顔にも見える。

笹すべりと呼ばれるあたりに差しかかった。

しばらくササ原が続く。

勾配は必ずしも緩くはない。

時々、緩斜面もあるけれど。

そう言えば、大戸口のピークはなぜ「公園」と呼ばれるのだろう。

「山と高原地図」にも「木戸口公園」と書いてあったけど。

このあたりで2000mを切った。

だいぶ、緩やかになったので、H君やY君もそれほど苦労していない様子。

すべて順調だ。

みんな離れずに歩けている。

ただ、私の場合、昨日の雨で濡れた靴が乾き切っていなかったので、さっきの雪道歩きも加わって、靴下がびちょびちょ。

かなり気持ち悪い。

とりあえず、延命水までは我慢しよう。

途中、編笠山の登山道と同様、「雲海」という地名の場所があった。

さっきも雲海がこのあたりまで迫っていたが、地名も「雲海のたどり着くところ」というようなことに由来するのだろうか。

真っ白なキノコくん。

このあたりで再び、トレランのカップルとすれ違った。流行っているなあ。

カラマツ林の中を黙々と下る。

根元には鹿除けの網が巻かれていた。

林床は相変わらず、背の低いササだ。

12:45頃、延命水(「山と高原地図」では金命水)との分岐に到着。

近くにあったら行ってみようかと思ったが、数十m歩いても見えなかったので、すぐ引き返してきた。

「飲用不適」とも書いてあったし。

不思議な溶岩の痕跡。

ヘリポート跡から40分ほど歩いてきたので、ここで小休止。

私はここでスパッツを外して、靴下を履き替えた。
昨日の汚れた靴下が乾いていたので、これに靴の水分を吸わせ、風呂上がりに気持ちよく靴を履けるようにする作戦だ。
これはうまくいった。
ここで、小淵沢タクシーに電話をかけて、午後2時に観音平に来てくれとお願いしたら、「下山の予約は受け付けていない」とのこと。
そんなタクシー会社は初めてだったが、きっとマナーの悪い登山者に何度も痛い目にあっているのだろう。
タクシー会社を責めるわけにはいくまい。
ここは10数分で出発。

10分ほど下ったら、八ヶ岳横断歩道と交差した。

この交差点を右折し、山腹をトラバースしていく。

交差点近くに八ヶ岳神社があるのかと思ったら、もう少し下だったみたいだ。参拝したかったのに、ちょっと残念。

この先はかなり下ってから、最後に50m登らないといけないが、それが憂鬱のタネ。

でも、しばらくは平らな道で、M君など平らな道のありがたみを実感。

「これなら、いくらでも歩ける」とつぶやいていた。

ここは標高1580mほど。

しばらく下りかと思ったら、登りもあるではないか。

八ヶ岳横断歩道も意外にアップダウンがある。

しかし、よく整備されているので歩きやすい。

そして、ここが最長の下り。

谷底に炭焼き小屋のような廃屋を発見。

縄文時代の竪穴住居跡にも見えた。

沿道には有毒のハシリドコロやタチスボスミレが咲いていた。


かなり下ると

車が通れそうな道に出た。

左折すると鍵掛松方面。

我々は直進する。

その先で涸れ沢を渡る。昨日はかなり流れていたのだろうか。

さあ、登り返し。

このあたりもササ原だ。

ケルンに励まされて、最後のひと踏ん張り!

(つづく)
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