山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

芽室岳

10月27日に母校の同窓会があり、札幌へ帰省した。
翌日、N君と芽室岳(1754m)に登る約束をしてある。
彼は2次会終了後、「明日があるので」と言って、スパッと帰った。
いつも動けなくなるまで飲んでいたN君の、この変わりように驚く。
こちらは、せっかくの札幌を思う存分満喫したく、もう1軒。帰宅したのは12時になってしまった。

翌朝、彼は約束の5時きっかりに迎えに来た。彼をこれだけ行動的にさせる「山」とは一体何なのか。自分のことを棚にあげてそう思う。
まだ、外は真っ暗。途中のコンビニで食料を調達し、高速に乗る。
天気予報は十勝までは曇のち雨、釧路地方は晴のち曇だったので、天気次第では雄阿寒まで足をのばすことも想定していた。

でも、高速から見た日高方面の稜線は真っ赤な朝焼けを背景にくっきり見えていたので、予定通り芽室岳に行くことにした。
芽室岳は日高山脈の北端にある山なのだ。

しかし、途中トマムのあたりで濃い霧が立ちこめてきた。
十勝平野に下りてからはだんだん晴れてきたが、すっきりとした青空にはならない。
清水インターから20分ほどで、登山口に到着。
DSC_9369.jpg
ここには小さな山小屋(「山小屋芽室岳」)があり、宿泊者が3人ほどいた。
前日正午から登って、午後5時20分に下山、ここで夜を明かしたようだ。
前夜、小屋に泊まって、早朝から登るというパターンはよくあるが、めずらしい登り方だ。
でも、酒を飲むなら、前夜より、下山してきてからの方が安全だし、おいしかろう。
窓には飲み干したワインの瓶があった。
窓を開け放しているのは、室内にある薪ストーブを焚いたので、暑くなったからだろう。

こちらも準備をして7:35に出発。山頂までは5.7kmの道のりだ。
DSC_9376.jpg
熊を警戒して、鈴は2つ付けている。

まずは川を渡る。
DSC_9377.jpg
N君との山行は今月(10月)3回目だ。

しばらくササの道を行く。
DSC_9380.jpg

紅葉はほぼ終わっている。霧は晴れたが、それほど、すっきりした天気ではない。
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傾斜は徐々にきつくなり、樹林帯の尾根をひたすら登る。
振り返ると、川向こうの山の山頂が姿を現し、期待を抱かせる。
DSC_9394.jpg

こちらにも時折、日が差し、気分を鼓舞してくれる。
DSC_9398.jpg
結果的に、それは叶わなかったが。

それにしても、ほとんど展望のない単調な道である。
1時間ほどで、2.7km歩いてきた。順調なペースである。
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しかし、依然としてササの中。
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歩き始めて2時間近く。標高1200mくらいのあたりから、雪が目に付き始めた。
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対岸の東側の尾根は厚い雲の流れの中に入り、心に暗雲が立ちこめる。
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こちらもガスってきた。
DSC_9417.jpg

一瞬、山頂方面の展望が開けた。
DSC_9415.jpg
パンケヌーシ岳との分岐あたりのコルは晴れているが、その左、山頂方面は雲の中だ。
晴れてくれるといいのだが、天気は下り坂なので、たぶん無理だろう。

ササが終わるとハイマツ帯に入る。
DSC_9427.jpg

そして、標高1400mあたりから、登山道が雪道になってきた。
DSC_9428_20121106201652.jpg
小屋にいた方々が、アイゼンは必要ない程度と言っていたのは、昨日は暖かかくてシャーベット状態だったからだろう。でも、今日は凍っていて滑る。
私はチェーンアイゼンを、N君は軽アイゼンを装着した。

「誰かが滑って転んだのか、血の痕がありましたよ」
と、さっきの人が言っていた通り、雪の上に血痕があった。
最初は派手に転んだもんだなあ、などと思ったが、その血痕が点々と続いている。
人間がこんなに血をたらしたまま歩くだろうか。
疑問に思いつつ、先を急いだが、帰りにもう1回、注意深く見てみたら、あたりにシカのものらしき足跡がたくさんあった。
おそらくシカが滑って転倒し、尖った木の切り株なんかが刺さってしまったのだろう。
大事ないといいが。

だんだん冬山の様相を呈してくる。
DSC_9430.jpg
DSC_9435.jpg

10:45、パンケヌーシ岳(西峰、1746m)への分岐(1690m)に到着。
ここまで3時間10分かかった。標準タイムは2時間40分なので、やや遅れ気味。
かなり凍った雪道に難儀した。

分岐でN君がこっち(左)でいいのかなあと首をかしげる。
DSC_9437.jpg

左は、ハイマツが不規則に生えていて、きちんとした登山道には見えない。
でも、地形図的には間違いないし、踏み跡もしっかりしている。
「大丈夫だと思うよ~」
と答え、そのまま進む。

途中、山頂への稜線が一瞬姿を現したが、ほんとに一瞬だけだった。
DSC_9440.jpg
奥に見えるピークは山頂直前のニセピークだが、あの日に、この写真を撮れたのは貴重だ。

ハイマツをまたぎながら、やっとこ出た稜線はやはり背の高いハイマツ。
DSC_9445.jpg
これをさらに30分ほど登る。視界はほとんどなく、風が猛烈に強い。

ここが分岐から頂上への中間地点。
DSC_9449.jpg

そして、目前に霞むのが頂上。
DSC_9454.jpg

11:15登頂。所要3時間40分。
DSC_9458.jpg

ここからは日高山脈の峰々が雄大に見えるはずなのだが、全く何も見えない。
しかも、強風がひっきりなしに吹きつけ、数分と留まっていられない。
N君の写真だけ撮ってあげて、早々に退散する。
なんだか悲しい。

お昼は分岐あたりまで下って、風のないところで食べることにして、下り始める。
途中、風が雲を吹き飛ばして、青空が覗くこともあったが、これまた一瞬だった。
DSC_9463.jpg

慣れない手袋などはいていたものだから、カメラのフードがゆるんでいるのに気づかず、どっかで落っことしてしまった。
頂上から10分くらい下ったところで気づき、少し戻って探してみたのだが、見つからない。N君と離れてしまい、心配させると悪いので、諦めることにした。

急いで下ると、N君は中間地点の岩場で着替えていた。
彼はどんなに寒くても汗をかくので、下着からすべて替えないといけない。
この寒さで汗が冷えるのは危険なので、仕方ない。
「こんなに寒いんなら、おれは冬山は無理だ」
と、ぼやいていた。
そのくせ、翌週は然別湖に近い白雲山と天望山に行ったらしい。

12時前に分岐に達し、そのすぐ下の登山道で昼食。
私はおにぎりと、昨日の同窓会で配られた引き出物のお菓子。
彼は温かいカップヌードル。うらやましい。
飛行機にはガスカートリッジを乗せてくれないのだ。

12:25出発。すっかり冷えてしまった。
ここからは延々と標高差1000mを下らないといけない。
前半は凍った道で危ないので慎重に。
まずは私が先に歩いた。

しばらくして交代すると、N君のザックにくくりつけていたストックが1本足りない。
彼もどこかで落としてしまったようだ。

しかも、彼も私も下りで2回スリップして尻もち。
N君は雪がなくなっても、滑り止めにアイゼンを付けたまま下ったが、それでも滑ってしまった。

やっと、ササのカットしているところまで下りてきた。
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標高差1000mを1人で下るのはきついが、誰かと一緒だと、こんなに楽なのかと驚いた。
14:15、登山口に到着。6時間40分の山行でした。
DSC_9498.jpg
めずらしく自画像。

天候にも恵まれず、落とし物もして、転倒2回という散々な結果。これが1人だったら、がっくりしたろうが、仲間がいると全然違う。不思議なものだ。

芽室の日帰り温泉「鳳乃舞」で汗を流し、道東道を飛ばして千歳へ。
千歳はN君の住まいのある街なので、おいしいラーメン屋に連れてってもらい、みそを食べた。確かにうまかった(写真はありません)。

N君には空港まで送ってもらい、バイバイ。
彼の車がなかったら、東京から来て、芽室岳など登れなかった。感謝、感謝です。

だが、この日、午後9時発のSKY730便は機材遅れのため、30分の遅延。
羽田に着いたのは11時を過ぎており、自宅のある所沢まで帰れなくなってしまった。
仕方なく、独り暮らしを始めたばかりの娘のアパート(明大前)に泊めてもらい、翌朝、所沢に帰って、銀座に出勤するという強行軍。

山は下山しただけでは終わりません。
翌日、出勤するまでが登山です。
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コメント

お久しぶりです!

おつかれ山でした/(^o^)\
北海道の山って私、羅臼岳しか登ったことありませんが、標高1500mからダケカンバが出て来たんでビックリしました。
標高の低いところから高山のようで得した気持ちになりますよね。
しかし…、最後の最後に東京まで来て遭難するとは(笑)
娘のアパートにビバークしたら、クマより恐い彼氏に遭遇したなんてオチも有りだったかもねっv-8
いやいや、強行軍おつかれ山でした。

  • 2012/11/06(火) 20:53:32 |
  • URL |
  • おつ山 #-
  • [編集]

Re: お久しぶりです!

わあ、ご無沙汰してます。
読んで下さってありがとうございます。

ほんと、遭難ですよねえ。娘の家には、クマはいませんでした。
クマ鈴が効いたのでしょうか。

ここのところ、わりとのんびりした週末を送っています。
来週も山はお休みで、碓氷峠の廃線跡を歩いてきます。

おつ山さんとも、いずれお目にかかりたいです。

  • 2012/11/07(水) 12:30:46 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

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