山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

大菩薩峠山行3

大菩薩峠に来たのは、これで3回目だ。
1度目はもう30年近く前の学生時代、塩山から自転車で登ってきた。
上日川峠まではふつうに車道が通じているので、乗ってこれたが、たぶんそこより上は「押し」だった。
きっと、帰りは来た道を乗って下りたはず。

あの頃は、マウンテンバイクなどというものはほとんど流通していなかったので、ふつうのサイクリング車である「ランドナー」だった。
ランドナーはマルチな自転車だった。オフロードからキャンピング、草レースまで全部これで走った。

登山道に分け入ることは、そんなに多くなかったが、高みを目指したいという気持ちは強かった。
自転車は基本的に道路を走るものなので、山の頂上にはほとんど行けない。
だから、我々にとって、ふつうに行ける高いところは、道路の峠だった。
大菩薩峠はその延長だったのだと思う。

当時、乗鞍まで自転車をかつぎあげたことがある。乗鞍スーパー林道で畳平に出て、そこからは押しとかつぎだった。3026mの頂上で自転車とともに写真を撮った。
高い所に行きたいだけなら、畳平に自転車を置いて、そこから歩けばいいだけなのだが、当時は自転車と一緒でなければ意味がなかった。
だから、本格的に山をやることはなかったのだろう。

前置きが長くなったが、2度目は昨年6月。猛暑だった。

今日(15日)は冬。雪はほとんどないが、気温は低い。マイナス10度だ。
朝は、5時45分に目が覚めた。
朝食もおいしい。なめこ汁があったかくて、おいしかった。

食後、ご主人の案内で日の出を見に出たが、あいにく東の空は雲に覆われ、ご来光は拝めなかった。
でも、細かくどれが何山と教えてくれた。
雲取から続く石尾根の峰々である七ツ石、鷹ノ巣、六ツ石。その背後に川乗山。右には高水三山、さらに右に目を移すと御前山、大岳山、三頭山の奥多摩三山に権現岳。遠く、筑波山も。
肉眼では見えなかったが、望遠レンズでスカイツリーも確認することができた。
DSC_1137.jpg
(左の山のピークのすぐ右上あたりに、鉛筆のような影があるの、分かりますか?)

さて、今日は小金沢連嶺を縦走する。
小屋を7時に出発。すぐ樹林帯に入り、熊沢山(1978m)に登る。
登山道は頂上直下をトラバースしているが、ピークに続くと思われる踏み跡があるので、そちらに行ってみる。

東京都水道局の杭が、二つのピークに打ち込んであり、このどちらかが頂上なのだろう。
山頂を示す標柱、標識らしきものは何もなかった。

下ると、一面のササ原で視界が開ける。真正面にどど~んと富士山が見える。
手前に三ツ峠山を従えており、さすがに威厳に満ちている。
DSC_1186.jpg

下りきると石丸峠。小さなピークを一つ巻いたところが牛ノ寝通りとの分岐。
ここから1957mと地形図にある無名のピークを正直に越えて、狼平に下る。
このあたりまでずっとササ原で見通しがいい。

小金沢山(2014m)への登りは再び樹林帯に入る。北斜面の道には雪が解けずに残っているが、南斜面はきれいに消えている。つまり、北から南へ歩いている私は、登りのみ雪道ということになり、アイゼンなしでも歩ける。
しかも、いつも正面に富士山。我ながら頭のいいコースどりだ。ふつうか。

8:15に山頂着。ここで、先に出発していた単独行女性に追いついた。
「とろとろ歩いているんで、お先にどうぞ」
と言われたけど、こちらも少し休みたい。
「はい」と言いつつ、写真を撮り続けていたら、先に行ってしまった。
このあと彼女の姿を見ることはなかった。急がせてしまったかなあ。

小金沢山の頂上は立ち枯れした木が目立つ。眺望は北側以外はだいたい見渡せる。
腰を下ろして、水筒のお湯を飲んだ。
DSC_1248.jpg


実は時計代わりにしていたスマホが電池切れになってしまった。
前回、丹沢の小屋に泊まった時、あまりの寒さに電池切れになってしまったので、今回は電池式の充電器まで持ってきたのだが、これが全く役に立たなかった。

遭難した時に困るのは当然として、時計がなくなってしまったのが痛い。
人通りの多い山なら、人に聞くこともできるが、今回はまったく希望がない。
弱っていたら、ICレコーダーがあった。これが時刻を表示してくれるのである。
時間合わせはしてなかった(やり方を忘れた)けど、実際の時間とほぼ2時間半の時差があることが宿で確認できたので助かった。
小金沢山の頂上に立ったのは、10:45だったわけだ。

次のピークである牛奥ノ雁ケ腹摺山(1990m)には9時着。
それにしても長い名前だ。「うしおくのがんがはらすりやま」。漢字で8文字、カナで14字。ちゃんと調べたことはないが、おそらく全国で最も長い名前の部類だろう。

このあたりに雁ケ腹摺山という山が3つある。
頭になにも冠さない本家?の雁ケ腹摺山(1874m)と、笹子を冠する笹子雁ケ腹摺山(1358m)。
本家は、頂上からの風景が旧五百円札の裏のデザインに採用されたことでも有名だ。

名前は、山が高くガンが腹を摺るように移動することに由来するという。
しかし、たかだか10kmほどの範囲に、こんな複雑な名前の山が3つもあるのはなぜだろう。

①その昔、ある一つの山にその名が付いたが、他の山と混同されるようになった。
②その昔、ある一つの山にその名が付いたが、それを真似て、地元の山に付けた人がいた。
③あのあたりの山を総称して、そう言っていたが、その後、区別されるようになった。

なんて理由が考えられるだろうか。

腹摺に限らなければ、この地方には、本当に「雁」のつく地名が多い。
「雁坂峠」「雁峠」「雁道」「雁丸尾」などなど。
このあたりが、ガンの渡りの経路にあたっていたことは間違いないのだろう。

腹摺山からの下りは見晴らしがいい。下りきったササ原が賽の河原。
ここは東西に視界が開けており、それぞれ奥多摩の山々と南アルプスが望める。
左から御前山、大岳山、三頭山の順に並んでいた奥多摩三山のうち、大岳山は三頭山の陰に隠れてしまった。

またまた北斜面の樹林帯を登る。次は川胡桃沢ノ頭(1940m)。このあたり倒木が多い。
ひとつ、腹摺になって倒木をくぐらないといけない場所があり、かなり消耗した。
この山の登りがこのコースでは一番きつかった。

次のピーク黒岳までは樹林帯の中のなだらかな道。
眺望もないので、写真を撮る必要もなくピッチがあがる。
黒岳には9:55着。

頂上は直径30mほどの木が切り払われており、土饅頭状になっている。
めずらしく眺望はない。
にもかかわらず、小休止。あんパンを食べる。

なんと水筒の水が凍って、シャーベット状になっていた。
リュックの中のペットボトルの中のミルクティーも。
つねに揺らされていて凍りにくいはずなのに、かなり気温が低いのだろう。

黒岳から下ったところに、広葉樹の美しい疎林があった。
DSC_1322.jpg
見取れて写真を撮っていると、「やまなしの森林100選」の看板が。
やはりなあ。

ここからひと登りで白谷丸。ここは奇岩があちこちに露出しているだけでなく、東から南、西への大パノラマが開けている。このコースの中でも抜群の眺望だ。
東の奥多摩三山は、大岳山が三頭山の右に位置を移し、大月周辺の山も一望のもと。正面には富士山が一段と近づき、その前山が三ツ峠山から西へ御坂山塊、毛無山へと連なる。
DSC_1347.jpg
そして西には甲府盆地の向こうに壁のような南アルプス。さらに視線を右に移すと八ヶ岳が雲を散らしている。

ここから、左に崩落した白いザレ場を見ながら、急な坂を下ると湯ノ沢峠(1652m)である。

(つづく)




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