山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

三頭山・笹尾根

飯豊連峰縦走による心身にわたる疲労のため、翌週は日帰り登山にとどめた。
というわけで、9月9日は、奥多摩三山のひとつ三頭山(1531m)である。

山歩きを始めた頃、三山のうちの二つ、大岳山(1267m)と御前山(1405m)はたて続けに登っているが、三頭山だけが残っていた。
ふもとに広がる都民の森へのバスが出ているうちに行ってしまうことにした。

新所沢を6:54発の電車で出発。
8:22発の都民の森行きバスに乗るには、6分前に武蔵五日市駅に着く電車があったが、それではバスに座れないと思い、1本前ので着くようにした。
それだと20数分も待たなくてはいけないが、やむを得ない。

バス停に着くと、案の定すでに20人近くの人が並んでいた。みなトレランの人だ。
バスは結局2台増便され、3台で出発。それでも座れない人がいたようだ。
奥多摩ではこの日、自転車レースがあるらしく、檜原街道は一般車通行止め。
バスは誰も走っていない道を悠々と進んだ。
沿道にはこれから始まるレースを見ようという沿線住民や警備の警察官などがあちこちに立っていた。

都民の森への道はかつて有料道路で、学生時代に私も自転車で登った。
奥多摩湖は学生時代何度も来た懐かしい場所である。

都民の森には9:20頃に到着。駐車場は自転車レースの開閉会式場になっており、すでに表彰式が行われていた。
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(あれ? レースはこれからなんじゃないの? こんな早い時間にもう終わってるの?)
と疑問に思ったが、レースはいくつか行われるらしい。

体操をしっかりして9:30に出発。最初は園内の舗装道路。
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鞘口峠までの中間地点、森林館の手前で以前来た時と別の道を歩こうと、左に折れて「大滝の路」に入ったが、よくよく地図を見るとかなりと遠回りになりそうなので、100mほど歩いたところで引き返す。

沿道にはあまり見慣れない高山植物?があった。
ツリフネソウというのは初めて見た。あまり高山では見かけない。
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ここでも、今年の夏にクマが目撃されたようだ。
私はこれだけ毎週、山に行っているのに、まだ一度も見たことがない。
絶対数はかなり少ないのだろうし、向こうも人間を恐れているから、めったに人前には出てこないのだろう。ただ、警戒はしなくてはならない。

鞘口峠(1142m)への登り、段差の大きい階段のあたりで、数人のおばさんを抜かした。かなりのスピードで歩いてしまい、これがずっと後に響くことになる。
動悸が激しくなって、なかなか治まらず、まともに歩けない。
峠まで25分。ペースとしては普通なのだが、もう休まないではいられない状態だ。
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ザックも飯豊の時と比べると重さは4分の1で何も背負ってないに等しいのに。

鞘口峠から左に折れて、三頭山に向かう急登では
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とうとう、お腹も痛くなり、何でもない道端に腰を下ろしてしまった。
端から見たら、この人、こんな序盤でもう疲れ切っているのか、というのがあからさまに分かる状態。
とうとう、初心者風の女性を連れたカップルにも抜かれてしまった。

三頭山まで登山口から標準で1時間半、標高差500mほど。
このくらいの登りなら、普通は休憩などとらないのだが、格好つけてもいられない。
とにかく栄養補給のため、ビスケットをかじる。

10分くらいで立ち上がる。わりと傾斜が緩やかになったので
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呼吸を整えながら、時間をかけて歩いているうちに、多少元気が出てきた。

地図がよく分からず、見晴らし展望台というところに行きたかったのだが、下の道を巻いてしまい、左から合流してきた道を登る。
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展望台からは、大岳山(左)と馬頭刈山(双耳峰のうち右のピーク)が見えた。
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このあたりは都内でもめずらしいブナがまとまって生えているところだそうだ。
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何とか回復してきた体で、三頭山の東峰(1528m)には11:00に到着。
ここには展望台があり、御前山も望めた。
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自分が登った山を眺めるのは悪くないものだ。

ここでは休憩せず、先に進む。数分で中央峰(1531m三頭山最高地点)。
ここは展望がなく、標柱点があるのみ。
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すこし下ると、ベンチがある。
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ここで昼食とする。となりのベンチにいた単独の男性が、私の来た道を指さし、「あちらはどこへ行くんですか?」と聞くので、地図を示しながら、「東峰を経て鞘口峠です」と教えてあげた。

コンビニのおにぎりを2個食べて、11:20に出発。
急坂をひと下りで御堂峠。下った分と同じくらいの標高差を登ると西峰(1525m)。
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標高は低いが、こちらの方がメインの頂上のようだ。
場所も広く、あちこちの展望が開けている。
頂上にアンテナが立つ三ツ峠山
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中央やや右よりが黒岳、その手前右が滝子山
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御正体山
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左から鷹ノ巣山、城山、六ツ石山。中央奥は三ツドッケ(天目山)。
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肝心の富士山が雲に隠れて見えない、残念だなあと思っていたら、頂上がほんの少しだけ雲の上に覗いていた。
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さすがに富士山は高い。

写真だけ撮って大沢山方面に下ると、次から次に人が登ってくる。
たぶん同じバス団で登ってきて、三頭大滝経由で来た方々だろう。
こっちのコースの方がスタンダードのようだ。
石段や木の階段を下りきると、ムシカリ峠。
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このすぐ先に三頭山避難小屋がある。
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都立だけあって立派だ。ただ、このあたりは交通の便もよく首都圏からは完全な日帰り圏。
ここを利用して、縦走する人はほとんどいないだろう。
ただ、突然の雨に降られた時とか、文字通り緊急避難的に利用する人は少なくないらしい。
中に入って、ノートをめくってみると、「急に降ってきたので助かった」という記述もあった。
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昭文社の山地図(2001年版)には水場の印があったが、それらしきものは見当たらなかった。

ここから、ひと登りで大沢山(1482m)。11:55到着。
表示には「大沢峠」とある。
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ベンチには高齢の男女3人が腰掛けて食事をされていたので、写真だけ撮って通過。
ここからは富士の展望がいいらしいが
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樹木が成長してしまったのと、今日は雲のため、残念な景色。

ここから標高差約300mの下り。ゆっくり下る。
途中、休憩がてら腰を下ろして、靴ひもを直していたら、さっきの老人たちの声が。
すごい速さだなあ、とびっくりして。こちらも立ち上がる。

下りきったクメケタワからは、ほとんど平らな道が続く。
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しかし、油断すると、すぐあの老人たちの声が甲高く聞こえてくる。
あんなに大声でおしゃべりし、笑いながら歩いているのに、すごいペースだ。
こっちも決して、ゆっくり歩いているわけではないのに。

それにしても、大沢山より先はすれ違うのはトレランの人たちばかり。
奥多摩は半年留守にしている間に、トレランの山に成り代わってしまったのか。
思ったら、途中、こんな標識が。
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ははん、ここで毎年、山岳耐久レースなるものが開かれていて、みんな下見や練習のために走っているのだな。
それなら、まだいいんだけど。

途中、上野原方面に分岐する道があり
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ここまで来たのなら、槙寄山はすぐそこのはずだが、道はトラバース気味に続く。
もしかして、登山道は微妙に頂上を避けているのかもと思い、道をはずれて尾根を行くが、ピークらしきものはない。
おかしいので、一旦道に戻り、しばらく進むと、もう1回、上野原への道が出てきた。
ああ、これが地形図にある道だったんだ。さっきのは地図にない道だったようだ。
安心して、このまま進む。

槙寄山(1188m)への最後の登りであえいでいると、またまたあの声が聞こえてきた。
相変わらず元気だ。こちらは何とか抜かれないよう、頑張って先に登頂。12:50。
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ベンチで休んでいるうちに抜かしてもらおうと思っていたら、彼らは本当に休憩もせず、通過して行った。すごい方々だ。

ここまでの尾根道はずっと樹林の中で展望はなかったが、ここは南側が開けている。
残念ながら、やはり富士山は見えない。
でも、正面に権現山が見えた。
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ここで休んでいた青年から「ライターありませんか」と聞かれた。
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普段なら持っているのだが、今日は超軽装で来たので持ってない。
たばこのためなら仕方ないが、コンロに火が付かなくて必要なのなら、お困りのはず。
大丈夫かと聞いたら、別の食べ物もあるので、とのことだった。

こちらは行動食を食べて、13:05に出発。
標高差30mほど下ったところが西原峠。ここは十字路になっており、右に下れば上野原の郷原、左に下れば檜原村の数馬。いずれもバスの便がある。
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この先はさらにさみしくなり、ところどころ夏草が道を覆っている。
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ただ、高山植物も多い。低山に見られるものなのだろう。
名前の分からないものも含め、フシグロセンノウ、ヤマアジサイ、ハンショウズル、ヤマユリなど。
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上野原の田和に下る分岐で再び南側が開けた。
ここからは権現山の尾根の向こうに、富士山が今日もっともよく見えた。
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山地図では、ここから先2つ目のピークに笹がタワ峰1157mとある。
道はどうやら巻いているので、適当なところで尾根によじのぼり、尾根筋を歩いて、テープか木の看板に彫られているであろう「笹がタワ峰」の文字を探す。
しかし、小さなピークを3つ越えてみたが、いずれにも表示はない。
しかし、これらのどれかだったのであろうと判断し、笹がタワ峰は登ったことにする。

途中、再び南側が開け、今度は丹沢方面が見えた。
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間もなく上平峠。
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ここでトレランの人が休んでいたので、さっきの疑問について聞いてみた。
やはり、今年も10月にレースが開かれるとのことで、みな練習しているようだ。
「私なんて全然走れません。今日もこれから三頭山まで行こうかどうか迷っているところです」と話していたが、確かに現在2時前、随分お疲れの様子なので、厳しいかもしれない。

しばらく行くと巻き道の脇に尾根に登るわりとしっかりとした踏み跡があり、急がなくてはいけないのに、気まぐれを起こして、尾根に登ってしまった。
すると、その先の小ピークに看板が下がっている。
おやおや、ひとつ「登った山」を儲けたかなとほくそえんだら、なんと「笹ヶタワノ峰1121m」と書いてあるではないか。
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山地図め。間違えやがって。でも、私が持っているのは11年前のものなので、後日、本屋で最新版を確認したら、正しい位置に「1121m」として書いてあった。
誰かが指摘して、訂正されたのだろう。
気まぐれを起こさなかったら、この事実は永遠に知らなかったであろう。よかった、よかった。

気をよくしたものの、私もかなり疲れてきた。やはり本調子ではない。
予定だとこの先、浅間峠まで行って、檜原村の川上乗に下るつもりだが、標準タイムで3時間半かかる。バス停に着くのは5時半になってしまう。
とても15:59のバスには間に合わない。
だが、登った山を稼ぐため土俵岳にも行くには浅間峠まで行かないと下る道はない。
とにかく進むしかない。

この稜線は笹尾根と呼ばれるが、やっとその名にふさわしく林床がササになってきた。
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このあたりずっと1000~1100mのなだらかな稜線を歩いてきたが、ここから100mを一気に下り、笛吹峠にいたる。
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大日様の道しるべの脇をトレランの人が行く。

この先、丸山へまた100m登り返さないといけない。これがきつかった。
その証拠にこの間の写真が1枚もない。
道はどんどん巻いていくので、どこかでまた尾根へよじのぼらないといけないと思っていたら、ピークへの分岐が出現。助かった。
丸山(1098m)には14:30に到着。三角点に腰を下ろして、パンを一つかじる。
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尾根沿いに下り、巻き道と合流、また一気に下る。
小棡(こゆづり)峠は1035m。ここから、登り下りを1回やって、残りのおにぎりを食べながら、標高970m程度の平らな道を行く。
笹尾根らしいササの道だ。
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土俵岳(1005m)は2つ目のピーク。
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現在、15:10。残りの道のりは1時間50分。到底予定のバスは無理。
休むところもないし、そのまま通過する。

一気に100mほど下ったところが日原峠。ここにはお地蔵様がいた。
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山地図には、ここから檜原側に下る道はなかったが、「←人里(ヘンボリ)、笛吹(ウスシキ)」(代表的難読地名)と書いた道標がある。
地形図の方を見直すと、こちらには道が書いてある。
「水場5分」との標識にも誘われ、ここからエスケープすることにする。
この先、浅間峠まで45分の行程はかなりのアップダウンがある上に、名のあるピークはない。こだわる必要はないのだ。

エスケープの道はやはりほとんど登山者には歩かれていないようで、路面も悪く細い。
でも標識通り、5分ほどで豊かな水場に出た。
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喉を潤す。疲れているだけに、五臓六腑にしみわたる感じだ。
ペットボトルにも補給し、顔を洗って出発。

ほどなく、人が大声で何かを読んでいる声が聞こえ、何かと思ったら、猟銃を持った人が登ってきた。
「犬を見ませんでしたか」と聞く。「いいえ」
「ああ、鈴つけてもらった方が本当はいいんですよね。まさにこのあたりにクマがいるんですよ」
「すいません。そのクマの駆除ですか?」
「いや、シカとイノシシです」

この日はいつもとザックが違うので鈴を移し忘れていたのだ。
でも、クマに遭遇しなくてよかった。
それにしても、もうくたくた。とうとう道端に腰を下ろして大の字になってしまった。
腰が痛い。
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この道は登山道というより、山仕事の作業道のようで、歩きやすい勾配に付けてあるが、どこまでも続くのではないかと思うほど長かった。

それでも16:10、街道に出ることができた。
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ここから30分ほどバス停まで歩かないといけない。

とにかく汗が激しいので、歩道の縁石に腰掛け、汗をぬぐい、残りのパンを食べる。
再び歩き出したところで、15:59の次のバスが行ってしまった。
運転手さんに「乗せてもらえますか~」と合図を送ったが、手を横に振られてしまった。
お客さんもほぼ満員で、ここは自由乗降区間ではないらしい。

16:45バス停着。次のバスは17:10。
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まあ、そんなに先ではない。トイレに行ったり、メールを打ったり、体操したりしてバスを待つ。
ちょうど17:10トレランの人がバス停に着いて、バスに飛び乗った。
すごい、ギリギリセーフだ。

バスはなんとガラガラ。さっきのバスがすべて片づけてしまったようだ。
武蔵五日市駅に17:40着。44分の電車に乗る。
汗くさいのか、誰も近くに寄ってこない。隣に座っても間もなくすると別のところへ移動する。7時過ぎ帰宅。

今日の笹尾根コースはほとんど樹林帯で面白みに欠けたとはいえ、あの疲労感はおかしい。
ほとんど空身に近いのに、飯豊でも感じなかったくらいに疲れた。
これは飯豊の後遺症だろうか。それとも、単純に序盤の失敗のせいだろうか。
しかし、それがそんなに後を引くものだろうか。
などと、うだうだ考えたが、この日はいずれにしろ20㌔以上歩いたのだ。
疲れないわけはない。

忘れていたが、最後にコースタイムを。
都民の森入口(9:30)~鞘口峠(9:55)~(休憩10分)~三頭山(11:05昼食15分)~大沢山(11:55)~槙寄山(12:50休憩15分)~笹ヶタワノ峰(13:55)~丸山(14:30休憩5分)~土俵山(15:10)~檜原街道(16:10)~(休憩10分)~上川乗バス停(16:45)【歩行6時間25分】
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