山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

坊ガツル(上)

【2017年3月13日(月)】坊がつる
30年勤続休暇なるものを消化しないといけない事態になっている。
今の部署は月の半ばが比較的ひまなので、この機会に思い切って、九州の山に行くことにした。
九州の山と言ってもいろいろあるが、霧島は3年前に行ったし、阿蘇は学生時代に行ったことがあるので、九重連山に決めた。
3泊4日の休みを取ったので、九重のほかに、由布岳や国東半島の両子山も登ってしまおう。
山ばかりというのも芸がないので、息抜きに姫島も旅程に含めた。
以下のような計画である(移動はほぼレンタカー)。
初日:大分空港=やまなみハイウェー大曲~三俣山~法華院温泉山荘(泊)
2日目:白口岳、中岳、久住山、星生山などを縦走 大曲=湯布院温泉(泊)
3日目:由布岳、鶴見岳(ロープウェー利用) 別府ロープウェー高原駅=国見温泉(泊)
4日目:両子山、姫島周遊 伊美港=大分空港
天候の関係で変更したところもあるが、結果としては予定していたところはすべて回れた。

この日(13日)は、羽田7:55発の大分行きANA791便に搭乗。
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天気は曇りなので、ほとんど景色は楽しめなかった。
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でも、南アルプスの聖岳と赤石岳、関西の霊仙山と伊吹山だけはかろうじて発見することができた。
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それ以外は、ひたすらJポップを聞いていた。

着陸直前に国東半島が見えてきたが、天気はやはりよくない。
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まあ、それは天気予報を見て、覚悟の上なので気にしない。

ほぼ定刻通り、9:40に大分空港に着陸。
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預けた荷物を受け取って、トヨタレンタカーのカウンターへ。
渡された札は18番。大分空港は大分市街まで遠いことも関係しているのか、レンタカーを使用する人が多いようだ。
それでも5分ほどで呼ばれ、他のお客さん共々、送迎車に乗って、近くの営業所に移動。
手続きを済ませて、10:20頃には準備が整った。

地理には全く不案内のまま来てしまったので、すべてをナビに任せる。
とりあえず目的地を長者原にセットして出発。
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一般道を少しだけ走っただけで、すぐに高速(大分空港道路)に乗った。
この道は引き続き、日出バイパスにつながり、速見で大分道に合流した。
そのあたりから、山の斜面に黄色いカヤトが目立ち始めた。
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以前、テレビの映像で見た由布岳の裾野と同じ景観だ。
しかし、雨雲のため、山の中腹以上は見えないし、どのあたりを走っているのかも、はっきりとは分からない。

ふと、今日のお昼を何も買っていないことに気づいたので、由布岳PAに立ち寄ってみたら、トイレがあるだけだった。
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せっかくなので小用だけ済ませ、また車に戻る。
雨は小降りだけど、傘が必要な強さだ。
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本来なら、由布岳が見えるのだろうが、今日は望むべくもない。

高速を下りたらコンビニがあることを期待しつつ、車を走らせる。
ナビに従い、九重ICで下りた。
ここで下りれば、やまなみハイウェイを走って長者原に着けると思っていたのに、全然違う道を通らされた。
でも、やまなみハイウェイは帰りに通れたし、結果的にはこちらでよかった。
下りてすぐナビの地図に線路(久大本線)と駅の表示が出たので、駅舎コレクションのため、駅に寄り道してみた。
着いてみたら、豊後中村駅だった。
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駅前はちょっとレトロな雰囲気。
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豊後中村駅は昭和3年(1928年)開業で、九重町の中心駅である。
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趣のある駅だなあと思ったが、実際は2010年に新たに建て替えられた駅だった。
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豊後中村活性化交流センターが併設されており、中に入ると、職員の方が観光客らしき人に、あれこれ案内をしていた。
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(観光客が立ち去った後)
私にも「何かお探しですか」と声をかけてきたが、「いえ、大丈夫です」と答えて、観光パンフレットを集めて、車に引き上げた。
その中に長者原にあるレストハウスやまなみのパンフレットがあり、レストランが年中無休で営業しているとある。
いざとなったら、お昼はここで食べればいいやと気持ちを落ち着け、長者原へ向かう。

しかし、いくら走っても、やまなみハイウェイらしくならない。
九酔渓やら九重“夢”大吊り橋やら、有名らしい観光地の横を通過していくが、道が狭い。
こんな道じゃなかったよなあと首をかしげながら、南下。
川端康成の文学碑が道端にあったので、撮影のため、車を停めた。
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川端は昭和27年秋と28年夏に九重に来遊の際、名作「千羽鶴」の続編「波千鳥」を発表した。それを記念して建立したものだそうだ。
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碑の表には、「波千鳥」の一節を、裏にはノーベル文学賞受賞時の記念講演「美しい日本の私」の中で語った「雪月花の時、最も友を思う」の詩語が刻まれている。
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雨はまだポツポツと降っている。

その先、間もなく長者原に着いた。
なんと、やまなみハイウェイに交差した形だ。
ここから登り始めるつもりではなかったので、もう来ることのない登山口の様子を確認。
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そこには、坊がつる讃歌の歌碑があった。
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坊がつる讃歌が生まれた経緯は以下のようなものだ。
昭和27年(1952年)の夏、坊ガツルの「あせび小屋」を管理していた九州大学の学生3人が原曲である広島高師(現広島大学)山岳部の部歌「山男の歌」の替え歌を作り、口ずさんでいたのを野田宏一郎氏(のちのTVプロデューサー、SF作家の野田昌宏)が編曲し、譜面化したことで、九州の登山界ではよく歌われるようになったらしい。
その後、プロの作詞家、作曲家らによって補作されたものが、昭和53年にNHKの「みんなのうた」で取り上げられて大ヒットし、歌っていた芹洋子が同年の紅白歌合戦に初出場を果たしている。
昭和53年と言えば、私が高校1年の時だが、全く記憶にない。
YouTubeで聞いてみたら、やはり聞いたことがなかった。でも、いい曲だ。
この碑は、「山の日」制定が決まったのを記念して、2015年8月11日に建立されたものだ。

この碑の奥には、筑後川源流の碑。
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筑後川の源流など意識したことがなかったが、ここもその一つであるとのこと。
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筑後川の長さは143km。九州では一番長い川だが、全国では21位となる。

このほか、ガイド犬平治号の銅像もあった。
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この平治号は秋田犬で、いつの頃からか、九重の山に住み着き、登山者とともに山歩きを楽しんでいるうちに、九重連山の登山コースをすべて覚えてしまった。
山中で道に迷ったり、濃霧や吹雪で立ち往生してしまった登山者を誘導して、無事に下山させたことも数多く、多くの登山者に親しまれてきた。
そんな平治号も昭和63年8月3日に、老衰のため息を引き取ったとのこと。
平治号とは、九重連山の平治岳(ひいじだけ、1643m)から採ったものであろう。

この「白泉荘旅館」の碑と、供えられている花にはどういう意味があるのだろう。
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ここにかつて「白泉荘」という旅館があって、今は廃業しているということが想像できるが、何かの跡地というわけでもなく、川端にひっそりと立っている。
ちなみに、九重連山の北東部に位置する黒岳(1587m)の山麓にも「白泉荘」がある。
関係があるのかどうかは分からない。

長者原には、いくつかの施設がある。
これは、「九重登山口」と大書された長者原ヘルスセンター。
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ここは、その名の通り、温泉に入浴することができる。

その隣に、ドライブステイみやま。
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あれこれ見学している間に、11:50を回ってしまった。
もうお昼の時間だし、何も食べていないので、やはりレストハウスで食事をしていくことにした。
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2階にあるレストランやまぼうしに行くと、先客が1組。
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うち一人が外人で、ものすごい大きな声で話している。
もちろん英語なので何を言っているのか分からない。
豊後牛のステーキを食べていた。

こちらは、ショウガ焼きも魅力だったが、やはり豊後牛に引かれて、オムライスにした。
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そんなに牛は使われていなかったが、オムライスそのものは美味しかった。

さて、ここで飲み物や行動食を調達しなければならない。
1階の売店で、ポカリスエットとゆず飴、かぼすのキャラメル、ゆずこしょうの魚肉ソーセージ、それに今夜用のビールとおつまみのさきイカを購入。
ついでにトイレ(大)に寄ったら、かなりいい時間になってしまった。
大曲まで移動して、そこから歩き始めるつもりだったが、この天気では三俣山に登っても意味がないし、そもそもその時間もなくなってしまった。
だったら、ということで、もうここから雨ヶ池経由で法華院温泉に行ってしまうことにした。そうすれば、坊がつるを通ることもできる。
ただ、それだと時間が余りすぎるので、ビジターセンターを見学した。
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本当は、ここからはこんな風に見えたらしい。
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実際は、こんな状態。
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九重連山南麓の久住高原からは、こんな景観。
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今夜宿泊する法華院温泉(1303m)の場所には、かつて白水寺法華院があり、山岳信仰の修験道として栄えたところだそうだ。
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展示されている鐘は、すがもり越避難小屋に登山者の安全を祈って掛けられていたもの。

ちなみに、深田久弥は「日本百名山」の中で、久住山を九州本土最高峰と書いている。
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実際は、久住山が1786.5m、中岳が1791mで、中岳の方が高い。
深田が「日本百名山」を書いた頃は、中岳の計測値がなく、久住山が1787.9mで最高峰とされていたが、1960年代に再計測された結果、順位が逆転してしまったのだ。

そんな勉強をしたうえで、13時に出発した。
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(つづく)
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