山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

飯豊連峰(1)

台風のおかげで、やっと1か月前の飯豊連峰縦走が書けます。

行程は以下の通り
◆29日:東京駅八重洲口(22:30発・夜行バス)=
◆30日:=会津若松駅(5:10着、5:31発磐越西線)=喜多方(5:49着、6:00発タクシー)=五枚沢登山口(7:10)~五段山(8:50休憩15分)~地蔵山(10:35昼食25分)~三国岳(12:35休憩30分)~巻岩山(14:10)~三国岳(15:05)
◆31日:三国岳(5:50)~切合小屋(7:20休憩15分)~本山小屋(9:30休憩15分)~飯豊山(10:00休憩20分)~草月平(11:25休憩5分)~御西小屋(11:50昼食40分、御西岳往復15分)~大日岳(14:15休憩25分)~御西小屋(16:00)
◆1日:御西小屋(5:25)~烏帽子岳(8:10休憩10分)~北股岳(9:40休憩5分)~門内岳(11:00昼食40分)~地神山(12:40休憩15分)~頼母木小屋(13:45)
◆2日:頼母木小屋(5:40)~朳差岳(7:15休憩15分)~大石山(8:10休憩15分)~英三ノ峰(9:50)~足の松尾根登山口(11:10)=奥胎内ヒュッテ(11:20入浴など1時間)=中条駅(13:05着、13:34発羽越本線)=所沢

初めての3泊4日の縦走。
飯豊には当初、7月の3連休に行くつもりだったが、天候不順のため中止。
今回、多少ルートを長めにして1泊加えた、比較的ゆとりのある日程である。
ただ、飯豊には食事を出す小屋がほとんどないので、4日分の食料やいつもより多めの着替え、その他の装備でザックは20㌔近くに達した。
1泊2日の山行と比べ倍近い。
今回は体力勝負になるので、毎日焼き鳥の缶詰とフルーツの缶詰を用意したのだが、それがかさとなった。
かなり不安だ。
でも、どこの小屋も予約しているわけではない。
きつかったら、いつでも荷物をぶん投げて帰ってこよう、くらいの気持ちで出かけた。

夜行バスは「夢街道会津21号」。関東バスの運行である。
平日とあって車内はガラガラ。耳栓をしてすぐ眠りに落ちた。
会津若松駅には定刻より10分早い朝5:10に到着。
トイレを済ませて、5:31発新潟行き普通列車に乗り込んだ。
この列車この春、只見線・磐越西線の乗りつぶしに来た時に乗ったのと同じやつ。
ほとんど人が乗っていないが、編成は4両。新潟県に入る頃、通学の高校生がわんさと乗ってくるからだ。

天気はどんよりした曇。予報では晴れだったのだが。
残念だが、天気ばかりはいかんともしがたい。
喜多方に5:49着。ホームや駅舎の写真を撮って
DSC_2901.jpg

あらかじめ予約しておいた、塩川タクシーに乗り込む。
市街地にいるうちにコンビニに寄ってもらい、本日の朝食と昼食、水2㍑を購入。
車は五枚沢林道に入り、どんどん山へ分け入っていく。

福島側から飯豊連峰に入るのは、川入もしくは弥平四郎(やえしろ)から登るのが一般的だ。
でも、川入に行くバスは昨年で営業を終了。
弥平四郎へもオンデマンドバスが運行しているが、山都駅始発が10時と遅い。
しかも、いずれも標高が500mに満たず、相当標高差を稼がなくてはならない。

どうせタクシーを使わざるをえないなら、多少高くついても、一番標高の高い五枚沢登山口(1040m)まで行ってもらうことにした。
事前に喜多方市熱塩加納支所に確認したところ、通行可とのことであった。
谷地峠を越えて、登山口に入る分岐にはトラロープが張ってあるが、はずして通行してもよいとのこと。これを知らなかったら1時間近く余計に歩かねばならないところだった。

運転手さんは親切な方で、飯豊山のパンフレットをくれた上に、道々いろんな案内をしてくれた。昭文社の地図(以下、山地図と表記)には、この登山口までタクシーで約12000円と書いてあったが、実際は9000円ちょっとで済んだので、悪路を長時間走っていただいたお礼も込めて1万円をお支払いした。
その代わり、ここでテルモスとハイドレーションに移し替えた空のペットボトルを持って帰ってもらった。

登山口には登山届を入れる黄色いボックスがあった。
DSC_2905.jpg
おそらく遭難事故でもなければ来年まで開けられないであろう雰囲気の箱だが、しっかりと届けは出した。

体操をして7:10出発。ザックを背負うと、猛烈な重量だ。家を出てきた時より、水と今日の食料などで3㌔以上増えている。
しかも、いきなりの急登。まさに歩荷である。
すぐに尾根に出たが、これがまた急坂。
500mほどで1118mピーク。ここからは緩やかなアップダウンで、調子をつかむにはちょうどいい。
あまり歩かれていないと思われるコースだが、きれいに笹ヤブが切り払われており、路面も土と枯れ葉なのでショックが柔らかく、“身重”の私にはありがたい。
DSC_2907.jpg

しばらく歩いて、ガクンと下ると川入切合(きりあわせ)。
ここは喜多方と山形県飯豊町を結ぶ大規模林道の飯豊トンネルが供用開始になると(年内の予定)、最も飯豊山に近い登山口になるので、このルートも間もなくメジャーになるだろう。
林道に下りる道は「飯豊町ブドウ沢口」として、しっかりした道がある。
地形図には川入に下る登山道が書いてあるが、廃道の跡すら見当たらない。
山地図に記載がないはずである。

このルートには、赤と黄色に彩色されたひし形の道標があちこちにあるが
DSC_2923.jpg
これによると、さっきの1118mピークは月夜岳という名前だったことが判明。
地形図にも山地図にも表記がなかったが、これで「登った山」を一つ稼いだことになる。得した気分。

川入切合から五段山(1312m)までは標高差約300m。最初に100m急登した後は、平均勾配がほぼ半分になり、数十m登ってはほぼ平らな下りを繰り返す道になる。
頑張っては一息つけるので、とても助かる。

背中の重さには全く慣れず、道をふさぐ倒木があるたび、腰をかけて小休止する。
このあたりは樹林帯なので、そもそも展望にはあまり恵まれないのだが、標高1200mより上はガスの中なので基本的に何も見えない。
DSC_2925.jpg

五段山には8:50に到着。こんなにザックが重いのに、標準タイム1時間50分のところ、1時間40分で来られた。
DSC_2934.jpg
少なからず驚いたが、さすがにすでに疲労困憊。
腰を下ろして、行動食を摂る。草木に囲まれ、展望はそもそもない。

ここは大日杉登山口からの合流地点となっており、三差路。
大日杉側は山地図では点線になっているが、きれいにヤブが払われていた。
15分ほど休んで出発。
牛ヶ岩山(1402m)への道は湿っただらだら坂。
でも、急なところは足がなかなか上がらない。
登山はきついと思ったことは何度もあるが、つらいと思ったことはなかった。
でも、今日初めて思った。「苦しい・・・」

それでも牛ヶ岩山には思いがけず早く着いた。
まだ9:35。標準タイム1時間のところ30分で来たことになる。
例のひし形の標識が地面に置かれているが、山の頂上という雰囲気ではない。
誰かがいたずらして移動してきたんじゃないかと思いつつ、進む。

でも、山地図には牛ヶ岩山の先に「一帯に湿原が点在する」との記載があり、確かに地味だが池塘が2つばかりあり、ニラのような湿性植物が繁茂している。
DSC_2946.jpg

少し下った後に急坂があり、「ああ、やっぱりこっちが牛ヶ岩山だ」と思ったら、またひし形が地面に落ちており、今度は「五枚山」と書いてある(9:40通過)。
DSC_2951.jpg
地形図をもう1回見直すと、五枚山とは書いていないが、確かに牛ヶ岩山の先に小さなピークがある。
どうやら間違いではない。
またまた、「登った山」を一つ得した。

この先、山地図に御前山という記載があり、そのあたりにやはりひし形標識が落ちていた(10:05通過)。
正確な標高は分からない。
この辺は左側が切れ落ちて、南側が開けているので、何らかの展望があるはずだが、真っ白。
でも、相変わらずヤブを払ってくれているのは本当にありがたい。

地蔵山(1485m)は直前に少し急登するだけで到着。10:20。
ここには、例のひし形もないが、小さな池があり、これが地蔵山頂上にある血ノ池と判断した。
DSC_2969.jpg

少し下ると分岐の標識と広場があり、やはりさっきの場所が地蔵山頂上と確定した。
DSC_2975.jpg

標識には地蔵小屋跡へ100mとあるので、ザックを置いて行ってみる。
50mほどで小さな空き地があったが、これじゃないかもしれないと、さらに夏草の生い茂る湿った道を下って行くが、何も見当たらない。
適当なところで見切って引き返し、さっきの空き地をよく見ると、石垣や材木が確認できた。やっぱり、ここだったんだ。
DSC_2977.jpg
空身とはいえ、時間と体力をロスしてしまった。

まだ早いが、簡易イスを出して、昼食とする。パンをかじりながら、山行メモをしたためる。この広場にはオオイタドリやオヤマリンドウが咲いていた。
DSC_2973.jpg
小屋跡探検も含め、25分ほど休憩して11時に出発。

少し下ると、横峰小屋跡方面の分岐。そちらには峰秀水という水場があるようで、補給のためザックを背負ったまま下る。
100mほどで、石垣を組んだ涸れた沢が出てきて、「これかなあ」と思ったが確証は持てず、さらに下るも、それらしきものがなく、また引き返す。
やはり石垣のところだったのだろう。また無駄な体力を使ってしまった。

この先で、老夫婦とすれ違う。今日初めて人と会った。なんかホッとする。
さっきの分岐から先は、川入からの登山路なので、メジャーなコースに入ったわけだ。
地蔵山から下り切ったあたりで、前方のガスの切れ間からいきなり稜線が見えてきてびっくり。
DSC_3001.jpg

すると、みるみるガスが晴れてきて、これから登る三国岳、明日登る種蒔山などが見えた。
重い荷物を背負って、ここまで苦しい思いをしてきただけに、思わず涙が浮かんできた。
神様、これはご褒美なのでしょうか?

気持ちが軽くなると、不思議なことに荷も軽くなったような気がした。
振り返ると、地蔵山の姿もくっきり見えた。
DSC_3048.jpg

さて、三国岳(1644m)への登りは標高差2百数十m。ほとんどが岩場だ。
でも、単純な急登より、手を使ってよじのぼるような所の方が、かえって楽。
DSC_3075.jpg

この剣ケ峰の岩稜では何組もの方々とすれ違った。平日なのに、かなりの人出だ。
岩場はかなり危ないところもあった。
DSC_3105.jpg
荷物のせいでふらつかないよう注意したが、そのへんはストックなし腕組み歩きで鍛えたバランス感覚が役に立った。

岩が露出した荒々しい周囲の山腹や稜線を撮影しながら登っているうちに
DSC_3064.jpg
またガスが上ってきて、地蔵山を覆い隠し、三国岳の山頂も見えなくなってしまった。

頂上直下に水場がある。
と言っても岩場の尾根に水が湧いているわけはなく、断崖を標高差にして50mほど下らなければならない。
トラロープが張ってあったが、これがないと怖くてとても下れない。
DSC_3116.jpg

まだザックに水はあったが、今夜の夕食と明日の朝食にも使うので補給しておかなくてはならない。もしかして涸れているのではないかと思ったが、ホースが設置してあり、そこからチョロチョロと流れていた。
DSC_3122.jpg

コップで汲んで、まずはのどを潤し、500ccのペットボトル2本を満タンにして持ち上げた。
岩稜には、オヤマリンドウやイワショウブ、ヨツバヒヨドリが咲いていた。
DSC_3113.jpg

そして、12:35三国岳山頂に到着。今日はここに泊まる。この石のようなザックをもう担がなくていいのだ。解放感!
早速、三国岳避難小屋にザックを置く。
DSC_3130.jpg

中には誰もない。管理人もいない。
もう下山してしまったようだ。
中は辛気くさいので、外に腰掛け、昼食の余りを食べつつ、またメモを付ける。
また、あたりはガスの中に包まれてしまったが、目の前には白いナデシコとでも言うべき、センジュガンピが咲き乱れていた。
DSC_3134.jpg

つづく
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