山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

火打山・妙高山(上)

8月25~26日は火打山、妙高山に登った。
二つとも百名山。別につぶしにかかっているわけではない。
6月に雨飾山に行った時、妙高も一緒に登ろうと思っていて果たせなかったので、何となく心にひっかかっていたのだ。
2日あれば、もう一つ登れるので、火打とセットにしたわけ。

新所沢駅を5:29に出発。西武新宿線、池袋線、武蔵野線、埼京線を乗り継ぎ大宮へ。
ここで6:50発のあさま501号に乗り換える。

前日に切符を手配するのを忘れたので、とりあえずSuicaで入り、大宮で指定券を買うことにしたが、なんと満席。
こんな何気ない土曜日でも混むんだなあと、びっくり。
仕方ないので自由席にする。待ち合わせが20分もあり、ホームでは先頭に並んだので、何とか座れた。

車内は、山支度の人が多い。武蔵野線でもザックを担いだ人がたくさんいて、さすがに山ブームを実感した。この人たちは、みな妙高だろうかと少々不安になる。

軽井沢まではよく眠れた。
ここで隣の人が下りたので窓際に移り、八ヶ岳を眺める。
いつもは中央線(南側)からの角度でばかり見ているが、北から見るとまた表情が全く異なる。
やはり北八ツが中心に見えるので、やさしい印象だ。

それにしても、長野に来ると懐かしい気がする。
2年間勤務しただけだが、とても楽しい充実した日々だった。
第2のふるさとと思っている。

長野からは信越本線の快速妙高1号に乗車。特急車両を使っており、6両のぜいたくな編成なので、余裕で座れた。やはり登山客が多い。
ここから妙高高原までは、長野勤務時代に国道18号で何度も通ったルート。
国道からの景色とは微妙に違って興味深かった。

8:54妙高高原着。ここはもう新潟県である。
DSC_1922.jpg
駅舎は平屋で横に長い。

目の前に妙高の雄姿が見える。
DSC_1923.jpg

駅前の土産物屋で2㍑のペットボトルを買い、バス停でテルモスとハイドレーションに移し替える。
登山口の笹ヶ峰へのバスは9:20発。
これも中高年の団体登山客で満員になった。この方々と同じ小屋に泊まることになるんだなあと思うと、若干気が重くなる。
途中の池の平からもハイカーが乗ってきて、そのほとんどが座れなかった。
こちらは、昼食用のあんパンを1つ食べる。

このバス(頸南バス)の運転手は態度が悪い。
ここがどこのバス停であるかの案内もなければ、「降りますか~」の声かけもなく、後ろの人が「降りま~す」と叫んだら、何の確認もなく「後部ドア」をいきなり開けていた。
もし、ドアに寄りかかっていたら、転落しかねない状況だった。

とにもかくにもバスは、標高513mの妙高高原駅から1300mの笹ヶ峰までぐいぐい高度を上げていく。途中のいもり池あたりまでは、妙高の山容を眺めることができたが、あとは樹林帯の中。
乙見湖を往復して、笹ヶ峰に着いたのは10:15。ほぼ1時間かかった。

ここには先だって泊まろうと思っていた山小屋の明星荘がある。
もっと地味な小屋かと思っていたが、さすがに車が来られる場所にあるだけに、あかぬけている。
DSC_1927.jpg

登山口は駐車場の奥にあり、ゲートのようになっている。
ここで登山届を提出する。
DSC_1929.jpg

妙高山は標高2454m。飯縄、黒姫、戸隠、斑尾とともに北信5岳を構成し、その主峰でもある。
巨大な中央火口丘を取り囲む要塞のような外輪山が織りなす景観は、名峰と呼ぶにふさわしい風格を備えている。
長野支局時代、野尻湖から幾度も仰ぎ見ては、「立派だなあ」とほれぼれしていたことを思い出す。
その山にいざ登らんとするわけだが、とりあえず今日はおとなりの火打山を陥落させなくてはならない。
体操をしているうちに、さっきの団体が先に出発して行った。
出発前に番号を掛け合っていたので、総勢23人いることを知る。
また、抜かすのが面倒そうだ。

ここで恒例のコースタイム。
25日:笹ヶ峰(10:20)~黒沢橋(11:00)~富士見平分岐(12:10)~高谷池ヒュッテ(12:50昼食40分)~火打山(15:00休憩25分)~高谷池ヒュッテ(16:30)
26日:高谷池ヒュッテ(3:45)~火打山(4:50休憩20分)~高谷池ヒュッテ(6:10休憩20分)~黒沢池ヒュッテ(7:15朝食20分)~長助池分岐(8:20)~妙高山頂(9:25休憩50分)~妙高大神(10:30)~天狗堂(11:20)~称明滝(12:25昼食15分)~燕温泉(13:20)=関山駅

最初はほとんど平らな木道。
DSC_1931.jpg
これは湿原を守るための木道というよりは、登山道が広がらないようにとの趣旨だろう。

間もなく、すぐ前を歩いてた単独行の女性とほぼ同時に団体さんに追いつく。
後ろの人が「特急2台通りま~す」と叫ぶ。
道を空けてくれるのはいいのだが、「特急」はないだろう。
その言葉に潜むちゃかしたニュアンスに彼らはいい年をして気づいていない。
彼らの使う「特急」という言葉には、「山はゆっくり楽しむもの。そんなに急いでどこへ行く」という優越感がこもっている。
それに、まったく知らない人をもの扱いする言い方も極めて失礼である。
自分たちは「鈍行」、お宅は「特急」、あなたの方が「上です」という表面上の意味を隠れ蓑にし、しかも「気の利いた言葉」のように使っているのが、たまらなく不快だった。

が、そんなことをいちいち気にしていても仕方ないので、「すいませ~ん、ありがとうございま~す、こんにちは~」と連呼しながら、通り抜ける。
笹ヶ峰グリーンハウスの分岐まで13分。木道はまだまだ続く。
引き続き、白樺とブナの林を登っていく。
DSC_1939.jpg

ここも木に彫ったいたずら書きが目立つ。
DSC_1941.jpg

黒沢橋で黒沢を渡る。
DSC_1946.jpg
ここは水場ということになっているが、まだ歩き始めたばかりなので補給の必要もなく通過。

ここから傾斜は突然急になり、派手な木の階段が続く。
DSC_1951.jpg
これも登山者の安全と登山道保護のためのものだろう。手を加えることをあまり快く思わない登山者もいるかもしれないが、正直歩きやすい。
平成22年の施工とあるので、できたばかりだ。

ここまで高山植物はミヤマシャジンを見かけた程度で、樹林帯のため景色も見えないから、カメラ休憩もなかなか取れない。
でも、水を努めて飲むようにしているおかげか、調子がよい。足がよく上がる。

十二曲りの急坂もそれほどきつくはなかった。
DSC_1957.jpg

途中出会ったミヤマシャジン
DSC_1956.jpg

ツバメオモトの実
DSC_1950.jpg
ツバメオモトの花はまだ見たことがないが、白い小さな百合の花の集まりのようである。

タカネニガナ
DSC_1976.jpg

時折、木々の間から西の方の山が見える。
乙見湖の向こうに見えるのは乙妻山(2318m)か。
DSC_1970.jpg

十二曲りを越えると楽になるわけでもなく、大きな岩の連なる尾根の直登。
DSC_1975.jpg

ここもさくさく登っていたが、すこし傾斜がゆるやかになると、途端にお腹が空いてきた。
お腹がぐーぐー鳴るくらいなので、ハンガーノックにならない前に富士見平に着かねばと思い急ぐ。
12:10富士見平の分岐に到着。黒沢橋から標準タイム1時間40分のところ、1時間10分で来てしまった。これじゃあ「特急」と言われても仕方ないか。
DSC_1977.jpg
しかし、展望も何もなく休むには不向きの場所なので、見晴らしのいい所までもう少し歩くことにする。

これは黒沢山(2212m)
DSC_1986.jpg

こちらは外輪山のひとつ三田原山。
DSC_1983.jpg

分岐から10分ほど歩くと、峠を越えて、正面に焼山と火打山が姿を現した。
DSC_1997.jpg
左から焼山、影火打、火打である。
まだ少し雪渓が残っていてうれしい。

しかし、このあたり展望はいいのだが、道が狭く腰を下ろす場所がない。
ヒュッテも見えてきたので、
DSC_2004.jpg
あそこまで歩くことにする。
途中、アルプス展望台というところがあったが、北アルプスは全く見えなかった。

ヒュッテには12:50着。何とかお腹も持ちこたえた。
先に宿泊の手続きを済ませ(1泊3食8500円)、ヒュッテ前のベンチでパン2個にかぶりつく。
最初は同じようにお昼を楽しむ登山客で大賑わいだったが、出発するころにはガラガラに。
DSC_2034.jpg

トイレは屋内にあり、靴を脱がないと用を足せない。
ここは宿泊客以外、紙は持ち帰らなければならない決まりだが、個室内に宿泊者用のボックスがあるので、みなそこに入れてしまうだろう。
なかなか山小屋の運営もむずかしい。

ここは妙高市の市営の小屋で、出発する前にHPを見てきたのだが、その印象がよかった。
あるお客さんからの苦情をほぼ全文紹介し、いくつかの問題について誤解を解こうとしたり、改善に全力を尽くしたりしている旨が記されていた。
そこに誠実さを感じたので、もし個々のスタッフの対応に若干の問題があっても、許せるような気がした。
実際には、何の問題も感じなかった。

水場は2分ほど歩いたところにあった。
生水の飲用はNGであったが、じゃぶじゃぶと顔を洗った。
DSC_2039.jpg

さて、出発。左手には高谷池のある湿原が広がる。
DSC_2043.jpg
DSC_2065.jpg

すこし登ると背後に、妙高の頂上が顔を出した(左奥)。
DSC_2073.jpg

天狗の庭に至る峠状の場所は岩が随所に露出するお花畑になっていて、目を楽しませてくれる。
DSC_2074.jpg

一面に咲き乱れているのが、驚くことにハクサンコザクラ。
DSC_2080.jpg
もうとっくにシーズンは終わっているはずなのに。今年は雪が多かったからだろうか。

そして、葉っぱがかわいらしいイワイチョウ。
DSC_2079.jpg

モミジカラマツの白も心に涼風を届けてくれた。
DSC_2082.jpg

そして間もなく天狗の庭である。
ここの景観もまたすばらしい。火打を借景に見事な湿原が広がる。点在する岩が天狗のイメージなのだろう。
DSC_2106.jpg
DSC_2110.jpg

このあたりではサラシナショウマが風に揺れていたが
DSC_2115.jpg

何といっても優勢なのはワタスゲ。
DSC_2148.jpg
これほどの群落は初めて見た。

さて、いよいよ火打への本格的な登りとなる。
尾根に達すると右手の日本海側は切り立った崖だが、ガスのため展望は望めない。
DSC_2157.jpg

左手には天狗の庭。
DSC_2164.jpg

尾根を登っていくと、ミョウコウトリカブトの大群落と何度も出会う。
DSC_2177.jpg
トリカブトは私が最初に覚えた高山植物だ。猛毒というイメージだけで、どんな植物なのか知らなかったが、こんな美しくも変わった形の花だったとは。
文字通り、鳥の兜のようだ。

ナンブアザミやミヤマキオンの勢いもすごい。
DSC_2216.jpg
DSC_2188.jpg

2時半、雷鳥平に達する。
DSC_2208.jpg

あれは妙高の後ろ姿。
DSC_2212.jpg

眼下には尾根ぎりぎりまでガスが立ちこめている。
DSC_2197.jpg

ナナカマドは真っ赤な実をたわわに付けていた。紅葉も間もなく始まる。
DSC_2222.jpg

道端にはオミナエシ。
DSC_2243.jpg

ベニバナイチゴの実を見つけた!
DSC_2249.jpg

ウサギギク
DSC_2252.jpg
あとは、ハイマツとシャクナゲ、トリカブトとアザミの道。

3時ちょうど火打山登頂。
DSC_2261.jpg

なんと、頂上のみガスが流れていて、西側の眺望が利かない。
雨飾山や北アルプスを楽しみにしていたのに。
30分近く待ったがガスが晴れない。
ガスの一瞬の晴れ間から時折のぞく、妙高の後ろ姿と、天狗の庭からヒュッテへの道の眺望で、満足することにした。
DSC_2263_20120910111435.jpg
DSC_2264_20120910111451.jpg

つづく
スポンサーサイト
このページのトップへ

コメント

Newブログ待ってました。
先週末、再度告知したので、閲覧数は増えると思います(笑)。
秋の遠足は余市岳の予定です。

  • 2012/09/10(月) 13:29:54 |
  • URL |
  • ひろさん #-
  • [編集]

うらやましい!

ブログお待たせしました。
土曜日に休養日を設けて、しこしこと書いておりました。
やはり飯豊連峰縦走がボディブローのように体に堪えていたので、晴れていたけど、山行は1日休みました。
日曜日は日帰りで奥多摩に出かけ、またヘロヘロになっちゃったけど。

フェイスブックのにのさんのコメントで余市岳のこと知りました。超行きたい!けど、10月27日に帰札するから、無理だな。

でも、27日に皆さんに会えるのを楽しみにしています。

  • 2012/09/10(月) 15:44:24 |
  • URL |
  • かたこりまさかり #-
  • [編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://satsunan226.blog.fc2.com/tb.php/115-fbdfc0ba
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
このページのトップへ

FC2Ad

プロフィール

かたこりまさかり

Author:かたこりまさかり
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (4)
北海道の山 (152)
東北の山 (62)
上信越の山 (139)
奥多摩の山 (55)
丹沢の山 (55)
奥秩父の山 (83)
栃木の山 (32)
房総・常陸の山 (9)
奥武蔵・秩父の山 (87)
中央線沿線の山 (96)
富士山周辺の山 (68)
八ヶ岳周辺の山 (54)
南アルプス (100)
史跡歩き (11)
中央アルプス (27)
北アルプス (45)
日本海の山 (8)
関西の山 (30)
四国九州の山 (61)
駅舎の旅 (26)
ドライブ (9)
廃線の旅 (12)
駅から散歩 (17)
乗り鉄 (38)
島の旅 (19)
山村の旅 (7)
超低山 (28)
東海の山 (2)
つぶやき (35)
旧道歩き (29)
伊豆の山 (39)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR