山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

鳳凰三山(下)

8月19日、晴れ。すばらしい眺望を堪能している。
早朝、鳳凰三山の薬師岳から地蔵岳へと縦走中だ。

稜線から薬師岳山頂方面を振り返る。多くの登山者が歩いている。
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富士山はつい何枚も何枚も撮ってしまう。
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八ヶ岳も次々に姿をさらし始める。手前から編笠、権現・ギボシ、赤岳の雄姿。
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間もなく観音岳。
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これは富士を借景とした観音岳の石庭。
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7時、無事、観音岳に登頂。みなさん、うれしそうだ。
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で、初めてここで地蔵岳が、天を突くオベリスクを披露してくれた。
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それから、見事なピラミッドの甲斐駒。
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彼をこんなに間近に見たのは初めてだ。初めまして。いずれ伺います。
これは、地蔵と甲斐駒、赤抜沢ノ頭(中央)の競演。
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こういう景色が見られるので、山はやめられない。
私にとって、山とはやはり「美」だと思う。
早く登れるとうれしいが、でもスポーツではない。だからトレランはする気にならない。
深田久弥のように、すばらしい言葉で美を表現することはできないが、そこに身を置いているだけで、猛烈に幸せな気持ちになる。

なんて、仙丈もぐんと近づいた。そちらにも、いずれお邪魔しますね。
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背後にあるアサヨ峰の手前にあるのが、後で通過する高嶺(たかね・2779m)。
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15分ほど景色を満喫し、地蔵へ向かう。
雲行きがなんとなく怪しいので、急ぐことにする。
ここからは、花崗岩の砕けたザレ場をかなり下ることになる。
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道からはずれた岩場の陰にたくさんの石仏がたたずんでいた。
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岩場は団体さんの登り下りで大混雑。
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こちらは、すこしルートをはずれて、これらを避けて歩いていたら、派手にスリップ。
小指を骨折した右手をまた付いてしまった。
ただ、今回は副え木に守られ、痛みはなかった。
やはり、色気を出してはいけない。

こんな沙漠みたいなところもある。
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北岳大樺沢(たぶん)の雪渓。
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ゴリラの横顔みたいな岩。
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陽物のような岩も当然ある。陰にはタカネビランジ。
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赤抜沢ノ頭への道は、赤いマークで示されている。
西斜面は花崗岩の岩壁。
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何だか、大勢のお坊さんが並んで歩いているようにも見える。
仏教と関係の深い山だけある。
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地面は花崗岩のかけらが敷き詰められたような状態。
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いよいよ地蔵の真ん前に来た。オベリスクはよく見ると、天に向かってえさをねだるイルカのようにも見える。
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やばい、北岳が雲に巻かれてきた。
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赤抜沢ノ頭の手前から右手に下りて、地蔵岳山頂直下の賽の河原に出る。
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こんなに澄んだ青空だが、右の背後からもうガスが迫っている。
ここにある石仏は案外新しいのが多い。
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当初は賽の河原までのつもりだったが、砂払岳で会った青年2人の後について行けるところまで登って見ることにした。
紅白のタカネビランジに励まされ、3点支持でよじ登っていく。
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なんとかオベリスク直下まで来た。なんと、そこにはロープがかかっている。
それをたどれば、オベリスクの上に立てるのだ。
しかし、青年たちは躊躇している。
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岩は全くの平らな面で、足がかりがない。つまり腕力だけで、おそらく10mくらいある岩峰を登らなければいけない。
彼も無理と判断して、諦めたようだが、私も小指を骨折している身。
当然のごとく断念し、下ることにする。

それにしても、ここに初めて登頂したウェストンは石にザイルを結んで、それをオベリスクの割れ目に投げ入れ、固定させて登ったというが、可能だろうか。
ザイルの付いた、しかも割れ目にしっかりひっかかるような大きな石を、あんな上まで投げられるものだろうか。きちんと一次資料を見てみないと、これは信用できない。

下ったところで、オベリスクはガスに包まれてしまった。間一髪だった。
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もう甲斐駒も全く見えない。

賽の河原を出発しようとしたところで、単独行の若い女性に呼び止められた。
「今日はどちらまで行かれます?」
「広河原です」
「あ、一緒だ。じゃあ、道はこちらでいいんですね」
「ええ」
ということで、赤抜沢ノ頭までご案内し
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そこで腰を下ろした彼女を残して、私はそのまま進む。
この先はやせ尾根のわりとスリルのある道だが、高山植物が豊富だ。
崖にホウオウシャジンやタカネビランジが咲いている。
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写真を撮っていると、さっきの彼女が追いついてきた。
ここにたくさん咲いてますねと言うと、彼女も熱心に写真を撮っている。
こちらも何度も立ち止まって写真を撮るので、結局、近づいたり離れたりしながらしているうちに、なんとなく一緒に歩いているような感じになってしまった。

頭がかくんとなってしまった女の子。
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花もかわいいが、岩の造形もおもしろい。
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これは樹氷のようなモンスターだ。

高嶺への登り返し。「せっかく下ったのに」という彼女に、「縦走の宿命ですから」と返す。
本当にこれだけ変化に富んだ楽しいコースだと、登りとか下りとか、意識すらしなくなる。
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ちなみに右の青いのが彼女。

高嶺には9時半に到着。すでに、西も東も完全にガスの中だ。
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彼女は2分くらい遅れて到着。
昨日、名古屋から車で夜叉神峠登山口まで来て、5時半には登り始めたという。
高速で4時間かかったというから、深夜の1時に家を出たわけだ。若い!
午前中に南御室小屋に着いてしまい、テン泊。
つまり、1時間先の薬師岳小屋から出発した私は、彼女に追いつかれてしまったわけだ。
仲間と歩くことの方が多いが、たまには1人で出かけるという。
「テントは楽しいですよ~」と奨められた。

自分もテントは買ってあるのだが、どうも重さが気になるのと、雨露でテントが濡れるのがいやで、なかなか踏み切れない。
山小屋がないようなところに行く時にお世話になるだろう。

フリーズドライを食べたことがないというので、「結構食えますよ、麻婆茄子がお薦めです」と教えてあげた。

ミニドーナツをお茶請けに20分ほど休んで出発。
ここからは下る一方。とくに最初の下りは、手をつかいながらの急な坂。
いきがかり上、保護者のようになってしまったので、彼女の安全に気を遣いながらの下りとなった。
途中見たことのない高山植物を発見。
タカネヒゴタイもしくはミヤマヒゴタイ
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こちらはトウヤクリンドウのようだ。
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セリバシオガマ
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10時半すぎ、白鳳峠(約2450m)に到着。彼女はここからまっすぐ広河原へ下山。
私はもうひとひとつ、赤薙沢ノ頭(2553m)を越えて、広河原峠から下山の予定だ。
ここでお別れということで、バイバイしたら、「ありがとうございました」と言われた。
何もしていないのだが。ミニドーナツのことか、道連れになってあげたことか。

まあ、名前も年も聞かなかったが、山を歩いていれば、またいつか会えるかもしれない。

で、彼女を見送り、目の前のピークに向けて登る。
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15分であっけなく頂上。
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目の前に北岳が見えるはずだが、こんな状況だ。
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雲の切れるのを待ちながら、ここで昼食とする。
メニューはフリーズドライの雑炊とカレー味ラーメン。
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なんと、箸を忘れたことに気づき、万能ナイフののこぎりを箸代わりにする。
それはいいのだが、ソーセージを切ったあと、濡れティッシュで拭いて、乾くまでナイフを出しっぱなしにしていたのを忘れて、さわってしまい、今度は左手の小指をぐっさり切ってしまった。
血がどんどん流れ出してびっくりしたが、たまたま右手の包帯を止めるテープを持っていたので、それを巻いたら止まった。
全くそそっかしい。

ここで、まだ乾き切っていなかった、雨具とザックカバーを広げて干す。
雲はなかなか切れないが、北沢峠に向かう南アルプス林道が見えた。
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これがバス通りなのだから恐れ入る。

私が学生の時、自転車で北沢峠に登りたかったが、広河原より先は当時から自転車も通行止めだった。

結局ここで1時間近く休んでしまった。
早川尾根は稜線の東側が見事にガスである。
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ハイマツや樹林帯が交互に現れる道を広河原峠まで下る。
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広河原峠は12時過ぎに通過。
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ここから林道まで、2時間半の標準タイム。長い、うんざりする。
登りの2時間半は問題ないのに、下りの2時間半がいやなのはなぜだろう。

坂はずっと急だ。ジグザグになっているので、いくぶん歩きやすい。
こんな道を選択する人はいないだろうと思ったら、1人登ってくる人がいた。
おそらく私は来たのと反対、甲斐駒方面に行くのだろう。

またまた初めて出会う高山植物を見つけた。
白いナデシコと言うべきか、センジュガンピ。
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途中、木の根から出ている湧き水を発見。喉を潤す。
包帯さえ巻いていなければ、顔もざぶざぶ洗いたいところだが、断念。
13:10林道にたどり着いた。
所要1時間5分。標準タイムより1時間半早い。
別に急いだわけではないのだが、標準タイムがあまりに余裕をもって書かれているのだろう。
ここからは舗装道路。
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歩きながら、バスの時刻表を調べると、予定していたのより1本早い13:40の便がある。ゆっくり歩いても十分間に合う。
ベストなタイミングだ。

途中、北岳への最短コースの起点広河原山荘がある広河原を見学し
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バス停には1時半に到着。
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満員で出発。1時間かけて夜叉神峠登山口へ。みなさん寝ていたが、私はしっかり地図を見ながら車窓を確認していた。この道は、山梨交通のバスや乗り合いタクシーが細い道をどんどん行き来するので、車掌さんが無線で、「何台通過」とか「ジャンボ(タクシー)が後から来ます」とか連絡し合いながら、進んでいった。

夜叉神峠登山口までは900円。
トンネルからは随分下ったところにあることに気づく。
風呂はすこし下った芦安温泉で、と思っていたが、ここにある旧山小屋の「夜叉神の森」に「夜叉神鉱泉」の表示があり、入浴可とあるので、ここで入ってしまうことにした。
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雰囲気は普通の沸かし湯だが、客は私しかおらず独占できた。
芦安温泉だと、他の登山者もいて、混んでいるといやなので、これで満足。

帰りはまたまた大渋滞が予想されるので、今回は国道140号、彩甲斐街道で行くことにした。雁坂トンネルは開通してもうかなり経つのに通ったことがなかったし。
5時にふもとの道の駅みとみに寄ったが、ちょうど5時で食堂は閉店。
がっかりしてトンネルへ。秩父に出れば、見慣れた道。
反応でラーメンと餃子を食べて9時ごろ帰宅。

展望に恵まれたのは、ほんの2時間だけだったけど、その2時間で鳳凰三山をちょうど踏破できたので、100点満点の山行でした。
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コメント

またまたキレイな富士山でした。
山ガールとの出会いもヨカッたですね。

  • 2012/09/05(水) 14:08:42 |
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