山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

白峰三山(15)

【2016年8月29日(月)】大門沢・奈良田
9時前に大門沢小屋から奈良田まで下りてきた。
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雨が降っているので、私とH君が今宵の宿「白根館」の屋根付き駐車場で待機。
O君は、第一町営駐車場に置いてある車を取りに行った。
宿に置かせておいてもらうつもりだ。
しかし、町営駐車場はすぐそばなのに、なかなかO君は戻って来ない。
しばらくして、彼は車に乗ってではなく、徒歩で現れた。
なんとバッテリーが上がっていたという。
ライトが付けっぱなしだったのか。古い車なのでとは言っていたが。

とにかく宿のご主人に相談。車を貸してくれたので、バッテリーをつなぎ、何とか復旧した。
でも、この作業の間、裸足でサンダル履きだったO君は駐車場の草むらにひそんでいた蚊にやられ、両足の足首から下、計50か所くらい刺されてしまった。
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痛々しいほどだった。全くふんだりけったりだ。

車は充電のため、しばらく走らせた方がいいので、奈良田の日帰り温泉ではなく、すこし離れた西山温泉までドライブがてら行くことにした。
出発の準備が整うまで、私はあとで拾ってもらうことにして、ちょっと散策。
奈良田温泉のバス停に早川町乗合バスが待機していた。
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その先に、「旅館大家」。
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まだお住まいのようだが、営業は止めてしまったらしい。

このお宅(深沢定富家)はかつての庄屋だったのか、戦国時代に甲斐国で唯一年貢を許されたことを示す武田信玄・勝頼の印判状が伝わっているそうだ。
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ここで、ピックアップしてもらった。
西山温泉に「湯島の湯」という日帰り入浴施設があるらしいのだが、見つけられず、結局奈良田まで戻り、車を今度こそ白根館に止めて、徒歩で「奈良田の里温泉」に向かうことにした。(実は、「湯島の湯」はもっと先だった)

温泉まで、ちょっとした奈良田散策である。
しっとりと濡れた道祖神と地神。
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奈良田の里はこんなふうな感じで営まれている。
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「温泉」は高台にあるので、ちょっと登る。
家並みを見下ろすことができる。
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もうクリが実りつつあった。
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分岐を右へ。
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源泉かけ流しだそうだ。
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この温泉は「女帝の湯」と名付けられている。
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その名は、奈良時代の女帝孝謙天皇の伝説に由来する。
天皇はある夜、夢を見た。真っ白な鬚をたくわえた翁が「甲斐国巨摩郡早川庄の湯島郷に効験あらたかな霊湯がある」と告げた。病を患っていた帝がこの地にやって来たのが天平宝宇二年(758年)のこと。20日ほどの湯治で病は治ったが、この地をこよなく愛された帝は8年間ここに遷居し、村人たちの暮らしを助けたという。
もちろん、孝謙天皇が甲斐国に下ったという史実はない。
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孝謙天皇は僧の道鏡を寵愛したことでよく知られる。
そのせいか、伝説には尾ひれが付いて、帝が患っていた病気とは、道鏡のイチモツが大きすぎたことによる下の病だったとも伝わっているそうな。
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入浴料は550円。
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平日の朝ということもあり、温泉はわれわれ3人の独占状態。
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湯はぬるぬるというより、とろとろというのがぴったりくるくらいのなめらかさ。
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源泉の温度は42℃。phは8.6のアルカリ性低張性高温泉だ。
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源泉からは、ほのかに硫黄のにおいがした。
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浴槽は2つに分かれており、右側の方はややぬるくなっていて、いつまでも入っていられた。ほんとうにいい湯だった。
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湯から上がって、我々が着替えているころ、昨日何度も見かけた法政二高の生徒たちが入ってきた。
ちょうど入れ替わりでよかった。
彼らは最寄りの駅までタクシーに分乗して帰るとのことだった。

湯上がりのビールは古民家カフェ「鍵屋」に行こうと思っていたが、この建物内に食事処があるので、まだ10時半だが、ここで早めのお昼にしてしまうことにした。
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「こんぼうず」とは、奈良田の方言で食いしん坊の意味だとか。

まずは生ビールで乾杯。
つまみは、なすの煮浸しにおでんに川魚の塩焼き、主食はほうとうをいただいた。
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これがボリュームもあって、なかなかうまかった。

調子に乗って、冷酒もいただいてしまった。
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山梨県北杜市・谷櫻酒造の「たにざくら」。

この古銭の文字が浮かび上がると飲み頃だそうだ。
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1時間かけて、ゆっくりランチ&お酒を楽しんだ。
いい気分になったところで、もう1回風呂に入ろうと思ったら、「お風呂は1回のみです~」とのことでNG。

仕方ないので、宿にチェックインできる午後1時まで、あたりをぶらついて時間をつぶすことにした。幸い雨は止んでいた。
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遊歩道を通って県道に下りる。
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これは何の葉っぱかな?
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県道に下りて、奈良田の里温泉を見上げる。
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意気揚々と県道を歩く。
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いったん白根館に戻って、傘を置く。
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オオバギボウシの紫が鮮やか。
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珍しい火の見櫓。半鐘も吊り下げられていた。
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再び坂を登る。
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ニラの白い花。
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昔ながらの民家。
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現在の奈良田の集落は、西山ダムの建設に伴い、昭和35年に全戸移転して成立した。
だから古くてもまだ半世紀ちょっとしか経っていない。
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この水道もその頃のものかもしれない。
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かつての集落は西山ダムを埋めつつある土砂の下だ。

石垣の脇の細い道を登る。
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間もなく奈良法王神社に着いた。
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奈良法王とは孝謙天皇のことだ。
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村人の天皇への敬愛の念が強く、そんな名前がついたらしい。
孝謙天皇はこの地に着いた時、「奈良の都は七条なるが、この地は七段、ここも奈良だ」とのたまった。それが「奈良田」という地名の由来らしい。

境内には「御符水(ごふうすい)」と呼ばれる手水があった。
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帝が掘った用水で、どんな干ばつや長雨でも水の増減がなく、諸病に効くとされる。
「奈良田の七不思議」の一つだそうだ。

試しに、一口いただいてみた。
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今のところとくに悪いところはないが、これでしばらく病気にはかからないだろう。

白壁の社殿に参拝。
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神社の創建は延暦三年(784年)だそうだ。
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早川町歴史資料館は素通り。
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皇太子殿下は昭和62年に奈良田を訪ねたらしい。
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お目当て、古民家カフェ「鍵屋」ののれんをくぐる。
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ケーキがおいしいらしい。
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この建物はもともとここにあったものではなく、富士吉田から昭和60年に移築されたものだそうだ。
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建築は18世紀後半頃と推定されているらしい。

ここでO君は鹿肉のトマト煮(1300円)を注文。
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さっきの店での食事だけでは足りなかったようだ(彼だけ、ほうとうではなくそばだった)。

私とH君は「えだ豆アイス」(400円)。枝豆の砕いたのがそのまま入っていたが、かなり固かった。
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食感的にも今いちで、めっちゃうま~いって感じでもなかった。
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ここで、店内にあった白嶺史朗の南アルプス写真集をめくって風景を復習した。
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帰りにH君が「エコパーク」のバッジをもらって喜んでいた。

そろそろ1時なので宿に向かう。
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(これは「奈良田の里温泉」)

野外に露出した便器を横目に下っていく。
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ちょうど1時に「白根館」にチェックイン。
昨日乾かなかった汚れ物を含め、3人分の衣類で部屋は埋まり、一気に男の汗くさい部屋となった。

(つづく)
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