山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

白峰三山(8)

【2016年8月28日(日)】
間ノ岳(3190m)から農鳥小屋に向かって下っている。
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いきなりですが、ぱっくり。
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テン場の石囲いのようだ。小屋はもう近いということだろう。
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農鳥小屋に近づくと、噂のおやじが見晴らしの利く場所でたばこを吸っているのが見えた。
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(ここには写っていません)

我々が横を通り過ぎようとすると、「縦走路はこっちだよ」と声をかけてきた。
道なりに行くと、小屋の間を通る形になるが、もちろんその先で縦走路に出る。
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小屋の方には行かせたくないらしい。
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「今日はどこまで行くんだい」
「大門沢小屋です」
「昨日は静岡で集中豪雨、伊豆でもあったんだよ」
「そうらしいですね」
「台風が近づいているんだ。それがこっちに来たらどうなる? 沢なんて下れないよ」
「・・・」
「何にも考えてないんだな」
ここまで言われては、まともな返答をすることができず、そのままやり過ごす。
噂に違わぬ口の悪さだ。

評判は聞いていたので別に腹も立たず、もう関わりにならないようにしてさっさと通り過ぎようとしたが、バッジ好きのH君は用が済んでいない。
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小屋の売店に「農鳥小屋」のオリジナルバッジを見つけた。
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小屋にはこのおやじさんしかいないようなので、大声で声をかける。
「すいませ~ん、休んでいるところ申し訳ないんですが、バッジ買いたいんですけど~」
「え~?」
「バッジ売ってもらいたいんですけど~」
「ノーサンキューだ」

これには、H君もさすがに激怒。ケンカこそしなかったが、一堂しばらくムカムカが続いた。
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台風が近づいている中、沢を下るのは確かにリスクがある。
ヤマテンの予報も確認して大丈夫と判断して行動しているわけだが、確かに警戒すべきことではある。

善意に解釈すれば、登山者の安全を考えて、あえて厳しいことを言っているもかもしれない。
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しかし、それとこれとは話が別。バッジを売らないというのは、ただの嫌がらせだ。
しかも、言葉の使い方がおかしい。
「これ、召し上がりませんか」「ノーサンキュー」なら分かるが、「これ買います」「ノーサンキュー」はないでしょう。
このやりとりで、おやじの本性が分かった気がした。
彼の態度は「善意」に基づくものではなく、ただ「偏屈」なだけなのだ。
あの人は登山者のほとんどを「バカ」だと思っている。そんな態度だ。
99%の登山者は不愉快に思うだろう。
本人は「商売」をしているつもりはないのかもしれないが、よくあれで小屋の経営が成り立つものだ。

我々は偏屈ではないので、それでも彼の言葉をかみしめ、戦略を練り直した。
大門沢小屋泊まりにするか奈良田まで下ってしまうか。
奈良田まで下るとしたら、白根館の宿泊を1日早めないといけない。
それは可能だと思うが、結論としては、大門沢小屋のご主人に意見を聞いてから決めることにした。
そんなことを3人で話しながら歩いた。

これもテン場のようだ。
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さらば、農鳥小屋。
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そうこうしている間にすっかりガスってしまった。
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小屋のすぐ先で、さっき先に行ってもらった年配の3人組が休んでいるところに追いついた。
話しかけてみると、やはり小屋のおやじに同じようなことを言われたらしい。
3人も大門沢小屋に泊まる予定だったが、どうしようか考えているとのこと。
「我々も同じです」と話して、取りあえず先に出発した。

ここから西農鳥岳(3051m)に向けて急登になる。
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振り返っても、もう稜線は見えない。
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ついさっきまでは、あんなに青空が広がっていたのに。
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3人組もすぐに出発。ゆっくり差を縮めてくる。
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前方は真っ白だが
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後方は印象が最悪になった農鳥小屋が、しばらく見えていた。
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おやじはドラム缶に寄りかかって、また次の獲物を待っているようだ。
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ここは標高差250mほどの登り。
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間ノ岳もすっかり雲にまぎれてしまった。
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なんだか雲が遊んでいるように見える。
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巨大な岩盤が露出していた。
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三国平へのトラバース道が見える。
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この雲は、ちょっと取れそうもないなあ。
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高校生たちの姿が見えなくなったので、また農鳥小屋のおやじに同じことを言われて、そこに泊まることにしたか、三国平方面に行ってしまったのか、どうしたのかなあと思っていたら、やはりこちらに向かってきた。
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小屋で言いがかりを付けられ、時間を食ってしまったのだろう。

登るにつれ、激しい岩稜帯になってきた。
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標高3000mに達すると、傾斜は穏やかになった。
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稜線の右(西)側をトラバースしていく。
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(これは振り返ったところ)

左奥に見えるピークが西農鳥岳だろうか。
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まだ先かな。

しかし、ほとんど視界が利かなくなってきた。
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振り返ると、3人組はまたバラバラになっている。
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そのうち1人がとうとう我々にぴったりとくっついて来た。
他の2人はかなり離れている。
仲間がいるのだから、自分だけ先行グループを抜かすわけにはいかないはず。
だったら、追いついた時点で後ろの仲間が来るのを待ってあげればいいのに、2人のことは全く気にかけず、我々のすぐ後ろをついてくる。
すぐ後ろに人がいると、気を遣って写真を撮りにくいので、立ち止まった時に声をかけてみた。
「いつも、こんなに離れて歩いていらっしゃるんですか?」
「ああ、後ろの人は足が悪くてね、年も年だし。彼は74歳。私は64だから」
足が悪い人がいるなら、それに合わせてあげるべきでは?
こちらの牽制には全く気付いてくれなかったので開き直って、何度も立ち止まって写真を撮った。
あおられるような形になって、先頭のO君も休むきっかけがつかめず、頂上まで登り切るしかなかった。

標高3040mの屈曲点を通過。
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ここまで来れば、頂上はもう目と鼻の先だ。
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あの標柱を目指す。
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右手は吸い込まれそうな深い谷。
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9時ちょうど、西農鳥岳に到着。
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ここで15分ほど休憩。私はピーナッツのランチパックを1個食べる。
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このガスでは、お隣の農鳥岳(3026m)すら見えない。
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さっきの3人がすぐ追いついてきたので、写真を撮ってもらった。
そして私どもが休んでいる間に、先に行ってしまった。年齢のわりに、かなり元気だ。
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こちらは休憩がてら、あたりを撮影。
さっきの屈曲点。
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その左(南西)に突き出した尾根。
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それでは我らも出発しましょうか。
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右手の谷は滝ノ沢に続く。
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この先の岩峰ピークはすべて巻くことになる。
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3人の姿ははるか先でもう見えない。
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西農鳥岳山頂を振り返る。
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表記は「西ノウトリ」。
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鋸のような稜線。
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いや、こちらこそまさに鋸か。
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尾根がガスの防波堤になっている。
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それにしてもトラバースは楽ちんだ。
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しかも農鳥岳は西農鳥より25mも低いから下り基調。
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右手の山襞。
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ちょっと判読しにくいが、「ニシノウトリ」「ノウトリコヤ」だろうか。
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あの平らな稜線がおそらく農鳥岳の頂上だ。
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(つづく)
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