山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

鳥海山1

7月21日(土)、快晴。すばらしい天気だ。
象潟駅前を出る鉾立(登山口)行きのバスは6:10。
6時に旅館を出て、徒歩1分。バス停にはすでに2~3人の登山客が座って待っている。
私はザックを隣に置き、バスが来るまでの間、駅前の雰囲気を撮影して、わずかな時間をつぶした。

象潟合同タクシーが運行しているマイクロバスは7人の乗客を乗せて、定刻の6:10に発車。市街地を抜けて、鳥海ブルーラインへ登っていく。
この道は、山形勤務時代の夏休みだから、もう26年前のことになるが、マイカーで通ったことがある。

要所に標識がある。1合目(一ノ坂・190m)、2合目(一の清水・410m)、3合目(霊峰入口・6?0m)、4合目(下鉾立・893m)。
登るに従い、下界が開け、象潟の九十九島や日本海が一望できる。
5合目の鉾立(1160m)には6時50分前に到着。
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ここからの眺めも十分にすばらしい。これは九十九島。
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これから目指す頂上はあれだ。
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駐車場はもう満杯。大勢の登山者が山に入っているだろうことが想像される。
やはり百名山は東京からの距離など関係ない。
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準備体操をして7時ジャストに出発。

コースタイムは以下の通り。
21日:象潟駅=鉾立(7:00)~展望台(7:15朝食15分)~賽の河原(8:35)~御浜小屋(9:25休憩20分)~七五三掛(10:45)~御室小屋(12:00昼食45分)~頂上(12:55休憩5分)~七高山(13:20)~行者岳(13:55)~御室小屋(14:25)
22日:小屋(4:50)~行者岳(5:05)~文殊岳(5:40)~河原宿小屋(7:00朝食45分)~月山森(8:15)~T字分岐(9:05)~吹浦分岐(10:05休憩25分)~笙ヶ岳(10:55)~河原宿(11:35昼食15分)~大平登山口(12:45)~大平山荘(13:00)=酒田駅

登山道はしばらくコンクリートで固められた階段。整備されずぎだが、これだけの人が登ることを考えると、防衛策としてはやむを得まい。
登り始めるとすぐ、東雲荘という山小屋がある。
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TDKの創業者・斎藤憲三氏(地元出身)が登山を通して従業員の健康増進を図るため設置したものだそうだ。一般にも公開しているという。
屋内は見ていないが、石造りのなかなかしゃれた小屋である。

それにしても、海を眺めながらの登山というのは、不思議かつ気持ちがいい。
あれは庄内浜の海岸線だ。
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登山口から15分ほどで、深い奈曽谷の向こうに山頂を望む鉾立展望台に出る。
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神奈川から出張のついでに来たという青年は「まきちゃん、行こう。14回目の鳥海山!」と元気よく歩いていった。

ちょうとベンチとテーブルがあったので、ここで朝食とする。
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昨日買っておいたおにぎり3つのうち2つを食べた。

7:30に出発。舗装道路はすぐ先の白糸の滝展望台で終了。少しの間、木道があって、あとはしばらく整備された石畳の道。
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なだらかな坂を直線上に登っていく。このルートはずっと樹林帯がなく見晴らしがいい。
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道の左側は断崖のようだが、ササのためよく見えない。
日差しが強く、日傘を差して登る上品なご婦人の姿もあった。
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地図上にある1341mの小ピークは、あの岩峰だなと見当がついたが、「尾根渡り」という場所は特定できないまま通過してしまった。
それにしても、空はひたすら青い。
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7:53、秋田・山形県境を通過。
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両県にまたがる山だという認識だったが、実は鳥海山の主要部はすべて山形県内にあったのだ。

見え隠れする山頂を目指し、ひたすらササの道を歩く。
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8:20、最初の雪渓に到着。山ガール3人組みがはしゃいでいたので、写真を撮ってあげる。「ここの水は飲めるのかなあ」とつぶやいていたので、地図に「水場」と書いてあるし、飲めると思いますよ、と教えてあげた。
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私はまだ水はたっぷりあるので、ここでは補給せず。

驚いたのは、このあたりニッコウキスゲの群落が見上げる位置にあること。
まるで空に咲いているようだ。
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まもなく賽の河原。
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岩がごつごつ露出しているところに、チングルマがところどころに咲いている。中には、おがってしまい、綿毛になってしまったものも。
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この先は、山頂への直行ルートを離れ、ちょっぴり雪渓歩きを楽しむ。傾斜も緩いし、そのままで歩けそうだが、せっかく持ってきたので、4枚歯のミニアイゼンを装着。
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数百㍍で雪渓をはずれ、マイナーコースの愛宕坂を登る。
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まっすぐ行けば、ニッコウキスゲが咲き乱れる笙ヶ岳への分岐に出るのだが、あちらは明日歩くので、今日は我慢。
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雪渓歩きを楽しむカップルたちを見送る。
雪渓の向こうは海。なんというすてきな景色だろう。

愛宕坂を登っていると、なんと雲海の上に月山が見えてきた。
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アスピーテの優美な稜線がグッとくる。

その右手にはニッコウキスゲの楽園で遊ぶ登山者の姿が。
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その向こうは、右から三峰、二峰、笙ヶ岳。
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目を足許に転ずれば、可憐な高山植物が妍を競う。
ヨツバシオガマ
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ミヤマキンバイ
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ウサギギク
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ハクサンフウロ
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チョウカイアザミ
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チングルマの綿毛
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クルマユリ
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ハクサンシャクナゲ
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そうこうしているうちに、鳥海湖を望む鳥ノ海御浜神社に到着(9:25)
ここには山小屋も営業している。
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このあたりも、見事なニッコウキスゲの群落だ。
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まん丸の鳥海湖を見下ろしながら、残りのおにぎりをほお張る。
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絵はがきのような、出来過ぎの眺望に、しばしうっとり。

これは頂上方面。
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こちらは外輪山。
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しかし、のんびりしている間に、どんどんガスが北斜面に湧いてきて、山頂を覆い隠してしまった。
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まあ、昨日も下界から眺めてそうだったが、このままガスに包まれてしまっても、夕方には晴れるだろうと予測し、気持ちを鎮めた。

こちらは鍋を逆さにしたような形の鍋森(1652m)。
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ここへの登山道はないので、眺めるだけだ。

さて、あまりガスが濃くならないうちに、9:45出発。
正面の山頂は雲の中に隠れたり、出てきたり。
ニッコウキスゲのお花畑の中、右手に鳥海湖を見下ろしながら進む。
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振り返ると、御浜小屋
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そして、笙ヶ岳(後列左端)への稜線
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20分ほどで扇子森(1759m)に到着。このあたり、「森」という表現でピークを示すところが多い。さっきの鍋森に加え、月山森というのもある。

扇子森は台地状の頂上で、標識はなかった。
斜面にはここもニッコウキスゲの大群落。
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始めて、南斜面にある千畳ヶ原が一望できた。明日はあそこを歩く。
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下りは石畳の整備された道。ここは八丁坂というようだ。
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下りきった鞍部は御田ヶ原分岐。10:20に通過。
振り返ると、笙ヶ岳への稜線と雪渓が美しい。
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今までより、少しきつめの坂を登り、10:45に外輪山ルートと千蛇谷ルートの分岐にあたる七五三掛に到着。
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ここは北からのガスの境目。ガスは谷にたまり、外輪山の南側には流れ出さない。
かつては、ここからすぐ道は二つに分かれていたようだが、谷への道は崩落のため、一旦尾根道を100mほど登ってから、一気に下る。
いきなりガスの中だ。
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千蛇谷に下りると、一応見通しはきいた。
カール状の細長い谷だ。
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谷を雪渓が埋めており、ここを詰めて行ってもいいが、一応横断して、土の上を歩くのが登山道。雪渓は落石は多い。DSC_7872_convert_20120816124110.jpg

道は徐々に急になり、谷を詰めるあたりはそれなりの傾斜となる。
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休んでいる人もちらほらいるが、こちらはむしろ調子が出てきて、サクサク登る。
とは言いつつ、何度も振り返って写真を撮ったが。
緑のじゅうたんの中に黒い岩が点在している、おもしろい景観だ。
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見上げると、真新しい溶岩の塊である山頂方面が見える。
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鳥海山の山頂・新山は1801年の噴火でできたものだ。岩だけでできており、何だかなまなましい。

12:00ちょうどに、御室小屋のある大物忌神社前に到着。
小屋を訪ねると、受付は1時からだと言うので、まずは昼食にする。
千蛇谷と外輪山が見える場所に、簡易イスを立て、「岳食カレーうどん」とチーかま。
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噴火当時の火山弾だろうか、谷に無数に突き刺さっている。
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ちょうどお昼時ということもあり、100~200人ほどの登山客が休んでいた。頂上はスペースがほとんどないので、ここが休憩場所なのだ。
ここの小屋は下の御浜小屋もそうだが、大物忌神社が経営している。
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風が強いのだろう、建物はすべて石垣で囲われている。
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売店ではバッジのほか、生ビールが1000円で売っていたが、私は基本的に行動中は飲まない。高いし。
とりあえず、ザックを置いて、12:45に出発。溶岩の岩場を○印や矢印に従って登っていく。
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八ヶ岳の編笠山よりは難度が高いが、北八ツの三ツ岳に比べれば、全然楽。
3点支持が必要なところはほとんどない。

途中、巨大な溶岩の間を下っていく場所があり、これには「お~っ」と声が出た。
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おそるおそる下っている人を尻目に、別ルートで登っていく。
頂上付近は、岩峰が十数本も林立する岩場で、そのうちの一つが頂上だ。
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頂上には10分ほどで到着。みなが代わる代わる、木のプレートを胸に記念撮影をしていた。
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私はここまでの行程が十分感激の連続だったので、とくに登頂して特別な感慨はなかった。
とにかく、人が入れ代わり立ち代わりで落ち着かないので、日没時にもう一度来ることにしよう。

つづく
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