山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

恵庭岳(上)

【2016年8月13日(土)】恵庭岳
この日は、恵庭岳(1320m)に登る想定で、高校同窓生限定のfacebook山岳部に一緒に登ってくれる人の募集をかけていた。
数人から「行けない」という反応があったので、「ちょっと怖いけど、単独かな」と思っていた。
恵庭岳は子供の頃からよく眺めていて、いつかは登りたいと思っていた。
でも、最近は崩落が進み、9合目手前の第2見晴台より上は一応「登山禁止」になっているとのことで、一人で登るには不安があったのだ。

でも前日になって、9期下のM君から同行したい旨の連絡があった。
彼は同窓の麻雀部の仲間でもある。6月に渋谷で一度お手合わせさせていただいたことがあるが、かなりの雀師だ。
最近はランニングも始めており、その練習がてら山にも進出している。
「恵庭岳は一人だと尻込みしてしまうが、同行者がいるなら」と手を挙げてくれたらしい。
やはり考えることは同じだ。

前夜の同期会で聞いた情報だと、山頂にあったデベソ岩という直径2㍍ほどの岩が5月末から6月初旬の間に崩落し、消滅したという。
調べてみると、恵庭岳では2001年に千歳市山岳遭難救助隊が山頂南部で高さ50m、幅30mに及ぶ崩落を確認。
これを受けて、千歳市が第2見晴台に登頂を禁止する看板を設置。
だが、「法的根拠がない」と登山者から反発の声が上がり、現在は注意を促す看板にとどめているという。

1993年の北海道南西沖地震や2003年の十勝沖地震などで生じた亀裂に浸み込んだ雨水が冬に凍結して、さらに亀裂が広がるという繰り返しで、崩落が進行しているらしい。
実際歩いてみて、危なっかしい亀裂をあちこちに見つけることができた。
自分が行ってしまって言うのも何だか、いつ大規模な崩落が起きても不思議ではない状態なので、お奨めはできない。
「自己責任」とは言うが、こればかりは自分の努力で防げるものではない。

登山届の件数は、近年では年間6000人ほどで、その倍は登っていると救助隊では推定している。
私が登った日は、遅いスタートで登山届を出したのは朝9時。
その時点ですでに11組の登山者が入っていた。登りながら実数を数えてみたら、我々より先に入っていたのは、西峰に行っていた3人を含め17人だった。

ところで、前夜、同級生から7月中旬に単独の中年女性が恵庭岳で行方不明になっているとの話も聞いた。
崩落に巻き込まれたのか、滑落したのか、道に迷って戻れなくなったのか、熊に襲われたのか、よく分からないが遭難したことは確かである。

同級生S君は以上のような状況なので「十分気をつけたほうがいい」と言ってくれたが、もう一人の山仲間H君は「全然平気、デベソ岩なんて関係ないよ」と気にもかけていない様子。
とにかく、近くのイチャンコッペ岳(829m)に行き先を変更することも視野に入れつつ、翌朝を迎えた。

当初は、兄に借りた廃車寸前のレンタカーで行くつもりだったが、M君が車で送ってくれるというので甘えることにした。
8:15に地下鉄自衛隊前駅の前で待ち合わせ。
私はセブンイレブンで飲み物(スポーツ飲料1.5㍑)だけ買って、10分前に到着。
M君も5分前に来てくれた。
もう1人連れて行くけどいいですかと言っていたのに、本人だけなので、聞いてみたら、昨夜飲みすぎて具合が悪いのでキャンセルしたとのこと。
それは残念。
実はM君と山に登るのは初めてだが、二人きりで話すのも初めてのようなものだ。
車中で山に登るようになった経緯などを聞きつつ、登山口に向かった。

H君情報では、恵庭岳の登山口は車が数台しか駐められず、9時着ならおそらく埋まっているだろうとのこと。
路駐する場合は、国道だと取り締まりがあるので、丸駒温泉方向の道道にした方がいいとのアドバイスだった。
ただ、駐車場の工事をしていたので、もう拡張されているかもしれないとも言っていた。
着いてみると、舗装はされていなかったが、20台くらい駐められるスペースが確保されていた。
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ただ、警察の車両が2台駐まっていた。
崩落が進んでいるのに、山頂へ行く人が後を絶たないので、上で規制をしているのだろうか。
それとも、行方不明者の捜索がまだ行われているのか。
本州だと、警察の捜索は通常1週間で打ち切り。その後は、遭難救助隊の手に移る。
もうすでに1か月近く経っているが、北海道では警察の捜索期間が長いのだろうか。

9時前に到着した時点で、駐車場には警察車両を除いて10台くらいの車があった。
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まだ駐めるスペースがあったので助かった。

登山口の看板の下に、入山者への注意書きがあった。
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やはり「第2見晴台から先には入らないように」とのこと。
そこに警察が名を連ねていないのは、やはり「法的根拠」がないからだろうか。

軽くストレッチをして、9:05に出発。
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今日は雲ひとつない快晴だ。
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登山道と思しき方向にいきなり通行禁止の柵があって戸惑ったが、これは車両用のものだろう。

5分ほど歩くと、早くも1合目の標識を発見。
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でも、この後2~5合目までの標識は見かけなかった。
たぶん旧道にあるのだろう。

最近築かれた堰堤が続く、涸れた河川敷を進む。
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涸れ滝を乗り越えて、本格的な登山道に入る。
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蒸し暑くて汗がだらだら出てくる。
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最初は比較的なだらかだが、周辺は倒木が多い。
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台風の影響だろうか。

旧道は倒木のためか、崩落のせいか封鎖されていた。
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30分ほどで標高500m地点を通過。
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ここから一気に傾斜が急になる。
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今日は標高差1000m。実はかなりきつい。
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標高500mを越えてから一気に倒木が増えてきた。
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そのおかげで、一瞬展望が開け、紋別岳(866m)の電波塔が見えた。
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オオカメノキの実。
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10時前に早くも下りてくる人がいる。
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登山届では5時台に入山している人もいたが、それにしても早い。

相変わらず倒木が激しい。
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道もあちこちで付け替えられているようだ。

ちょっと気色の悪い何かの幼虫。子供の頃は平気だったのになあ。
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もう一匹。
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M君が汗だくのまま水も飲まずに歩き続けているので、「水飲んでますか~?」と声をかける。
「今日は標高差もあるし、暑いから、のど渇く前に飲んだ方がいいですよ」と注意喚起。
水もザックの中のようだったので、取りやすいところに入れるよう、僭越ながら助言した。

その先でもきつそうだったので、ストックを使っては?と促した。
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彼は、私のことをベテランと思ってくれて、迷惑をかけないよう必死で歩いてくれていたようだ。
私は、さすがに走っている人はペースが速いなあと感心していた。
実際、写真を撮っている間に少し遅れると追いつくのにひと苦労だった。
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キオン。
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足場の悪い道を、500m地点から50分。
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やっと、6合目を通過した。
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深くえぐれた登山道。
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ずっと樹林帯で、長い登り坂に飽きてきた頃、ロープ場に出た。
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「↑登り専用」との標識があるが、下り専用の道が見当たらない。
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ここは道が2列並行しており、右のロープのある方が、下り専用なのではないかとM君は理解したらしく、左側のロープのないちょっと荒れた道を登っていく。
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私の感覚では、このロープそのものが「登り専用」なのではないかと思ったが、左の踏み跡も何とか登れるので、M君の後ろに続く。

途中、木々の切れ間から支笏湖が覗けた。
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左下にはポロピナイ沢も。
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このロープ場は相当に長い。
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切れそうなロープもあるので注意しなければ。
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登り切ると、右側に下り専用の道が別にあった。やっぱり。
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でもこれは、下りの人も見落としやすいかもしれない。
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第1見晴台までは、もうひと踏ん張り。
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この先間もなく、溶岩が固まった開けた場所に出た。
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左の稜線。
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ここで山頂ドームが姿を現した。
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(つづく)
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