山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

朝日岳(群馬)

8月5日午前4時前に起床。
外はまだ暗い。なんとガスがかかっていて、何も見えない。
でも、なぜか月だけは見える。
「妙な天気ですよ」と状況を説明すると、「昨日、谷川岳もそうでした。上が見えるということは、高いところに出れば、ガスの上に出ますよ」との反応。
期待することにする。

さて朝食。お湯は昼の分も沸かして、テルモスに入れておく。
メニューはまたしてもフリーズドライ。中華丼とにゅうめん。これはわりと高くつくが、とても楽だし、味もそう悪くない。
お隣の彼女は昨夜、きちんとご飯を炊いていた。

4:55出発。朝露であっという間にズボンの裾がべちょべちょになる。
スパッツを履けばよかった。
最初は鉄塔もこんな感じでしか見えなかったが
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10分も歩くと、笠ヶ岳方面の稜線が雲の上に顔を出した。
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これはいい天気になりそうだ。

さらに10分ほど歩くと、池塘が現れた。
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池ノ窪と呼ばれる場所だ。
まわりにはキンコウカが咲き乱れていた。
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少し登っては平らな道、というパターンを繰り返し、徐々に高度を稼いでいく。
一息つきながら歩けるのでとても楽だ。
行く手に朝日岳が完全に姿を現した。
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横から見ると、ぼんやりした稜線だが、下から見ると、しっかりしたピラミッドだ。
ただ、見えているピークは頂上ではない。

途中、つまずいて転び、その拍子に振り返ると、六日町盆地と魚沼丘陵が望めた。
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谷川岳方面の雲が切れてきたのには、びっくり。
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次々に広がる展望に興奮する。花もだいぶ好きになったが、やはり眺望こそが山の醍醐味だ。
清水峠はどうやらガスの通り道になっている。
湯檜曽川の谷に発生した大量のガスが清水峠を越えて越後に流れ込んでいる。
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しかし、そのガスはなぜか、いつの間にか消えてしまい、あちらを雲で埋めることはない。
実に不思議だ。

そうこうしているうちに、その流れる雲の上から、上越のマッターホルン大源太山がその雄姿を見せ始めた。
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なかなか立派なお姿だ。いずれ、これも登らなければならない。
七ツ小屋山と含めて周回コースで登るつもりだ。ちなみに七ツ小屋はずっと雲の中だ。

一方、朝日岳の北に連なる上越国境の山々、大烏帽子山や檜倉山などは頂上にずっしりと雲がのしかかっている。これは当分動きそうにない。
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雲には朝日が差してピンクになっており、ようやく日が昇った。
振り返って、これまで歩いてきた稜線の道を見下ろす。
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これは影朝日。影富士のようなものだ。
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朝日岳の山腹はところどころ斜面にお花畑が広がる。
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キンコウカが優勢だが、ニッコウキスゲがひとりぽつんと咲いているのも印象的だ。
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谷川周辺のニッコウキスゲはみなそうで、なぜか群れないのだ。

これまで尾根の西側を歩いていたが、後半は東に移る。西側は日陰で涼しかったが、東側は直射日光。昇ったばかりの太陽とはいえ、さすがに夏の日差しは強烈だ。
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ここまで小さな虫がたくさんいて、アブがまとわりついてきて、うっとうしかった。
暑寒別岳とは比べものにならないが。

大源太山の北に延びる山々も全容が見えてきた。
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随分登ってきたことを実感する。
歩き始めて1時間半、下から見えていた三角ピークに到達。
ここはジャンクションピークと呼ばれ、巻機山への分岐だ。
ここから巻機山へは大烏帽子山、檜倉山、柄沢山といくつもの山を越えていかなければならないが、夏はひどいヤブこぎとなるのだろう。
昭文社の地図には「残雪期を中心に歩かれる」とある。
分岐の標識には「難路 道ナシ」とあった。
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道がなくても矢印を設けるのだからすごい。
ここも魅力的なコースなので、残雪期に挑戦してみたい。

このピークを越えると、山はのぺっと平らになる。
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本当の山頂はガスに包まれているのか、まだ見えない。
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ただ、そのガスの中から、尾根の東に湿原が現れた。朝日ヶ原である。
この手つかずの池塘群の眺めがまた絶品である。
あまりの美しさに思わず、聖子ちゃんの歌をくちずさんでしまった。
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そしてやっと山頂が見えた。
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あの王冠のような部分がそうである。
このあたりから木道となる。ここはあまり知られていないが、山上の楽園だ。
宝川温泉への道を左に見て、山頂へは、さっきのジャンクションピークから20分ほど。
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1945m。ちょっとガスがかかってきた。
頂上には、ここに泊まったという男性がいて、準備がちょうど終わったところなのか、こちらの到着とほぼ同時に笠ヶ岳方面に下山して行った。

頂上付近は本当に美しい高原になっている。
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むしろジャンクションピークの方が山っぽい。
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頂上も見事なお花畑である。多くの人が歩いたり、座ったり、ザックを置いたりする場所なのに、よく枯れずに元気でいるものだ。
最も顕著なのはヒメシャジン。これがあちこちで群落をなしていた。
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朝日岳から見る谷川岳がたぶん絶景なのだろうが、依然としてガスの中。
これから向かう笠ヶ岳もガスの中にまぎれている。
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ここまで歩いてきて気づいたのだが、このいわゆる馬蹄形コース、標高はたかだか1600~1900mほどなのにほとんど樹林帯がない。
ササとシャクナゲとハイマツの道で、常に展望が開けている。
風が強いこともあるだろうが、やはり豪雪が理由だろうか。
このあたりは、かの川端康成が「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」と書いた、その清水トンネルの真上なのだ。

20分ほど休んで7:10出発。下りは結構急だ。
慎重に下らないと、と思った途端、派手にスリップ。思い切り尻もちをつき、その際、岩に右手をついたのだが、その付き方が悪かった。
内出血でパンパンに腫れてしまった。痛みはあるが、関節は曲がるし、激痛ではないから骨に異常はないだろう、と判断し、放置した。
というか、そもそも何の処置もできないわけだが。
(月曜日に念のため診療所で見てもらったら、小指の骨がかすかに剥離骨折をしていた)
それにしても、あのスリップは心外だった。なぜ、滑ったのか、よく見てくればよかった。

とにかくカメラも持てるし、いずれ治ると、とくに気にもせず山行を続ける。
さすがに下りにはより慎重になったが。

笠ヶ岳の道は東側が深く切れ込んだ急斜面。そんなところに、白、黄、紫、ピンクと色とりどりの花々が咲き誇っている。
シモツケソウ
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ミヤマシシウド(?)
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タカネトウウチソウ
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ミヤマシャジン
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イブキジャコウソウ
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マルバコゴメグサ
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不思議なことに、このお花畑、笠ヶ岳に向かう小さなピークを二つ越えるとぱったりなくなってしまう。どんな条件の差があるのだろう。

西斜面にも、ささやかな池塘があった。
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朝日岳に匹敵する高さを誇る小ピーク、大烏帽子、小烏帽子はガスの中を行く。
いずれも標柱などはなく、ピークを巻いて道がついている。
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ただ、笠ヶ岳に近づくと、笠ヶ岳そのものは見えてきた(右)。
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大烏帽子と小烏帽子の鞍部にもう一度お花畑が出現。
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クサンフウロ、ミヤマキオン(?)の群落の中でクルマユリが存在感をアピールしていた。

瑞々しいイワオトギリ
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笠ヶ岳の手前に避難小屋がある。
かまぼこ形で5人が入ったらもういっぱいの小さな小さな小屋だ。
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張り付けてあるプレートによると、青山学院大ハイキング部が遭難した仲間をしのび、そうした不幸が起きないよう設営したものらしい。
中を覗くと、親切なことに銀マットが敷いてあったが、不気味なメモも残っていた。
「小屋内にヘビがいます。銀マットの下に隠れていますのでご注意!! 8月2日朝」
この方は夜中に気づいたのであろうか。さぞかし恐ろしかったことだろう。
これから泊まる人は、まずヘビ退治から始めないといけない。

ここから山頂はすぐそこ。
8:20に朝日岳から1時間15分で到着。朝日岳であった男性が休んでいた。
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彼はまたすぐ下山していった。

つづく
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