山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

八ヶ岳(下)

7月16日、八ヶ岳3日目。4時半起床。
真冬の渋ノ湯以来の車中泊。個室状態だったが、あまり眠れなかった。
まあ、この程度は織り込み済み。5:05天女山駐車場(1530m)を出発した。
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いつもは日帰りでもビバーク用のシュラフを持って歩いているが、この日はシュラフも含め、ガスストーブも置いて、軽装で出かけた。なるほど背中が軽い。
しかし、天気はなんと曇。またしてもガスっていて何も見えない。
しかも、木々の葉からひっきりなしに朝露が落ちていて、樹林の中は雨が降っているような状態。一眼レフを守るため、自分の帽子をかぶせてあげた。

この日のコースタイム。
天女山(5:05)~天の河原(5:20)~2000m地点(6:10)~前三ノ頭(6:55)~(朝食10分)~三ノ頭(7:35休憩5分)~権現岳(8:25)~権現小屋(8:35休憩45分)~のろし台(9:50休憩10分)~青年小屋(10:15)~編笠山(10:40休憩20分)~青年小屋(11:20昼食30分)~西岳(12:35)~不動清水(13:55)~富士見高原(14:30)=信濃境駅=甲斐大泉駅=天女山

樹林の中のササ原をゆっくりと登る。
権現岳までは6.8km、標高差約1300m。所要4時間20分のコースである。
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まずは、お花のお出迎え。イブキジャコウソウ
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15分で展望台の天の河原(1620m)に着くが、全く残念なことに何も見えない。
3日間とも、こんな調子ではさすがにめげる。何とか晴れてほしい。
(6468)
道はゆるやかな道と急な道が交互に現れる。
一瞬、進行方向のガスが晴れたが、また雲の中に入ってしまった。
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道は1900m地点を過ぎると一気に急坂となる。これが延々続く。
2000m地点は6:10通過。登り始めて1時間経過したが、まだお腹が空かない。
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ヨツバシオガマ
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タカネグンナイフウロ
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6:55、最初のピークである前三ツ頭(2364m)に到着。ガスは仕方ないとして、風が強いのでとても休めない。
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ここからは稜線。このあたり、赤と黒の溶岩の石コロが無数に転がっており、富士山と似ている。伝説では、大昔、八ヶ岳と富士山はケンカしたそうだが、似たもの同士だったということか。
しばらく進んだ、樹林帯のなんの変哲もない道端でザックを下ろし、朝食とする。
おにぎり2個。食べている間に1人に抜かれ、頂上までに都合3人に追い越された。
まあ、あまり早く行ってもガスが晴れないから、急ぐ必要はない。

この先、いろんな高山植物に出会えた。
キバナノコマノツメ
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ミヤマシオガマ
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コケモモ
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ハクサンイチゲ
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イワベンケイ
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ミヤマオダマキ
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次のピーク、三ツ頭(2580m)には7:35に到着。
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ここで、ギターをかついだ山ヤに出会う。
彼は2泊3日で縦走中。ギターは旅用の小ぶりなもので、キャンプ地で2時間ほど爪弾くという。鳥海山でオカリナの人に会ったが、ギター携行の人は初めて見た。
私はたとえ弾けたとしても、人のいるところではできないなあ。
5分ほど雑談をして出発。ここからの稜線はハイマツとシャクナゲの道。
晴れていれば余程気持ちいいことだろう。
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相変わらず、ガスの中を進む。
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と思いきや、少しガスが薄れてきた。
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もう1時間も待てば、ガスも切れるだろうか。
そうこうしているうちに頂上直下の桧峰神社に到着。
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そして、頂上。本当のピークに立つのはむずかしい岩峰だ。
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ちょっと早く着きすぎたか。ガスは依然として晴れない。
先に着いていたカップルに写真を撮って差し上げる。

少し粘ろうかとも思ったが、どうせならと小屋で待つことにした。
小屋は、頂上直下。
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休憩料はいやなので、またまためずらしくコーヒーを注文。
すると、小屋番のお兄さんは「洗い物が済むまで受けられない」と言う。
時間は8:35。昨夜泊まったお客さんがみな出発したところなのだ。
こちらは、ゆっくり腰を据えるつもりなので、「ゆっくり、どうぞ。終わってからでいいです」と答え、腰をかけてメモを付け始める。
軽装にしたせいで、ボールペンを忘れたので、小屋の人に借りる。

小屋は木造だが、鉄で補強してある。
40年近く前に創業し、今の小屋で2代目だそうだが、それでも年季が入っている。
小屋番の人は40歳くらいか。よくしゃべる人だ。
洗い物を終え、コーヒー片手に出てきてくれた。
「今日は検便なので、青年小屋まで下りないといけない」という。
青年小屋は、権現岳と編笠山の鞍部にある小屋で、経営者は権現小屋と同じ。
その時代がかった名称の由来は、いくつか説があるという。

もともとは青年修練所だったので、そこから付いたのだという説。
もう一つは、その後それが編笠小屋となり、それが壊れて、地元の青年団が立て直したので青年小屋になったのだという説。

小屋番のお兄さんは後者ではないか、と言っていた。
今の経営者が引き継いだ時、すでに創業者は高齢で、「青年と乙女の悲恋がどうの」とふざけた由来を語っているうちに、本当のことはあやふやになってしまったらしい。

そんな話を聞きながら、パンをかじり、45分ほど待ったが、やはりガスは晴れない。
諦めて出発することにした。
ガスは出ているけど、それほど風もないし、雨も降っていないから、「今日の天気は上の下。いい天気の部類です」と、お兄さんは言うが、それはずっとそこに住んでいるから言えること。ずっとガスなら諦めもつくが、晴れそうで晴れないのは、かえってもどかしい。

この先はギボシと言われる岩峰をトラバースする道で、クサリ場も多く、岩を削った桟のような道で、細かい砕石も浮いており、かなり慎重に歩かないといけない。
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おそるおそる下りていくと、おやおや、ガスが晴れてきたぞ。
これはガスの下に出てきたということ? それとも本当に晴れたの?
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あれは、さっき歩いてきた三ツ頭の稜線だから、それが見えるということは晴れてきたということだろう。
そう思っているうちに、みるみるガスが消えていく。
ギボシの岩峰も姿を現し
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編笠山も眼下に見えてきた。
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なんと下界も開けてきた。
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そして、あれは富士山ではないか!
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これには本当に涙が浮かんだ。この2日半ずっとガスの中だったからなあ。
あと1時間寝坊していれば、小屋でちょうどガスが晴れていたかも。残念だが、それより今晴れてくれたうれしさの方がまさった。

のろし場(2530m)まで下りてくると、ほぼ展望が開けた。
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富士山ももう少しで雲が切れそうだ。
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そして振り返ると、権現も全容を見せてくれた。
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あんな鋸のような山頂だったのか。
これは、のろし場から見たギボシ(左)と権現岳。完璧だ。
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何枚も何枚も堰を切ったようにシャッターを押し続けた。
朝食時からずっと寒くて、ゴアを着ていたが、ここで脱ぐ。
日も差してきたので、帽子をかぶった。

目指すは編笠山。なんとも優雅な姿である。
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青い屋根が青年小屋。下半分は溶岩が露出している。
すべてがくっきり見えて、逆に不思議なくらいである。
しかし、晴れるとアブが出てきた。小屋のお兄さんが7月中はアブが出ると言っていたが、本当で、オオカサモチに無数のアブがたかっていた。
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10:15、青年小屋に到着。
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いきなり日が差して、今度は暑いくらいになってきた。
青年小屋には「遠い飲み屋」という提灯がぶらさがっており、そそられたが、とりあえずは編笠山に直行する。
まずは岩渡りだが、その向こうに富士山がくっきり見えてきた。
たいぶ雪渓がなくなっている。
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大岳や三ツ岳と違い、本当に足だけで、ぴょんぴょん歩けるので楽だし、楽しい。
登っては振り返り、写真を撮る。
高くなるにつれて、ギボシ(左)、権現(中央)、奥三ツ頭(右)の稜線がくっきりと見えてくる。
ちょっぴり悔しいが、仕方がない。
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雲の切れ間から一瞬、金峰山が見えた。
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岩場を抜けて、樹林帯を行き、青年小屋から25分ほどで頂上に到着。
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頂上はごつごつした広い岩場になっている。登山者も大勢いて、それぞれ早めの昼食を楽しんでいる。みんな晴れてよかったという表情。
南アルプス方面は、雲が多いが、時々、甲斐駒や仙丈などが顔を出す。
これは多分、甲斐駒とその左後ろが北岳か。
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こちらは仙丈。
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続けてみると、こうなる。
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こちらはすそのと入笠山方面。奥は中央アルプス。
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これは山頂の標柱。バックは権現岳方面。
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いやあ、いい天気になって本当によかった。
富士山もこの通り、ご機嫌。
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これはダイビングの奨めか(笑)
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撮影も一休みして、赤岳方面の雲が切れるのを、座って待つ。
すると、後ろに座っている60がらみの男性2人が、いい加減な山座同定をしていて、あれは○山かな、あれが○岳だろうと間違ったことを言っているのがとても気になる。とうとう耐えられなくなり、「ご説明します」と申し出てしまい、余計なお世話ながら、一つ一つ説明してしまった。お礼を言われたので救われた。

やっと赤岳の雲がほぼ消えた。
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左から阿弥陀、中岳、赤岳。中央奥で雲をまとっているのは横岳だ。
蓼科山は依然として見えなかった。

それにしても青空がまぶしい。空ってこんなに青かったんだなあ。
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さて、見るべきものは見つ。下山だ。
下りもついつい写真を撮ってしまう。これは青年小屋近くの疎林。
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ギボシの雄姿。
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青年小屋にわらじを脱ぎ、昼食とする。ラーメンを頼んだ。700円だったかな。
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インスタントラーメンだが、具もちゃんと入っており、おいしく頂いた。
インスタントなら、持参してガスストーブで簡単に作れるのだから、もったいない気もするが、そんなにケチケチしなくてもいいではないか、という気がしてきた。

もういい年なんだし、山小屋に金を落とそう。
雨やガスの中、山小屋に寄って飲みたくもないコーヒーを飲んでいるうちに、そんな気分になってきた。
今後はお昼でも積極的に利用しようと思う。
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麺をすすりながら、部屋を見渡してみると、この小屋を経営しているのは有名な山岳ガイドの竹内敬一さんであることが分かった。
へ~と思いながら、ごちそうさま。あとは西岳を登って帰るだけだ。

もう少しつづきます
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