しかも、現地のキャンプ場に泊まったわけでもなく、いったん所沢に戻っての出直し。
前日は車で5時間半かけて帰っただけに、もう運転したくなかったが、相棒のO君から車で来てくれと頼まれてしまったので仕方がない。
実はもともとO君にこの日、畦ヶ丸か檜洞丸に行かないかと誘われていたのだが、同窓会の準備でつぶれると思っていたから一度はお断りしていたのだ。
でも、でも前々日にみっちりやったので、とりあえず日曜日に急いでしなければならないことはなくなり、「やっぱ、畦ヶ丸なら行くわ」と前夜になってO君に連絡したのである。(檜洞丸は昨年から3回も登っているので)
即、返事が来て、「畦ヶ丸の予定だよ。実はK美さんの友達も京都から夜行バスで出てくるから、新松田の駅で拾ってあげてほしいんだ。車で来るよね」という。
そういう任務があるなら是非もない。
また車で西丹沢往復か。
前夜は早めに就寝して、翌朝は4時半に起床。5:10に出発した。
前日と違って朝が早い分、環8もそれほど混んでおらず、東名も渋滞知らずで、順調。
最初は霞んでいて大山すら見えなかったが、じきに富士山も見えてきた。
ああ、昨日娘に見せてやりたかったなあ。
7:15、新松田駅に到着。美女2人はすでに到着していて、ご無沙汰と初対面のご挨拶。MさんはK美さんの京都時代のお友達とのこと。
ボルネオのキナバル山(4095m)に登ったこともあり、今年はキリマンジャロに挑戦する予定とか。すごい。
とにかく、わがミニカーにお乗せする。
一応4人乗りだが、山仕度の人と乗る場合は3人でぎゅうぎゅうだ。
京都から来たMさんは間近に見える富士山に歓声。
でも、この日、富士山の全容がくっきりと見えたのは、この時だけだった。
O君とは大滝橋の登山口で待ち合わせ。
私はてっきり、もう少し奥にある大石キャンプ場と勘違いしていて、箒杉を過ぎてどんどん進んで行ったら、「行きすぎじゃない?」とK美さん。
そんなはずはないと思いながら、地図を見ると、畦ヶ丸の登山口は大石じゃないと初めて気づき、あわてて戻る。
大滝橋の登山口はちょうど旧道になっていて、道路から大平の姿は見えなかったのだ。
5分ほどロスしただろうか。8時過ぎに大滝橋に到着。
O君と落ち合えた。
O君は自宅のある静岡県裾野市から駆けつけ、西丹沢自然教室に6時前に到着して帰り用の車を置いておいてくれたのだ。駐車場はギリギリ空いていたとのこと。
こんな暑い日も丹沢は大賑わいなのだ。
時間があるので、彼はそこから40分ほど歩いて、大滝橋まで来てくれていた。
で、私の車が駐められるかどうか、近くの大滝キャンプ場の人にも話をつけておいてくれていた。とても親切な人なのだ。
結局、1時間以上待たせてしまった。
旧大滝橋のたもとに車を駐めて

8:19、いざ出発。

しばらくは林道歩き。

右手には大滝沢が涼しげに流れている。

15分ほどで林道は終わり、暗い植林の中に突入。

まもなく緑のトンネルへ。

左手に滝を見る。

沢を何度か渡たりながら少しずつ標高を稼いでいく。


沢名表示はめずらしい。大滝沢の支流・マスキ嵐沢。

しばし沢を離れ、山腹を登る。

少し開けてきた。

陽射しがかなり強い。
50分ほど歩いたところで、5分弱休憩。日陰で汗をぬぐう。

15分ほど歩いて、鬼石沢を渡った先に

一軒家避難小屋。

当然、休ませていただく。

中はきれいに清掃されている。
奥は寝床である。
休んでいると、1人の青年が飛び込んできた。猛烈な汗である。
こちらの会話を聞いて、「関西の方ですか?」と尋ねてきた。
「いえ、関西は彼女一人だけです」
わりとよくしゃべる青年で、ここまで登山口から30分で来たという。
恐ろしいスピードだ。我々は1時間以上かかっている。
先週も来て、道を間違えたと話していた。間違えるところなんてあったろうか。
とにかく我々が先に出発。

ステタロー沢を遡る。


沢を詰めたところが大滝峠上。小屋から40分ちょっとかかった。

妙な地名だが、すこし南に下ったところに大滝峠があるからだ。
ここで一服していると、さっきの青年が追いついてきた。
もっと早く来ると思ったが、少しペースが落ちたようだ。
パンを1個かじって、我々も5分ちょっとの休憩で出発。

左手の木々のすき間から富士山が見えたが、写真を撮れるような見え方ではなく断念。
これまで無風だったが尾根筋は少し風が吹いて気持ちがいい。
シロヤシオやミツバツツジもまだ残っていた。


道はそれなりに険しい。でもずっと樹林の中。
畦ヶ丸の山頂もシルエットしか分からない。

これは何の花かな?

最近調べるのが面倒になってきた。
11:02、大滝峠上から40分ほどで頂上手前の畦ヶ丸避難小屋に到着。

トイレも併設されていたが並んでいたので、諦めた。
例の青年もまた追いついてきた。

この赤い彼だが、早いペースで歩いて、たっぷり休むので、我々とそんなに所要時間は変わらない。
ここは大室山や菰釣山へ通じるモロクボ沢ノ頭への分岐になっている。
ベンチがあったのでお昼にしようかとも思ったが、虫が多いので100m先の頂上へ向かう。
2分で到着。1293m。


ここも展望はほとんどない。
ベンチもあったが占領されていたので、地べたに腰を下ろして昼食。
K美さんO君は湯を沸かして麺を食べていたが、私は暑いのでまたコンビニおにぎり。
しかし、虫が多くて難儀する。蚊ではないので刺されはしないのだが、うっとうしい。
それでも、O君はK美さんからもらったワインを飲んでいた。
少し北の斜面を下ると、わずかに眺望が得られた。

左奥が御正体山(1682m)。
その右に三ツ峠山(1785m)。

富士山は角度的に厳しかった。
御正体の左肩には、ほんとにうっすらと南アルプスが望めた。

こちらはモロクボ沢ノ頭と加入道山を結ぶ稜線。

奥には道志山塊が見える。
40分ほどのんびりして下りにかかる。


右手、木々の間から権現山(1138m)が見えた。

下りも快調。

女子たちは西丹沢自然教室から登り返して、今夜、犬越路の避難小屋に泊まる予定なので、ザックが大きい。男子の1.5倍くらいの重量がありそうだが、彼女たちは実に健脚だ。
ハシゴのところで疲れ切っている少年がいて、しばし停滞。

しかし、この子はその後、回復して跳びはねるように下りていった。

檜洞丸から南の稜線。

45分ほどで善六のタワまで下りてきた。

この先からは昨年7月、モロクボ沢を遡上した時に歩いた道だ。
長いのはよく分かっている。
さらに30分ほど下り、ベンチのあるところでひと休み。

O君は「もう登るのは止めて、ビールにしな」と自分は飲めないくせに(車だから)女子を誘惑する。彼女たちもちょっと揺れている。
地面には黄色い花が風に揺れていた。

さあ、あとはひたすら沢筋を下るのみ。

さくさく進む。
本棚や下棚といった滝への分岐を通過。

このあたりは何度も沢を渡る。


昭和52年竣工の西沢台堰堤の脇を下る。

人工物であるが、なかなか壮観で、女子たちからも歓声が上がる。
見覚えのある広い河原に出た。

ここまで来れば、もう少し。
西沢と東沢が同じ地点で合流するのを吊り橋から眺めて

終点、西丹沢自然教室に到着。14:05。

やはり犬越路に登るという彼女たちをO君の車で用木沢出合まで送る。
実は彼女たち本当は、この日、ツツジ新道から檜洞丸に登り、蛭ヶ岳山頂の小屋で宿泊、翌日は丹沢主脈を縦走して、大倉に下りたかったらしいが、私のわがままを聞いてくれたO君が畦ヶ丸を主張してくれたのだ。
彼女たちには悪いことをしてしまった。
2人はその後無事に犬越路避難小屋に到着。
貸し切りになりそうとfacebookのメッセージが届いたが、遅れて5人のパーティが到着し、合同の大宴会になったんだそう。
翌日は二日酔いで檜洞丸に登ったんだとか。女子は強い。
当方はと言えば、大滝橋で私の車を拾って、お決まりの中川温泉・ぶなの湯。
O君と汗を流し、国道246号に出たところでバイバイ。
東名に乗ろうとしたら25kmの渋滞と表示があったので、おじけづいて246に戻る。
秦野付近でもひどい渋滞になったので、裏道へ。
地図をにらめっこしながら走ったことのない道を右往左往しながら北上。
途中、厚木のラーメン屋で腹ごしらえをして、圏央道の高尾山ICへ。
8時すぎに何とか帰宅できた。
車に乗っている時間がやけに長かったが、気になっていた畦ヶ丸を落とすことができてよかった。
【行程】2014年6月1日(日)
大滝橋(8:19)~マスキ嵐沢(8:54)~(9:09休憩9:13)~一軒屋避難小屋(9:27休憩9:35)~大滝峠上(10:17休憩10:23)~畦ヶ丸避難小屋(11:02休憩11:09)~畦ヶ丸(11:11昼食11:54)~善六ノタワ(12:31)~(13:00休憩13:08)~西丹沢自然教室(14:05)
※所要時間:5時間46分(歩行時間:4時間30分)
※登った山:1座(畦ヶ丸)
※歩行距離:9.6km
スポンサーサイト