山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

今年もご愛読ありがとうございました。

今年は69回の山行を行い、1年365日のうち、計78日を山で過ごしました。
ほぼ5分の1です。
登った山は新規で245座。既存も含めると261座になります。

今年のベスト10を選んでみました。

①甲斐駒
②浅間山
③燕岳
④西穂独標
⑤焼岳
⑥苗場山
⑦鶏冠山
⑧竜ヶ岳
⑨武尊山
⑩乾徳山

という感じでしょうか。

ブログは滞りがちですが、正月休みに少し頑張ります。
昨年7月以降の未報告案件、下記の通り12件あります。
追いつくのだろうか。
ここのところ天気がいいので、つい出かけてしまいます。

7月20~21日:苗場山×
9月28日:武尊山△
10月4~5日:尾瀬×
10月12日:金ヶ岳・茅ヶ岳○
10月14日:トーノシケヌプリ○
10月18~19日:焼岳・西穂独標×
10月27日:日光太郎山×
11月8~9日:甲武信ヶ岳・奥秩父主脈縦走○
11月17日:三窪高原○
11月23日:世附権現山○
11月24日:金時山○
11月29日:太刀岡山、黒富士×
12月7日:妙法ヶ岳、藻琴ヶ峰×
12月12日:倉戸山、六ツ石山×
12月14日:石老山×
12月15日:経ヶ岳、仏果山×
12月22日:御前山、大岳山×
12月23日:菜畑山、朝日山×
12月28日:犬超路、檜洞丸×

というわけで、来年もごひいきに。よろしくお願い致します。
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武尊山(上)

2013年9月28日(土)はすこぶるいい天気になった。
この日は空白地帯を埋めるべく、群馬の武尊山(2158m)に向かう。
百名山である。

早朝、関越を飛ばしていると、あらゆる名山がくっきりと見える。
男体山、赤城山、榛名山、浅間山、妙義山、谷川岳・・・
そして今まできちんと同定できなかったが、あのギザギザの山脈が武尊山だろう。
正面に見えてきた瞬間、スマホで撮影。
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「これから行くぜ!」とfacebookで宣言。ひとり気勢を上げる。

水上ICで下りて、国道291号線を湯檜曽温泉の手前で右折。湯ノ小屋温泉方面に向かう。藤原湖の先でさらに右に入り、登山口の武尊神社前(標高1100m)に着いたのが7時前。
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百名山としては地味な方だと思うが、この時間で軽く30台は駐まっていた。

「登山地図」には、この先の林道終点まで行けるように書いてあったが、柵で通行止めになっており
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やむなくここに駐める。
ただ、歩き始めてから、奥にも車が入っていることが分かり、下山してからよく読んでみたら、「なお通行の際はいかなる事故も自己責任により通行願いします」と書いてあり、事実上通行可だった。柵も簡単に移動できるものだった。
林道終点まで車で入ると往復でほぼ1時間節約できるので、立ち寄りができなかった裏見の滝や宝台樹山(1152m)に行けたかもしれないのに残念なことをした。

トイレと体操を済ませて、7:10に出発。
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登山届を出す。

まずは武尊神社に参拝。安全を祈願する。
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この神社は平安時代初期の創建とのこと(案内板に「貞観(テイカン)」とあるが、これは「ジョウガン」の誤り)。
当初は「保宝鷹(ホホウタカ)神社」と行ったらしい。どういう由来なのだろう。

ここからしばらく緩やかな登りの林道。
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谷にはまだ日が差していないので、すこし暗いが、もう山の上の方は朝陽に映えてキラキラしている。
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あれが目指す武尊山だ。
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7:39林道終点に到着。車が2台駐まっていた。う~ん、通の人だ。

ここから登山道。道は細くなる。
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剣ヶ峰へ行く道と武尊山に行く道の分岐(標高1300m)を7:50に通過。
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やっと本格的な登りとなる。
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小さな沢を渡ると、さらに傾斜はきつくなる。
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やっと日が差してきた。
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とてもすがすがしい。

このあたりは感謝平というらしい。
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立派なきのこ。
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登山地図には途中「不動明王」があるように書いてあるが、気づかなかった。
よくよく地図を見てみると、稜線の1692m標高点にあるというようにも読める。

途中、木々の合間からわずかに西方の山々が見えたが、同定はできなかった。
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8:32、それほど汗をかくこともなく、稜線にたどりついた。
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コースタイム1時間のところ40分。いいペースだ。

正面には獅子ヶ鼻山(1875m)と思しき岩峰が望める。
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まずは近くにあるはずの手小屋沢避難小屋を確認しなければならない。
登山地図には「分岐から5分下る」とある。
5分というのは結構な距離だ。帰りが面倒である。

でも、稜線を少し歩くと、左手下に小屋の屋根が見えてきて、なんだ5分だなんておおげさな、1分ほどだった。
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もしかしたら、さっきの分岐から5分という意味なのかもしれない。
だったら「下る」とは書かない方がいいだろう。

群馬県には時々あるかまぼこ形のシェルター。
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5人くらいは泊まれるだろうか。中は意外に清潔だった。
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すぐ近くに手小屋沢の水場があるので、泊まるには便利だ。

さて登山道に戻って、尾根筋を黙々と登っていく。
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樹林帯だが、時折左の視界が開け、尾瀬方面の山が見える。
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右には剣ヶ峰山。
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おっと、まだ9月だというのに、紅葉しているではないか。
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雲が飛行船のよう。

登りの後半は岩場の連続となる。
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先客がいたので、しばらく撮影しながら見守る。
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1本北側の稜線が美しい。
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巻機山から平ヶ岳に至る稜線の一部とみられるが、詳細は不明。
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やはり空白地帯に来ると、見慣れない山を発見することができる。
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またまた岩場。
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至仏山(2228m)が見えてきた。左手前は笠ヶ岳。
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ちょっとした岩峰の上に出た。ここからの眺望がいい。
これは白毛門、朝日岳方面。
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北西には燧ヶ岳(2356m)。
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頂上方面はもう紅葉が見事だ。
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見下ろすと、今登ってきた稜線(左)。
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北方面の全景。
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西方面の全景。
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至仏と燧の位置関係。
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眺望を堪能して、さらに垂直のくさり場。
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急登を終えて、標高2050mの台地に出る。
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あれは、名前の通りのお姿の剣ヶ峰山。
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なかなかかっこいい。

稜線には手術の跡のような登山道が見える。帰りはあの道を通る。
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最後のひと登り。
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右前方に剣ヶ峰(さっきの剣ヶ峰山とは別。2083m)。
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武尊と剣ヶ峰のコラボ。青空だが雲の動きが激しい。
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10:18、山頂に到着。
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所要時間は3時間ちょっと。コースタイムは3時間50分だから、なかなか成績がいい。

ここは一等三角点。
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小さな石の祠も。
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頂上からも至仏や燧がばっちり。
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剣ヶ峰山の向こうには平らな三峰山(1123m)、その向こうに榛名山。
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ヘリが飛んできた。どこかで遭難!?
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地味とはいえ、さすが百名山。頂上はかなりの人だかり。
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東側の眺望も見事。
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正面(東)は中ノ岳(2144m)。その左奥にひときわ高いのが日光白根山(2578m)。
右下には池塘も見える。

日光白根山のアップ。
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中ノ岳から右に家ノ串山(2103m)、剣ヶ峰。
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こちらは尾瀬と奥日光の間の峰々。
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家ノ串山の向こうに見えるのは皇海山(2144m)だろうか。
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初めて、その姿を確認できた。
撮影も一段落したので、腰を下ろして休憩。

すると、遥か遠方に富士山が見えるではないか!
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じぇじぇ、これには感激。思っても見なかった。

関東平野をはさんで、あんな高い位置にある。
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するってえと、あれはもしかして八ヶ岳?
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すごいじゃん。

おにぎりを一つ食べて出発。
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まずは中ノ岳を目指す。標識で言うと片品村方面。

登山地図や地形図を見ると、登山道は中ノ岳を巻いている。
でも、踏み跡くらいあるだろうと、「登った山」をひとつ稼ぎにプチピストンに出かけたのである。しかし、これが大間違いで大変苦労した。それは後ほど。

このあたり標高は2100mちょっとだが、森林限界に達しており、非常に景色のいい道だ。
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ほんの少し下ると、日本武尊の像がある。
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関東平野を睥睨している。

正面に中ノ岳。手前側は岩壁なので、踏み跡は反対側からだろうか。
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池塘まで下りてきた。
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三つあるので三ツ池と呼ばれる。

振り返って見る山頂。
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池畔にはオヤマリンドウが咲いていた。
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(つづく)

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茅ヶ岳(下)

金ヶ岳~茅ヶ岳を縦走中(10月12日)。
13:21、茅ヶ岳に登頂。
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方向指示盤に作られた山の模型は、標高の高い富士山頂が噴火して吹き飛んでいる。
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山頂は岩がごつごつしているが、わりと広い。
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眺望も360度。
私向きの山だ。

北西に金ヶ岳と南峰、そして八ヶ岳。
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北に天狗山(中央)と男山(左)。
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北東に金峰山。
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そして瑞牆山。
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東に大菩薩嶺。
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南に富士山。
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まあ、こんなことばかり書いているから、Mさんに「山と鉄は博物学的だ」と言われてしまう。
これは何山だ、これはなんていう花だ、とか説明が多いのだから仕方がない。
あまり情緒的なことは書かないからなあ。
でも、このブログは基本的に自分の記録のために書いているので、それでいいのだ。
ただ、しばらくずっとゼロだった拍手が、最近1本あたり2~3回は届くようになった。
びっくりしている。
どなたか存じませんがありがとうございます。
自分の記録のためとは言え、公開しているのですから、やはり拍手はうれしいものです。

えっと話が横道に逸れた。
思いがけず、ここで長い休憩をとってしまった。
ここから深田公園の方に下ると深田久弥終焉の地の碑があると登山地図には書いてある。
せっかくだから行ってみたいが、我々は車のある「ふれあいの里」の方に下りるので、寄り道になってしまう。
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地図では頂上直下にあるように書いてあるが、あまり信用できない。

そちらから登ってきた方に聞いてみたら、「すぐそこですよ」という。
(やった~!)と心の中で叫びながら、念のため、「すぐって、何分くらいですか」と確認すると、10分くらいだという。
じぇじぇ。
10分下るということは、帰りに15分登らなければいけない。
30分近いロスになるし、登りも面倒。
でも行くことにした。

確かに下る、下る。
帰りに登るのがいやになるくらい下る。
なかなか碑が出てこないものだから、見逃したのかと思ってしまう。
「あと2分で見つからなかったら、諦めましょう」と時間を区切った途端に発見。
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本当にささやかな碑だった。しかも、それほど古くない。
深田久弥が亡くなったのは1971年3月21日だから、40数年前のことだ。
それにしても、こんな場所で意識を失って、まわりにいた方も大変だったろう。

静かに合掌して、来た道を戻る。
帰りは目的地が分かっているので気が楽だった。
途中、金峰山と瑞牆山を眺める。
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山頂には14分で戻ってきた。
さっき撮り忘れた二等三角点をパチリ。
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さて千本桜に向かって下る。
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この道はそれほど一般的じゃないのか、多少荒れている。
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延々1時間近く下り、大机というピークにたどりついた。
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地形的にはピークとは言えない、平らな場所。
だから、「大机」という名が付いたのかもしれない。
この三角点には名前が付いているので、私のルールでは「登った山」に数えることができるが、この件について、Mさんから「え~~~っ」とクレームが付いた。
「山じゃないじゃないですか~」
「いや、登ってきたら、ここを一つのピークと見なせる。違反ではない」と強弁した。
別に誰に迷惑をかけるわけでもないからいいのだ。

このあたりは明野村千本桜公園と呼ばれるところで、春には多くの人で賑わうのだろう。
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さて、あとは帰るのみ。
陽も随分傾いて、影が長くなってきた。
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ここからは延々と林道を歩く。
トリカブトやマムシグサ、ドングリなど里の風物を眺めながらのエピローグ。
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正面には金ヶ岳。
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そして、とうとう日没。
「2時間って言ったじゃないですか~、日暮れまで歩かされるとは思いませんでしたよ~。だまされた気分です」
Mさんにぼやかれてしまった。
騙してはいない。2時間と言ったのは金ヶ岳への登りの時間のことだから。
でも、私もこんなに時間がかかるとは思わなかった。
ちょっと休み過ぎたし、寄り道もしたから仕方がない。

最後の林道では、なぜかバイクが10台くらい走り抜けて行き、砂ぼこりがひどかった。
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でも中には、ぺこりと頭を下げて行った人もいたので好感がもてた。

登山口に着いたのは5時前。
富士山の夕景。
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毛無山。
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南アルプスの南の方。
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櫛形山。
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鳳凰三山
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最後に甲斐駒
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渋滞が怖かったので、温泉はパスして帰宅。
Mさんは不満たらたらでしたが(笑)、Yさんは満足の様子でした。


【行程】2013・10・12(日)
明野ふれあいの里(9:30)~金ヶ岳登山口(9:39)~(10:35休憩10:41)~金ヶ岳(11:47昼食12:19)~南峰(12:27)~茅ヶ岳(13:20休憩13:55)~深田久弥終焉の地(14:15撮影14:17)~茅ヶ岳(14:31休憩14:41)~(15:28休憩15:33)~大机(15:52休憩15:56)~茅ヶ岳登山口(16:19)~ふれあいの里(16:55)

※所要時間:7時間25分(歩行5時間51分)
※登った山:4座(金ヶ岳、南峰、茅ヶ岳、大机)
※歩行距離:10.8km
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茅ヶ岳(上)

何度も報告が前後するが、今回は10月12日(日)に行った茅ヶ岳山行をご紹介する。
茅ヶ岳(1704m)は日本百名山の深田久弥終焉の地として有名で、ニセヤツとしても知られている。
中央本線で信州に向かうと、韮崎の手前あたりから八ヶ岳によく似た山容の山が右手に現れる。
一瞬、「八ヶ岳だ!」と思ってしまうのだ。

茅ヶ岳は金ヶ岳(1764m)とセットにして周回コースがとれる。
コースタイムは5時間ほど。
この時は、2月に西丹沢の檜洞丸をともに登った職場の同僚Mさんと、7月に同じく西丹沢の大室山を一緒に登った、やはり同僚のYさんと3人の山行。
日だまりハイキング派(ヒマラヤ経験も豊富なのに)のM君は「どのくらい歩くんですか?」といつも、しぶしぶ。
「登り2時間ちょっとですよ」
ああ、そのくらいならってことで来てくれた。

Yさんは翌月から長野に転勤が決まったとのことで、壮行登山という形になった。
朝7時に京王線高尾山口駅に集合。
私のパジェロミニで、2人を登山口のキャンピカ明野ふれあいの里まで運ぶ。
中央道の韮崎ICを下りて、茅ヶ岳広域農道を行くのだが、農村公園あたりからの山岳展望は実にすばらしかった。
富士山、甲斐駒、鳳凰三山…車を止めて写真を撮りたかったが、先を急いだ。

9:15、登山口に到着。
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少し雲がかかっているが、振り返ると鳳凰三山。
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右端に地蔵岳のオベリスクがちょこんと天を突いている。

準備をして、9:30に出発。
ここは標高ほぼ1000m。7百数十mの登りだ。
まずはしばし林道を歩く。
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10分弱で、金ヶ岳への登山道に入る。
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ここに貼り付けられている記事を読むと、この山で異常なことが起きていることが知れる。
記事は、2007年10月30日付の山梨日日新聞。
「茅ヶ岳標柱また壊される」とある。
その下に、茅ヶ岳登山愛好会なる団体が書いた説明とメッセージが加えられている。
この標柱は執拗に破壊が繰り返されたようだ。
抜き取り2回、字の削り取り1回、切断1回、折り曲げ1回
直しても直しても、壊される。
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愛好会は「此れほど迄も、執拗に破壊するのは何か深い理由があると思います。……標柱設置反対の理由を是非お聞かせ下さい」と犯人に訴えている。
記事は6年前のままなので、その後、破壊行為は止まったのかもしれないが、確かに不思議である。
深田久弥に恨みがあるのか、愛好会の誰かを憎んでいるのか。
謎だ。

首をひねりながら、登山道に足を踏み入れる。
最初は尾根筋のなだらかな道。
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15分ほど歩くと、頂上まで2kmの標識。
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トカゲ発見。
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1時間ほど登ったところで小休止。
Mさんはふだん会社に行くような格好で来ている。
一見、山をなめているように見られるかもしれないが、彼なりに考えてはいるようだ。

10:54、あと1km地点を通過。
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標高も1500mを超えてきて、木々もだんだん色づいてきた気がする。
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道はだんだん傾斜を増してきて、岩なども出てくる。
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しばらく登ると、単独のおばさんが下りてきた。
挨拶すると、「茅ヶ岳はこちらでいいんですか」とトンチンカンなことを言う。
「茅ヶ岳はあの山ですよ」と右の方を指さすと、「ああ、やっぱり。どうりでおかしいと思った。こんなに下るわけないと思ったもの」と引き返し始めた。
結構ブツブツ独り言をいう人で、この人と金ヶ岳まで登らないといけなくなるのかと、げんなりしたが、足の速い人で、じきに見えなくなってしまった。

どうやら観音峠から登り、茅ヶ岳に行く前に金ヶ岳も登ってしまおうと思ったようだ。
その後、茅ヶ岳に行くには一旦南峰まで来た道を戻らなくてはならないが、勘違いしたのか別の道を下りてしまったというわけだ。
我々と出会わなければ、おかしいおかしいと思いつつ完全に下りてしまったことだろう。
彼女とは、南峰の下りでもう一度会った(あちらは茅ヶ岳からの帰り)ので、本当に足の速い人だった。

そんなこんなで、とうとう富士山が見えるポイントに。
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この時点ではまだ、冠雪していない。
ちょっと締まりのないお姿だ。

左手の木々のすき間から、本物の八ヶ岳が見えた。
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左から編笠、権現、阿弥陀、赤岳、横岳。

こちらは茅ヶ岳と富士山のコラボ。
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いい天気だ。

甲府盆地と毛無山。
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毛無山の手前は蛾ヶ岳(ひるがたけ)。

茅ヶ岳の全容が見えてきた。
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ほんのり色づいている。

茅ヶ岳と南峰の鞍部から見えるのは鬼頬(おにがわ)山。
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おお、八ヶ岳もすっきり。
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振り返ると、左から地蔵岳、アサヨ峰、甲斐駒、鋸岳。
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地蔵岳と観音岳の間から北岳が覗く。
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あれが目指す頂上。
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こちらは金ヶ岳のすぐ南にある南峰。
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セットにすると、こうなる。
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岩場。
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登ってきた稜線を見下ろす。
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景色を楽しみながら登っているうちに、金ヶ岳山頂に到着(11:47)。
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さみしい看板。

でもアゲハの撮影に成功。
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頂上からは甲府盆地が見えるだけ。
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とにかく昼食。私はコンビニおにぎり。
のんびり食べて、30分ほどで出発。

南峰には15分ほどで到着。
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ここで昼食をとっている団体さんがいた。

そのすぐ先からは眼下に太刀岡山(1295m)が望めた。
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その右後ろは昇仙峡の羅漢寺山。さらに後ろの稜線は水ヶ森(1553m)だろうか。

平見城の黒富士農場。
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こちらは黒富士や曲岳あたりの山塊。
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これらは11月29日にみな登った。

南峰まで来ると、茅ヶ岳と富士山の位置関係が変わった。
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左後方には、金峰山。
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あそこには2度登ったが、すっかり気に入った。
もう一度、今度は瑞牆山荘の方から登りたい。そうすると四方の道に足跡を付けたことになる。

曲岳(左、1642m)と八方峰(右)
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金ヶ岳と茅ヶ岳の間にある深い谷。
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秋めいた、いい眺め。
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振り返って見る南峰。
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どんどん下っていくと、石のトンネルが見えてきた。
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石門というやつのようだ。
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下から見上げると、このように見える。
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紅葉しかけの木々。
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茅ヶ岳の登りにかかりながら、M君と話していると、彼は意外なことを言う。
北アルプスのような稜線はあまり好きじゃないそうだ。
ヒマラヤなど海外の山に行ってみると、日本の山の特徴はむしろ、多雨による樹林だそうで、景色のいいところより、樹林帯の中を歩くのが「日本らしく」て、好きらしい。
だから、北より南アルプスが好みだとか。
へ~~~っと思ってしまった。
でも、私は景色が見えないとダメだ。まだ修行が足りない。

(つづく)
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甲武信岳・奥秩父主脈(4)

甲武信岳から奥秩父主脈を縦走中。
9:34、雁坂嶺(2289m)を通過する。
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山頂に孫四郎峠通行止という道標がある。
北東方向に踏み跡があるが、地形図にも登山地図にも道は表記されていない。
たぶん、この道を行くと、地蔵岩を経て川又に至る登山道に合流するのだろう。

今回はもちろん素直に主脈を行く。
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途中、この日(2013年11月9日)初めて、人と会った。
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しばらく下ると視界が開け、再び富士山が姿を現した。
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正面には水晶山(2158m)の山体。
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雁坂峠(約2050m)も見えてきた。
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10:03、雁坂峠に到着。
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ここは日本三大峠の一つだそうだ。あとの二つは北アルプスの針ノ木峠(2541m)と南アルプスの三伏峠(2580m)である。三伏峠ではなく八ヶ岳の夏沢峠(2392m)を採る場合もあるらしい。
なぜ三大峠なのかはよく分からないが、古くからの交通の要衝で標高も高く、二つの国をまたいでいることが重視されたのだろう。
雁坂峠の場合は、甲斐国(山梨県)と武蔵国(埼玉県)の境界を成している。
説明板によると、ここの標高は2082mとあるが、地形図上はせいぜい2050mちょっとしかない。かつてはもう少し高い位置を街道が通っていたのだろうか。

「日本書紀景行記に日本武尊が蝦夷の地平定のために利用した道と記されていることから日本最古の峠道ともいわれています」と説明板にあるが、実は日本書紀にそんなことは書かれていない。
「甲斐より北、武蔵・上野をめぐりて」とあるだけで、どの峠を越えたかは明記していない。おそらく、いつの頃からか、雁坂峠を越えたと信じられるようになったのだろう。
それはともかく、この峠道は秩父往還と呼ばれ(秩父往還にもいろいろなルートがある)、大正時代まで重要な交易路として多くの往来があったらしい。

甲武信岳を出発して4時間弱。本日初めての休憩をここでとる。
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眺めもよく、雰囲気のいい峠だが風が強い。

渋い峠の碑。
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秩父方面には栃本の集落を望むことができた。
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10:18出発。ここからは一旦、秩父側に少しだけ下りて、雁坂小屋に寄り道をして行く。
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10分くらい下らないといけないが、以前ここの小屋の写真を見て、絶対行ってみたいと思っていたのだ。
すばらしい小屋でしょう。

こちらは別館。
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まだ10時半前だが、ここでお昼にする。
朝御飯が早かったし、この先、ゆっくり食事のできる場所もなさそうだし。
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メニューは昨日の残りのぬるま湯を沸かして、アルファ米とフリーズドライの親子丼。
小屋の玄関が開いていたので、「こんにちは」と声をかけたら、小屋番のおじさんが出てきた。食事をしながら少し雑談。

この小屋を経営しているのは、埼玉県側のふもと旧大滝村川又の民宿扇屋山荘。
国道140号の雁坂トンネル手前にある豆焼橋から1kmほど入った林道終点までは車で来られるが、あとは歩きだという。コースタイムを見ると4時間10分。
なかなか遠い。歩荷は大変だろう。
最短距離にあたるこの黒岩尾根の道は、ご主人の先代が切り開いたのだとか。
それまでは川又から地蔵岩の尾根を延々6時間歩かなければならなかった。
冬は営業していないが、雪もそれほど積もらないという。

今回は休憩だけだが、いつか泊まりに来てみたい。
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水も豊富だ。
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さてのんびりしすぎた。アルファ米は蒸れるまで15分かかるので、その時間が余計だ。
11:11出発。
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ひゃ~雲取山まで27kmもある!
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15分ほどで主脈の登山道と合流。
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なだらかな道なので、油断していたら、木の根につまずいて転倒。
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ほんとに何でもない場所で事故は起きる。

水晶山への道は苔のじゅうたん。
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大した登りもないまま、11:41到着。
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眺望なし。看板の写真だけ撮って通過。

ここから100mほど下って、100mほど登り返す。
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12:03、古礼山(2112m)に到着。
ここはササ原で南面が開けているが、天気はいまひとつで、どうもすっきりしない。
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頂上付近はしばらくササ原が広がる。
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ここでお昼にしてもよかったかもしれない。

この先は軽いアップダウンを繰り返しつつ下り基調。
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本日最後の燕山(つばくらやま)に向かう。
正面に見えるのがそう。

立ち枯れが多かった雁坂峠までと違い、こちらはササ原の気持ちのいい道だ。
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だいぶ燕山(2004m)が近づいてきた。
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12:42到着。
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ここから左に入る踏み跡の先がピークだと思って行ってみたら
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思いがけず、看板がない。

これまで、どの山にも立派な標識があっただけに「変なの」と思ったが、分岐の道標に「燕山」と書いてあるから、これで代用しているのだろうと勝手に判断し、雁峠に向かって下ってしまった。
あとで地形図を広げてみて気づいたのだが、本当のピークはこの道標のすぐ手前から右後方に枝分かれしていた踏み跡の先だったと判明。
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これのこと。ここを通った時は、単なるコブを通る道と思ったのだが、たぶんこの先に立派な標識があるのだろう。
大失敗。厳密に言えば、燕山のピークには立っていないのだが、採点を甘くし、燕山は「登った山」と数えることにする。悔しい。

このあたりからは、富士川、荒川、多摩川の3つの河川の分水嶺が望めた。
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分水嶺と言っても、この場合ほんとにささやかな饅頭のような丘である。

雁峠に向かって下って行くと、正面に笠取山(1953m)が見えてきた。
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そして眼下に雁峠。
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セットにすると、このような位置関係。
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雁峠に来るのは2度目。一昨年の7月3日だった。
その時、目の前にある燕山への急登を見て、おののいたっけ。
今、その坂を下っているのだ。
左前方には和名倉山(2036m)。
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13:03、雁峠(1780m)に到着。
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ここも実に雰囲気のいい場所だ。

不思議なことに峠なのに、埼玉県側への道がない。
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そちら方面は、やさしげな芝になっているが、この先はブドウ沢に至り、地形図を見るとものすごい渓谷となっている。
かつての街道は廃道になってしまったのかと思うが、どこを通っていたのかは皆目分からない。
ここも写真だけ撮って通過。

山梨側の道を下る。
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すぐに水場となり、豊富な水が湧いている。
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これが笛吹側の支流広川の源流だ。

再びササ原の道を行く。
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またかわいい道標を見つけた。
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作者は甲武信岳の登りで見たプレートとたぶん同じだ。

15分ほど下ってきたところで、本日2度目の休憩。
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道をふさぐように横たわる倒木に腰をかけて、チョコをかじる。
すでに7時間も歩いており、かなり疲れた。
コースタイム上はまだあと3時間近くある。下りばかりとは言え、長い。
10数分ほど休んで出発。

このあとは何度も沢を徒渉しながら下る。
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川幅もだいぶ広くなってきた。

峠から45分ほどで、林道のなれの果てのような場所に出る。
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と思ったらまた徒渉。
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今度こそ道路っぽい。
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たいぶ歩きやすくなったものの、まだまだ先は長い。

峠から1時間半ほどで、先行の登山者に追いついた。
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この人に挨拶をしたら、「バスの時間分かりますか?」と聞かれた。
申し訳ないが、こちらは車なので、よく分からない。

そんな会話をしていたら、上から自転車が猛スピードで下りてきた。
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カメラを向けたら、「ありがとうございます」と言って駆け抜けて行った。
その瞬間、「あ! もしかして以前、箱根で会った青いマウンテンバイクさんではないか」とひらめいた。
彼も写真を撮られて、うれしがっていたからだ。
でも、自転車が青ではなく白だったので、「すいませ~ん!」と呼び止めるのを躊躇しているうちに、もう見えなくなってしまった。
でも、向こうも「あれ、さっきの人、もしかして山と鉄さんじゃない?」と気づいて、カーブの先で止まって待っていてくれるような気がしたが、そんなことはなかった。
帰宅後、メールして確認してみたら別人だった。

さて下界に来て、カラマツの黄葉が見事になってきた。
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こんなあでやかな赤も。
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これなど、東山魁夷のようだ。
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そんなこんなで、峠から2時間ほどでやっと人里に達した。
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ゲートの外に出る。

天気もすっかり曇ってしまい、紅葉の鮮やかさが減退したが、まだまだ美しい。
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15:24、国道に下りてきた。
早速旧道を歩く。
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この谷渡川橋は昭和48年の竣工。
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新しくできた新谷渡川橋ができたのは昭和59年。
旧橋はなんと11年という短命の橋だった。ちょっとこれは税金の無駄遣いのように思える。

バイパスのような国道は味気ないので、再び旧道に入る。
入口には玉石の変わった道祖神。
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回りに4本の柱があるのは、諏訪神社の流れを汲むものだからだろうか。

左手には広瀬湖。
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国道本道を避けながら、車の置いてある道の駅みとみにたどり着いたのは15:54。
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(道の駅向かいのキャンプ場笛吹小屋)

見納めの木賊山。
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なんと今日は歩いた距離20km、10時間を超える山行となった。
暗くなる前に着いてよかった。

帰りはせっかくなので雁坂トンネルを越えて、秩父経由で帰宅。
途中、雁坂小屋を経営している扇屋山荘を写真に納める。
(412)
お目当ての大滝温泉は駐車場がかなり混み合っていた上に、団体バスの乗客がどんどん施設に入っていったので、断念。
少し遠回りだが、小鹿野町の薬師の湯で汗を流すことにした。

念願の奥秩父縦走を果たした充実の2日間だった。


【行程】2013・11・8~9
8日:道の駅みとみ(7:20)~田部重治文学碑(8:00)~(8:40トイレ8:45)~1619m標高点(9:22)~1869m標高点(9;59休憩10:11)~2111m標高点(10:52)~(11:04休憩11:19)~2350m地点(11:58撮影12:03)~主脈分岐(12:15)~木賊山(12:22休憩12:30)~甲武信小屋(12:49)~甲武信岳(13:12昼食・撮影等14:06)~甲武信小屋(14:17)
※所要時間:6時間57分(歩行時間:5時間18分)
※歩いた距離:8.6km

9日:甲武信小屋(5:40)~甲武信岳(5:55撮影6:16)~甲武信小屋(6:24準備6:46)~主脈分岐(7:00)~笹平(7:41撮影7:44)~破風山(8:25)~東破風山(8:52)~雁坂嶺(9:34)~雁坂峠(10:03撮影10:17)~雁坂小屋(10:26昼食11:11)~水晶山(11:41)~古礼山(12:03)~燕山(12:42)~雁峠(13:03撮影13:07)~(13:18休憩13:33)~林道終点(13:59)~国道140号(15:23)~道の駅みとみ(15:54)
※所要時間:10時間14分(歩行時間:8時間20分)
※歩いた距離:20.8km
※登った山(新規):7座(木賊山、破風山、東破風山、雁坂嶺、水晶山、古礼山、燕山)

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甲武信岳・奥秩父主脈(3)

甲武信小屋の朝、4:45くらいに起床。
朝食は5時。早い。山頂で御来光を見る人に配慮した時間なのだろうか。
おかずは実に質素だ。

準備を済ませて、5:40、まだ暗い中、ヘッドライトを付けて出発。
これは木賊山(2469m)のシルエット。
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10分ほど登ると、展望が開ける。
これは夜明け前の富士山。
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広大な雲海だ。アップにすると、こんなお姿。
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実に端正で、風呂屋のペンキ絵のようにも見える。

昨夜いろいろとおしゃべりをした秩父山岳連盟のお兄さんは
「おれも何度もここに来てるけど、こんなによく富士山が見えるのは初めてだ。素晴らしい」と何度もつぶやいていた。
どうやら、私はラッキーだったようだ。

まだ目覚める前の名峰たち。
八ヶ岳のうち、赤岳と横岳。
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南アルプス・白峰三山。
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国師ヶ岳(左、2592m)と金峰山(右、2599m)
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槍穂高。
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鹿島槍、五竜のあたり・・・かな。
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白馬三山。
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北アルプスを見るのが、再び山頂に登ってきた目的だった。
満足じゃ。

浅間山(右)から四阿山への稜線。
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甲斐駒。
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水師(手前、2396m)、富士見(奥、2373m)への尾根は霧氷に覆われている。
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だいぶ明るくなってきた。
みな完全防寒で御来光を待つ。
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破風山や雁坂嶺方面の稜線はごらんのような分厚い滝雲。
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これは陽が昇ると雲散霧消してくれるのだろうか。
しかし、ほんとに津波のような滝雲だ。

さあ、間もなく。
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来た~~~~! 日の出は6:12。
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富士山もモルゲンロート。
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回りの様子もやっと見えてきた。
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こちらも霧氷だらけだった。出かける時、温度計は-5℃を差していたもんなあ。

五丈石も甲斐駒も赤く染まる。
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八ヶ岳も真っ赤っか。
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みんな大感動。
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実は大海原に浮かぶ富士山はあんなに小さい。

神秘の世界を堪能し、立ち去りがたい思いを胸に下山。
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樹林にも朝日が差している。
あの滝雲の行方だけが心配だ。

小屋もすっかり朝。
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煙突のけむりにぬくもりを感じる。

まずは木賊山の北斜面を巻いて、奥秩父主脈の稜線に向かう。
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樹林の間から、三宝山(2483m)がのぞく。
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7時ちょうど、主脈に合流。
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ここからがあこがれの縦走の始まり。
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最初だけ平らだが、一気に標高差300m以上も下る。

目の前、破風山(2318m)にはまだ滝雲が勢いよく流れている。
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周囲を見渡しても、山にガスがかかっているのは、ここだけだ。
風の通り道なのだろうか。

下りの途中、一旦展望のよい場所に出る。
振り返ると木賊山が見える。
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こちらにも、ちぎれた雲が流れていく。

あれは縞枯れ現象だろうか。
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お、破風山の頂上が一瞬見えた。
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この調子で消えてほしい。

しばらく縞枯れの中を歩く。
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随分、若い木が枯れている。これはちょっと不思議な気がする。

眼下に広瀬湖。
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7:40、笹平に下りてきた。
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木賊山と破風山のコルにあたる。標高は約2085m。
その名の通り、林床は背の低いササが一面を覆っている。

比較的新しい避難小屋があった。
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恒例で中を覗かせてもらう。
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ストーブの残り火がないので昨夜は誰も泊まらなかったようだ。

さて休憩はとくにせず、破風山への登りにかかる。
標高差は230mほど。最初は緩やかだが、後半は急登である。
寒々しい光景だが
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霧氷がキラキラ輝いている。
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急坂は露岩帯でもあり骨が折れる。
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しかし振り返ってみる眺望は見事。
三宝山から武信白岩山(2280m)への稜線。
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木賊山(左)と甲武信岳(右)
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それにしても甲武信岳は本当に目立たない山だ。

つなげてみると、こうなる。
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こちらは北方面、入川を囲む峰々。
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どれかが白泰山(1794m)のはずだ。

再びもどって、木賊山から手前・笹平への稜線。
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たった今下ってきた道だ。

おお、両神山も見えてきた。
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奥の方のギザギザした稜線がそうだ。

まもなく頂上。
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微妙だが、ガスはどうだろうか。

う~ん、霧氷がこんなに美しいとは。
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西の空からは雲が消えた。
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木賊、甲武信、三宝、3役そろい踏みである。

頂上付近は、おしろいを塗ったシャクナゲの林。
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8:25、破風山(はふさん)山頂。2318m。
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樹林で眺望なし。せっかくガスは晴れたが、そもそも何も見えない場所だった。

ここは西破風山と言ったり、破不山と言ったり、表記がまちまち。
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これにはわけがある。

特徴のない山が多く、山座同定のむずかしい奥秩父主脈だが、破風山は西破風山と東破風山をセットにすると台形のような形に見えて、誰にでも分かりやすい。
これを建築で言うところの破風に見立てて、「破風山」と言うようになったらしい。
破風とは本来、三角形をしているので、ちょっと不思議ではあるのだが。
人工的な形に見えるという含意なのかもしれない。

それはともかく、破不山とも言うのは、三角点の点名が「破不」だからである。
なぜ「破風」にしなかったか。
木賊山のことをかつて、埼玉側では「木賊山」、信州側では「破風山」と呼んでおり、陸軍陸地測量部は、ここの三角点に「破風」を採用してしまった。
そのため、至近距離にある破風山の三角点は、苦肉の策として「破不」にしたのだそうだ。

寒いし、眺望もないので、休まずに通過。
台形の稜線だけに、あまり起伏のない道を行く。
振り返って見る破風山。
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道は大きな岩が多い。
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地面に散らばる白いお菓子のようなものは、風に吹かれて落ちた霧氷たち。
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こうして見ると、破風山は霧氷の山だ。
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あの滝雲のなせる技かもしれない。

8:52、東破風山(2260m)に到着。
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ここも写真を撮っただけで、通過。

100mほど一気に下る。
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これは振り返ってみた構図。
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コルは笹平のような、ササの林床。
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標高は2180mほど。
次の登りは雁坂嶺(2289m)まで、なだらかな登り。

途中、右前方に夫婦熊岩(勝手に命名)が見えた。
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これはワニと人との口づけ岩かしら。
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ありゃりゃ、再びガスが立ちこめてきた。
DSC_1983_2013120823050892b.jpg

倒木の墓場を通過。
DSC_1986_201312082305105cd.jpg
DSC_1993.jpg
どうも、この稜線は立ち枯れの木が多い。何か環境的に問題があるのではないだろうか。

そんなこんなで9:34、雁坂嶺に到着。
DSC_2004_20131208230443e7e.jpg
ここはちょっと期待したのだが、やはり展望なし。
休まずに通過する。
もう3時間くらい歩きっぱなしだ。
次のポイント、雁坂峠では休もう。

(つづく)
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甲武信岳・奥秩父主脈(2)

木賊山(2469m)を12:30に出発。
甲武信小屋に向かって下る。
すぐに崩落地形の場所に出て、視界が開ける。

ここで初めて甲武信岳(2475m)が見えた。
DSC_1556.jpg
左のピラミッドがそうで、右の皿を伏せたような山は三宝山(2483m)。
いやあ懐かしい。去年の5月以来だ。

その左には水師(2396m)や富士見(2373m)など、国師ヶ岳(2592m)に至る奥秩父主脈の稜線。
DSC_1561.jpg
その背後には八ヶ岳が見える。

アップにしてみよう。
DSC_1562_20131203235114f92.jpg
左から、権現、赤岳、横岳だ。

さらに左には小川山(2418m)。
DSC_1564_20131203235116717.jpg

そのまた左に五丈石を載せた金峰山(2595m)と朝日岳(左、2579m)。
DSC_1566.jpg

そして国師ヶ岳。
DSC_1567.jpg

まとめて見ると、こんな眺め。
DSC_1577.jpg

よくよく見ると、小川山の左奥にはうっすら中央アルプスが望めた。
DSC_1578_201312032350454ad.jpg

こちらは足元の崩落地形。
DSC_1576.jpg

少し下ってきて、木賊山を振り返る。
DSC_1579.jpg

立ち枯れの林を行く。
DSC_1581_20131203234952ea8.jpg

12:48、甲武信小屋まで下りてきた。
DSC_1595_201312032349558a6.jpg
丸太を組んだ、雰囲気のある山小屋だ。
しかし、小屋の前のベンチからの眺望が今ひとつなので、お昼は頂上で食べることにして、一旦通過。

甲武信岳山頂に向かう。
DSC_1598.jpg

ちょっと登って振り返ると、いきなり富士山。
DSC_1599_20131203235001800.jpg

山頂まではコースタイムで20分程度だが、結構きつい。
何度も立ち止まりながら登る。

ほぼ登り切った岩場まで来ると、木賊山が全容を現す。
DSC_1604_20131203235004d6d.jpg

その左に雲取山(2017m)から三ツ山(1949)、飛龍山(2077m)の山並み。
DSC_1605_201312032349194b5.jpg

さらに左に和名倉山(2036m)。
DSC_1606_2013120323492366e.jpg
このあたりは雲取を除いて歩いていない。来年の課題だ。

明日登る破風山(手前、2318m)と雁坂嶺(2289m)。
DSC_1613_201312032349292c1.jpg
奥は雲取山である。

木賊山の右には、大菩薩嶺(2057m)と小金沢連嶺。
DSC_1619_20131203234931a39.jpg
奥秩父の並み居る2000m級の山がほとんど見える。

北には男山(左、1851m)と天狗山(1882m)。
DSC_1621_201312032349333f6.jpg
背後に見えるのは蓼科山(2530m)。

ここからほんの少し樹林を抜けると山頂に着く。13:13。
DSC_1630.jpg
甲武信岳は2度目である。

さっき木賊山の登りで抜かされた男性がまだいた。
写真を撮って欲しいという。私が到着するのを待っていたのだろうか。
私も撮ってもらうが、あまりに順光で標識の文字が白く飛んでしまった。
これではfacebookには使えないので、自分撮りをしたものを投稿した。

それにしても、この人は全くまわりの山のことは知らないようだ。
だって、八ヶ岳を指さして、「あれは何ですか?」って聞くくらいだから。
待ってましたとばかりに、あれこれ教えてあげた。

彼が退散したところで、腹ごしらえ。
DSC_1634.jpg
ベンチに座って、味噌汁とおにぎりの昼食。
食べ始めたところで、毛木平からのおじさんが到着したので、一緒にベンチに腰掛けて、お互いおにぎりをかじりながら雑談。
日光から3時間半かけて来たという。ピストンして今日中に帰るのだとか。

食べ終わったところで、再び眺望を堪能。
こちらは御座山(2112m)。
DSC_1638_20131203234858c90.jpg

うっすらと浅間山。
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両神山。奥は御荷鉾山(1286m)。
DSC_1650_20131203234807f9d.jpg

富士山の手前右は黒金山(2332m)。
DSC_1653.jpg
その左下にある乳首のような突起が乾徳山(2031m)。

いつか縦走したい国師ヶ岳への稜線。
DSC_1656_20131203234817038.jpg

八ヶ岳方面。
DSC_1660.jpg

随分長居をした。1時間近く経ってしまった。
あとは小屋に行くだけなので、急いでも仕方がない。
日光のおじさんも引き上げて、しばらく山頂を独り占め。
「だれも来ないなあ。もう2時だもんなあ」
なんて思っていたら、立て続けに2組3人の登山者が現れた。
そのうちの単独の一人は、今朝西沢渓谷から登ってきて、今日は雁坂峠まで行くという。
何時間かかるのか聞いたら、4時間という。
それじゃあ、完全に暗くなってしまう。
「明日は雲取まで行って、鴨沢に下るつもりなんです。なるべく近づいておきたくて」
とのことだが、私には真似できない。大縦走だ。
「先を急ぐので」と言って、足早に去っていった。

次に到着した人の写真も撮ってあげて、14:05下山開始。
最後に三宝山を見納め。
DSC_1632.jpg
前回来た時に、お昼を食べた三宝石が間近だ。

さらに登って来る人2人とすれ違いつつ、さくさく下って14:17小屋に到着。
外観の写真をもう一度撮って、チェックイン。
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ここは水1㍑50円。金とるのか~って思うが、考えてみたら、下界で買うミネラルウオーターより安い。
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裏には、秩父山岳連盟が建てた「奥秩父遭難者慰霊碑」があった。
DSC_1681_201312032347471f7.jpg

小屋はこの日、若い小屋番さんが一人で切り盛りしていた。
さっきの日光のおじさんが、「小屋の人は若くて面白い人だよ。この前、NHKに出てた」と言っていた。確かに悪い人ではなさそうだが、言葉遣いがあまり丁寧ではない。
山小屋とは言え、客商売なのだから、敬語ぐらい使った方がいいだろう。
これは玄関あたり。
CIMG9860.jpg

寝室は2階ですでに布団が敷いてあった。
CIMG9857.jpg
今日(2013年11月8日)の宿泊客は8人のようだ。
単独は私を含め3人、3人組みの若者(男ばかり)、そして老夫婦、という構成。

私は「とにかく明るいうちに」と、本日の山行メモを玄関近くのテーブルで書き始める。
CIMG9861.jpg
外の温度はちょうど零度。中も寒い。
下はゴアの雨具、上はダウンを着たが、止まっているとそれでも寒い。

湯沸かしのため、小屋の兄ちゃんが奥の薪ストーブを焚いてくれたので、そちらに移動。
CIMG9877.jpg
途中、その兄ちゃんに「水場に水を取りに行って来る間、もしお客さんが来たら、待っててくれるよう言ってくれないか」と頼まれたので、快諾。
でも、その20分ほどの留守の間には誰も来なかった。

その代わり、ここの常連と思しき秩父山岳連盟の人が着て、初心者風の若者3人組みに「地図を持たなきゃだめだ。最近はスマホの地図アプリで済ませているやつもいるが、あんなの電池が切れたら終わりだ」うんぬんと、しきりに指導していた。

夕食は5時半。ここの名物はカレーだという。
今夜は8人しか泊まらない(岳連の人と小屋番含め10人)というのに、どでかい大鍋で作っていた。
たぶん、明日の分も一緒に作ってしまったのだろう。
翌日の11月9日は、遭難者の慰霊祭があるらしく、神主さんや関係者、遺族がたくさん集まる上に、団体のツアー客も入っているという。80人も泊まるのだとか。
ひゃ~今日にしといてよかった。

食堂はこちら。
CIMG9859.jpg
ストーブがありがたい。

名物のカレー。
CIMG9862.jpg
半分お代わりしたら、満腹になってしまった。
食事中は3人組みや単独のおじさんと話をした。
3人組みはやはり山を始めて間もないとのこと。
おじさんは土木関係の仕事で、以前北海道に勤務していたことがあるらしく、現地の踏査のため随分スノーモービルに乗ったと話していた。

食後は、ここの小屋の主人、山中徳治さんが撮影した甲武信岳周辺の風景や植物のビデオと、彼が出演した山梨放送の番組が上映されたので、それを暇つぶしに見る。
山梨放送の番組は、徳さんが東沢を遡るという企画だったが、ハーネスも何も着けていないので「あれ?」と思ったら、両門の滝のところで引き返していた。
改めて、沢ヤが出演して、最大の難所・ホラノ貝を遡行していた。

御来光にはあまり興味がないので、もう甲武信岳には登らないつもりだったが、徳さん撮影の映像を見て、山頂から北アルプスが見えることを知り、気が変わった。
翌朝、日の出に合わせて登ることにする。寒そうだけど・・・

体が冷え切ってしまったので、ストーブにあたりながら、今度は老夫婦と会話。
その後は8時の消灯まで、薪ストーブを囲み、兄ちゃん、岳連の人、3人組みと雑談。
せっかくの機会なので、岳連の方に和名倉山の秩父側の様子を聞いてみた。
すると、今はスズタケが刈り払われていて、一番歩きやすいという。
「地図が読めないとダメだけどね」と再び、地図を強調していたが、それなら大丈夫。
丹波山から飛龍を経由して将監小屋泊、翌日、和名倉山を落として、秩父に下るコースがとれそうだ。
しかし、あまり雪が積もってしまうと厳しいので、12月中に行ければいいのだが。

岳連の方からは他にもいろいろと情報が得られた。
奥秩父主脈にある山小屋のほとんどは、1967年の埼玉国体の時に整備されたものらしい。将監小屋、雁峠小屋、雁坂小屋、甲武信小屋などがそうだとか。
いずれも50年近い年月が経っていることになる。
このうち雁峠小屋だけが無人で、倒壊しかかっている。

外に出ると町の灯りが見えた。秩父の夜景かと思ったら、熊谷や高崎まで見えるという。
それは多分、頂上からのことではないかと思う。
小屋からはせいぜい熊谷までしか見えないだろう。
CIMG9864.jpg

8時になった。階段を登って、布団にもぐり込む。
CIMG9866.jpg
朝食は5時とのこと。耳栓をしてぐっすり眠れた。

(つづく)

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甲武信岳・奥秩父主脈(1)

雪が降る前に、念願だった奥秩父主脈縦走を試みた。
と言っても、甲武信岳(2475m)から雁峠(1780m)までの一部区間。
休みが金土になった11月8~9日、1泊で敢行した。
甲武信岳は昨年のGWに長野県側の毛木平から登っているが、今回は山梨県側の西沢渓谷から登る。
頂上直下の甲武信小屋に泊まり、翌日縦走というプランだ。
道の駅みとみに車を駐め、雁峠から下ってくる三角周回コースである。

8日は4時半に起床。4:48に自宅を出発した。
中央道では、勝沼ICの手前で甲府盆地に下りてくると、正面に真っ白に冠雪した白峰三山が目に飛び込んできて、「おおっ」とひとり声を上げる。
鳳凰三山も甲斐駒も完璧だ。
天気は快晴。今回の山行に期待が高まる。

7時過ぎに西沢渓谷の入口にある道の駅みとみに到着。
DSC_1355.jpg

ここは広瀬湖のほとりにあり、周辺は紅葉真っ盛り。
朝日に照らされて実に鮮やかだ。
DSC_1365.jpg
秋の西沢渓谷がにぎわうのもよく理解できる。

トイレを済ませ、出発しようとしたところで、車に乗った中高年のご夫婦に声をかけられる。
「これからですか。どちらへ」
「甲武信です」
「わたしどもは笠取です。ちょっと来すぎちゃたみたいで」
笠取に行くなら、雁峠へ登るのが一番近い。
確かに来すぎだが、車はここに置いといた方がいい気がした。

こちらももう少し先まで車で行けるのだが、どうせ明日はもっと低いところに下りてくるので、車はここに留め置いた。
7:20出発。正面にすでに木賊山(2469m)が見えている。
DSC_1357_20131201221839be8.jpg
意外に近く見えるが、コースタイムではここから5時間半かかる。
甲武信岳はこの影に隠れて見えない。

国道140号を少し歩き、ループ橋状になっている西沢大橋の手前で右に入る。
DSC_1366_201312012218442d1.jpg

このあたりが西沢渓谷への最後の駐車場になっており、近くには「雁坂茶屋」や「東沢山荘」がある。
DSC_1370_201312012218468d2.jpg

ゲートを通過し、しばらく一般車通行止めの車道を歩く。
DSC_1375_20131201221815577.jpg
DSC_1378.jpg

間もなく、なれいの滝が右手に見えてくる。
DSC_1383_20131201221818f0a.jpg

ゲートから15分ほど歩くと、ネトリ広場と呼ばれる場所に出る。
DSC_1389_20131201221820563.jpg

ここは西沢渓谷の右岸に渡る道との分岐点で、山の神が祀られ、登山届のポストがある。
DSC_1393.jpg
もちろん記入して投函する。

ここまで2組の熟年夫婦を見かけたが、うち1組は奥さんの方が「あちゃ~」と声を上げて、引き返して行った。車にお弁当でも置き忘れてきたのだろうか。

西沢渓谷から甲武信岳方面の登山路は2つある。
谷筋をさかのぼる近丸新道と、尾根筋をたどる徳ちゃん新道だ。
徳ちゃん新道とは、甲武信小屋のあるじ山中徳治さんが切り開いた比較的新しい登山道だ。
私は少しでも展望の得られそうな徳ちゃん新道を選択した。
なので、近丸新道の登り口は通過。
DSC_1397.jpg

ヌク沢を渡り、休業中の西沢山荘の前に出る。
DSC_1406.jpg

ここに英文学者・田部重治(1884~1972年)の文学碑がある。
氏は奥秩父をこよなく愛した登山家でもあり、碑文は「笛吹川を遡る」の一節である。
DSC_1409.jpg
しかし、偶然なのかこの石碑は車の形に似ている。
山歩きを続けた人なのに、何だかおかしい。

少し戻って、分岐から徳ちゃん新道に入る。ちょうど8時。
DSC_1405_201312012217539ae.jpg

ここは標高1150m。カラマツの林を行く。
DSC_1416.jpg
黄葉していて気持ちがいい。
昨日の雨で路面は濡れているが、カラマツの落ち葉がちょうどいい滑り止めになっている。でも、油断しないようにしよう。
最初は緩やかな道だったが、尾根に取り付くと急に勾配がきつくなる。

途中、花束が置いてある木を見つけた。
DSC_1420.jpg
遭難した方がいたのだろうか。手を合わせて通過する。

1300mの等高線を超えると道はなだらかになる。
DSC_1421.jpg
がすぐにまた急になる。

途端にさっき済ませたはずの「大」がまたしたくなり、適地を捜す。
しかし、やせ尾根でなかなか見つからない。
我慢して登っていると、大木が根こそぎ倒れて平らになった場所があり、そこで失敬した。
DSC_1423.jpg
登山道のすぐ横だが、平日でよかった。誰も通らなかった。
環境保護のため、紙は2枚しか使わず、ブツは枯れ葉で上手に隠した。
携帯トイレを持ってきておらず、ごめんなさい。
岩崎元郎さんの「登山不適格者」(NHK生活人新書)を読んだばかりだったが、彼も「大」を持ち帰る勇気はまだ出ないとのことだった。
私もさすがにない。早池峰山みたいに強制されれば、するけれど。

木々の間から左手に見える岩峰は地図で確認すると鶏冠山(2115m)だった。
DSC_1432_20131201221727814.jpg
さっき、アプローチを歩いている時、「甲武信岳、鶏冠山→」という道標があったが、地形図にも登山地図にも道は出ていない。
行けるのだろうか。
木賊山頂上手前に鶏冠尾根への分岐があったが「危険」と書いてあった。
入口からしてヤブで、ほとんど廃道状態なのかもしれない。
標高の低い、このあたりから見ると尖塔が印象的だが、しばらく登ると凡庸な山容になってしまう。

9時を過ぎると植生はカラマツから一瞬白樺に変わる。
DSC_1433.jpg
道は、なだらかな所と急な所の繰り返しでリズムがつかめるし、地形図で現在地が簡単に把握できる。
「あと50m登ると緩やかになる」なんて分かるので、気分的にも歩きやすい。

木々の間から見える南の双児峰が気になっていたので、立ち休みをした時に地図で確認してみたら、黒金山(右、2232m)と牛首(左、2086m)だった。
DSC_1440_201312012216540eb.jpg
もっと右の方にあると思っていた。

カラマツの黄葉がほんとに美しい。
DSC_1443_201312012216569e0.jpg

1619m標高点は9:22に通過。
DSC_1449_20131201221659cf1.jpg

この先、1700m近辺まではシャクナゲのトンネルが続く。
DSC_1453.jpg
登山地図にはもう少し低いところにあるように書いてあるが、私の目測の方が正しい。

1800mあたりで南側の展望が一時開け、登り出してから初めて富士山が見えた。
DSC_1464_20131201221627612.jpg
今日もご機嫌。

広瀬湖や黒金山もやっと樹木に邪魔されず、すっきり眺めることができた。
DSC_1466_20131201221630a49.jpg
DSC_1462_2013120122170256d.jpg

右に見えるのは、破風山から派生している青笹尾根だろうか。
DSC_1467.jpg

左の鶏冠尾根も全体が見えてきた。
DSC_1473_201312012216330c6.jpg

9:59、近丸新道との合流する1869m標高点に到着。
DSC_1476.jpg
建築用のブロックが1個転がっていたので、そこに腰掛けて本日初めての小休止。
小腹が空いたので、行動食のソーセージを1本食べる。
地図をよく見て、今まで見えていた山を再確認した。
10:11に出発。

間もなく、木賊山の全容が見えてきた。
DSC_1485_20131201221601059.jpg
すぐ近くにあるように見えるが、コースタイムではあと2時間半もかかる。

再びシャクナゲのトンネルを抜け、直登が続く。
これまで前半戦は順調だったが、休憩してからがなぜかきつい。
現在地の把握もできているが、とにかくいきなり足が上がらなくなってきた。

10:52、2111m標高点を通過。
そのすぐ先に「甲武信」のプレートがかかっている。
DSC_1498.jpg
裏を見ると「2012.9」とある。
(え、2112mじゃないの? 100m間違えてるなあ)
なんて思っていたら、次のプレートにも同じ数字が書いてあり、
(あ、設置した年月のことか、と得心)
小さなキツネの絵がかわいい。

11時ちょうどにとうとうダウン。
なんでもない道端にマットを敷いて座り込む。
DSC_1499_201312012216057c1.jpg
木に寄りかかって目を閉じ、息を整える。
ついでなので、ホットココアを飲んで、非常食のパンも1個食べてしまった。
20分後にやっとよろよろと起き上がる。随分休んでしまった。

休んだ後もちっとも楽にならない。
立ち休みを繰り返しながら歩いていると、後ろに誰かが見えてきた。
追い抜かれる寸前に、上から下りてきた老夫婦とすれ違う。2300m付近か。
彼らは今朝6時半に登り始めて、もう下って来たのだそう。
私より1時間半しか早くないのに、なんと早いこと。
自分があと1時間半で、ここまで戻って来られる自信は全くない。

聞くところによると、新潟から3泊4日の日程で出てきて、両神山などこのあたりの百名山を歩いているらしい。
「昨日は雨でしたけど、大丈夫でしたか?」
と聞いたら、
「ほんとは昨日ここを登る予定だったんだけど、天気が悪いので楽に行ける大菩薩に変更したんです」
とのこと。
「お気をつけて」と見送った。

この先に展望のいい場所があったので、写真を撮っていたら、とうとう後ろの人が追いついてきた。
「今朝寝坊しちゃったんだけど、天気がいいので思わず出てきました」
日帰りピストンとのことで、「大変だあ」とつぶやきながら、汗だくで登って行った。
私もヒーヒー言いながら登る。

昼前に、崩落地形が迫っている2350m地点に到着。
DSC_1520.jpg
ここは岩場になっており、展望がよい。

当然のごとく富士山。
DSC_1531.jpg

黒金山
DSC_1515_20131201221607447.jpg

国師ヶ岳
DSC_1519_20131201221609783.jpg

金峰山(右端)
DSC_1523_20131201221535349.jpg

乾徳山のピークがかわいらしい。
DSC_1527.jpg
ひととおり眺望を楽しんで出発。

再び樹林帯に入ると、霜が随分下りている。
DSC_1533.jpg

木賊山の頂上まで、あと標高差100mだが、これがまたきつい。
12:15、奥秩父主脈の登山路に合流。標高2440m。
DSC_1536.jpg
この先は緩やかでほっとする。

先程も書いたが、途中、鶏冠尾根への入口があり、「危険」ということでロープが張られていた。
DSC_1543_20131201221510582.jpg

12:22木賊山頂上に到着。
DSC_1549_201312012215127f9.jpg
ベンチがあったので腰を下ろす。
ここでお昼にしようと思っていたが、展望が全くないので止めた。
さっきパンを食べたので、それほどお腹も減っていない。
甲武信小屋の前か甲武信岳山頂で食べることにしよう。

Facebook用にセルフ写真を撮って、12:30、小屋に向けて出発した。

(つづく)



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