山と鉄

山歩き、乗り鉄、廃線・廃道歩き、廃村歩き、駅舎探訪などの日々を記録します

蝶ヶ岳(中)

快晴の27日朝7:35、まずは横尾に向けて出発。
それにしても爽やか。下界は熱帯夜の猛暑なのだろうが、ここは別世界だ。

横尾までの道は、上高地から徳沢までと同様、樹林の中の平らな道だ。
標高は上高地が1505m、徳沢が1562m、横尾が1620m。
梓川は水力発電のダムがあるだけあって、大正池より下流の方が急流だ。
こんな山奥で、これほど長い距離(10㎞以上)をほぼ水平に流れている川は全国でもほかにないのではないか。

歩き始めて間もなく、屏風ノ頭やパノラマコースを経て涸沢に至る入り口にあたる新村橋が左に見える。子供のように渡ってみる。結構揺れる。
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正面は前穂の6峰と7峰(たぶん)。
下流方面を振り返ると、徳本(とくごう)峠と霞沢岳(2646m)が見えた。
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今度、上高地に来る時は、ここをやろうと思っている。
釜トンネルが開通する以前は、上高地への入り口は徳本峠だった。
今も島々から徳本峠に至る7時間半に及ぶ道のりを歩く登山者が少なくないと聞く。おそらく、徳本峠小屋のご主人のお人柄によるのだろう。
旧街道ファンの私としても、このクラシックコースを歩いてみたい。
そして、徳本峠小屋に泊まり、翌日霞沢岳をピストンして上高地に下る計画だ。
2日目のコースタイムは10時間近いので、かなり厳しいのだが。

横尾に近づくに従い、前穂の正面に出てきた感じがする。
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胸にいだく雪渓も姿を現し、長七ノ頭や茶臼ノ頭に隠れていた全容を見せてくれる。
それにしても、ものすごい岩峰の列である。前穂の北尾根にも登山道はない。

赤い地肌を痛々しげにさらけ出した赤沢山(2670m)も見えてきた。
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このあたりでも高山植物に出会えた。
いずれも自信はないが、たぶんこれはヤマルリトラノオ。
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ほんで、これはおそらくミヤマシャジン。
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これはヤマホタルブクロかな。
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前穂や明神が後ろへと去り
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南岳へと延びる横尾尾根が見えてきたら、横尾はすぐそこ。
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横尾に着くと、屏風岩の陰から、槍への縦走路が姿を現す。
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横尾は、涸沢や槍、蝶への分岐点に当たり、横尾山荘の前では多くの登山者が一息ついていた。
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こちらも一服。山荘で本物の七宝焼だという蝶ヶ岳のバッジ(600円)を購入。
ふつうのバッジより100円高いが、蝶ヶ岳ヒュッテに万が一なかったら、一生後悔することになるので奮発した。チョウの形の中にシナノキンバイをあしらった、なかなかのデザインである。

さ~て、ここからが本格的な登り。断然、穂高や槍に向かう人が多く、蝶への道を選択する人は少ない。
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この道は、尾根直下までは樹林帯の中で、ほとんど眺望は期待できない。
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道も地図上は等高線と直交しており、相当な急坂が予想される。
「山と渓谷」の8月号で、この登りは日本名急登100のうちの26番に挙げられていた。平均斜度は15.5度。確かにこれはすごい。
でも、道はジグザグに付けられており、想像よりはきつくなかった。
眺望がなければ、お楽しみはお花。
こちらは、葉緑体のない変わった植物であるギンリョウソウ。別名・幽霊草とも言うのだとか。
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ゴゼンタチバナ。これはあちこちに咲いている。
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ただ、登るに従い、木々の合間から展望が限定的に開けることがある。
そういう瞬間を見逃さないのが、私の信条。
これは穂高と槍の間にある南岳の山容。
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ぬりかべ、と言うか、下川辰平というか四角い顔が印象的。

しばらく、ササの中の樹林帯を登ると
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横尾から30分ほどで、槍見台に到着。
ここは広い場所ではないが、確かにすばらしい槍の展望台だ。
上高地から10㎞以上延々と歩いてきて、初めて槍が望める場所である。
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(左から屏風岩、南岳、すこし離れた小さいピークが中岳、手前の緑が横尾尾根、そして槍)
まだまだ遠慮がちだが、その尖塔は実に存在感がある。

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(左肩に赤い屋根の槍ヶ岳山荘が見える)
いずれ、あそこも登ろう。
だが、私としては、いきなり本丸を落とす主義ではない。
今回の蝶に続き、霞沢岳、焼岳を登って外堀を埋めてから、前穂、奥穂、北穂と正面から時間をかけて攻めたい。だから、たぶん槍沢は登山路ではなく、下山路ということになるだろう。まあ、そんなことを言っていたら、いつのことになるやら。

槍見台までコースタイム50分のところを30分で登ってしまった。
これは多分、編者の間違いであろう。こちらとしては、別段急いでもいない。
昭文社さん、要検討の箇所だと思います。

槍見台で写真を撮っていたら、高校生の集団が下山してきた。
おそろいの青いTシャツの肩に「SEISOKU」とある。甲子園でもおなじみの正則学園だろうか。
山岳部系なのかどうか分からないが、みな結構な勢いで下ってきた。
顧問らしき先生が「ここから下りのコースタイムは30分。15分で下るか!」と叫んでいる。主将らしき少年が「はい」と言いつつ、「ただ、佐藤の様子が・・・」などとバテている仲間を心配していた。
昔からありがちの、しごき山岳部ではなさそうで安心した。

ここから、ひたすら樹林帯。
道しるべのペンキの○印がやたら目立つ。
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そんな木々の間から前穂(3090m)も負けじと絶壁を見せてくれた。
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続いて、北穂高岳(3106m)
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そして、涸沢岳(3103m)
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なかなか主峰の奥穂がなかなか、もったいぶって姿を見せない。

2度ほどの休憩をはさんで、えんこら登り、横尾から3時間半、やっと森林限界に達し、視界が一気に開けた。
日が高くなって、色の鮮やかさには欠けるが、まずは正面に穂高連峰。
山頂部にガスがかかり始めているが、右から北穂、涸沢、奥穂、前穂。
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わずかに右に目を転じれば
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右から槍、わずかに雲を絡めた大喰(おおばみ)岳(3101m)、小さな三角ピークの中岳(3084m)、台形状の南岳(3033m)、そして大きく湾曲した大キレット。

左遠くには、霞沢岳と右奥の雲の中に乗鞍岳(3026m)
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これらが首をわずか90度振るだけでみんな見えてしまうのだ。
なんという至福。これがあるから登山は止められない。
疲れなど、一気に吹っ飛ぶ瞬間である。

ここから稜線へは、ハイマツの生えたガレ場を登ること5分ほど。
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稜線に立てば、東側の山々も見ることができる。美ヶ原に八ヶ岳、南アルプスに、運がよければ富士山・・・
期待に胸をふくらませて、急ぎ足で稜線に立つと、なんと東は一面のガス。
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まあ、仕方ない。槍・穂高だけで十分。割り切りは早い方だ。

この稜線の分岐点で昼食とする。
日を遮るものは何もないが、心地よい風が吹いて、気持ちいい。
正面に槍・穂高のパノラマが広がる絶好の展望レストランだ。
メニューはフリーズドライのカレーライスと豚汁。
徳沢園の食事に比べると、いかにもみすぼらしいが、これはこれでかなりうまかった。
徳沢園からお湯をもらってきていたので、できあがりも早かった。

40分ほど休み、ここから空身になって蝶槍を往復する。
しばしの空中散歩。標高差もほとんどなく、ザックを下ろすと無重力のように体が軽い。

正面右に常念岳が見えるはずだがガスで見えない。
ただ、左前方には大天井(おてんしょう)岳(2922m)とはるか遠くに野口五郎岳を望むことができた。
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(大天井岳)

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(野口五郎岳)

蝶槍はほんのささやかな尖塔である。
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三角点もなければ、地図に標高の表示もない。おそらく2660mくらいだろう。
でも、地図に名称の標記はあるので、登った山の1つに数えることにする。

さて来た道を戻る。
これまで山の稜線ばかり見てきたが、谷も深い。
谷を見ると、山の大きさも分かる。
写真は、右が槍沢の谷、左が横尾の谷である。二つが合流して梓川となる。
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蝶槍から蝶ヶ岳への稜線は、ガスが出たら迷ってしまいそうな、広い尾根である。
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視界が開けていれば、なんとものんびりした雰囲気だ。
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はるか下には梓川の流れも望めた。
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ザックを回収して、あとは蝶を目指すのみ。
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この先も気持ちのいい稜線だ。岩の陰にはチシマリンドウの群落が風に揺れている。
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コケモモやイワツメクサも短い夏を謳歌している。
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ハイマツは早くも来年に備えて、松ぼっくりをたわわに実らせていた。
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間もなく東のガスの切れ間から安曇野がうっすらと見えてきた。ありがたい。
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このあたりの稜線は、槍・穂高抜きでもなかなか絵になる。
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で、展望台の「瞑想の丘」を過ぎて、午後3時、蝶ヶ岳ヒュッテに到着。
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ここは予約不要の小屋なので、とにかく受付を済ませる。1泊2食9000円。北アルプスは関東や奥秩父に比べ相場が1500~2000円高い。
靴を脱ぐのが面倒なので、部屋への案内は後回しにしてもらい、まずはすぐ先にある頂上に向かう。なんとビールの自販機があったので、350ml(500円)を買い、キャンプサイト経由で頂上へ。2677m。祝杯だ。
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眺望は今まで堪能して来たのとそう変わらないが、穂高連峰の陰から焼岳が姿を現したのと、徳本峠に通じる長大な稜線にある大滝山を間近に見ることができた。
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しばし、たたずみ感慨にふける。

北アルプスは6年前の今頃、常念岳に登ったことがある。
でも、その時は大勢の経験者に連れられてきた。
自力で来たのは今回が最初。初めて北アルプスの入り口に足を踏み入れたというのが実感だ。これから、ここに何度も来ることだろう。今後ともよろしくお願いします。

小屋に戻ると、部屋に案内された。受付番号101番。今日はすでに150人が泊まることになっているという。
寝る場所は3階の屋根裏部屋。2階からはハシゴで登り、70㎝四方の穴を通らなければならない。
トイレが面倒そうだ。

とにかくまだ4時。食事の5時半までは、部屋で山行記録を付けて過ごした。
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蝶ヶ岳(上)

このところ毎週ハードな山行が続き、体を酷使しすぎたのか、いろんなところにほころびが出てきた。
唇は荒れてきたし、3年ぶりくらいに痔が再発。
左腕のしびれがどうも治まらないので、医者に診てもらったら、頸骨の異常から発したものだった。これは老化の一種のようだが、しびれがひどくなったのは登山にも原因があった可能性もある。

とはいえ、だからと言って山はやめられない。
すこしペースダウンすることにした。休憩をゆっくり取り、1日の歩行距離も減らすのである。
今回、平日に2日、夏休みの前半ということで休みをもらい、26~28日の2泊3日で蝶ヶ岳に登ってきた。穂高連峰の東正面にあり、穂高・槍の絶好の展望台である。
幸い、天候にも恵まれ、最高の山歩きとなった。

八ヶ岳、鳥海山の報告がまだですが、先に蝶ヶ岳を書くことにします。

ルートとコースタイムは以下の通りである。
26日:新宿=松本=新島々=上高地(14:50)~徳沢(17:10) ※徳沢園泊
27日:徳沢(7:35)~横尾(8:45休憩15分)~槍見台(9:30)~(途中休憩2回計30分)~蝶ヶ岳分岐(12:55昼食40分)~蝶槍(14:05)~蝶ヶ岳(15:00) ※蝶ヶ岳ヒュッテ泊
28日:蝶ヶ岳(6:05)~妖精の池(6:45)~長塀山(7:10)~(途中休憩2回計20分)~徳沢(9:30休憩10分)~明神館(10:35休憩5分)~嘉門次小屋(10:50昼食25分)~上高地(12:35)=新宿

2泊3日もあって、蝶ヶ岳のみとはもったいないと言うなかれ。
今回のテーマは、「急がない」「欲張らない」なのだから。

出発も夜行や早朝ではない。普段の出勤時間に家を出て、新宿10時発のスーパーあずさ11号に乗る。ほぼ満席だが、さすがにこの時間の電車に山ヤはいない。
ちょっとブルジョア気分。

10日前に登ったばかりの八ヶ岳を確認しつつ、5分遅れの12:36、松本に到着。
松本電鉄との乗り換え時間はわずか6分になってしまったが、改札を一旦出る必要も、切符を買う必要もないので、楽々移動。12:42発。

松本電鉄に乗るのは、学生時代以来ほぼ30年ぶり。あの時は乗鞍に自転車を担ぎ上げ、下山してきて、新島々から乗った。もう暗くなっていたので車窓は見ていないし、たぶん寝ていただろう。だから、実質今回が最初と言っていい。
ただ、今年3月に駅舎撮影のため沿線は訪ねているので、落ち着いて乗っていられる。
あの時、工事中だった波田駅はもう完成していた。
わりとこぢんまりした駅だった。
巨大なバスターミナル駅となった新島々駅には定刻の13:12着。
精算窓口で上高地へのバス切符も購入し、アルピコ交通のバスに乗り込む。
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松本電鉄には女子高生らしき山の格好をした集団がいたが、このバスには乗らないようだ。
乗客はやはり山ヤは少なく、観光のカップルや老夫婦の姿が目立つ。
それほど混んでいないので、巨大な65㍑ザックは後ろの席に置かせてもらった。

バスは13:25出発。運転手のすぐ後ろの席に陣取った。運転手がずっと独り言を言っているので気持ち悪かったが、無線で営業所などと交信しているだけだった。
車はどんどん高度を上げていく。
この道は学生時代に2回、長野勤務時代に数回通っており、とても懐かしい。
梓川に3つのダムがかかっており、緑の人造湖が続く。

沢渡より奥、上高地までの乗用車乗り入れが規制されているため、バスは沢渡にいくつもある駐車場にその都度停まる。ただ、無線で交信し、乗客のいないバス停は通過する。
マイカー規制で、アルピコ交通はかなり儲けていることだろう。

沢渡を過ぎると、いよいよ釜トンネル。
学生時代、自転車部の夏合宿で通った時は、狭くて、急で、長くて、バスが猛烈な排ガスを出しながら、ひっきりなしに走る恐ろしい道で、強烈な印象が残っている。
あの光景をもう一度バスの中から見たかったが、トンネルはすっかり作り替えられ、2車線の快適な道になっていた。新トンネルは2005年に竣工したようだ。

大正池や焼岳など懐かしい風景を見ながら、午後2時半すぎ、上高地のバスターミナルに到着。チップトイレ(100円)で用を済まし、飲料水を補給して、2:50出発。
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すぐ梓川の土手に出て、穂高連峰の雄姿と再会する。
「こんなに大きかっただろうか」
というのが最初の印象。31年前、雄大な景色に驚いた記憶があるが、今回もその時に負けず劣らず、感激した。
それにしても梓川の水はきれいだ。心が洗われるようである。
これが河童橋から見た穂高連峰と梓川。
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ここから見える穂高は右の前穂高岳(明神岳の陰にかすかに見える、3090m)から奥穂高岳(穂高連峰の主峰、3190m)、西穂高岳(2909m)へと至る稜線。中央に最も高く見えるのは、奥穂ではなく、右にロバの耳を覗かせたジャンダルム(3163m)である。
振り返ると焼岳がどしんとそびえている。
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大正4年に噴火して、梓川をせき止め、大正池を生んだ山だ。
頂上からかすかに噴煙を上げているのが見えた。

それにしても、河童橋周辺は人出が多い。
このあたりはまだ観光客のエリアなのだ。
すぐ先の小梨平キャンプ場にベンチがあったので、早速休憩(15分も歩いていないが)。
バスターミナルの売店で買ったおやきで小腹を満たす。
ああ、のんびりだ。

徳沢園までの道は、ほとんど平らで、梓川と寄り添ったり遠ざかったりしながら樹林の中を進む。梓川の瀬音を聞きながらの歩きは気持ちがいい。
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快適な散歩道で、ふつうの観光客もハイキングを楽しんでいる。

途中、サルに出会った。
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上高地では(どこでも、そうだが)、動物にエサをあげるなんてもってのほかで、追い払い運動を展開している。彼らの野生としての自立のためにも、人間になるべく近づかないよう仕付けるためだ。
はるか昔、伊豆の波勝崎でサルの軍団にタオルを奪われ、取り戻そうと追いかけ回し、ついに奪い返して得意になっていたことがあるが、サルは絶対、目を合わせてはならないらしい。
あの時は、目で勝てば勝ちだと信じていたので、絶対目を離さなかった。
無事だったのはたまたまで、無知ほど恐ろしいものはない。

ときどき、左手の木々が開けて、梓川の向こうに明神岳が見える。
なかなか荒々しくかっこいい。明神岳には一般の登山コースがない。クライマーしか登ることができない山だ。
これは明神館からの眺め。
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左の最も高いピークから順に、5峰(最南峰)、4峰、ちょっぴり覗いている2峰(明神槍)、そして形のいいピラミッド形の1峰(主峰、2931m)、東稜、すこし離れてまるい山頂の長七ノ頭(2320m)である。

視線を下に転じれば、高山植物も目を楽しませてくれる。
これはセンジュガンピ。
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これはタテヤマウツボグサだろうか。確信はない。
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再び、広い梓川の河原の向こうに新たな山が見えてくる。
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このあたりの同定は、実際に登っていないので100%の自信はないが、中央が中山(2492m)、その左が大天井岳(2922m)、右が東天井岳(2814m)であろうか。
中山はこの梓川左岸ルートからは比較的目立つ山であるが、地図で見ると登山道はない。
ずっと樹林帯の中で、頂上も眺望が得られないから、見向きもされないのだろう。

たいぶ日も傾いてきた。ここまで来れば徳沢はもうすぐだ。
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これは徳沢ロッジだが、泊まるのはここではない。
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今夜の宿はこちら、徳沢園である。
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ここは、実話をもとにした井上靖の小説「氷壁」の舞台にもなった山小屋で「氷壁の宿」を名乗っている。
ずいぶん昔に読んだが、ほとんど内容は忘れてしまった。
徳沢園のルーツは、創業者の上條百次良氏(現在は4代目の上條敏昭氏)が明治18年に始めた上高地牧場である。
江戸時代、安曇村は林業が生業だったが、明治政府により伐採が禁止され、やむなく百次良氏は牧場経営を決断。平地をまず河童橋周辺の上高地に求めた。
その後、観光客や登山客の増加により、牧場は奥へ奥へと移転。昭和4年に徳沢へ移ることになった。
しかし、登山客との共存が困難になり、昭和9年に今度は牧場閉鎖を命じられ、牧監小屋は登山者休憩所に転用されることになる(現在、牧場跡はキャンプ場になっている)。
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そして、昭和25年、3代目の進氏が山小屋「徳沢園」を本格始動させたという歴史がある。常に逆境を乗り越えて、今があるのだ。

それにしても、この小屋は山小屋のイメージではない。十分にホテルである。
相部屋も一応あるが、個室が中心。午後8時までだが風呂にも入れる。
なんと言っても食事。
この日の夕食のメニューを列記すると、
・主皿:牛肉のステーキ(自家菜園の野菜を添えて)
・副皿:海鮮酢の物
・焼き魚:岩魚の塩焼き
・大鉢:肉じゃが(自家菜園のじゃがいも使用)
・小鉢:手作り豆腐(自家菜園の野菜をのせて)
・汁物:山菜そば
・デザート:洋梨のシャーベット
このほかに、地元清水牧場のフレッシュチーズが付いた。
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これは、ステーキとそば、デザートがサーブされる前の状態。
これが山小屋だろうか。
岩魚の塩焼きもおいしかったが、何年かぶりに食べたステーキが絶品だった。

これだけのサービスが提供できるのは、まずここまで車が入れることが理由に挙げられるだろう。そして豊富な水。で、何より経営者の熱意ではないだろうか。
スタッフの接客も、ホテル並みにすばらしい。
「山小屋なんだから、この程度で我慢してよ」といった甘えが全く感じられない。
これで、料金は翌日泊まった蝶ヶ岳ヒュッテと同じ9000円である(個室は1人15900円)。
ちなみにこれが個室。
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徳沢は上高地から徒歩で2時間かかり、気軽なハイキングで来るには少々遠い。
実際、泊まり客はほとんど登山が目的の方々ばかりだったが、この宿なら、泊まることだけを目的に、ここまで足を延ばしてくる観光客も少なくないだろう。

山小屋は大部屋・相部屋が王道、風呂なんて堕落だ、という考え方もあるだろうが、私はできれば個室に泊まりたいし、風呂にももちろん入りたい。
とにもかくにも徳沢園には大満足。9時にはぐっすりと寝入ってしまった。

ふかふかの布団で爆睡。翌朝は山小屋泊にしては遅いくらいの5:45起床。
だって、朝食は7時だというのだから、しょうがない。
朝6時には出発したかったのだが、考えてみれば翌日の行程も短いし、ここの朝食も食べる価値があるだろうと思い直し、1泊2食にしたのだ。

朝食前の散歩。正面の明神岳と前穂が朝日を浴びて輝いている。最高の天気だ。
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ピークは左から、明神岳の5峰、4峰、3峰、2峰(かすかに見える)、1峰、右中央の岩体が前穂で、最も高いピークが頂上。続いて2峰、3峰、すこし離れて4峰、かなり低くなって5峰と続く。この写真には納まらなかったが、6峰、7峰まで前穂の北尾根を目でたどることができた。
これは前穂頂上部のアップ。ほれぼれする。
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で、朝食も食べることにしたのは大正解だった。なぜ、こんなにふんわりオムレツが焼けるの?
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メニューは、プレーンオムレツとブロッコリーとトマトの付け合わせ、おから、キュウリとイカの酢の物、梅干し、お新香、焼きのり、みそ汁、デザートはブルベリージャムののったヨーグルトだった。
となりのご婦人が、イカの酢の物を「やわらかい筍ね~」と言っていたのには驚いたけど。

さて、7:35いよいよ出発。今回の本番はこれからだ。
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札幌岳(敗退)+八剣山

7月8日の話です。

暑寒別岳縦走を終えて、前夜、実家に戻り、久々にジンギスカンをいただいた。
疲れ果てていたけど、今年80になる父が車出しをOKしてくれたので、当初の予定通り札幌岳(1293m)に登ることにした。

もともとは真駒内駅、朝7時発のバスで豊滝まで行く予定だったのだが、これだとアプローチに1時間ほど余計に歩かないとならない。登山口まで送ってもらえると本当に助かる。

登山口すなわち盤の沢林道入り口のゲートには7:20到着。
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駐車場には何台か登山者の車が駐まっているものと想像していたが、1台もない。
シーズンの日曜日である。いくら豊平峡温泉からのピストンコースがスタンダードとは言え、内地ではありえないことだ。

入林届(登山届)ポストにあるノートを見ると、5:50に入山した人がいる。
ちょっと安心した。
林道は約3.5km。道ははじめはこんな感じだが
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途中からは大雨による泥流が道を削り、とても車が通れる状態ではなくなっている。
バイクもこれ以上は進めなかったようで、路上に1台駐まっていた。
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これは5:50に入山した人のだろうか。

8時、林道の終点に到着。ここからが本格的な登山道だ。
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ここも暑寒別岳に劣らず、蚊がひどい。
加えて最近、札幌では住宅地にクマが頻繁に出没している。
出没地点はかなり限定的なようだが、油断は禁物。とりあえず、音の大きいクマ鈴を鳴らして歩く。
しばらく行くと、道が荒れて、踏み跡も不明瞭になってきた。
沢に出た方が歩きやすいと思い、沢を遡上し始めたが、あまり進むと登山道に戻る道を見つけられなくなると思い、引き返す。

なんとか踏み跡を探しながら進むのだが、どれも登山道とは思えない急坂になったり、ヤブがひどくなったりで、進んでは戻り、別の踏み跡を行っては戻りを繰り返す。
みな迷っているのだ。1時間近くヤブの中を彷徨したろうか。
地形図を何度も見直すが、現在地が正確に把握できない。
慣れない北海道の山で無理して、クマの餌食になるのはイヤだ。
潔く諦めることにした。
ガツガツ勢いよく下っていると、左手に明らかに荒れた登山道と思えるトラバース道を発見!
なんだ、こんなところにあった。随分、時間は無駄にしたが、道が分かれば問題はない。

気を取り直してその道を進むと、ものの200mも行かないうちに、また道がヤブの中に消えてしまった。
「これも違ったのか」
一度諦めているだけに、今回も諦めは早い。
くるりと振り返って、再び引き返す。

途中、道がなくなりかけたあたり、沢の向こう岸に赤テープがあった。
一瞬、「あっちなのかな?」と思ったが、地形図では沢を徒渉することにはなっていない。
「こっちは来ちゃだめよ」のテープが切れてしまった状態なのだろうと思い、試しに行ってみることもしなかった。
(しかし、帰宅してネットでこのコースを登った人の記事を読んでみると、「1度目の徒渉」などと書いてある。もしかしたら、あのテープが道しるべだったのかもしれない。
地形図を信じすぎただろうか。

いずれにしろ、札幌岳は断念。
豊滝から登り、豊平峡温泉で汗を流して帰るという計画があだになった。
逆コースであれば、まあ迷うことはなかったろう。
しかし、豊滝に下りてから小金湯まで歩くのは少々面倒で、選択肢としてはなかった。
また来年リベンジしよう。

さて疲れはしたが、このまま帰宅しても時間をもてあますだけなので、南正面にある八剣山(498m)に登ることにした。
とぼとぼと林道を引き返す。
途中、バイクで登ってくるカップルとすれ違う。
ここはゲートの脇から二輪車は入れるので、人気のオフロードコースなのだろう。

林道を出てからも国道までがまた長い道のり。
このあたりサクランボ農家があったり
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スノーベリーファームがあったり、観光農園ぽい雰囲気があるが、残っている建物などを見ると、かなり古くから開拓された土地だったと想像できる。
バス停近くの公園に11時過ぎに到達。ここで水を補給し、母が作ってくれたおにぎりを食べる。本当は山頂で食べるつもりだったのだが。

ここから八剣山登山口までがまた長い。
国道230号をわたり、豊滝小学校の横を通って、旧定鉄の滝の沢駅跡を過ぎると
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やっと、近づいてくる。
この山は名前の通り、頂上部分が鋸状の岩峰になっており、子どもの頃から、このあたりを父の車で通るたびに、怖い山だなあと関心を持っていた。
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登ろうと思ったことはなかったが、ひょんなことから、こういう仕儀になった。
子ども心にすごいと思っていただけに、地図にコースタイム50分とあるのを見て、拍子抜けした。まあ、500mに満たない山だし、当然なのだが、疲れた体にはかえってありがたい。

ふもとは八剣山果樹園やワイルド・ムスタングスという乗馬クラブになっており、家族連れや若者などの観光客がたくさんいた。
さっきの観光農園もそうだが、札幌の観光と言えば、すすきのや大通公園など街の中のイメージだったので、とても新鮮だ。
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さて、12時過ぎ、登山道に入る。
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ここは蚊が全くいなくてありがたい。いったい、この差の理由は何だろう。
最初は土の道だが、しばらくすると岩場となる。
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で、石山方面の市街地が一望できる。
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天気がいまいちで霞んでいる。

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こんな最近の住宅を俯瞰すると、なんか北欧の街のようにも見える。

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これは豊滝の集落と奥は札幌岳。雲に隠れているのを見て、ほっとする。
「登っても、何も見えなかったんだ」

しばらく、岩峰の東側を回り込むが
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試しに岩峰の先っちょに登ってみると、思いのほか、この剣は鋭いというか、薄いことが分かる。これは怖くて稜線は歩けない。
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ほぼ時間通りのタイムで登頂。
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まわりを眺めて、札幌もかなり山が奥深いことを実感した。

岩峰はいずれもとても立っていられないような場所だが、もっとも高い岩峰(山頂)だけが、人がふつうに登れ、座れる場所だ。これも、不思議なものである。
この山は気軽に登れるわりに変化に富んでいるので、人気がある。
老いも若きも、たくさんのハイカーと行き会った。

頂上では、ネームプレートを首からかけている人がいたので、ガイドさんかなと思い、札幌岳豊滝コースのことを聞いてみた。
でも、最近は豊滝からは登っていないとのことで、詳しいことは聞けなかった。

北口へ下山し、小金湯までこれまた延々と歩く。
途中、古い農家の牛舎があった。
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下ってみて分かったが、八剣山頂上は鋭い岩峰の中でも、刃先のまあるい部分だった。小さく人が見える。
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小金湯へのみちみち、定鉄の廃線跡を見下ろせるポイントがあった。
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定鉄の廃線跡は一昨年ひととおり歩いた。
一度は乗りたかったが、小1で廃止になったので、まあ仕方ないか。

小金湯は、ひなびた秘湯のイメージがあったが、初めて行ってみると、一大温泉施設だった。
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40分後には真駒内駅行きの無料バスが出るというので、カラスの行水だったが、とにかく汗を流すことはできた。思いの外いい湯だった。

札幌岳には敗退したが、こういう日もあっていい。
失敗しただけ勉強になる。
帰宅すると「随分早かったね」と母には言われ、弟には「八剣山って、山なの?」と小バカにされた。
この日は夜10時40分の便で帰京した。

あすから上高地に行ってきます。
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近況です

仕事も山行も忙しく、ブログでの報告が滞っています。

暑寒別岳の翌日(7月8日)は札幌岳に挑みましたが、道が分からず敗退。近くの八剣山に登って帰京しました。

翌週の3連休(7月14~16日)は飯豊連峰縦走を計画していたのですが、天候不順のため中止。
日本で最も天気がいい(雨が降らない)予報だった八ヶ岳に行き、変則縦走した。
初日の蓼科山はガス、2日目の縞枯山などは雨、3日目の編笠山でやっと晴れました。
2日の夜は車で移動し、天女山の駐車場で車中泊でした。

昨日までの週末(21~22日)は山形の出張にくっつけて鳥海山に登ってきました。
2日間とも一部ガスが出たけど、快晴で最高の山行になりました。

木曜日(26日)からは夏休みをとったので、上高地デビューしてきます。
ずっとハードだったので、今回は2泊で蝶ヶ岳のみという、ゆったりコースです。
天気もよさそうなので、穂高や槍の眺望を満喫してきます。

8月以降の予定は今のところ全く考えてません。
ブログはたまりっぱなしですが、少しずつアップしていきます。

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(これは編笠山山頂。奥に富士山が見えます)
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暑寒別岳(下)

暑寒別岳のつづきです(7月7日)

山頂では菓子パンを1個食べた。ここまでにおにぎり2個、パン2個食べたことになる。
いつもより、小刻みによく食べている。
ゆっくり休んでいるうちに、暑寒荘で同宿だったもう1人の男性も到着した。
みなさん、ピストンだそうだ。
私が南暑寒別岳に向かって歩き出そうとしたら、みんな「え、縦走ですか?」と驚いていた。

南暑寒別岳(1296m)まではコースタイム上2時間の道のり。
1060mくらいまで一旦下り、また200m以上登り返す。
8:50に頂上出発なので、11時には着けるだろう。ここからはゴアは脱いだ。

ものの1分も下ると、頂上からは陰になって見えなかった広大なお花畑が広がっていた。
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なんとまあ。ここはそんなに蚊も飛んでいないし、まさに楽園だ。
増毛からピストンする方もぜひ1分だけ、逆方向に下ってみることをお薦めする。

しばらく、ハイマツの中のなだらかな下り道を行く。
振り返ると、まだ山頂でみなさんは休んでいる。
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道は、木の根に通せんぼされながら、どんどん歩きにくくなっていく。
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やはり、あまり歩かれていないのだ。
やがて急な下り坂となり、増毛側はあんなになだらかで女性的だった暑寒別岳が、断崖絶壁の男性的な表情を隠していたことを知る。
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尾根筋に出ると、右手は切り立った崖になる。ときどき、道が崩落しているので恐ろしい。
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でも、右にも左にも、人が全く立ち入っていない湿原が広がり、池塘が点在している。
神が造形した自然の芸術である。沢筋に残る雪渓がまた彩りを添えている。
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こんなまん丸な池塘も。
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やせ尾根を慎重に下っていると、向こうから登山者がやってきた。
こんな時間にここまで来るとは、彼も相当早く出てきたのだろう。
雨竜側からピストンと言っていた。この長さを戻るなんて、私には到底できない。

それにしても次から次に展開される風景に、シャッターを押す指が止まらない。
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晴れてくれて本当によかった。
暑いくらいなので、雪渓の近くを歩くと涼しくて気持ちいい。
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少しずつ南暑寒別岳も近づいてきた。
左奥がそう。
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ここの尾根歩きはアップダウンがそれほどきつくないので、快適だ。
ただ、あまり歩かれていないせいで、ササヤブが張りだしていて
投降兵のようにバンザイをしながら歩かないと進めない場所も少なくない。
写真に小さく写っているこの人はこの後しばらく、ササヤブの中に消えて見えなくなってしまった。
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それもそのはず。私が歩いている道もこんな状態なのだから。
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路面は木の根や石がないので、下が見えなくても歩けるのだが、土だけなので滑りやすい。

10時ちょうどに鞍部に到着。
ここは雪渓の端から湿原が現ればかりの場所で、ミズバショウが咲いていた。
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休憩して最後のパンを食べ始めたが、また蚊がわいてきた。
ちょこざいな、まだいたのだな。
あわてて、ネットを被り、ゴアも着込んだ。これから登りだというのに。
振り返ると、暑寒別岳は随分遠ざかってしまった。
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さて、出発。ここからは登り。何組かとすれ違う。
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いよいよ南暑寒別岳も目の前に迫ってきた。
近づいてみると、なかなかしっかりした山ではないか。
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振り返ると、奥徳富岳(左)と群別岳(右)。
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この角度から見ると、群別岳の方がかっこいい。

最後の登りは等高線と直行する直登である。
すでに散々歩いているので、息が切れる。
ロープが延々と張ってあり、ちょっと悔しいけど、頼らざるを得ない。
ちょっと登っては立ち止まり、歩いてきた道を振り返る。いやあ、なだらかだったなあ。
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何度も止まるので、写真の枚数も多くなる。
いい景色なのだから仕方ない。
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ふう、もうすぐだ。
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で、11時やっと南暑寒別岳に登頂。
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あれだけ苦しみながら、コースタイム1時間を50分で登ったのは、えらかった。
何度くじけそうになったことか。
くじけても、誰も助けてくれないし、登るしかないのだけど。
山頂には7~8人くらいの登山者が休んでいて、思い思いに昼食を食べていた。
こちらは雨竜沼にも近く、おそらく暑寒別岳よりも登られているのではないか。
でも、ここにも蚊がいる。座った途端、私にまとわりついてきた。
皆さんは大丈夫なのだろうか。

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これが歩いてきた道。改めて見ると、北海道の山は本当にたおやかである。
厳しい山容も嫌いではないが、内地の山を見慣れた目にとってはとても新鮮だし、気に入った。毎年来たいものだ。
これは雨竜沼湿原。山の中にこんなに平らなところがあるなんて不思議だ。
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さて、湿原に向かう。これからはなだらかな1時間ほどの下り。
延々とササ原の中を行く。
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12:20展望台に到着した。待ち合わせをした仲間はまだ来ていない。
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来るまで休ませてもらおう。横になりたいが、階段状になっている展望台は団体さんで満席。仕方ないので、すこし離れたベンチに、完全防備で横になる。
ここも蚊が激しいのだ。
5分ほど、横になっていたら、雲に隠れていた太陽が出てきた。暑くて寝ていられない。
幸い、団体さんが出発したので、展望席に戻り、眼下に広がる湿原の写真を撮りまくる。
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一息ついていたら、間もなく「○○くーん」との声がした。
Hちゃんである。昨年の同窓会以来1年ぶりの再会。
引き続き、Kちゃん、Sくん、Nくん、Mくんがバラバラになって到着。
なつかしい顔に疲れも吹っ飛ぶ。
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左からS、M、H、K、Nの面々。
私は天狗岳の冬山登山以来2度目の顔出し。
前に下げているのは地図である。我ながら、なんか大げさな格好だ。
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Nくんは100㌔の巨漢だけど、昨年から山登りに目覚めて、毎週行かないと気が済まない体質になってしまったとか。私と同じだ。
Hちゃんは会社の山登りクラブに入って、時々出かけているらしい。
小樽の塩谷丸山を推薦してくれた。日本海がきれいに見えるのだそう。そこも是非いずれ歩いてみたい。

とにかく、みんなで昼食だ。
私は、暑寒別岳山頂で水を入れておいたフリーズドライの山菜おこわ。
1時間で出来上がるが、もう4時間近くたっているので、十分食べられるだろう。
味はまずくはない、というくらい。やはり熱湯で作った方がおいしい。

都合1時間以上休んで出発。
雨竜沼に来るのは2度目だが、景色の記憶はほとんどない。
あの時は悲惨な目にあった。
今回は季節もよく、天気もよく、仲間に囲まれ、天国だ。
湿原にもたくさんの花が咲いていた。ニッコウキスゲに似たエゾカンゾウ。
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これはワタズゲ。
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何度も立ち止まって写真を撮っていると、Sくんに笑われた。
Kちゃんにも何枚か写真を撮ってもらったが、恥ずかしいので、ここではあまり公開しないでおきます。

それにしても空が広い。
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これはオオルリボシヤンマ。ムカシトンボの仲間だそうだ。Mくんが見つけて教えてくれた。
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メタリックな色調にびっくり。

暑寒別岳もはるか遠くに退いた(右奥の雲がかかっている山)。左は南暑寒別岳。
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1時間ほど木道を歩いて、湿原とはさようなら。別れ際にヒオウギアヤメが見送ってくれた。
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この先は登山口まで1時間ほど。
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途中、白竜の滝で少しだけ休んで、一気に駆け降りる。
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4時前、やっと登山口の駐車場に到着。かわいらしく清潔な山小屋「南暑寒荘」が迎えてくれた。
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売店でアイスクリームを食べて、ひとごこち。

ほぼ12時間の山行でした。きつかったけど、楽しかった。
単独行ばかりしているだけに、なんか夢のような山旅だったなあ。

帰りはNくんの車で新十津川温泉に立ち寄り、札幌の実家まで送ってもらいました。
みなさんありがとう。お疲れさまでした。

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暑寒別岳(中)

暑寒別岳のつづきです(7月7日)。

目覚ましが鳴る10分前の3時20分に目が覚めたので、そのまま起きた。
同宿の方はもう少し遅くまで寝ていると昨夜は言っていたが、起こしてしまったようだ。
申し訳ない。
こちらは朝食も食べずに顔だけ洗って、3:55に出発した。
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まだ薄暗い樹林の中を沢に沿って登る。
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今回は新しく買った65㍑のザックを背負っている。翌週計画している飯豊連峰縦走の練習のつもり。いつもより荷物が3㌔ほど多く、重さは13㌔ほどある。
やはり、ずっしり来る。

ここで、コースタイムを記しておく。
暑寒荘(3:55)~2合目(4:45)~(休憩10分)~4合目(5:30)~6合目(6:05休憩10分)~8合目(7:00)~暑寒別岳(8:10休憩40分)~最低のコル(10:00休憩10分)~南暑寒別岳(11:00休憩25分)~雨竜沼湿原展望台(12:20休憩70分)~南暑寒荘(15:50)

蚊がひどいというので長袖に軍手をして、出てきた。
最初はそれほど気にならなかったが、だんだん耳の近くでブーンという音がし始める。
30分で1合目に到着。
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正面にちょうど陽が昇った。

ここから道はなだらかで楽ちんなのだが、やはり蚊が気になる。
立ち止まって写真を撮ると、ここぞとばかりに近寄ってくる。
歩きながら横をちらっと見ると、右にも左にも、それぞれ10匹ほどが同じ速度で付いてくる。
さすがにざわっとして、防虫ネットをかぶった。
これで安心と思ったら、なんと長袖シャツの上に2、3匹止まっている。
え~、服の上からもかい!
こいつらを甘く見ちゃいかんのかもしれない。
何度も腕をさすりながら進んだが、どうやっても消えてくれない。
耐えきれずゴアテックを着込んだ。暑いがやむを得ない。

下はもともと朝露防止のため雨具を着ていたが、これは防虫に役立った。
でも、下山後、風呂に入ったら、ももが4~5か所ほど刺されていた。
裾から入っていったのか、まさかゴアの上から刺したのか。おそるべし、暑寒別の蚊。

これで完全防備となったはずだが、軍手が弱点だった。
やつらはどこも刺せないと分かると諦めるどころか、耳なし芳一の耳を狙うかのように軍手にたかってくる。
何度も右手で左手を打ち、左手で右手を打つ。
気づくと、軍手に黒い斑点(蚊の死骸)がいくつも付いていた。

防虫ネットは虫を防いではくれるが、視界は著しくよくない。どうも気持ちが悪い。
耐えきれず、ネットを上げるといまいましい虫の声。また下ろす。この繰り返し。
これらすべてが猛烈なストレスになった。これが8合目まで続いた。

2合目の手前、つつじヶ丘で初めて、展望が開けた。
右手に西暑寒別岳
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左手には、箸別小屋から登ってくる尾根が見えた。
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2合目は4:45に通過。さらに15分ほどで3合目。
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大勢の蚊を引き連れての旅である。
このストレスのせいで大した坂ではないのに、かなり疲れてきた。
休みたいのだが、止まると蚊が襲ってくる。
完全防備でもうっとうしいことには違いない。

とうとう4合目の手前で、奈良のおじさんに抜かれてしまった。
あの速さじゃあ、蚊も付いてこないのだろう。半袖だった。

こちらは抜かれて安心したのもあり、平らな石のあるところで休憩。朝食とする。
しかし、防虫ネットがあるので、食べにくいことこの上ない。
蚊はおにぎりには関心がないようだが、私にはぞっこんの様子。
休んでいても、まったく休んだ気にならない。
おにぎりは1個だけで出発。

4合目は5時半に通過。
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無の境地で黙々と登り、5合目は5:50。
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昭文社のコースタイムと比べても、そんなに遅くはない。
おれは頑張っている、と思う。
6:05、6合目に到着。2つ目のおにぎりを食べる。
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状況はさっきと同じ。全く落ち着いて食べられない。
また10分で早々に出発。坂もきつくなり、ローブ場も出てきた。
振り返ると、これまで歩いてきたなだらかな広い尾根を見渡せた。
7合目は6:30に通過。
さっきまで晴れ渡っていた山頂にガスが湧いてきた。
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う~ん大丈夫だろうか。
しかし、すぐ先の滝見台からの景色は、それまでの苦痛を忘れさせてくれた。
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正面に見えるのは、西暑寒別岳。
雪渓の描く文様が目に鮮やかだ。
下の方には雪解け水が滝となって流れ落ちている。
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目の前には、これから登るべき8合目が緑の突起をなしている。
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ここから少し下って、登り返す。
8合目には7時ちょうどに到着。ここは扇風岩と呼ばれる岩場で、ここからの眺望も絶景だ。
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西暑寒別岳もずいぶん近くなった。
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これから登る山頂への道筋がくっきりと見える。
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西には日本海が見えるはずだが、天狗岳の向こうは暑い雲海が横たわっている。
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このあたりからはハイマツ帯となり、蚊がかなり減った。
何とかネットなしで、菓子パンを1個だけ食べることができた。

扇風岩の陰に、チシマギキョウが可憐な花を咲かせているのを発見。
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少し下ると、なんとまだ真新しいヒグマの糞が登山道のど真ん中に!
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ただ、不思議と恐怖感はなかった。蚊の方が怖い。やはり姿のあるのとないのでは大違いだ。

間もなく、奈良のおじさんとすれ違った。
その速さに呆れるばかり。コースタイムの半分の2時間25分で登頂したとのこと。
まあ、人それぞれなのだが、登るだけじゃなく、もう少し景色や高山植物を愛でてもいいような気はする。
例えば、増毛の名を冠したマシケオトギリなんかも朝露に濡れて輝いているし。
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9合目を過ぎると、これまで登ってきた道が一望のもと。
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マシケゲンゲも咲き乱れている。
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最後の急坂を登り切ると、頂上台地に出る。あいにくうっすらガスっている。
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ミヤマアズマギクが一輪ぽつんと咲いていた。
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エゾツツジ?も岩陰にひっそりとたたずんでいる。
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そして、チングルマの群落。
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こんなのをいちいち写真に収めているとなかなか頂上にたどりつけない。
わあ、今度はチシマフウロ。
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高山植物は太陽に照らされているよりも、霧の中の方が美しい。

これはシナノキンバイかな。
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こちらはエゾシオガマかしら。
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何だか、花を見てははねまわるアルプスの少女ハイジみたいな気分になる。

そんなこんなで、8:10ようやく山頂(1492m)に到着。
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先客が3人ほどいた。
早朝、車で来て、私より先に登った男性。あとの2人は多分、箸別から登った方で、みな単独だ。
南と西側はかなりガスっているが、東と南は晴れていた。
南に見えるのは、右が群別岳(1376m)で、左は奥徳富岳(1346m)。
とくに奥徳富岳(この名は地図にはなく、山頂にいた方に教わった)の均整のとれた姿は美しい。谷川岳の天神尾根から見る万太郎山を彷彿とさせた。
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西暑寒別岳はガスに隠れる寸前。
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これは浜益岳。
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東方には、雨竜沼湿原がかすんでいる。
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これは、これから行く南暑寒別岳。なんか、めりはりのない山のように見えるが、これが大間違い。最後の急登で苦しめられることになることに、私はまだ全く気づいていない。
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つづく

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暑寒別岳(上)

先週の週末は金曜日に休みをもらって北海道に行って来た。
留萌本線の乗りつぶしと暑寒別岳縦走が目的である。

去年、札幌にいる高校時代の仲間と雨竜沼湿原に行こうという話が持ち上がった。
結局、天候不順のため中止になったのだが、今年の予定日は晴れる予感がしたので、週間予報が出る前に、早割のチケットを買ってしまった。

実はもう20年くらい前だろうか、雨竜沼には行ったことがあり、それほど魅力を感じなかったのだが、地図を見ているうちに、増毛側から暑寒別岳を縦走する手があることに気づいた。
つまり、仲間たちは雨竜側から登り、私は早朝、増毛側の暑寒別岳登山口を発って、昼過ぎに雨竜沼湿原展望台で合流、その後、雨竜側の登山口に下山するというコースである。

増毛に行くには留萌本線に乗らなくてはいけない。山と鉄、一石二鳥。
縦走する場合、常に足が問題になるが、今回は仲間の車に乗せてもらえる。
何より、山で待ち合わせするというのがエキサイティングだ。みんなの顔も久しぶりに見たい。何というすばらしい企画だろう。
去年から、これをずっと楽しみにしてきた。
で、当日はばっちり晴れたのである。

しかし、ちょっとしたアクシデントもあった。
羽田空港で手荷物チェックをしたら、ガスカートリッジは載せられませんと取り上げられてしまったのだ。
「どなたかお見送りの方がいらしてませんか」
などと、とぼけたことを言う。海外に何年も赴任するわけじゃあるまいし、いるわけがないじゃないか。

わざわざ予備も含め2個も持ってきたのに捨てるしかないのか、と諦めようとして、念のため「預かってもらったりできないんですか」と聞くと、できるという。
何だよ、早くそれを言えよ。
ただ500円かかるという。新しく買った方が安上がりなくらいだが、捨てるのはやっぱりイヤなので、預かってもらった。
(帰りの便で到着時に返すと言っていたのに、忘れていやがった。スカイマークめ。やっぱ、安い会社はサービスがだめだね)

さて、問題はガスを札幌で買うか、ガスなしで済ますか。
乗り継ぎの待ち時間がそれほどあるわけじゃないし、登山用品の店が駅近くにあるかどうかも分からない。それに、使い切れずに余っても、持って帰ることはできない。
持ってきた乾燥米飯は時間をかければ水でも調理可能なので、今回はガスは諦めることにした。荷物が軽くなってよかった、くらいに思うことにしよう。

11:00羽田発の721便は12:45に新千歳空港に到着。
空港のラーメン道場で昼食。荷物も大きいし、あまり時間もないから、空いていた「開高」に入り、辛みそラーメン(赤味噌・中辛)880円を食す。
さすがに空いているだけあって、うまい!ってほどではない。麺は少し固めだった。

13:34新千歳空港発の快速エアポートに乗車。札幌駅では改札の中の売店で、明日の食料を調達する。菓子パン3個におにぎり2個それと紅茶のペットボトル。
14:40札幌発の特急スーパーカムイ23号で深川へ。
眠いのをこらえて、車窓に見入る。レンガ造りのサイロや、廃屋となった木造の開拓農家などを見ると、胸がきゅーんとする。

しかし、確かに晴れているのだが、山の方には不気味な入道雲があちこちに湧いている。
もしかして、明日は雷雨になるかもしれない。
そんな不安がよぎり、みなにメールする。
悪天候になったら、展望台で私を待っていたりせず、引き返してくれ、と。
(結局全く降らなかったのだけど)

留萌本線の乗換駅・深川には15:32着。
待ち合わせは33分あるので、早速、駅舎を撮影する。
深川駅も滝川駅や江別駅など他の函館本線の主要駅と同様、箱形だが、長さが長すぎないのと、駅名が明朝体で表記されているのが、何ともめずらしい。
今まであちこちの駅舎を見てきたが、明朝は初めてのような気がする。
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駅前にローソンがあったので、幕の内弁当をと焼き鳥の缶詰、緑茶のペットボトルを買う。
今夜、山小屋で食べる夕食だ。

留萌本線はキハ54の1両編成。
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下校時間と重なったこともあり、乗客は高校生と地元の人と思しき人ばかり約30人。休日なら他にもテツが何人かいたかもしれない。私は大きなザックを持っていたので、テツとは思われないで済んだだろう。自分もそうなのに変だが、テツってオタクっぽくて何となく気色悪いのだ。
北海道の車両らしく、冷房ではなく扇風機だ。やや窓が高い。中央に左右2つのボックス席があり、向かい合ってお茶ができるようテーブルが付いている。

留萌本線の駅舎は、昨年夏に帰省した時、レンタカーを借りて、すべて回り、すべて撮影した。北一已(きたいちやん)や秩父別(ちっぷべつ)など難読かつ味わい深い木造駅舎がいくつもあった。
駅の写真を撮ってあると、落ち着いて乗り鉄を楽しむことができる。
そうでないと、止まるだびに駅名標の写真を撮ろうとして立ち上がったり、カメラを持って車内をうろついたりするので、テツ丸出しでイヤなのである。
もうみ~んな撮ってあるもんね、と思うと余裕なのだ。
ああ、ここはあんな駅だったよな、なんて思い出しながら乗るのが一番いい。

秩父別や石狩沼田、留萌などの主要駅で、乗客は少しずつ下りていく。
最初は左に乗って、暑寒別方面の車窓を見ていたが、留萌を過ぎると右に移って、日本海を眺める。
海に出る前に、戦前廃線となった留萌鉄道築港線の鉄橋や築堤が右手に確認できた。

留萌本線は今や完全なローカル線だが、本線というだけあって、かつてはいくつもの支線を従えていた。長大な羽幌線や札幌へつながる札沼線、炭鉱があった時分には恵比島から留萌鉄道が伸びていた。
留萌鉄道は1930年に開業、71年には廃止になっているので、わずか40年の命だった。それにしても、私が小学生の頃はまだあったのだ。もったいないことをした。

留萌本線は車窓も楽しいが、駅名もおもしろい。
地図好きが喜びそうな真布(まっぷ)や、先程も紹介した珍名さん北一已、信砂(のぶしゃ)・舎熊(しゃぐま)・増毛(ましけ)はそのまましりとりになるし、阿分(あふん)は何だか色っぽい。

終点増毛が近づくと、列車は徐行を始めた。
これはラッキー! と窓を開け、車窓の撮影を始める。
もう乗客は数人しかいないし、恥ずかしがる必要もない。
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で、17:32増毛着。
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ここには去年と3年前にも来ている。いずれも車だった。
駅舎はそば屋さんになっているが、
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平日はお休みなのか、お昼しか営業していないのか、閉まっていた。
駅舎はこんな感じ。左手のトイレの方がでかい。
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ここからタクシーを呼び、暑寒別岳のふもと(標高300m)にある無人の山小屋、暑寒荘に向かう。料金は4000円ほど。約20分で着いた。

小屋は無人とは思えない立派な造り。
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3階建てで、宿泊者が少なければ、個室独占で眠れる。この日も私を含め3人だったので、みなそれぞれの部屋で、お互いのいびきに悩まされることなく眠れた。
しかも、沢の水を室内に引き込んで、流しと蛇口があり、非常に使いやすい。

私が到着した時には先客がいた。駐車場にあった奈良ナンバーの車の方だ。年齢は60歳くらいだろうか。
もう10日くらい北海道を回って、毎日1つずつ登っているのだという。
100名山、200名山の踏破を目指しているらしく、100名山は92登ったという。
十勝岳が発光現象で入山禁止になっていることを、しきりに気にしていた。
ガイドを頼んで裏から登ることも検討しているそうだ。
私も知らなかったのだが、実際はこの日(6日)午後、規制が解除されていた。

それはともかく、この人はすごい。今日は天塩岳を登ったのだが、午前9時にはもう下りてきて、膝が痛いので旭川の整形外科に行ったら、水が溜まっていると言われ、抜いてきたばかりなのに、あす様子見にまた暑寒別を登るのだという。
※結局、コースタイム4時間55分のところ、この方は2時間25分で登ってしまった(ちなみに私は4時間15分かかった)。いろんな人がいるものである。

コンビニ弁当を食べながら、そんな話をしているうちに、8時頃だろうか、もう1人お客さんがやってきた。40歳くらいの男性で、札幌の方だという。
仕事が引けてから、車を飛ばしてきたのだそうだ。2時間半かかったという。

山小屋は単独の人ばかりの時の方が話がはずむ。そういう時に貴重な情報が得られる。
北海道はキタキツネが広めるエキノコックスが心配で、山の水は煮沸して飲むようにとの指導があるが、どうなのかと聞くと、沢の水は怖いが、湧き水は心配ないだろうという。
なるほど。それと、暑寒別は蚊がひどいのだとか。
翌々日登る札幌岳用に防虫ネットを買ってきたが、ここでも役に立ちそうだ。

夜も更けてきた。というかまだ9時なのだが、明日は早い。そろそろ寝ることにする。
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敷布団の上に寝袋を敷いて横になったが、なかなか眠れない。
水を抜いたおじさんにコーヒーとコーラをごちそうになり、いずれもめったに飲みつけないものなので、カフェインが効きすぎてしまったようだ。
仕方なく、眠り薬のつもりで関川夏央「汽車旅放浪記」(新潮文庫)を読み始めたが、一向に眠くならない。

でも、11時には眠りについたようだ。
明日は3時半起き、4時出発の予定だ。

つづく
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瑞牆山(下)

6月30日、瑞牆山のつづきです。

10:50登頂。山頂は巨大な岩でできている。そこに、ざっと50人くらいの人が思い思いに腰を下ろし、または岩の下を覗き、あるいは休むべき場所を探している。
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たまたま「瑞牆山」と書いた木の標柱には人がいなかったので、写真を撮る。
相方がいない限り、私は自分のことを撮ってもらったりはしない。

で、天気なのだが、ガスが南から湧いてきて、眼下の大ヤスリ岩は確認できるものの、
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富士山や南アルプス、八ヶ岳などの遠望はまったく利かない。
お隣の金峰山や小川山すら、山頂は雲に隠れている。

しばらくうろついて、あちこち撮影し、落ち着き場所を決めて、昼食とする。
平らで座りやすい岩場を選んだが、振り返ると、すぐそこは100mは軽くあろうかという断崖である。こんな感じの場所。
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隣では、腹ばいになった小学生の子どもの足をお父さんがつかんで、大峰山の西の覗よろしく、地獄のぞきをさせていた。おそろしい。

買ってきたコンビニおにぎり3個を次々にお腹に収めているうちに、山頂は完全にガスにまかれてしまった。
昼前から晴れるという予報は当然、下界のことで、山には山の都合がある。
1時間近く粘ったが、ガスは切れても晴れ渡るということはあるまいと判断。
11:40下山を始める。
見納めのお隣の岩峰。
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登って来た方とは反対の南側に下る。大ヤスリ岩などの巨岩があるルートで、
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こちらの方が圧倒的に利用されている。
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15分も下ると晴れてきた。え~っと思っていると、後ろを歩いている人が「あれれ晴れてきたぞ。もう1回山頂に戻ろうか」などと冗談を言っている。
こちらも一瞬そんな考えが浮かんだが、単にガスの下に下りてきただけかもしれなし、と自分に言い訳し、下り続ける。

変化に富んだ道をアスレチックコース気分でひょいひょい下る。
途中のロープ場で、登って来る人を待っていたら、次から次と登ってくる。
全く、人を待たせているという感覚がない。
あちらは10人以上、こちらは1人。途中の誰かが「お先にどうぞ」と言ってくれてもいいものを。周りが見えていないのだろう。

50分ほどで天鳥川まで下りてきた。ここには、ぱっかりと二つに割れた桃太郎岩がある。
なかなかの奇観だ。
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この手の巨岩には、必ずつっかえ棒のように木の枝が多数立てかけてある。
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これは何の意味があるのだろう。

川を渡って、5分ほど急登。そのあとは10分ほどなだらかな登りとなる。
小川山への道を左に分けると、すこし下ったところに富士見平小屋がある。
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きれいな花のプランターが壁にかけてあり、ちょっぴりヨーロッパ風。
ここはシーズン中だけ、小屋番がいるが、寝具もなく、食事は自炊しなくてはならない。
部屋を見せてもらったが、なかなか寝心地がよさそうだった。

ここで瑞牆山と、まだ登っていないが金峰山のバッジを買い(計1000円)、少し休ませてもらう。コーヒーを出すようで、山慣れした感じの男性が、くつろいでいた。
小屋の目の前はテン場になっている。すでにいくつか張られていた。
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小屋で山行記録をメモしていたら、青年がテント張らせてくださいと言って入ってきた。
おやじさんは「1人1000円ね」と言っている。5人グループだから5000円になる。
うえ~、そんなに高いんだ。1張り500円くらいだと思っていたが。
1000円にはトイレ使用料も含まれているという。
トイレは1回100円だから、1人ごとに料金を取るという論理なのだろう。

10分ほど休んで出発。ここは水が豊かだ。水場には大量の湧き水が流れ出ていた。
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顔を洗わせてもらった。

瑞牆山荘へ下る道を右に見て、こちらは林道経由で直接、みずがき山自然公園に向かう道をとる。
林道の終点には、軽トラックが1台泊まっていた。おそらく、小屋番の方の車だろう。
通勤はわりと楽みたいだ。
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少し歩くと、瑞牆山の全容が初めて見えてきた。
なんと、きれいにガスが消えている。
げげ。悔し~~~。
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でも、どうせ遠望は利かないんだから、同じことだ。ふん。
こちらには、こんな岩もあった。
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林道をはずれると、単調な樹林の中の道。
こんな道は誰も歩いていまいと思っていたら、木々の間から瑞牆山の写真を撮ろうとしている中年男性に追いついた。
「晴れちゃいましたね」という。私と同じ気分なのだろう。
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改めて見ると、やはりすごい岩山だ。
途中、こんな奇妙な木を見つけた。上半身裸?
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だいぶ下ってきたところにぽつんとクリンソウが咲いていた。
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自然公園に戻ってくると、さっきガスの中にあった山頂部分が完全に姿を現していた。
釈然としない思いを残しつつ、今回の山行を終える。

帰りは塩川~黒森間に点在する集落を一つ一つたずね、みなが行きそうな「増富の湯」ではなく黒森鉱泉に浸かり、信州峠、三国峠を越えて、中津川林道から秩父経由で帰る計画だ。

黒森集落からの瑞牆山は端正な姿を見せてくれる。
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和田集落には、こんな古い土蔵が残っていた。
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これは御門集落。
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そして神戸(ごうど)集落。
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小腹が空いたので、塩川ダムまで下り、ビジターセンターで豚丼を食す。
かなりの量があり満腹になってしまった。

さて来た道を戻り、黒森鉱泉へ。分岐の標識には「休業中」とある。
あらら、でもまあ、外観だけでも見てこようと、枝道を上っていく。

どん詰まりにそれはあった。縁側で子どもがゲームをしている。
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「今は休み?」
「うん」
「いつから始まるの?」
と聞いていたら、お母さんらしき人が出てきて、「もうずっと前からやっていないんです」という。夏のシーズン中だけやっているという意味の「休業中」かと思ったら、そうではなかった。
入浴には予約が必要らしく、いずれにしろ入れなかったのだが。

さて、じゃあ、どこでお風呂に入るか。増富の湯は混んでいそうなので気が進まない。
秩父まで出て、どっかに入ろう。この前行った大滝温泉でもいいや。

そのまま信州峠に登る。ここは学生時代から気になっていた峠で、結局来られなかった場所だ。当時は地道だったと思うが、今はきれいに舗装されている。
眺望はほとんどない。横尾山(1818m)の登山口になっている。
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峠を越えた川上村は高原野菜の一大産地である。
大農園が広がり、休日にもかかわらず、大きなトラクターがあちこちでうなりを上げていた。
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川上村のメインルートをひたすら東上し、三国峠を目指していたら、毛木平へ行く道との分岐に「埼玉県側通行止め」との看板が。
ズガ~ン
これは是非もない。戻るしかない。
同じ道を戻るか、141号まで出て、野辺山、清里経由で帰るか。
いや、清里まで行くと混んでいるかもしれないし、どこに温泉があるのか未確認だ。
どうも「増富の湯」に行くしか手はないらしい。

これまでうろうろと2時間半かけて来た道を30分で戻り、増富の湯へ。
もう5時だから、登山客ももうだいぶ帰っているだろうと期待していたのに、駐車場は満車状態。
でも入ってみたら、そんなに混んでおらず、ほっとした。
ここには25℃の源泉という浴槽があり、冷たそうだったが、温水プールくらいの温度なのか、寒くならずにゆっくり浸かることができた。
すっきりして6時に帰途についた。
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瑞牆山(上)

6月30日は瑞牆(みずがき)山に登ってきた。

朝4時半に所沢の自宅を出発。めずらしくマイカーだ。
愛車は1993年に長野で購入したタウンエース。間もなく20年になるだけあって、もうボロボロ。距離メーターもあともう少しで20万kmに達する。

あまり車で出かけないのは、ピストンが嫌いだから。なるべく公共の交通機関を使うが、最近はバス路線が廃止になり、登山口まで延々と歩いたり、高い金を払ってタクシーに乗ったりしないといけない。
瑞牆山も、みずかき湖(塩川)から黒森に至るバスが今年から廃止となった。
いろいろ検討した結果、あまり余計な道を歩かずに周回コースがとれることが分かったので、車を出すことにした。

所沢を出た時は晴れていたのに、小仏トンネルを出ると曇っている。
ラジオの天気予報では、山梨県は昼前から晴れると言っている。
このまま直行すると、駐車する予定の「みずがき山自然公園」に7時に着いてしまい、登頂は10時すぎ。雲の中という公算が強い。
すこし寄り道をしながら行くことにした。

須玉インターで下りて、まずは北杜市役所須玉総合支所。しばらく旧須玉町役場を使用していたようだが、今は隣の小さな建物に移っている。
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コレクション(撮影)した後、県道23号を増富ラジウム温泉方面に向かう。

途中、県道に沿って流れる塩川が屈曲したところにある鳥井坂トンネルには鳥井峠という旧道があるようなので、そちらに行こうとしたら通行止めになっていた。残念。
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トンネルを越えたところにある比志集落はなかなか雰囲気のいい山村だった。
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村として成立していた頃の商店が、往年を偲ばせる。
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清酒「笹一」は笹子峠のふもとにある酒蔵。電話番号はなんと「増富13番」。

さらに進むと、塩川ダム(みずがき湖)にぶつかる。
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1998年に完成した比較的新しいダムだ。

T字路を右に行く。やや登ったところにある日影集落には「道祖神」が並んでいた。
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しかし、明治初期の廃仏毀釈の際、石仏と間違えられたのだろうか、どれも首が飛ばされている。

このあたり、こうした石の祠が多い。
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増富ラジウム温泉には塩川の支流本谷川に沿っていくつかの旅館がある。
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この先は、みずがき山リーゼンヒュッテ、有井館、金山山荘と山小屋が続く。
ひとつひとつ駐まって、外観を写真に収める。
これは有井館。
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藁葺き屋根の農家風の山小屋だ。ここはいつか泊まってみたい。

で、隣の金山山荘。猫がこちらを見つめていた。
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車での移動には長短があるが、こうやって、あちこち寄り道できるのは車のいいところだ。

このあたりで雲が切れ始め、瑞牆山の山頂がうっすらと望めた。
よし! もう登ってもいいってことだ。晴れてくれるのが早いじゃないか。

金山峠を越えると、最もポピュラーな登山口である瑞牆山荘前に出る。
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山荘はしゃれたレストランのよう。実際、料理も美味しそうだ。
車が入るところにあるので、食材にも事欠かないだろう。

当方は、この登山口と北側にある黒森口との中間地点にある「みずがき山自然公園」の駐車場に向かう。ここは2001年に植樹祭が行われた会場の跡地だ。
それにしても、見るからに当時、会場を作るために木を伐採したことが分かる。
全国でどれだけ、植樹祭をするために木が切られているのだろう。

8時到着。1時間だけ時間をつぶしたことになる。
ここから瑞牆山の頂上が望めるはずだが、再び雲の中に入ってしまった。
う~ん、どうなるのだろう。
トイレと体操をして8時25分出発。
ここでとりあえず、コースタイムを。

みずがき山自然公園(8:25)~林道終点・登山口(8:40)~不動滝(9:30休憩10分)~山頂(10:50昼食50分)~桃太郎岩(12:30)~富士見平小屋(12:45休憩10分)~みずがき山自然公園(13:50)
※所要5時間25分(実働4時間15分)

みずがき林道を北に進むと、小川山林道に合流し、すぐ地道となる。
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白樺の目立つ林の中の道で、不動沢のせせらぎが聞こえてくる。
下ってきた人に頂上の様子を聞くと、「私がいた時は晴れていましたよ」との答え。
雲が出たり消えたりしているのかもしれない。

間もなく林道は尽き、ここからは登山道。
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花崗岩が砕けた砂地の道で歩きやすい。
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奇岩怪石の山だけに、本当に奇岩が出現してくる。
これなどは名前が付いているのかどうか分からないが、なまずに似ている。
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登山道にも、普通に巨岩が露出してくる。
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ただ、こんなものではない。
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垂直にそびえ立つ岩盤もあり、そこには案の定、クライミング用のボルトが打ち込んであった。
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一旦、不動沢に下りて、左岸をしばらく歩く。勾配はそれほどきつくない。
奇岩は相変わらず、次々に現れる。
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そして右岸に移る。
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右岸にも、クライミング向きの岩場が。やはりボルトが打ってある。
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30分ほど沢沿いの道を行くと、不動滝に到着。
それほど水量は豊かではないが、一枚岩を流れ落ち、見事な甌穴を形成している。
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ゆっくり休んでいるうちに山ガール2人に抜かれる。

さて、ここからが本格的な登り。
すぐに山ガールを抜き返す。
この山はシャクナゲも有名だが、このあたりももう終わっていた。
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もう一回、沢を徒渉する。ここにはロープが張ってあった。
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途中、いろんな岩の名前を書いた古い看板を見かけるか、どの岩がそれなのか分からないことが多い。分かったのは夫婦岩と王冠岩くらい。
これは夫婦岩。二つに割れているからか。
DSC_4920_convert_20120703125950.jpg

こちらは王冠岩。
DSC_4943_convert_20120703130115.jpg

登るにつれて、花がきれいに咲いているシャクナゲが出てきた。
DSC_4958_convert_20120703130243.jpg

不動滝から1時間近く歩いたあたりから、調子が悪くなってきた。
足も上がらないし、鼓動も激しい。
雨飾山と比べるとよほど楽なはずなのに。
ハイドレーションで水分もこまめに摂っているし、ハンガーノックでもない。
車の中で菓子パンをしっかり食べた。

ペースが落ちたのか、2人の若者に抜かれてしまった。
どうしてだろうと考えながら歩いていたら、思い当たることがあった。
樹林帯の登りで眺望がきかず、あまり写真を撮っていないのが原因じゃないか。
立ち止まっての撮影タイムが、これまでいい休憩になっていたのだ。

でも、そのうち瑞牆山荘側からのコースと合流。ここから頂上までは5分だ。
DSC_4953_convert_20120703130358.jpg

途中、ロープ場もあったが難なくクリア。10:50山頂着。
DSC_4965_convert_20120703130501.jpg

さて天気は・・・

つづく
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