【2020年3月22日(日)】室蘭散歩
室蘭周遊を終えて、帰途についている。
汗を流しに、まっすぐ伊達温泉に向かうつもりだったが、まだ明るいし、駅舎の撮り残しがあることを思い出した。
JR貨物の陣屋町臨港駅である。
この駅は室蘭本線の陣屋町駅(貨物)から分岐している側線(1.5km)の終点にある。室蘭本線の旧線を転用したもので、正式には陣屋町駅の構内の扱いとなっているそうだ。
国道37号線で白鳥大橋をくぐって間もなく、左の側道に入る。
しばらくJRの側線と並走した後、踏切に。

遮断機と警報機があるが、レールは錆びついている。

ウィキペディアによれば、2016年7月に、急行はまなすの運行終了によって余剰となったDD51形ディーゼル機関車が8両、臨港駅まで輸送されたという。

それ以来、使用されていないのだろうか。

通行する車両も多いが、一旦停止する車は1台もなかった。

踏切から300mほど進むと、左手に「室蘭開発株式会社」と書かれた古びた建物が見えてきた。

レールが建物の中に引き込まれているので、修理工場か何かなのだろう。

右側のレールは、室蘭開発が室蘭市から運営を委託されている835mの専用線(崎守埠頭公共臨港線 山手線)だろう。
この先に室蘭港で陸揚げされる木材チップを貨車に積み込む設備があるそうだ。

修理工場の奥に小さなプレハブ小屋みたいなものがある。

これが陣屋町臨港駅であった。

室蘭開発の事務所も兼ねているようだ。

駅の奥には、お払い箱となったキハ183系の気動車や客車が安置されていた。

これらは特急オホーツクやおおぞらに使用されていたものだろう。
見覚えがある。

解体されるのか、どこか途上国に売却されるのか、寂し気な風景だった。
それでは臨港駅を後にして、伊達温泉に向かおう。

先週はこのあたりを走っているときはすでに真っ暗だったが、今日はまだ明るい。
明るいと運転が楽だ。

正面に見える有珠山(737m)がりりしかった。

伊達市街を過ぎると、間もなく伊達温泉の入口。

右折する入口が付け替えられており、古い標識も残っていた。

もちろん撤去される前に記録に残しておく。

その傍らに馬頭観世音と六角形の地神塔がたたずんでいた。

伊達温泉には16:50頃に到着。
ここは、それほど有名じゃないので、ひなびたところかと思っていたが、かなり大きな施設であった。

宿泊施設も備えている。

日帰り客はこちらの玄関から。

お腹が空いていたので、まずは食堂へ。
すぐ出てきそうなものということで、素麺(510円)をオーダーした。
しかし、大して混んでもいないのに、実に遅い。
10分以上待たされた。

テレビもつまらないバラエティが付いているので、大相撲に変えてもらった。
今日は、7年ぶりの千秋楽横綱相星決戦なのだ。
しかし、その取り組みの前に食べ終わってしまい、時間節約のため、お風呂に行ってしまった(結果は白鵬の優勝だった)。

ここは1972年の開湯なので、私が伊達に住んでいた幼稚園の頃(1968~69年)にはまだなかった。
ナトリウムー塩化物温泉(弱アルカリ性高張性高温泉)でph値は7.8。
源泉の温度が74℃もあるのは、やはり火山に近いからだろうか。

(HPより)
それはともかく、思いの外混んでいる。
外出自粛で行くところがないのか、地元の人が多い感じだ。
そんな状態なので、とても撮影は無理だった。

(HPより)
失敗したのは、石鹸とシャンプーを持参しなかったこと。
入浴料450円だったので、もしやと思ったが、やはり備え付けがなかった。
髪の毛も体も洗えなかったが、それでも湯に浸かって、さっぱりした。

(HPより)
帰宅してから、もう1回風呂に入らないとならなかったけど。

この先、洞爺湖方面に向かうわけだが、横着して国道37号に出ず、そのまま北上して強行突破を図ろうとしたが、結局行き止まりで戻らざるをえなかった。
時間とガソリンを無駄にしてしまった。
でも、その代わりに、伊達温泉を裏側から撮影することができたし

旧国鉄胆振線の廃線跡(サイクリングロード)の現況も確認することができた。

前向きにとらえよう。
この廃線跡はいずれ自転車で来なければならない。
実際に見て、モチベーションが上がった。
山にまだ雪がある4月のうちに来られたら来たい。
改めて17:45頃に出発。
留寿都くらいまでは薄明るかったので、リラックスして走れた。
その先も前の車が先導してくれたので、神経を擦り減らさずに済んだ。
ただ、中山峠の下りはやはり緊張した。
伊達温泉からの115kmを2時間強で走り切り、20時前に帰宅。
今回もまた充実した旅になった。
細切れで歩いたが、合計は以下の通り。
※所要時間:6時間37分(歩行時間:5時間40分)
※登った山:6座(うち新規5座:鷲別岬、イタンキ山、潮見展望台、さる山、茶臼山)
※歩行距離:約18km
※累積標高差:約750m
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【2020年3月22日(日)】室蘭散歩
室蘭八景トッカリショの展望台にいる。

眼下はエメラルドグリーンのトッカリショ浜。

反対側は尖った母恋富士(141m)。

ここからチャラツナイ展望台までは、すこやかロードの「地球岬コース」である。

私は、すぐ南にある141mピークを目指す。
車道の脇に登り口のような踏み跡があったので、「よし、行けるな」と思って登り始めたが

すぐに踏み跡はササの中に消えてしまった。

でも、ササである限りは前進できるので、そのまま登ったのだが

結局、あと標高差10mというところで灌木に阻まれ断念せざるをえなかった。

踏み跡すらないようでは、当然山名板などあるはずもない。

登頂しても、「登った山」に数えられないのでは、つまらないので諦めがついた。
でも、これまで見てもらったように眺望は完璧だった。

登頂できなくても、余は満足である。

この山は先週登った無名峰。

山から下りて車道を下ると間もなく金屏風。

その手前に交通安全の石仏が安置されていた。

散歩していた近所のご婦人が「ここがいいよ」と、金屏風のベストスポットを教えてくれた。

まさに黄金色に光っている。

ここはいろんな色の岩がある。トッカリショとはまた別の地質なのだろう。

あそこには行けません。

ここで前回歩いた道とつながったので、ここから引き返す。

ピストンは嫌いだが仕方がない。

再びトッカリショ展望台を通過する。正面はエニ山(188m)。

振り返ると、さっき途中で登頂を断念した144mピーク。

この先はエニ山の山頂直下をかすめて、峰続きのさる山(約160m)、茶臼山(128m)を登るつもりだ。

さくさく戻る。

正面に双耳峰のように見える、鋭い白い山は徳舜瞥山(左、1309m)とホロホロ山(右、1322m)。

製鉄所と測量山(199m)。

ソーラー畑。

エニ山を振り返る。

さる山へはササの刈り込みが頂上まで続いているかと思ったら、そうではなかった。

でも、それほど標高差はないので、ヤブに突入。
最初のうちはよかったが、次第にササの丈は背丈以上になり、大苦戦。
こんな目に遭うとは思わなかった。
それでも数分で、ヤブから脱出。
開けた場所から見えたのは、不法投棄された大量の粗大ゴミだった。

この山は西側が崩落している。

この先はヤブをこがすに済んだ。

頂上は低いササに覆われており、やはり山名板はなかった。

でも、眺望はこれまた素晴らしい。

タンカーが白鳥大橋をくぐろうとしている。

地球岬沖にも一隻見えた。

北に見えるのは、これから行く予定の茶臼山。

あそこまではちゃんと刈り込み道が続いているようだ。

エニ山を眺めてから下山開始。

ここから滑落しないようにしなければ。

では、さる山よ、さようなら。

茶臼山の向こうに有珠山(737m)がきれいな稜線を描いている。

さる山全景。

さる山から7分ほどで、茶臼山に到着。

ここには用途不明の施設があったが、やはり山名板はなかった。

このあたりが、おそらく頂上のはず。

さて、ここからどうするかが問題。
刈り込み道は北の方角に続いており、そちらに行くと、潮見公園に戻るにはかなり遠回りになる。
直接、東に下りたいが、崖になっているし、道も見当たらない。
地形図によれば、さる山の先まで戻ると東に下る道があるようなので、そこまで戻ることにした。
ほとんど駆け足で戻る。
しかし該当する地点に着いても、それらしき道はない。
廃道すら見当たらない。
ちょっと予想されたことではあるが、こうなったら是非もない。
余計に遠回りになってしまったが、くねくねと大回りする車道を素直に行くしかない。
車道に戻ると、市街地の展望が開けてきた。

工場が近い。

お寺らしきものも見えた。

道道に出る前のゲート。

ここは、昨年11月、エニ山に来た時、車を停めたところだ。
車道をとぼとぼ歩いて、茶臼山の直下を通過。

茶臼山を出てから20分経過しており、それだけロスしたことになる。

工場を見ながら進み

道道の大きな屈曲点から、左折して輪西町方面にいったん下ることにした。

この方がまた登らないといけないけど距離は断然近い。

最初からそういうルートを考えれば、茶臼山からまっすぐ北に進んでよかったのに。
ちょっと頭が働かなかった。

やっと潮見公園のある山が見えてきた。

時刻は15時半に近くなり、空もすっかり曇ってしまった。

輪西駅を俯瞰しつつ

どんどん高度を下げていく。

霞台町会会館の前をさらに下る。

ここで標高ほぼゼロ㍍になった。

古い町並みだけに、易者などという昔ながらの商売も。

室蘭輪西南郵便局の角を右折し

レトロなアパート二條荘の前を通って

今度は広徳寺の横を登っていく。

お寺の裏に西崎覚流さんの墓。ご住職だろうか。

傾斜地には堅固な石垣。

人口減少が続く室蘭だけあって廃屋も少なくない。

車道は尽きて、最後は階段。

さっきの道道に戻った。

見晴町会を通過。


やはり高台は歩いていて楽しい。

この坂は急すぎて通行止め?

というわけで、やっと潮見公園に到着。

この周回に4時間20分ほどかかった。

これにて本日のハイキングは終了。
当初、予定していたイヨシサンペ山(140m)は登れなかったが、また次回にしよう。
そそくさと伊達温泉に向かった。
【行程】
潮見公園(11:25)~潮見展望台(11:35昼食11:48)~室蘭YH(11:54)~エニ山(12:43)~亀岩(12:57撮影13:06)~トッカリショ浜(13:25)~トッカリショ展望台(13:47)~金屏風(14:00)~さる山(14:40)~茶臼山(14:47)~ゲート(15:03)~輪西南郵便局(15:27)~潮見公園(15:43)
※所要時間:4時間18分(歩行時間:3時間50分)
※登った山:4座(うち新規3座:潮見展望台、さる山、茶臼山)
※歩行距離:12.8km
※累積標高差:約550m
【2020年3月22日(日)】室蘭散歩
潮見公園から1時間半ほどかけて、トッカリショ浜が見える丘までやってきた。

絶景に目を見張っている。

ここはとくに案内板のないところだが、私が撮影しているのを見て、何かあると思ったのか、走ってきた車が停まり、熟年のご夫婦が出てきた。

崖の先端まで行こうとする奥さんを、ご主人が「よせ、よせ」と止めている。

そんなに危険ではないので、ぜひ見てほしかったが、口出しするのは止めておいた。

本当に転落したら、私が恨まれる。
見る角度が変わって尖ってしまった母恋富士(141m)。

あんなところを人が通るわけもないので、やはりあの手のラインは獣道なのだろう。

トッカリショ浜には番屋のような建物がいくつもあるが、かなり荒れている様子がうかがえる。

もう、ここで漁は行われていないのだろうか。

浜に下っていく車道が見える。

浜への道は立入禁止になっていたが、ちょっと失礼させていただいた。

この道からは、例の親子岩が仲良く並んでいるのが見える。

反対側はトッカリショ岬。

この斜面では室蘭漁業婦人部の方が「お魚殖やす植樹活動」を展開しているようだ。

断崖の地層が右下がりに斜めになっているが、親子岩も同じようになっている。

当然と言えば当然だが、ちょっとおもしろい。
車道はまだ続いているが、ここで右折して階段を下る。

実にきれいな斜めの筋だ。

角度は30~40度くらいだろうか。

よくよく見ると、陸地の黒い帯と親子岩の黒い帯が段違いになっている。

これはなかなか興味深い。両者の間に断層があるのだろうか。

振り返って、トッカリショの岬の方は地層がほぼ水平だ。

でも根元の方は傾いている。

どんなからくりになっているのか、専門の方の説明を聞いてみたい。
凝灰岩は浸食しやすいようだ。

このV字谷はどうやってできたのだろう。

削れた土砂がたまっただけだとしたら、下の山が大きすぎるように思えるのだ。

だいぶ下まで下りてきた。

こうして見ると、崖のひだごとに傾斜が違う。実におもしろい。

港の背後は、昭和57年(1982年)の治山工事で固められていた。

海はきれいだが、浜はゴミだらけである。


まわりがこれだけ美しいだけに、ちょっと残念だ。

しかし、本当にこのあたりの白い断崖はドーバー海峡を彷彿とさせる。

行ったことがあるわけではないんだけど。

今朝歩いた鷲別岬もずいぶん遠くなった。

それにしても、この浜は奇跡のような景観に囲まれている。

圧迫感もあるけれど。


この凝灰岩はわりとたくさん礫が混じっている。



浸食の跡もわりと分かりやすい。


これは番屋というより、れっきとした住まいだ。

やはり離村してしまったということなのだろう。

トッカリショ岬の方へ歩いてみた。

巨大な落石がモンスターのように浜に転がっている。

ちょっと不気味ではあるが、海遊びをするには探検気分満点で子どもは喜びそうだ。

断崖を見上げる。

なかなかすごい。

こうなると、本当に探検だ。

この先はさすがに行けないので

引き返すことにしよう。

海水浴の穴場という感じだが、さっき遊泳禁止の看板が出ていた。

親子岩は下から見ても格好いい。

それにしても、この白と黒の差は何なのだろう。

岩は簡単にはがれるみたいで、いずれまた大規模な崩落が起きるに違いない。

さっきの廃屋をちょっと探検。

いつまでお住まいだったのだろう。

ここは車を家に横付けできないので、移動はかなりきつかったと思われる。

こちらはしっかり封鎖されていた。

廃墟の景観としても上々であった。

ただ、このゴミだけが気になった。

うち捨てられたボート。ウニを捕ったのだろうか。

謎の機械。

では階段で上の車道に戻ろう。

廃屋よ、さようなら。

あれは荷揚げのケーブルである。車道が通じていないので、敷設されたのだろう。

断崖にところどころ開いている穴も気になるが、あれは崩落の跡なのかもしれない。

親子岩は、とんがりコーンにも見える。

せっかくなので、荷揚げケーブルのところまでやってきた。


ケーブルの台からの眺め。

何度、撮っても絵になる二人だ。

これは崩落の跡。

それを示すように、上が欠けていた。

先端もよく見ると崩落している。

この景観はきっと、ものすごいスピードで変化しているのだろう。
車道はこのケーブルのところで行き止まり。

今、下って登った階段。

この後、あの144mピークに行ってみよう。

トッカリショ岬の稜線を歩くのは、さすがに無理。

エニ山。

親子岩。

トッカリショの地名はアイヌ語の「トカル・イショ(アザラシの岩)」に由来するそうだ。

これがアザラシに見えたのだろうか。

もしかして、あれがアザラシ?

よく見ると、この断崖は先端部分が割れて、離れている。

やはり、変化のスピードは速そうだ。
トッカリショの展望台まで登ってきた。

ここで標高100mほどある。

ここも国の名勝ピリカノカの一つだ。

(つづく)
【2020年3月22日(日)】室蘭散歩
絵鞆半島の付け根にあたる潮見公園から地球岬に至るトレイルを歩いている。

遊歩道自体は少し内陸寄りに通じているのだが、より海に近いところに踏み跡もあるので極力そちらを歩いた。
すると、こんな撮影台のような岩があるので、乗ってみる。

下を覗くとこんな感じ。

これは、いま歩いてきた道。

絵鞆半島の先端部に近いイヨシサンペ山(140m)と大黒島。

鷲別岬とイタンキ岬はもう飽きるほど写しているが全然飽きない。

海に向かって細長く並行して突き出している姿がおもしろい。
(002)
高原状の草原には、ソーラー畑が広がっていた。

これもシカの道だろう。

今年は雪が少なかったが、例年だと、まだこの時期は夏靴では歩けないのかもしれない。

さっき芋虫と言ったが、軍艦にも見えてきた。

押し寄せる波が美しい。

なんだか芸術的だ。

ほんとはずっと眺めていたい。

縁を歩いているので、時折断崖が見える。


覗き込むのが怖くなる。

象の鼻。

ここはかなりもろそうだ。

あれがトッカリショ。

このトレイルは本当にお薦めだ。

そんなに体力もいらないし、景色が抜群。

ササの丈が低いので、全てが見える。

トッカリショの景観の中で、この二つの岩はとても特徴的で目立つ。
でも、名称があるのかないのか、ネットで検索する限り、まったく手がかりがない。

ふつうなら、親子岩とか夫婦岩なんて名前が付きそうだが、本稿では便宜的に親子岩と呼んでおこう。

この白い岩肌はどうやら凝灰岩のようである。

かなり浸食が激しい。

潮風の仕業だろうか。

それにしても、なんかドーバー海峡みたいだ。

こちらは、名付けて亀岩。

この角度からの眺めはあまり知られていないような気がする。
絵鞆半島外海の景観のうちベスト1はここだろう。

海の色がいつの間にか緑っぽくなっている。

いやあ、たまりません。

これもまた見事な奇観だ。

地球岬じゃないけど、地球が丸く見える。

さすがに、あの先っちょまでは行かなかった。

でも、いろいろと撮りたくなってしまう。


さて、いよいよエニ山(188m)へ最後の登りに差し掛かった。

このあたりは少しササの丈が高く、日陰には雪が残る。

144mのピークから一直線に海に突き刺さっていくトッカリショ。

そして、エニ山はもうすぐそこ。

いきなり、布をかけたような優雅な景観が出現した。

地球岬の展望台も見える。

その向こうに、先週は見えなかった駒ヶ岳(1131m)が浮かぶ。

トッカリショ岬の壁面は白黒のツートンカラーになっている。

ついつい立ち止まって写真を撮ってしまい、なかなか頂上にたどり着かない。

このトレイルはもっと整備して、多くの人が歩けるようにしてもいいのではないか。
荒れるのは望まないが、多くの人に見てほしい。

というわけで、潮見公園から1時間近くかかってエニ山に登頂。

立派な三等三角点も埋め込んであった。

こだが山頂からの眺め。

エニ山周辺は電波塔が林立している。

ソーラー畑があんなに広かったとは。

エニ山には昨年の11月に来たばかりだが、ソーラー畑の記憶は全くない。困ったものだ。

製鉄所と鷲別岳(911m)、カムイヌプリ(750m)。

製鉄所と稀府岳(702m)。

南西の方角に母恋富士(141m)。

噴火湾をはさんで駒ヶ岳。

十分堪能したので、前回歩いた道とつなぐため金屏風に向かう。

もうしばらく、このトレイルを歩くことができる。

海鳥が1列に並んで止まっているのが分かるだろうか。

ここもかなりの奇観を成している。

男性的な断崖と女性的な斜面が混在し、実に美しい。

あれは、後で登る予定のさる山(三角山、約160m)だ。

左上のとんがりは先週登った無名のピーク。

室蘭の外海岸周辺はゴミの「不法投棄禁止」の標識が多い。

測量山(左、199m)とイヨシサンペ山(右)。

このあたりは、ふるさとの森21として整備されているようだ。

断崖の下が見えそうなところがあったので、踏み跡をたどって行ってみた。

真正面にトッカリショ岬の垂直な壁。

トッカリショ岬はまるでナイフのようだ。

その先端。

全容。トッカリショ浜も見える。

仲良く並んだ鷲別岬とイタンキ岬。

絵鞆半島の山の中を縫って走る道道919号線。

ここからは母恋富士がめずらしく富士山らしく見えた。

おやおや、誰かいるぞ。

カメだ。

さっき亀岩を命名してしまったので、こいつは亀石にしよう。

そのカメが日々眺めているのが、このアーティスティックな造形。

その向こうのハゼ2匹も視野に入っている。

北海道百景なるものがあったら、室蘭海岸をベスト3の一つに挙げたい。

ここを見たら、おそらく文句は出ないと思う。

ちなみに日本百景には、北海道から洞爺湖と層雲峡、登別温泉が選ばれている。
そんな手あかのついた観光地ではなく、新日本百景選定の際はぜひ、ここを!

湾入の感じも格好いいので。

最後に、エニ山や鷲別岬なども含めた全景をご覧いただいて、今回はひとまずお別れと致します。

(つづく)
【2020年3月22日(日)】室蘭散歩
イタンキ浜の鳴き砂海岸から数分で潮見公園に着いた。

駐車場に車を停めて、早速歩き出す。
展望台の頂上にあると思っていた三角点が、駐車場の脇にあった。

三角点の標高は43.3m。展望台は70mである。
ここからの眺めがすでに素晴らしい。イタンキ岬である。

展望台への広い道。

右手眼下には、さっき歩いた鳴き砂海岸とビオトープが見える。

この砲弾のようなモニュメントは明治天皇御野立所記念碑。

基壇に埋め込まれた「由緒誌」によると、明治天皇は明治14年(1881年)9月、「北辺未開の地」視察のため来道した折、この地に野立てし、室蘭港の内外を「親しく御眺望あらせられた」のだという。

「この記念すべき聖地を永く後世に伝うべく」、帝国在郷軍人会輪西分会が昭和4年(1929年)5月に記念碑を建立したが、その後「荒廃甚しく」、輪西明治会が昭和43年(1968年)、「開道百年」を機に、記念碑を復元したのだという。
今読むと不適切な表現が散見されるが、歴史資料としての価値はあるかもしれない。
その隣には宮沢少佐遭難記念碑があった。

昭和6年(1931年)6月、樺太調査のため飛行中の偵察機が、濃霧のためイタンキ浜に不時着。このときに殉職した陸軍航空兵の宮沢広治少佐を追悼するため、同12年(1937年)、墜落現場に碑が建立された。
その後の同60年(1985年)、現場の見える現在地に移転したのだという。
ここからは日本製鉄室蘭製鉄所の工場群が間近に見える。

この製鉄所は明治42年(1909年)、北海道炭礦汽船輪西製鐵場として操業を開始した歴史ある工場である。

駐車場方面を振り返る。

ササ原に登山道のようなラインが見えるが、あれは獣道だろう。

白く目立つ施設は室蘭ユースホステル。

眺めているうちに、40年ぶりに泊まってみたくなった。

その左には太平洋が広がる。

潮見展望台へ最後の登り。

右手前方は、さっきうろついてきた鷲別岬やらイタンキ岬やら。

眼下はイタンキ浜。サーファーの姿も確認できた。

5分ほど、潮見展望台に到着。

南西の方角には、これから歩いて行く丘が展開している。

真西の方角は輪西界隈。バイパスの手前に輪西駅の跨線橋が確認できた。

室蘭製鉄所は、炭礦汽船時代から日本製鐵、富士製鐵、新日本製鐵、新日本住金、日本製鉄と何度も名称が変わってきた。

多くの人が馴染み深いのはやはり新日鉄時代だろう。
1970~2009年まで約40年間の長きにわたったからだ。

鳴き砂海岸とビオトープ。

展望台にはかわいい東屋もあった。

こちらは北東の方角、東室蘭方面。

東はイタンキ浜とイタンキ岬。

イタンキ岬は長さが250mほどある。

その左にイタンキ山(手前)と鷲別岬。

鷲別周辺の市街地と窟太郎山(534m)。

その左は四方嶺(549m)。

鷲別岳(左、911m)とカムイヌプリ(右、750m)。

手前の丘は楽山(標高約80m)である。

東室蘭駅周辺のマンション群。

こちらは、ほぼ真北の方角。

高台の向こうに有珠山(737m)が覗く。

ひと通り撮影したので、まだ11時半だが、ここでお昼にする。

おにぎり2つと、今日はデザートにさくらもちプリンを用意した。

太平洋や絶景を眺めながらの贅沢なランチとなった。

10分ほど休んで出発。

5分で駐車場まで下ってきた。残念ながらトイレはまだ冬季閉鎖中。

潮見展望台も、恥ずかしながら「登った山」に数えさえていただいた。

この形を見れば文句はないでしょう。
そして、室蘭YHまでやってきた。

雰囲気的にもう廃業しているのかと思ったら、ちゃんと明かりが付いていた。

YH正面の眺め。なんだか芋虫の群れのようだ。

イタンキ山の斜面が階段状になっているのは、かつて何らかの土地利用があった跡なのだろうか。謎だ。

YHの脇からササ原の中に続くトレイルに入った。

ここはイタンキ山と違って、ちゃんと遊歩道になっている。

右手には工場群が展開している。

左手はこの絶景。

室蘭の魅力は、なんと言っても、この自然と工場の対比というギャップの大きさであろう。

とても日本とは思えない光景だ。

トッカリショ方面の奇観。

波打ち際。

こんな絶景の地に家を建てて住んでいるとはうらやましい。

まさに自然の彫刻だ。

鳴き砂海岸を歩く男性を発見。

砂は鳴いているのだろうか。

また、もう一人発見。

白と青のコントラストが素晴らしい。

このお宅は宿でもやれば、結構流行るのではないだろうか。

「オートバイ、自転車の通行」は禁止という看板が出ていた。

バイクはともかくマウンテンバイクなら走りたくなるだろうなあ。

この眺めだもの。




遠くに白鳥大橋。

トレイルの最初の小さなピークに達した。

その先にまた素晴らしい草原が広がっている。

室蘭にこんなところがあったなんて。

パラグライダーで飛びたくなる気持ちも分かる。

おじいさんも散歩したくなるくらいだ。

近所にこんな道があるなんてうらやましい。

製鉄所のOBだったりするのだろうか。

まだ、ところどころで雪が残っていたが

とくに歩行に支障はなかった。

あのラインは廃道なんかではなく、獣道で間違いない。シカが出没するのだろう。

名付けて、ゴリラ岩。

標高は100mを超えてきた。

工場の景観もなかなか美しい。

バイパスに隠れて見えないが、ちょうどあの下を室蘭本線が走っているはずだ。

(つづく)