【2019年4月10日(水)】室蘭本線
出張のため、札幌からJRを利用して白老駅に到着した。
仕事先は駅の北側にあるので、南口から連絡橋を渡る。

連絡橋からは残雪の樽前山(1041m)がくっきりと見えた。

駅の北側は広大な材木置き場だった。

白老町のマンホール。

モチーフは、白老牛とカニ、サケ、そして竹であった。
こちらは市章だけ。

1時間ほどで仕事を終え、白老駅に向かう。
その途中にあった町中央公民館に近づいてみると、浅利義市・元町長氏の胸像があった。

白老に黒毛和牛を導入したのも浅利氏の業績らしい。

再び、歩道橋を渡る。

これは室蘭方面。

旧国道。白老町のメインストリートだ。

そして白く輝く樽前山。

白老町役場。

2020年の国立アイヌ民族博物館オープンをPRする垂れ幕がかかっていた。

白老はアイヌの町である。

郵便ポストも「イランカラプテ」だ。

歩道には、地元の版画グループ「アカショウビン」が製作した版画の型が埋め込まれていた。

お腹が空いたので、最初に見つけた大町食堂に躊躇なく入る。

いただいたのは、キーマカレーと温玉のセット。500円だった。

全く白老色のないメニューだが、安かったのでよしとしよう。
食後はぶらぶらと旧国道を駅に向かう。

歩道には、いろんな彫刻が置かれていた。これはアイヌの最高神シマフクロウ。

ユニークな外観のスナックアカシア。

以前、来たことがある喫茶休養林。

縄文式土器の彫刻まであった。

駅には12時半前に到着。

列車の時間(12:53)まで、あと30分近くあるので、海まで行ってみることにした。
海岸沿いの国道バイパスを渡り、7分ほどで着いた。

太平洋である。

沖合に小さな灯台が2つ設置されていた。


帰りは、違う道を通る。

白老中学校の隣に別の校舎らしきものが見えてきた。

ささやかな昇降口もある。

白老中学校の旧校舎かなと思ったら

道立白老高校の跡だった。

さっきとは微妙に雰囲気が違うマンホール。

道端に福寿草が咲いていた。もう春なんだなあ。

スペイン料理の店「グラナダ」。ちょっと、よさげ。
次に来る機会があったら、ここを試してみよう。

またまた違うタイプのマンホールを発見。
中央にあるのは、「元気まち運動」のコミュニケーションマークだそうだ。

この形が何を表しているのかは不明だ。
旧国道まで戻ってきた。

あとは寄り道せずに駅へ。

駅前にあった満岡照子の歌碑。

「白老はわが故郷よ駅を出て先ず目にしたしタモの大木」
満岡照子は白老町出身の歌人である。

札幌までの切符を購入して、ホームへ。

ホームの西側では、線路をまたぐ道路橋の建設が進んでいた。

民族共生象徴空間のオープンに合わせたものだろう。
白老駅は1892年(明治25年)8月1日、北海道炭礦鉄道の駅として開業した。

特急すずらんの停車駅である。

跨線橋から見た樽前山。

北西の方向にはホロホロ山(1322m)が望めた。

2面3線の混合ホームである。

連絡橋と樽前山。

1日の平均乗車人員は713人(2017年度)で、近年は増加傾向にあるようだ。

現在の駅舎は1987年(昭和62年)9月1日に完成したものである。

間もなく、私が乗る苫小牧行きの普通列車が入線してきた。

1両編成だが、それなりに乗客が多い。

東室蘭発のようである。

苫小牧までは25分ほど。ボックスシートの通路側でのんびり車窓を見ていた。
苫小牧には定刻通り13:18に到着。
今度は岩見沢行きに乗り換える。

日高本線の車両が連結されていた。

でも、こちらの車両は乗車不能だった。

やっとボックスシートの窓側を確保できた。

室蘭本線の苫小牧~追分の区間は未乗だったので、札幌へは遠回りになるが、あえて室蘭本線で岩見沢まで行くことにしたのである。

千歳線が離れていくのを確認するため、ずっと左手のレールを見ていた。

しかし、つかず離れずでなかなか遠のいていかない。

苫小牧から20分ほどで、やっと分かれていった。

間もなく遠浅駅に停車。駅舎はすでに撮影済みだ。

次の安平駅も撮影済み。

あとは眠くて眠くて、ほとんど寝てしまった。
もったいないが、寝たいときには寝るのが乗り鉄の極意なのだから仕方がない。
苫小牧から1時間24分かけて岩見沢に到着。

ホームには、たくましい農耕馬の木彫が展示されていた。

てっきり、ばんえい競馬の馬だとおもっていたが、勘違いだった。

ここからは、区間快速いしかりライナー手稲行きに乗り換える。

広い構内の向こうにJR岩見沢運転所の建物が見えた。

赤レンガの建物は旧北海道炭礦鉄道岩見沢工場。今もJRの工場として現役らしい。

岩見沢はかつて鉄道の町であった。

札幌に行くには、そのまま乗っていればいいのだが、苗穂駅前の日帰り温泉に寄るつもりなので、江別でいったん下車。

苗穂に停車する、1本後のいしかりライナー小樽行きに乗り換える。

江別駅には立派な連絡橋が整備されていた。

15:49、苗穂駅に到着。

苗穂駅には新駅舎の開業当日にも来たが、すっきりとした近代的な駅である。

旧駅舎はどうなっているのか、確認に行く。

固く閉ざされたままだが、まだ取り壊されてはいなかった。

しかし、駅前交番は完全に撤去され、更地になっていた。

前回は気づかなかったが、駅前の公演にD51の動輪軸が展示されていた。

重さは2360kgもあるそうだ。

カラマツトレイン札幌本店なる鉄道用品店も発見。でも本日は休業のようだった。

というわけで、目的地の苗穂駅前温泉蔵ノ湯に到着。

サラリーマンならまだ勤務時間の平日なのに、随分混んでいる。

まあ、人のことは言えない。

ここは源泉名を上山温泉という。
源泉14.1℃、ph値8.3の弱アルカリ性低張性冷鉱泉である。
料金は銭湯並みの440円。
ゆっくり汗を流して会社に向かった。
(おわり)
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【2018年12月30日(日)】花咲線
2019年3月で廃止となる初田牛駅に到着した。

誰かが下車したが、この人は明らかにテツではない。

でも、待合室に入るということは、迎えの車がまだ着いていなかったということだろうか。
この方々は見るからにテツ。

ここで下りて、折り返しの列車を待つのかしら。
別当賀駅を通過して、再び海が見えてきたが、だんだん薄暗くなってきたので、オートではピントが合わなくなってきた。

落石駅。ここで右側の席が空いたので、体だけ移動した。

風車たち。

実は、暮色が濃くなってきてから、シカの出没が激しい。
よく分からないと思いますが、ここにも何頭か写っています。

列車は何度も警笛を鳴らしており、その度に逃げ惑うシカの姿が見える。
通算にして30頭くらいは見ただろうか。
よく衝突しないで済んだものだと思う。
1回ぶつかると、車両点検や死んだシカの移動などで30分以上停車しないといけない事態になるので、助かった。
昆布盛駅の待合所。

昆布盛駅は単式ホームだけだった。

一応、シカの群れが写っているんですが、分かりますか?


真っ白になった牧場。

これはシカではありません。

西和田駅は撮影できず、東根室駅へ。

どうにか真っ暗になる前にここまでたどり着いた。

ここでも一人下りていった。

16:02、9時間がかりで終点根室駅に到着。

20分遅れで釧路を出発したのに、3分遅れにまで回復していた(定刻だと15:59着)。

かなりスピードを出していたのだろう。
というか、普段はスピードを抑え気味で運行しているということか。
福知山線の事故みたいなことになったら大変だが、規定の範囲内でスピードを出せて、運転士もさぞかし気持ちよかったことだろう。

もちろん、ここで全員が下車。

でも、16:09発で、この列車はすぐに釧路へ折り返す。
その人たちは、あわててまた乗って行った。
はるばる来たぜ、根室へ。

納沙布岬も車石もすでに2回行ったことがあるので、今回は行く予定はない。

根室来訪は1回目が自転車で、2回目が車で、3回目が今回鉄路ということになった。

昔は、このスタンプもよくノートに押していたものだが、いつからか止めてしまった。

顔ハメもしたかったが、まわりには誰もいなかった。

改札口。

記念入場券があったので、これは買った。根室駅と東根室駅で計340円。

さあ、折り返し列車が出発。

いってらっしゃい。

釧路着は18:51の予定である。

改めて、駅名標を撮影。

ホームの端っこまで行くと、こんな看板を発見。

とにかく、みんな最東端にしてしまえ!って感じなのかな。
この奥が線路の尽きるところ。ロマンを感じてしまう。

根室駅の側面。

根室駅の発着はほぼ3時間おきに6往復のみ。

待合室は、広さのわりにイスが少ない気がした。


切符売り場。

なぜか、最も遠くて門静駅までの運賃しか書かれていない。

根室駅の外観。

根室は朝日に一番近い街だ。

駅舎の中にそば処「北然仁」がある。

あすは夜行バスが出るまで、ここで年越しそばを食いながら紅白を見て時間をつぶそう。
まさか、そば屋が大晦日に休むことはあるまい。
駅前にたつ根室市観光インフォメーションセンターの売店はすでに閉店していた。

同じ建物の中にあるバスターミナルの券売所はさすがに開いていた。

では、今宵の宿、根室グランドホテルに向かう。

やはり根室はカニの町だ。

ホテルには10分ほどで到着。

ここまで路面がつるつるでかなり滑った。

大きなエゾシカさんがお出迎え。

チェックインして、宿泊代金を支払う。
じゃらんポイントを使って4200円だった。
エレベーターには観光名所の写真が貼ってあった。

お部屋は4階455号室。
たばこ臭かったので、爆発しない程度に、消臭剤を撒いた。

早速ユニットバスに入って、汗を流す。
ここは温泉ではないが、昨日も一昨日も入っていなかっただけに、とてもさっぱりした。
根室駐在の同僚が18時に迎えに来てくれるというので、その前にロビーに下りておいた。

ゼニガタアザラシというらしい。結構かわいい。

彼が来るまで、ホテル内をあれこれ見学。

北海道三大祭りの一つに数えられる根室・金刀比羅神社例大祭で練り歩く御神輿が展示してあった。

根室十景の写真。

同僚は18時ちょうどにやってきた。
連れて行ってもらったのは、郷土の料理・炉ばた俺ん家。

彼の行きつけの店は日曜日とあってお休みとのことで、定番のこの店しかなかったらしい。

骨董趣味のお店という雰囲気だ。


結構寒かったが、最初は一応ビールをいただいた。

その後は、地酒の北の勝を熱燗で。

酒肴はまずカキの味噌焼き。

カキを味噌で焼いたのは初めてだったが、これが絶妙だった。
大好きなつぶのお造り。

鮭の氷頭のナマス。これも美味。

ホタテの浜焼き。これまた、よだれもん。

このほか、じゃがバターと湯豆腐。いずれも美味しくて、かなり食べてしまった。
楽しく歓談して21時頃お開き。タクシーでホテルに戻った。
すこしだけパソコン作業をしたが、酒もたっぷり入っていたので、10時過ぎには寝てしまった気がする。
あすは7時すぎに出発の予定だ。
(つづく)
【2018年12月30日(日)】花咲線
根室本線を東進中。釧路市の庶路駅を過ぎたところだ。

トイレに行ったついでに、2両目の運転席を見学。

「無接点マスコン」などと書かれていたが、全く意味は分からない。

13:01、大楽毛駅に入線。

ここで何人かの方々が乗ってきた。

駅周辺はわりと新しめの住宅が多い印象だ。

その次は、新大楽毛駅。

だんだん、釧路の市街地に入ってきた。


貨物車が目立つようになってきたら、釧路貨物駅の構内。


貨物駅とほぼ同居している形の新富士駅は、JR東海の新幹線駅と漢字表記も全く同じだった。

駅前にあった富士製紙(現・日本製紙釧路工場)の専用線を分岐させるため、1923年(大正12年)に開業した駅なので、実はこちらの駅の方が断然古い。
ちなみに、新幹線の新富士駅は東海道新幹線の開通(1964年)に遅れること23年、1987年(昭和62年)10月16日に開業した。
すでに、国鉄は分割された後で、会社が違うため、同じ駅名にしても問題なかったのだと思われる。
新釧路川を渡ると

終点、釧路駅は間もなくなので、予めデッキへ。

釧路駅で乗り継ぐ花咲線の座席を確保するため、急がねばならないのだ。

なんと、わが列車は花咲線と離れたホームに入線し、地下道を走らなくてはならなくなった。


13:25発根室行き普通列車(1両編成)に乗り込むと、席はほとんど埋まっていた。

残っていたのは、左側の、窓のない席のみ。
花咲線は観光路線でもあり、今日は帰省客もいるし、1両編成だし、帯広~釧路間の普通列車とはまるで状況が違うということに、今さらながら気づいた。
とにかく、その席を確保し、時間まで撮影に出る。
運転士によると、札幌からの特急スーパーおおぞら3号(釧路着が定刻で13:20)の到着が15分ほど遅れているので、発車は13:40頃になるという。
まだ13:20なので、かなり時間がある。

駅の外に出て、じっくり撮影ができそうだ。
まずは車両を確認、紅白のツートンカラーに塗色されている。

静かに発車を待っているの図。

路線の愛称通り、花吹雪の絵があしらわれている。

車両はキハ54形である。

ちなみに「キ」とは気動車のことを指し、「ハ」は等級で普通車を意味する(「イ」が3等級制以前の1等車、「ロ」はグリーン車)。
キハ54は、国鉄が分割民営化後の「三島会社」(JR北海道、九州、四国)での運行を想定して1986年(昭和61年)に製作した車両である。

ステンレス製の軽量車体を採用し、急勾配や積雪に耐えうるようエンジンを2基搭載するなど、地域の実情に応じた装備が施されている。

台車や変速機・運転台機器等には在来車の部品を再利用し、一部の機器にはバス用の部品を用いて、製作コストを極力下げたそうだ。

ホームに展示してあった太平洋炭礦の海底炭。

海面下600mから採掘したものだという。
ホームの東端に立っていた「湿原の鐘」。

駅前の天然温泉スーパーホテルがホームから見えた。

私が乗ってきた帯広発の普通列車。

その向こうは、もう1両のキハ54車両。

改札を出るため、再び地下通路を歩く。


駅舎側から見た根室行き。右面は赤だ。

駅の外に出た。釧路駅には2011年に来たことがあるので、この動輪には見覚えがある。

駅前にあるタンチョウヅルのモニュメント。

風雪の樹。

当時の釧路鉄道管理局が釧路市緑いっぱい市民運動世話人会から寄贈され,鉄道開通(1872年)100周年と釧路市制50周年を記念して、1972年(昭和47年)9月13日に植樹したものだそうだ。

現在の釧路駅舎は1961年(昭和36年)8月1日に改築された道内で唯一残る民衆駅(駅舎の建設を国鉄と地元が共同で行い、その代わりに商業施設を設けた駅)である。

先代の札幌駅と似たつくりになっており、建設当初は札幌駅と同様、外壁は青だったという。

開業したのは1901年(明治34年)7月20日のこと。

駅前通りの眺め。人口17万人、道東最大の都市である。

民衆駅ならではの、駅舎内の店舗群。


それでは、そろそろ列車に戻りましょう。

この駅は改札と1番ホームがガラス壁で仕切られていた。
さすがに寒いからなのだろう。

駅弁にもそそられたが、ダイエットのため、お昼はパン1個で済ませてしまった。

ホームの向きと直交する方向に掲げられているめずらしい駅名標を発見。

遅れていた特急が到着すると、さらに大勢の乗客が乗ってきて、座れない人が10人以上になってしまった。
にもかかわらず、通路の向こうに座っていた女性客は隣の座席に荷物を置いたまま眠り込んでいる。
誰も、「ここ空いてますか?」と声をかけないので、ずっと彼女は悠々と2席を独占していた。
列車は20分遅れで、13:45に発車。
隣の東釧路駅で7~8人が下りた。

ここは釧網本線との分岐駅である。

武佐駅はホームが右側のみだったので、何も写せず通過。
その次は別保駅。

窓が座席の真横ではなく、かなり前にあるので、とても写しづらい。

どうせ、明日、車で撮影に来るのだから、無理して撮らなくてもいいのだが、ボーっとしていると乗り鉄している気分にならないのだ。

せっかくの花咲線なのに、こんな座席になってしまったことが、かなり悔しい。

上尾幌駅は、こんなふうにしか撮れなかった。

そして尾幌駅。

門静駅が見えてきた。

湿原の展望所のようなイメージの駅舎だが、2003年に建て替えられたものだそうだ。

影富士ならぬ影列車。

厚岸駅。ここから先が未乗車区間になる。

1983年だから35年も前のことになるが、自転車の旅をこの駅で終え、ここから鉄路で札幌まで帰ったのであった。

右手に厚岸湖が見えているが、左側の座席からだと、全然見えない。

また、季節のいい時期に乗りに来ないといけないなあ。

湿原地帯を通過して


14:45、糸魚沢駅に停車。

ここで2人ほど下りた。

普段はほとんど人が利用しないような駅でも、今日は何人かずつ下りていく。
おそらく実家でお正月を過ごす方々なのだろう。
久しぶりに家族が顔を合わす様子を想像して、心が温かくなった。

茶内駅から浜中町に入る。

ここはうれしいことに昔ながらの駅舎が残っていた。

浜中町は「ルパン三世」の作者モンキーパンチ先生のふるさとである。

次は浜中駅。

全く何がなんだか分からないが、姉別駅。

そして厚床駅。

ここでも何人かが下りていった。

次が問題の初田牛駅である。

(つづく)
【2018年12月30日(日)】花咲線
根室本線で根室に向かっている。
さっき、帯広駅で特急から普通列車に乗り換えたところ。
普通列車は2両編成だったので、余裕でボックス席を独占できた。

間もなく、隣の札内駅に到着した。

駅前には十勝地方らしく、馬鈴薯(じゃがいも)の倉庫があった。

次の幕別駅を過ぎると、十勝川を渡る。

やはり道東は雪が少ない。

利別駅は10:52に通過。

駅舎はゆるやかな三角屋根だった。

利別川を渡る。

池田駅。

車窓から、ちょうど池田ワイン城が見えた。

十弗駅を通過して、豊頃駅に到着。

このあたりの駅は5月に撮影済みだ。

南下してきた根室本線が北上に転じる新吉野駅。

その先で、ホクレンのタンクローリーと並走した。

浦幌川を渡ると

浦幌駅。

ホームには赤レンガの小さな倉庫があった。

浦幌の留真温泉も行ってみたいところだ。

駅名標の「あつない」の部分が白くなっているのは、隣の上厚内駅が廃止されて、書き直されたからだ。

上厚内駅の旧駅舎は9月に解体されたとのことで、5月に撮影しておいてよかった。

車窓風景。



駅があるはずのないところで、鉄道関連っぽい建物が見えてきた。

正面に「常豊信号場」という札が掛かっている。
その直後に駅名標が見えて、びっくり。
予測していなかったので、写真は撮り損ねてしまった。
調べてみると、ここは駅だった時期がないにもかかわらず、駅名標がある全国的にも珍しい信号場なのだそうだ。
1966年(昭和41年)9月30日に設置された信号場で、気づかなかったが相対式のホームもあるそうだ。
ここは改めて撮影に来なければなるまい。
11:52、厚内駅に到着。

ここで15分の待ち合わせがあるというので、撮影済みの駅ではあったが、車外に出てみた。

駅舎の反対側に古い洋館が見えたが、あれは何の施設だろう。

跨線橋に登ると、南に太平洋が望めた。

2面3線のホームである。

上りの特急スーパーおおぞらを待っているところ。

実に美しい。

跨線橋を渡って1番線に移動してきた。

厚内駅は1903年(明治36年)12月25日開業の駅である。

無人化されたのは1984年(昭和59年)12月1日のこと。

2011~15年の1日平均乗降人員は10人以下、という調査結果が出ている。

無人化後、駅長事務室を利用して軽食喫茶「海猫」が営業していたが、2000年頃に閉店したそうだ。店舗跡は現在、ドアも窓も板が打ち付けてあった。

島式ホームの2番、3番線。

厚内の地名の由来は諸説あり、アイヌ語の「アプナイ(釣り針・川)」「アックナイ(小獣を捕る川)」が語源とされる。

4本目のレールは打ち止めになっていた。

12:07に発車すると、間もなく車窓に太平洋が広がった。

今日は、天気もよく、波も穏やかだ。

道道1038号(直別共栄線)としばらく並走して

廃止が決まった直別駅に到着した。

1907年(明治40年)10月25日に開業した駅なので、約111年半の歴史に幕を閉じることになる。

駅舎も2003年に新築したばかりだったのに、残念だ。

車窓風景。



次の尺別駅も廃止が決まった。

尺別駅は1962~70年に雄別炭鉱尺別線の起点としても機能していた。

しかし、2011~15年の1日平均乗降人員は1人以下にまで落ち込んでいた。

近くに、2010年夏に公開された映画「ハナミズキ」に主演した紗枝(新垣結衣)の実家として撮影に使用された住宅が、ロケ地として残されている。

再び、海岸線を走る。

音別川は凍結していた。


わりと大きな音別駅に入線。

音別の地名は、アイヌ語の「オムペッ(川尻・塞がる・川)」に由来するとされる。

音別駅を過ぎると、再び海岸線。

今度は波打ち際まで見える。

海岸から離れると、湿原地帯。

右手は馬主来(ぱしくる)沼である。

すっかり冬枯れ状態。

もちろん湿原は氷結していた。

古瀬駅は停車せずに通過。

ここも、いずれ廃止となるのだろう。

12:40、白糠駅に到着。

1901年(明治34年)7月20日に北海道官設鉄道の駅として開業した歴史ある駅である。

1997年10月1日に業務委託駅に移管している。

地名はアイヌ語の「シラル・カ(平磯の岸)」に由来する。

白糠駅を通過。

しばらく市街地を走る。

国道38号と並走して

間もなく、西庶路駅。

1941~64年まで、ここから明治鉱業庶路専用線が分岐していた。

ちょっと保育園のような雰囲気の駅舎だ。

開業は1941年(昭和16年)3月28日。

1984年(昭和59年)12月1日に無人化された。

ここも「ハナミズキ」のロケ地になったそうだ。

大きなお寺の横を通過して。

庶路の市街地に入ってきた。

アパートの廃屋?

庶路駅。

1901年(明治34年)7月20日の開業である。

庶路の地名は、アイヌ語の「ショ・オロ(滝の所)」に由来する。

猛烈に年季の入った駅名標が立っていた。

(つづく)
【2018年12月30日(日)】花咲線
2019年3月16日のJR北海道ダイヤ改正で根室本線の直別駅、尺別駅、初田牛駅が廃止されることになった。
2018年は羽帯駅1駅で済んだが、今回は3駅だ。
直別駅と尺別駅はたまたま今年5月に道東を訪ねる機会があり撮影済みだが、初田牛駅にはまだ行ったことがない。
訪ねるチャンスを探っていたが、まだ全線は乗ったことがない花咲線(根室本線の釧路~根室の区間の愛称)の乗り鉄も含め、この年末に決行することにした。
金曜夜発の夜行バスで根室に行き、土曜日にレンタカーで花咲線の全駅舎を回り根室で1泊。日曜日に、根室駅から札幌までJRで帰るという週末プランを、以前計画したこともあった。
しかし、今回は帰省ラッシュを重なり根室行きの夜行バスは満席。結局、行きをJR、帰りを夜行バスという方針に変更した。
すると、年越しをバスの中でするという無粋なことになるのだが、まあそれも一興と考えることにしよう。
ただ、31日のレンタカー確保が意外に苦労した。
いつも利用するトヨタレンタカーは、大晦日は休業。
もう1軒にも断られ、3軒目のニコニコレンタカー(駅から2kmも離れている)でやっと予約ができた。
とはいえ、大晦日ということもあり、16時までに返却してほしいとのこと。
朝8時に借りて、8時間で19の駅(廃止駅も含む)を回り、東釧路から根室まで引き返すのは困難と思えたが、これはやむを得ない。
レンタカーを扱っているガソリンスタンド自体は17時まで営業しているので、それまで帰ってきてくれればとの言質を取れたのは幸いであった。
というわけで、バスとホテル、レンタカーの予約は完了。
JRはどうせ指定席は取れないと決めつけて、当日の朝、購入することにした。
30日朝はまだ暗い6時前に家を出発。
幌平橋6:11発の始発電車に乗って、札幌駅へ。
指定席が余っていないか、みどりの窓口で一応確認してみたら、やはり満席とのことだったので、自由席の特急券を購入した。
札幌から根室までの片道乗車券8200円、帯広までの自由席特急券2380円、合わせて10580円。


夜行バスは7400円だったので、やはりJRはかなり割高だ。
でも、今回は花咲線に乗るのもミッションの一つだから、とくに気にしない。
これから乗るのは7時ちょうど発の特急スーパーおおぞら1号釧路行きだが、釧路まで特急で行ってしまうのも味気ないので、帯広で各駅に乗り換えることにした。
本当は手前の新得で各駅に乗り換えても、この日のうちに根室にたどり着くことはできるのだが、そうすると帯広での乗り換え時間が4分しかない。
遅延した場合、ちゃんと接続してくれるのかどうか不安だったので、帯広まで特急で行くことにした。
というわけで8番ホームに立ったのは6:25頃。

お隣7番線の6:56発特急オホーツク1号の自由席は長蛇の列だったが、こちらは私の前に10人くらいしか並んでいなかった。
これなら間違いなく座れる。
多分、こちらは自由席が2両あるからかもしれないが、それにしても人が少ない気がした。
寒い中、長時間突っ立っているのは、ちょっときつかったが、我慢我慢。
列車は6:50頃入線してきて、やっと寒さから解放された。

席は、お目当てだった左側の窓際を余裕で確保することができた。
しかも、札幌発の段階で隣は空席のまま。
私にとってはありがたいが、JRとしては帰省ラッシュ時に自由席に空きがあるようでは、問題大ありだろう。

まずは用意してきたおにぎりと旨煮で朝食。

食べ終わったら、ボーっと車窓を見たり、うとうとしたり。
昨夜は11時半くらいまで飲み、何だかんだで寝たのは午前1時を過ぎていたので、基本的に寝不足なのだ。
隣の席には南千歳でやっと、年配のご婦人が乗ってきた。
この特急は停車駅が極端に少ない。
釧路までの間に、新札幌、南千歳、トマム、新得、帯広、池田の6駅にしか停まらない。
それで釧路まで4時間ジャストというダイヤになっている。
トマムで何人かが下りたが、ほとんどの人が帯広か釧路まで行くのだろう。

新得駅には5分ほど遅れて9時頃に到着した。

途中、18年3月で廃止になった羽帯駅を通過。

「ありし日の羽帯駅」と書かれた看板が立っていた。
写真は若干、シャッターのタイミングが遅く、その字は写すことはできなかった。
帯広駅には若干遅れて9:30頃に到着。


次の10:29発釧路行き普通列車まで、待ち合わせ時間が1時間ほどあるので

駅前をぶらついてみることにした。

その前にトイレで体重を少しだけ減らしておいた。
北口の繁華街は3月に出張で来たときに歩いているので、今回は南口を回る。

(ホテル日航ノースランド帯広)

(とかちプラザ)

(帯広市図書館)

(帯広しんきん)

(帯広第一病院)

(帯広警察署西五条交番)
目的のひとつは、天然温泉「たぬきの里」の偵察。ついでに北口の天然温泉のホテルも確認しておくつもりだ。
公園大通を南下。

帯広には十勝バスと拓殖バスが走っている。

十字路にあった旧黒川商店。

5分ほどで、5階建てくらいのビルの上に

「ゆ」「たぬきの里」の文字が見えてきた。

途中にあったラブホ。ネーミングがかなりいじましい。

「たぬきの里」はマンションの2階が入浴施設といった風情で

まだ10時前とあって開店前だった。

ちょっと怪しげな雰囲気ではあるが

ここは帯広周辺に多いモール系の自噴温泉で、泉質は低張性アルカリ性高張泉(アルカリ性単純温泉)。

源泉は42.7℃とのことで、100%源泉かけ流しだそうだ。

(HPより)
入浴は大人440円なので、それほど高くない。
機会があったら、いつか入ってみたい。

隣にあった木造家屋。


向かいの木造家屋は、しゃれたカフェに転用されていた。

カフェの奥はギャラリーになっていた。

窓越しに覗くと、食器などを扱っていた。

それでは「たぬきの里」を後にして、駅へ戻る。

南口の長崎屋。

帯広駅がこの駅舎となったのは1996年のことである。

北口に行く途中、構内には今年のNHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」の番宣パネルが設置されていた。

主演の広瀬すずにはそれほど関心がないのだが

十勝が舞台なので、真面目に見てみようかなと思っている。

北口に出ると、右前方に2軒の天然温泉ホテルが見える。

ホテルの近くに行く前に駅前のモニュメントを確認。

2002年度のグッドデザイン賞を受賞した施設のようだ。

ホテルは帯広駅前のバスターミナルおびくるの向こう側にある。

こちらはプレミアホテルCABIN帯広。

もう1軒は、ふく井ホテル。

これらもモール温泉である。

前回、帯広に泊まった時はここにすればよかった。
駅前にあった彫刻。

十勝の開拓精神を表現したもので、「大地」というタイトルが付いている。

近くにはシカも遊んでいた。

北口のファサード。南口とほとんど変わらない。

気温は比較的暖かく氷点下1℃。

これで散策は終了し、ホームへ。
これから乗る列車は、こちら。

キハ40、2両編成である。

ミラーに写った私と列車。

列車は定刻通り10:29に発車。

早速、札内川を渡る。


間もなく札内駅に到着した。

(つづく)